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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.01 3月9日 カタール

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第1戦カタールGP
■開催日:2008年3月8日(土)予選結果
■開催地:カタール/ロサイル・サーキット(5.380km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:16度 ■路面温度:15度
■PP:J・ロレンゾ(1分53秒927/ヤマハ)

REPORT

ヤマハ勢フロントロウ独占

フィアット・ヤマハ・チームのニューカマーで、全参加ライダー中最年少のJ・ロレンゾが、モトGPデビューレースとなった2008年開幕戦カタール大会の予選でポールポジションを獲得した。デビュー戦でのポールポジション獲得という快挙は、実に10年ぶり。また2位と3位もヤマハ勢が占めており、2002年のザクセンリンク以来のフロントロウ独占。

レースウイーク初日の昨日も大活躍を見せたロレンゾ。今日の第1戦ションも好調をそのままに2位を獲得。そしてその後行われた公式予選では、残り20分のところでミシュランの予選タイヤを装着するとすぐさまトップに躍り出た。この日はまさにルーキーのための夜となり、同じくヤマハ新加入のJ・トーズランドが一時はトップに浮上。しかしロレンゾは最終ラップで1分53秒927の素晴らしいタイムを叩き出し、これまでのポールレコードを1秒以上縮めてポールポジションを獲得した。

チームメイトのV・ロッシは予選で7位を獲得。明日の決勝は3列目からスタートすることが決定した。予選用タイヤでは思ったようにペースが上がらず予選順位を上げることができなかったが、決勝用タイヤを装着すると非常にフィーリングが良く、明日の決勝を前に不安はない。昨日の走行ではグリップ感に悩まされたロッシだが、いくらか気温の上がった今日は、プラクティス・セッションでセッティング面も改善されて3位のタイムを記録。しかし公式予選になると上位に食い込むことができず7位に留まった。明日の決勝では、好スタートを決めてオープニングラップから確実にペースをつかむことで上位争いを狙っていく。

テック3・ヤマハ・チームのトーズランドはモトGPデビュー戦の公式予選で終始、上位をキープ。そして走行開始から19分後には、ディフェンディング・チャンピオンのC・ストーナーをコンマ1秒上回る1分54秒562を記録して、ついにトップに浮上した。しかしその後セッションが残り20分となったところで、同じくヤマハのニューカマー、ロレンゾが逆転トップに立った。トーズランドのベストラップ、1分54秒182は、ロッシが持つ昨年のポールレコードをコンマ9秒上回るものだった。

結局、先週のIRTAテストと同様トーズランドはセッション終盤でロレンゾに逆転された。ロレンゾは1分53秒927のタイムを記録してトップに立ち、トーズランドに0.255秒差をつけた。一方、チームメイトのエドワーズは1分54秒499のタイムで3位を獲得。エドワーズはミシュラン製予選タイヤを履いて、残り17分という時間帯に3位に浮上。2種類の予選タイヤでタイムを更新した。

明日の現地時間23:00、モトGP史上初めてのナイト・レースが開催される。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 J・ロレンゾ Fiat Yamaha Team Yamaha 1'53.927
2 J・トーズランド Tech3 Yamaha Team Yamaha 1'54.182
3 C・エドワーズ Tech3 Yamaha Team Yamaha 1'54.499
4 C・スト―ナー Ducati Marlboro Team Ducati 1'54.733
5 R・ド・ピュニエ LCR Honda MotoGP Honda 1'54.818
6 N・ヘイデン Repsol Honda Team Honda 1'54.880
7 V・ロッシ Fiat Yamaha Team Yamaha 1'55.133
8 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 1'55.170
9 A・ドビツィオーゾ JiR Team Scot MotoGP Honda 1'55.185
10 J・ホプキンス Kawasaki Racing Team Kawasaki 1'55.263
11 C・バーミューレン Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 1'55.540
12 A・デ・アンジェリス San Carlo Honda Gresini Honda 1'55.692
13 L・カピロッシ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 1'56.070
14 T・エリアス Alice Team Ducati 1'56.251
15 中野真矢 San Carlo Honda Gresini Honda 1'56.434
16 M・メランドリ Ducati Marlboro Team Ducati 1'56.730
17 S・ギュントーリ Alice Team Ducati 1'57.198
18 A・ウエスト Kawasaki Racing Team Kawasaki 1'57.445

COMMENT

J・ロレンゾ選手談(予選1位/1分53秒927/22周):

「初めてのグランプリでポールポジションを獲得するというのは、今までは夢の中だけの出来事だった。今もとても信じられない気持ちなんだ!これはヤマハ全体にとってもすごいことで、しかもヤマハの3台がフロントロウを独占したのだから、彼らがこれまでどんなに頑張ってきたかということがよくわかる。今日も僕のYZR-M1はとてもよく走ってくれて、ミシュランの予選タイヤも絶好調だった、と同時に決勝用セッティングでも非常にペースがいい。明日の決勝はもちろん厳しい戦いになるだろう。初めてのグランプリなのだから様々な思いもある。

でもとにかく今はわくわくと楽しみにしていて、明日はベストを尽くすだけ。チームもミシュランも冬の間に素晴らしい仕事をしてくれた。このことに僕は今、心から感謝している。決勝では好スタートを決めて、タイヤがまだ暖まらない1周目にしっかり集中し、そのあとがどうなるか見守りたい。明日はまた別の一日。今はただ、今日の幸せをかみしめて、ヤマハの健闘を祝福したい」

D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談:

「ホルヘも話しているように、今日は我々にとって、まるで夢を見ているようなもの。これ以上、望むことはない、最高の気分だ。ヤマハ、ミシュランと協力して、我々チームも冬の間に本当に頑張ってきた。そしてライダーがそれに応えてモトGPバイクにうまく適応してくれた。チームは彼のために、しっかりとセッティングを行なってきたのだ。今はすべてのスタッフの努力に対して感謝の気持ちでいっぱいだ。今日もミシュランの予選用タイヤは完璧で、同時に決勝用タイヤでもコンスタントにハイペースをキープすることができた。だから明日がとても楽しみなんだ!ここまで懸命の努力をして、こうして我々に競争力の高いマシンを提供してくれたヤマハに感謝する。最高の状態で開幕戦に臨むことができる」

V・ロッシ選手談(予選7番手/1分55秒133/24周):

「前回のテスト結果から、予選を完璧なコンディションで迎えられないだろうという事は分かっていた。その後いくつかモディファイを加えたものの問題を解決するには至らず、フロントロウを狙っていくことはできなかった。それでも今日一日の仕事には満足しているし、また一歩前へ進むことができた。とくにレース・ペースは昨日よりも格段に速くなっている。トップと比較すればまだコンマ数秒遅れているが、さらに微調整を加えて明日は良い状態で走行できると思う。

3列目はちょっと残念だが、ブリヂストン・タイヤは序盤から好調に機能してくれるので、スタートさえうまくやれば上位グループについていくことができるだろう。マシン自体のフィーリングはとてもいい。グリップも昨日よりは良くなっているし、昨シーズンとの比較でも進化していることがわかる。ロレンゾのポールポジション獲得は本当に見事。そしてこのことがマシン性能の高さを明白に証明してくれている。今回は長いシーズンのうちのひとつめに過ぎない。だから僕自身はとてもリラックスしているんだ。ライディング・フィールは素晴らしいし、僕の好み通りに走らせることができる。明日の決勝がどうなるか楽しみだ」

D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談:

「今日はいい仕事ができたと思う。バレンティーノとチームスタッフの全員が一致協力して、昨日の問題点に真剣に取り組んだ。その結果、レース・ペースはかなり速くなったので満足している。その一方で、予選用タイヤを履いたときには依然として課題が多く、そうしたなかでの予選7位は納得できるところだろう。ここがスターティング・ポイントなので、これから先は確実に前進していきたい。ロレンゾのポールポジション獲得と、ヤマハ勢のフロントロウ独占は本当に素晴らしい。面白いシーズンになりそうだ!」

J・トーズランド選手談(予選2位/1分54秒182/21周):

「こんなポジションを獲得することができるなんて思っていなかった。もちろん明日も狙っていくよ!チームのみんなが、短時間の間にモトGPマシンをより速く走らせるための乗り方を教えてくれたんだ。それは素晴らしかった。僕はワールド・スーパーバイクで7年間のキャリアがあり、そのなかで2度チャンピオンを獲得した。そうした環境から飛び出して別の世界へ来ることはギャンブルでもあったが、こうして成功させることができたのは幸運だ。これは僕一人では到底できなかったこと。チームの支えがあってこそ実現できることだ。

テック3チームはこの何年か厳しい状況にあったが、それは決して、チームの代表やメカニックのせいではない。本当に素晴らしいチームだということは、今回こうして、コーリンも揃ってフロントロウに並んだことで証明できたはずだ。エルブ・ポンシャラル以下そのスタッフ全員に、そしてヤマハに心からお礼を言いたい。ヤマハとの仕事は初めてだが、彼らがモトGPに対して注いできた努力をしっかりと見せてもらった。

ミシュランもまた昨年は苦労したが、冬の間に頑張ってここまで上ってきた。今回は3種類の予選タイヤが用意されていて、そのうちのひとつは序盤ですでに試した。先週のテストのときくらいまで湿度が上がるかどうかは分からなかったが、何としても好タイムを出したかった。最も速いペースで行っていたラップはしかし、残念ながら前を数台にふさがれて54秒1。完璧な走りができれば1分53秒台が出ることはわかっていた。残り1分まで僕のゼッケン52がスコアボードのトップにあったが、実際に53秒を出したのはホルヘだった。明日の決勝をとても楽しみにしている。ベストを尽くす」

C・エドワーズ選手談(予選3位/1分54秒499/22周):

「オフシーズンをとても好調にこなすことができた。僕らは本当に頑張って仕事をしてきたんだ。テック3チーム、ヤマハ、そしてミシュランのすべてのスタッフが力の限りの努力をした。どうやってモチベーションをキープするのかと聞かれたことがあるが、僕のために頑張ってくれて、支えてくれる人が周りにいるなら簡単なことだ。そしてここまでみんなで努力してきたおかげで、こうして最高のスタートを切ることができたんだ。

これ以上ないほどの喜びを感じていて、エルブ・ポンシャラルには感謝しきれないほど。彼は本当に素晴らしいチームを育て上げたと思う。この何年かはかなり厳しい状況が続いていたが、常にチームの素晴らしさを表明し続けて、その結果としてこの成功につなげることができたのだ。しかしここで終わりではない。我々は明日、懸命に戦っていかなければならない。ストレートでの劣勢は否定できず厳しいレースになることは間違いないが、数少ないチャンスをしっかりとものにしていきたい。見応えのあるレースになるだろう。たくさんのライトのなかでの走行はとても楽しいんだ。子供の頃のモトクロスを思い出してね」

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