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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.17 10月21日 マレーシア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第17戦マレーシアGP
■開催日:2007年10月21日(日)決勝結果
■開催地:マレーシア/セパン(5.548km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:32度 ■路面温度:38度
■周回数:21周(116.508km)
■PP:D・ペドロサ(ホンダ/2分01秒877)
■FL:C・ストーナー(ドゥカティ/2分02秒108)

REPORT

ロッシ、決勝は5位でチェッカー

【速報】

第17戦マレーシアGP決勝、フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシは5位、C・エドワーズは10位。テック3・ヤマハ・チームの玉田誠とS・ギュントーリとは18位、19位だった。優勝はC・ストーナー(ドゥカティ)で今季10勝目。

序盤はストーナー、M・メランドリ(ホンダ)、D・ペドロサ(ホンダ)、R・ド・ピュニエ(カワサキ)の4台がトップ集団をつくってレースを展開。予選9番手・3列目からスタートしたロッシは、開始直後は10番手を走行。2周目に7番手まで挽回すると、続く3周目にT・エリアス(ホンダ)を抜いて6番手、さらに5周目にはA・ウエスト(カワサキ)を抜き5番手につける。このとき、ロッシとストーナーの差は4秒。一方のトップグループ4台は、序盤は約1秒の間にひしめく接近戦を展開していたが、中盤以降は各車の差が広がり単独走行に。その中で少しずつストーナーがリードを拡大する。

後半に入って首位ストーナーとロッシの差は5~6秒の膠着状態が続く。その後、ややペースが落ちてきた4番手のド・ピュニエをロッシが追撃。ラスト数周を残し2秒半ほどあった差を、ロッシは最終ラップで約1秒差まで詰めるが及ばず、ド・ピュニエが4位、ロッシは5位でチェッカーを受けた。

【レポート】

ロッシは、予選9位からの厳しい戦いを力強く走り抜いて5位を獲得。チームメイトのエドワーズは予選13位からのスタートで10位となった。

2007年シーズン、最後から2つ目のレースとなる第17戦マレーシアGP。二人はウイーク初日の金曜日から難しい展開を強いられ、総合順位ではエドワーズが14位、ロッシが16位と低迷する。シーズン開幕前にテストを行ったあと路面が新しく舗装し直されたため、フリープラクティス第1セッションは、その感触を確かめることに時間を割いてロッシが7位、エドワーズが15位。午後からの第2セッションは、昼休みの間に雨が降ったためウエットでスタートするが、その後次第に乾いていく難しいコンディションとなった。そのなかでロッシとエドワーズはマシンとタイヤのセットアップに懸命に取り組むが、セッションを通してグリップ不足が解消されず好結果にはつながらなかった。そしてチームには膨大な作業が残された。

土曜日になると雨雲は去り、午前中のフリープラクティスは気温が30度前半、路面状況もゴムがついたことでより安定したなかで行われた。このためラップタイムは上昇。ロッシとエドワーズはともに進歩を見せ、午後からの予選に自信をつないだ。ところが決勝用タイヤのグリップ不足がここでも問題となり、残り15分、予選タイヤでのアタック開始前にはまた順位を下げるという状況。

ロッシは予選タイヤでの1周目で2番手まで浮上。しかしその後、他のライダーが次々に上回り、また2本目でのアタックではミスをおかしたこともあってタイムが伸びず結果は9位、3列目の外側。一方のエドワーズは予選タイヤの2本とも好感触を得られず13位。5列目先頭からのスタートとなった。

日曜日は気温32度、湿度51%の典型的な蒸し暑さとなり、21ラップのレースは、参加全19人のライダーのスタミナを試すものとなった。路面温度も38度と高く、タイヤへの負担も大きな問題となるため、プラクティスでグリップに悩まされてきた二人にとっては楽な展開は期待できない。ところがスタート直前のセッティング変更が功を奏し、とくにロッシは、トップグループと同等のタイムをコンスタントにキープすることとなった。

イエローのシャツを着た大勢のファンが見守るなか、ロッシはスタートで二つ順位を下げたもののすぐにリズムをつかんで挽回を図る。1周目にまずN・ヘイデン(ホンダ)をパスして10番手に上がると、その後はさらに神懸かり的な走りを見せて次の標的、L・カピロッシ(ドゥカティ)、C・バーミューレン(スズキ)、エリアス、ウエストを狙っていくと、この4台をパス。

この時点で前方のド・ピュニエとの差は3秒以上。そこでロッシは、ただひたすら体を伏せ、残り17ラップでその差を埋めようと懸命にプッシュを続ける。そしてレース中で2番目に速い2分02秒303を記録するなど好タイムを連発しながら着実に差を詰めていったが、結局時間が足りず、ド・ピュニエから1秒ほど遅れて5位でゴールした。

エドワーズもまた2周目にA・バロス(ドゥカティ)を、6周目にカピロッシをパスして序盤で順位を上げる。この後グリッドポジションを間違えたペナルティでピットへの「ライドスルー」を強いられたウエストが後方となり、さらに12周目にはヘイデンがコースアウトしたためエドワーズは9番手まで浮上した。そしてこのまま9位をキープできるかに思われたが、ヘイデンが再び追い上げ終盤で逆転され10位となった。

優勝はストーナーで、メランドリとペドロサがこれに続いた。シリーズポイントでロッシはペドロサに24ポイント差をつけているため、最終戦で1ポイント獲得すればランキング2位が決定する。エドワーズはランキング8位をキープした。

テック3・ヤマハ・チームも、難しいコンディションのなかで思うような走りができなかった。プラクティス中の変わりやすい天候と、新たに舗装し直された路面により厳しい展開を強いられ、ギュントーリと玉田はいずれもポイント圏外に留まった。これはシーズンで初めてのことだ。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 C・ストーナー Ducati Marlboro Team Ducati 43'04.405
2 M・メランドリ Honda Gresini Honda 1.701
3 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 2.326
4 R・ド・ピュニエ Kawasaki Racing Team Kawasaki 3.765
5 V・ロッシ FIAT Yamaha Team Yamaha 4.773
6 T・エリアス Honda Gresini Honda 17.667
7 C・バーミューレン Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 20.950
8 J・ホプキンス Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 22.198
9 N・ヘイデン Repsol Honda Team Honda 22.450
10 C・エドワーズ FIAT Yamaha Team Yamaha 29.746
11 L・カピロッシ Ducati Marlboro Team Ducati 34.923
12 A・バロス Pramac d'Antin Ducati 35.667
13 青木 宣篤 Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 44.113
14 C・チェカ Honda LCR Honda 44.486
15 A・ウエスト Kawasaki Racing Team Kawasaki 49.658
18 玉田 誠 Tech3 Yamaha Team Yamaha 59.596
19 S・ギュントーリ Tech3 Yamaha Team Yamaha 1'23.119

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 C・ストーナー Ducati 347
2 V・ロッシ Yamaha 241
3 D・ペドロサ Honda 217
4 M・メランドリ Honda 174
5 J・ホプキンス Suzuki 173
6 C・バーミューレン Suzuki 169
8 C・エドワーズ Yamaha 121
16 S・ギュントーリ Yamaha 45
18 玉田 誠 Yamaha 37

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Ducati 374
2 Honda 288
3 Yamaha 278
4 Suzuki 225
5 Kawasaki 137
6 KR212V 14

COMMENT

V・ロッシ選手談(5位)

「5位という結果はもちろん悔しい。本当は十分な可能性があっただけに残念だし、もしもフロントロウからスタートできていれば、優勝を狙っていけたと思う。でもレース自体にはとても満足している。決勝前に少しモディファイを行って、幸いそれがとてもうまくいったので今までで一番いい走りができた。ペースもとても速く、リズムも良かったのだが、実際のところはきのうの時点ですでに勝敗が決まっていたんだ!

決勝がスタートしてしばらくは、リズムをつかむのに時間がかかった。でも一旦調子が上がってくると、マシンもタイヤも絶好調に走ってくれて、素晴らしいペース。そこでド・プニュエを捕まえにいくとタイムでは僕のほうがちょっとだけ速かったんだけど、その差はわずかコンマ1~2秒だけだったから、3秒の差を詰めるには時間が足りなかったというわけだ。ミシュランタイヤは最後まで良く持ってくれた。このことは次のバレンシアでの励みになる。今シーズン最後のチャンスに、もう一度優勝を狙っていく」

C・エドワーズ選手談(10位)

「スタートで出遅れ、その後いくつかのコーナーもうまくいかなかった。でもその後しばらくしてペースが落ち着くと、何人かパスできたし、プッシュすることもできた。そのうちにバーミューレンとホプキンスが前方に見えてきたので、差を詰めようと懸命にがんばった。でもコンマ8秒まで縮めるのがやっとだった。終盤になると、今週前半で体調を崩したときの感覚に戻ってしまい、力が出なくなった。頭がとっても痛くなってきて、この暑さのせいもあって集中力が続かなくなってしまったんだ。それで最後にヘイデンを抑えることができなかった。今回もまたとても厳しい戦いになってしまったが、それまでの状況を考えれば、もっと悪い事態も十分に想像できたこと。そのなかでここまで戦えるよう懸命に仕事をしてくれたチームのみんなに心から感謝する」

D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談

「バレンティーノは素晴らしい走りを見せてくれた。しかし残念ながら、スターティンググリッドが悪すぎたし、オープニングラップではリズムをつかむまでに少し時間がかかってしまった。今日の彼のペースならば上位争いは十分に可能。でもきのう、一昨日で大きく水を開けられ、それが今日の決勝に大いに影響した。コーリンも今日は大きく一歩前進できて、最後には、彼のグリッドポジションからできることは、すべてやったと言えるだろう。今日は本当にうまくできたと思う。ただ残念だったのは、それを十分な結果につなげられるだけの位置にいなかったということ。次のバレンシアでもう一度トライする。そしていい形でシーズンをしめくくりたい」

玉田誠選手談(18位)

「本当に厳しいレースだった。ウイークを通じて、結局最後まで解決策を探し当てることができなかった。金曜と土曜は最悪の状態。今日の午前中には何かが見えた気がしたのだが、それも結果的にはやっぱり間違っていたようだ。決勝中はグリップレベルがとても低くてどうすることもできなかった」

S・ギュントーリ選手談(19位)

「今日はマシンもタイヤもとても良かったのに、それを結果につなげることができなかった。自分自身に腹が立つんだ。スタートを失敗して出遅れ、2周目にはK・ロバーツにつかまって抜け出せなかった。スタートさえうまくいっていれば、チェカ、中野、その他の何人かとバトルできたのに、そのチャンスを最初の時点で逃してしまったんだ。僕はその後も懸命にプッシュしたけれど、何度もミスしてしまった。とにかく今日はうまく乗れていなかった。しかも頑張れば頑張るほどミスが出てしまった」

H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談

「今回のことは忘れたほうが良さそうだ。レース用セッティングでは、最初から最後までペースをつかむことができなかった。予選は思いの外うまくいったのだが…。今日のことはもう忘れて、バレンシアの最終戦に全力で臨みたい。好成績でシーズンを締めくくるために」

辻幸一談(ヤマハ発動機モトGPグループ)

「ここセパンサーキットは今年の1月、2月にテストを実施。その際は好結果を得ていましたが、それ以降に改修された路面と今週末の天候に翻弄され、ヤマハ勢にとっては非常に厳しいレースとなり、ロッシ選手は5位、コーリン選手が10位。テック3・ヤマハ・チームの玉田選手が18位、ギュントーリ選手が19位という結果となりました。

初日から車体セッティングがうまく進められず、予選結果もロッシ選手9位、コーリン選手13位と中盤からのスタートとなりました。決勝日午前中のウォームアップ走行でようやくセッティングを見つけられ、レースでは2番目に速いラップタイムをマークするものの、中盤からのスタートでは、トップに追いつくのは難しい状況でした。次戦はスペインでの最終戦となります。有終の美を飾りたいと思います。引き続き、皆さんのご支援、ご声援をお願いします」

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