ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.01 3月9日 カタール
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第1戦カタールGP
■開催日:2008年3月7日(金)1日目フリー走行、8日(土)予選、9日(日)決勝
■開催地:カタール/ロサイル
CIRCUIT DATA
■開設:2004年
■コース長:5.380km
■サーキットレコードラップ:1分56秒528(2007年:C・ストーナー)
■サーキットベストラップ:1分55秒002(2007年:V・ロッシ)
■2007年の優勝者:C・ストーナー
REPORT
2008年シーズンいよいよ開幕
フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシとJ・ロレンゾは今週末、カタールはドーハにあるロサイル・インターナショナル・サーキットにおいて開催されるモトGP世界選手権2008シーズン開幕戦に挑む。世界で最も歴史の長いモータースポーツは今年で60周年を迎え、その記念すべき緒戦は、グランプリ史上初めてとなるナイト・レースとなる。ロッシとロレンゾは、モーターサイクル・レース界最高の栄誉を目指して戦っていく。
ロッシはオフシーズンの間に厳しいトレーニングとマシンテストをこなし、2006年まで5年連続で保持してきたチャンピオンの座の奪還を狙っている。ヤマハYZR-M1のエンジンの改良を進めながら、同時に今シーズンから変更されたタイヤメーカーを受け入れていく作業に取り組んできた。カタールのロサイル・サーキットではすでに2度の優勝を成し遂げているが、初めて行われるナイト・レースで今までの努力が実を結ぶことを期待している。タイトルを獲得した5回のシーズンは、いずれもその開幕戦で優勝していることから、今年もそれを再現できれば良い兆候となる。また3位までに入れば、最高峰クラスで初めての表彰台100回達成が実現する。
ロレンゾは同クラス最年少の20歳。250ccクラスチャンピオンのロレンゾは、ここロサイルで過去3年にわたってポールポジションを獲得。そのうちの2回は決勝で優勝を果たしている。またその前年の2004年には125ccクラスでも圧倒的な強さを見せた。この冬には新型800ccマシンを乗りこなし、開幕直前、最後のテストではトップタイムを記録する好調ぶりだ。
モトGPライダーが顔を揃えた2日間のナイト・セッションでは、照明システムのテストも重要な課題のひとつ。250、1,500、2,500ワットのバルブを使用した3,600個ものライトが点灯され、13メガワットのジェネレーターによって合計540万ワットもの電力が作られた。そしてサッカー場70個分の広さのコースを十分に照らすことができた。ライトはそれぞれ、3メートルから36メートルの合計1,000本ものポールに固定され、500kmにも及ぶ長さのワイヤーと30万kgものコンクリートで連結された。
COMMENT
V・ロッシ選手談 -"リラックス&レディ"
「まず初めにナイト・レースについて話すと、この間夜間走行のテストを行って安心した。照明などもとてもしっかりと準備してくれているので、昼間とまったく変わらない感じで走ることができる。最大の問題はやはり気温。夜はとても寒くなるので、とくにタイヤについては難しいこともあるだろう。それでも、こうしてようやく開幕戦を迎えられるのはとても嬉しいこと。昨年のバレンシアからとても長く感じたが、今は新たな挑戦に向かってしっかりと準備ができた。この冬の間、ヤマハが懸命に頑張ってくれたおかげで素晴らしいニューマシンができあがった。もちろんまだ完璧ではなくて、前回のテストを見ても課題はいくつか残っているが、総合的には非常に良い状態にあると自信を持っている。タイヤについても満足している。だから今はとにかく始めたいんだ。これから先には大きな仕事が待っているわけだが、チームもヤマハもそれに立ち向かっていくだけの力を持っている」
J・ロレンゾ選手談 -"ニュー・チャレンジ"
「夜のレースというものがどんなものなのか、この間のテストの前はとてもわくわくしていた。そして実際に走ってみると、期待通りにかなり不思議な感じのものだったんだ!それでもすぐに慣れてきて、昼間と何も変わらない感じで走れるようになった。ただ、どういうわけか‘孤独感'があるので、いつも以上に注意して集中していかなければならない。もうひとつ心配しているのは影のことで、他のライダーのものと混乱してしまいそうだが、これはちょっと面白そうでもある。カタールの最終テストはとても順調で、長かった冬のテストプログラムをこのような形で終えることができたのはとても良かったと思う。バレンシアで初めてM1に乗ったときと比較してみれば、自分でもかなり進歩したのがわかる。決して楽なことではなかったし、これからもまだまだ勉強しなければならないことがたくさんあるが、今の段階で、とても良い状態でシーズンをスタートできる。僕にとっては初めての経験となるわけだから、初めてのレースがどんなことになるのか今は見当もつかない。でもとにかくベストを尽くすだけ。そうすればきっと満足できるだろう」
D・ブリビオ、チームマネージャー談 -"さぁ、スタートだ!"
「照明の問題については、1時間のテストを行ったら慣れてきた。初めての環境にもすぐに適応できたし、すべてが順調だったので夜のレースについてはもう何の心配もない。バレンティーノが言っていたように、我々にとって最大の問題は気温ということになるが、これは誰にとっても同じ条件なのだから、そのなかでとにかく自分たちのベストを尽くすことしかない。冬のテストは全体としてとても順調に進めることができて、バレンティーノはセパンとヘレスで好タイムを記録。テストをする度に期待通りに調子を上げて、タイヤに慣れ、ニューマシンのセッティングを向上させてきた。ただ最後のカタールだけは予想外の問題にぶつかってしまったので、プラクティスの4時間を最大限に利用して解決していかなければならない。すでにアイディアはいくつかあるので必ずうまくいくと信じている。練習はもうこれで終わり。あとはスタートを待つばかりだ」
D・ロマニョーリ、チームマネージャー談 -"エキサイティングなデビュー戦"
「ホルヘは初めてのコンディションに素早く順応し、カタールでは素晴らしい走りを見せてくれた。最終テストでトップタイムを記録できたことは彼にとって大きな自信になっており、最高の形でシーズンを迎えることができるだろう。当然、ここまで来る間に厳しいこともたくさんあったが、彼はその度に全力でぶつかり頑張り続けてきた。カタール・テストでは非常に安定して好調をキープし、レースを想定したテストもうまくいった。MotoGPデビュー戦に向けて確かに準備が整ったのだ。チームの全員が、彼のヤマハ・デビューにわくわくしているんだ」