ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.17 10月21日 マレーシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第17戦マレーシアGP
■開催日:2007年10月19日(金)フリー、20日(土)予選、21日(日)決勝
■開催地:マレーシア/セパン
CIRCUIT DATA
■開設:1956年
■コース長:5.542km
■レコードラップ:2分02秒127(2006年:L・カピロッシ)
■ベストラップ:2分00秒605(2006年:V・ロッシ)
■昨年の優勝者:V・ロッシ
REPORT
優勝を目指して
MotoGP第17戦が今週末、マレーシアはクアラルンプールにあるセパン・インターナショナル・サーキットで開催される。ヤマハはここで、参戦8回中3回優勝と相性が良い。また、1991年にマレーシアで初めてグランプリが開催されたときも、シャーラム・サーキットでJ・コシンスキーがGP500で優勝を果たしている。
昨年のマレーシアGPでもヤマハが優勝。V・ロッシがL・カピロッシとの激しいバトルを制し、自身セパンでの最高峰クラスで4回目となる優勝を成し遂げた。ロッシはもちろん、今回もその再現を狙っている。前回のオーストラリアGPで3位を獲得し、同クラスで自己通算99回目となる表彰台に上っており、今回は前人未到の100回目を目指す。チームメイトのC・エドワーズもまた、ドニントンパーク以来、8戦ぶりの表彰台を狙う。
セパンはコース幅の広いサーキットで、16メートルにもなる部分がある。熱帯の気候による高い路面温度も、常に考慮が必要となる要素だ。全長5.542kmのコースのなかには主なヘアピンが4つもある他、高速でたびたび向き変えが要求されるレイアウト。このため総合的なマシンセットアップのために正確な作業が必要とされる。気温が安定していることから冬の間のマシンテストの会場としては非常に理想的。今年は、そのテスト終了後の2月に路面を新しく舗装しているため、過去のデータがどの程度有効かどうかの判断は、金曜日から始まるフリープラクティスまで待たなければならない。
COMMENT
V・ロッシ選手談 ー “目標は変わっていない”
ロッシはここセパンで、MotoGPを含めて最高峰クラス過去6戦参戦中、そのすべてで表彰台を獲得。そのうちの4回は優勝という見事な成績を残している。ランキング2位獲得を目指す今、前回のオーストラリアではD・ペドロサ(ホンダ)に対するアドバンテージを拡大しており、今回はシーズンをより良い形で締めくくるためにも表彰台の真ん中を狙っていく。
「オーストラリアでは、やれることはすべてやったが、それでもストーナーにはついていくことができなかった。だから今回も目標は変わらいない。もちろん優勝を目指して戦っていく。セパンは好きなコースだし、これまでに何度もいいレースをしてきた。昨年のカピロッシとのバトルは特に忘れられないもので、今回もまたあのような戦いの再現になることを望んでいる。
ヤマハのマシンはここでは、好調に走ってくれるし、テストを何度もしていてたくさんのデータもある。今年の初めからマシンが変わったり、コースも路面が改修されたりしているが、それでも僕らはしっかりとマシンを作り上げていくことができると思う。残りは2戦。その二つとも優勝して、良い形でシーズンを締めくくれるようにするために、できることはすべて全力で取り組んでいくつもり」
C・エドワーズ選手談 ー “決意を持続して”
前回のオーストラリアも残念な結果になってしまったエドワーズは、シーズン開幕前の2月にここセパンで行ったテストのことを思い出している。エドワーズ、ロッシともに、タイヤについて作業を行いながら、それまでの990ccマシンでのラップレコードを更新した。レースではいまだ好結果を得られず10位が最高だが、今回はその流れを変えていくつもりだ。
「フィリップアイランドは9位に終わってしまったが、そこを発つときには、得るものも多かったと思えるようになっていた。もっとひどい結果も考えられる状況だったし、今回でまた多くのことを学ぶことができたからだ。マレーシアにはミシュランが、今までの経験でマシンとコースに合っていたものを持って来てくれるはずなので、これが新しい路面でもうまく走ってくれることを期待したい。オーストラリアで学んだマシンについての成果と、ミシュランのタイヤとがマッチすれば、きっといい走りができると思う。
シーズン前にここで行ったテストで、YZR-M1は非常に好調だった。1シーズンを通じての開発で、ライバルたちがどのくらい良くなっているのか見ていかなければならない。オーストラリアの翌週のレースで、直接マレーシアへいけるのはむしろ良かったと思う。前回の残念な結果についていつまでもくよくよしたくはないからね。シーズン終了までに何とか好結果を残したいという気持ちは依然として変わっていない。セパンはそのための絶好の場所になりそうだ」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談 ー “疑問符がつくが・・・”
ブリビオにとっては忙しい週末になりそうだ。ブリビオは今週早々にサーキットを訪れ、新しくなった路面をチェックした。天気予報によれば雨が予想されており、また今回は、グランプリコミッションが来シーズンからのタイヤに関するレギュレーションについて発表を行うこととなっている。ブリビオはコースの内外で多くのことを考えなければならない。
「2月のテストは非常にうまくいった。しかし、あれから路面が舗装し直されたので、グリップの感覚がどのようになっているのかわからない。これは他のチームも同じことで、以前にテストしたものがどの程度使えるのかは今のところ疑問符が付く。また天気予報を調べてみると、午後は毎日雨が降るとのこと。路面も天気もどうなるかわからないという状況なんだ。
そうした心配を除けば、これまでに我々は多くの好成績を残してきた。バレンティーノは何度も優勝しているので我々としても自信を持っている。また、来シーズンから導入されるタイヤに関するレギュレーションについても、ここで重要な決定がある。詳細が決まればすぐに具体的な開発戦略を考えていかなければならないので、どうなるのか早く聞きたい気持ちでいっぱい。そして来シーズン、より良い形でチャレンジしていけるようにしたいんだ」
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