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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.12 8月19日 チェコ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第12戦チェコGP
■開催日:2007年8月19日(日)決勝結果
■開催地:チェコ共和国/ブルノ(5.403km)
■観客数:141,632人
■周回数:22周(118.866km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:35度
■PP:C・ストーナー(ドゥカティ/1分56秒884)
■FL:C・ストーナー(1分58秒301)

REPORT

ロッシ、7位に終わる

【速報】

フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシは7位、C・エドワーズは2周目に転倒してリタイヤ。テック3・ヤマハ・チームのS・ギュントーリは13位、玉田誠は17位だった。優勝はC・ストーナー(ドゥカティ)で今季7勝目。

ポール発進のストーナーは1周目から首位に。2番手にJ・ホプキンス(スズキ)、3番手にN・ヘイデン(ホンダ)が続き序盤からそれぞれ単独走行でレースを展開する。1周目にR・ド・ピュニエ(カワサキ)を抜いて6番手に浮上したロッシは、前を走るL・カピロッシ(ドゥカティ)に迫り、8周目にこれをパスして5番手に浮上。しかし既にこの時点で首位ストーナーから約9秒のビハインドを負ってしまう。

その後、ロッシの後方には、カピロッシ、ド・ピュニエ、C・バーミューレン(スズキ)が続き、ロッシが5番手グループの先頭で後半へ進んでいく。追い上げを試みるロッシだったが、上位陣との差が広がってしまい、逆に後方のバーミューレン、カピロッシに抜かれてしまう。終盤今度はド・ピュニエがロッシをプッシュして迫るが、ロッシはこれを振り切り7位でゴールした。

【レポート】

木々に囲まれた丘にあるブルノサーキット。ここで行われた第12戦チェコGPはフィアット・ヤマハ・チームにとって、決して良い結果とはならなかった。ロッシはレース序盤からトラクション不足に悩まされて7位。エドワーズは2周目に転倒リタイヤとなった。優勝はストーナー。

前回の第11戦ラグナセカのあと夏休みに入り、約1カ月のインターバルのあと開催されたグランプリ。シーズン前半は厳しい戦いとなったが、ロッシとエドワーズは、この1カ月の間にミシュランタイヤとYZR-M1の性能向上が図られていると確信していた。しかしレースウイーク初日の金曜日、フリープラクティスに臨んだ二人はそれぞれ4位と5位。トップのストーナーに約1秒の差をつけられた。その日の午後はマシンセットアップを煮詰めていく作業と、タイヤチョイスの最終決定に向けての準備に取り組んだ。ロッシはこのなかでラップタイムを1秒近く更新。しかしライバルたちもタイムを上げてきたため順位では6位に後退した。一方のエドワーズはトラクションの問題があり13位に留まった。

翌土曜日の朝は、夜間降り続いた雨で気温が下がったこともあり、トラクションについては、前日よりもさらに厳しい状況。午前中の最終フリープラクティスを終えたあとマシンの調整を行い、午後から臨んだ予選では予選タイヤの好調も手伝って二人ともタイムを更新。ロッシが6位、エドワーズが9位の位置を確保した。

決勝日は暖かい太陽に恵まれて気温26度。コースサイドのなだらかな丘には141,632人もの観衆が陣取った。そのなかの数千人は、もちろんイタリアからやってきたロッシのサポーターだ。ロッシはこのコースで、これまでにMotoGP3勝を含む5勝を挙げており、今年もその再現を期待されている。ポールポジションはC・ストーナーで決勝を迎える。

決勝のレッドシグナルが消灯すると、ロッシにはさらに厳しい状況が待っていた。スタートでL・カピロッシに抜かれて順位を下げたあと、その周の終わりにはド・ピュニエを捕らえてまた6番手に浮上。その後方ではエドワーズが順調にレースをスタートしてド・ピュニエを追っていたが、2周目の第4コーナー進入で、ミスをおかして転倒。ふだんは非常に安定した走りを見せるエドワーズが完走を果たせなかったのは、ヤマハ加入後わずかに3度目のことだ。

ロッシは7ラップに渡ってカピロッシの後ろにつけて走行。そしてチャンスをうかがって勝負をかけ、ついに前に出る。この時点ではまだタイヤも順調に暖まっていたが、まもなくするとグリップの問題が再発して後続のカピロッシ、バーミューレン、ド・ピュニエを引き離すことができなくなってしまった。そして12周目、バーミューレンがまずカピロッシをパス、さらに2ラップ後にはロッシも捕らえて5位を確実にした。

レース終盤になるとロッシは自らのライディングスタイルを変えるなど健闘するが、アドバンテージはカピロッシが握っており、16周目に再び先行を許すこととなった。その後さらにド・ピュニエが襲いかかったが、ロッシは全力を振り絞ってこれを抑え込み7位をもぎ取った。

優勝はストーナー。これにJ・ホプキンス(スズキ)とN・ヘイデン(ホンダ)が続いた。あと6戦を残してストーナーとロッシとの差は60ポイントに拡大。エドワーズは93ポイントでランキング7位をキープした。

一方のテック3・ヤマハ・チームは、金曜日のフリープラクティス第1セッションでギュントーリがトップタイムを記録するなど好調。そして土曜日に行われた予選では今季2度目の10位を獲得した。決勝ではロッシを含む4台のグループとの差を詰めていき好成績が期待されたが、このハイペースが裏目に出てタイヤを消耗、最終的には13位となった。チームメイトの玉田は前回のラグナセカで8位と健闘したが、その好調をキープできず17位。

MotoGPは2週間後にサンマリノで開催。ミサノサーキットにグランプリが14年ぶりに帰ってくる。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 C・ストーナー Ducati Marlboro Team Ducati 43'45.810
2 J・ホプキンス Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 7.903
3 N・ヘイデン Repsol Honda Team Honda 13.100
4 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 15.800
5 C・バーミューレン Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 17.303
6 L・カピロッシ Ducati Marlboro Team Ducati 19.363
7 V・ロッシ FIAT Yamaha Team Yamaha 22.485
8 R・ド・ピュニエ Kawasaki Racing Team Kawasaki 23.073
9 A・バロス Pramac d'Antin Ducati 32.292
10 C・チェカ Honda LCR Honda 35.153
11 T・エリアス Honda Gresini Honda 37.748
12 A・ウエスト Kawasaki Racing Team Kawasaki 38.250
13 S・ギュントーリ Tech3 Yamaha Team Yamaha 43.694
14 中野 真矢 Konica Minolta Honda Honda 57.069
15 Ku・ロバーツ Team Roberts KR212V 1'09.603
17 玉田 誠 Tech3 Yamaha Team Yamaha 1'25.804

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 C・ストーナー Ducati 246
2 V・ロッシ Yamaha 186
3 D・ペドロサ Honda 168
4 C・バーミューレン Suzuki 124
5 J・ホプキンス Suzuki 124
6 M・メランドリ Honda 113
7 C・エドワーズ Yamaha 93
16 玉田 誠 Yamaha 31
18 S・ギュントーリ Yamaha 24

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Ducati 258
2 Yamaha 206
3 Honda 206
4 Suzuki 171
5 Kawasaki 82
6 KR212V 13

COMMENT

V・ロッシ選手談(7位)

「難しいレースは予想していた。きのう、一昨日の状況から見て、ここでのポテンシャルは決して高くないことがわかっていたからね。でも実際は思っていたよりも、さらに悪かったんだ! 何とか自分のリズムをキープしようとしたが、7周目か8周目からタイヤの右側がひどくスライドするようになって、その後はスロットルを開けられなくなってしまった。

ウイークを通じてトラクションを追求してきた。タイヤがうまく機能するような方法を探して、セッティングを大幅に変更したんだ。でも残念ながら、決勝では少しもグリップしてくれなかった。しかも最終的に採用したセッティングにより、コーナースピードを犠牲にすることとなってしまった。これも遅かった原因の一つだ。本当に厳しいレースだった。スタート直後は1分59秒台で走れたが、2、3周もするとすぐに大きく後退してしまい、あとはレース終了まで我慢することしかできなかった。

またスタートのところではカピロッシと激しく競り合った。僕のほうが速い場所もあったが、ストレートで引き離されてしまうので、なかなかパスすることができなかった。ようやくパスしても、彼はしっかりと後ろについて離れない。それでもその頃はまだ、全力でプッシュすれば、遅すぎるという状態でもなかったんだ。でもその後タイヤがだめになって、バーミューレンにかわされ、さらにカピロッシにも抜きかえされてしまった。彼らと戦うことができなかったのが、今日は本当に悔しかった。終盤はド・ピュニエを抑えるためにまた、限界までプッシュした。これは何とかやり遂げたけれど、全体的に見れば良いパフォーマンスからはほど遠い走りだった。自分のライディングスタイルを変えてみようとしたが、それもうまくいかなかった。

このあとは2日間のテストがある。今は非常に悪い状況にあり、この他にもいくつかの問題が出てきている。この2日間でできる限りのことをして、今度のレースのために何かしらの答を見つけ出したい。これからどうなっていくのかわからないが、楽なものにならないことは間違いない。今は本当に厳しい状況なんだ。残りは6レース。好成績のために全力を尽くして問題解決に取り組まなければならない」

C・エドワーズ選手談(リタイヤ)

「スタートで一つ順位を上げることができたけれど、その後のフィーリングはあまり良くなかった。新しいスタート方法をトライしていて、とても良かったんだけれど、グリッド上での焦りもあって、クラッチを早く繋いでしまったんだ。それで一度回転が落ちてしまい、そこからもう一度上げていくような状態になった。

でもその後はかなりハードに攻めていった。速く走れるところがいくつか分かっていたので、ド・ピュニエに狙いを定めてしばらく状況を見ることにした。第3コーナーを立ち上がって4コーナーへ進入する時、僕は彼をしっかりと見ていたが、気づくとフロントが切れ込んで地面に投げ出されていたんだ。あんなスピードからの転倒はとても久しぶりで、いつもなら何かしら立て直す方法があるけれど、今日は気温が影響したと思う。そしてたったの2周でこういうことになってしまった。自分がミスをしたことが悔しくて仕方がない。この後のテストで真剣に問題解決に取り組み、次のミサノに臨みたい」

D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談

「今日のことを説明するのに適当な言葉が見つからない。バレンティーノは本当に厳しい戦いになってしまい、我々としてもできる限りのことはしたのだが…。コーリンのほうは残念ながら転倒リタイヤに終わってしまった。今朝のウォームアップのときには良いフィーリングをつかんでいただけに、こちらも大きな落胆だ。

この後はマシンのポテンシャルを上げていくため、そして今のこの状況を改善していくためにまた懸命に取り組んでいくだけ。2日間のテストを行うので、そのなかでいくつかの新しいエンジンパーツと新しいタイヤを試すことにしている。もちろん、我々は決してあきらめない。この2日間にベストを尽くし、次のミサノでもう一度トライする」

S・ギュントーリ選手談(13位)

「ウイークを通じて好調だった。とくに金曜日にはラップタイムでトップを記録することができたし、予選でもロッシからわずかコンマ1秒差。このことはダンロップの予選タイヤが大きく一歩前進したことを証明していると思う。決勝ではリアタイヤについてベストの選択ができた。フロントも何も問題はなく、前方の集団に挑んでいくことができた。ところがレース後半になると、スピンが激しくなってペースが落ちてきた。とくに左側のグリップが落ちてしまった。それでも僕自身は最後までベストを尽くせたので、ライディングには満足だ。

今は次のミサノが楽しみで仕方がない。あそこは各タイヤメーカーにとって条件が公平で、しかも新しいタイヤ規則が助けになってくれる唯一のレースになると思うので、待ちきれない気持ちだ。そして今回の好調をさらに前進させたい」

玉田誠選手談(17位)

「僕にとっては非常に残念な結果。前回のラグナセカでは8位に入ったので、今回ももっと上を狙っていたんだ。タイヤはギュントーリとは違うものをチョイスした。朝のウォームアップではとても好調だったものだが、決勝では状況が変わってしまって、2、3周もするとハードにプッシュすることができなくなってしまった。グリップしてくれないし、リアは至るところでスピンしてしまうので、その後は何とか最後まで走りきることしかできなかった。今回のことは忘れて、次のミサノで、ラグナセカのときと同じような成績と満足を得られるよう頑張りたいと思う」

H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談

「非常にエキサイティングなレースウイークだった。金曜日のフリープラクティスでギュントーリがトップを記録したことは、我々チームにとって大きな意義のあることだった。予選用のセッティングがとても好調だったので、本来ならば5位あたりにつけられたはずだが、実際には予選10位に終わったのが少し残念だ。ギュントーリはウイークを通じて好調だったが、決勝となれば話はまた別。

ギュントーリのフィーリングでタイヤをチョイスし、レース前半ではチェカ、ウエスト、中野、バロス、エリアスをパスするなど絶好調。ところが終盤の5周でリアのグリップがなくなってきてしまった…。本当に残念なことだった。彼はウイークを通じて持っている力のすべてを出して頑張ってくれたが、それが結果にはつながらなかった。レースとはこういうものなのだ。このあと2日間のテストがあり、そのためにダンロップがスリックとウエットをたくさん用意してくれている。次のレースに向けてさらにもう一歩前進したい」

辻幸一談(ヤマハ発動機モトGPグループ)

「MotoGPも夏休みが明け、シーズン後半戦がここチェコGPから始まりました。この休みを利用し、YZR-M1もシャーシ、エンジンに新しいパーツを投入し、戦力アップを図りましたが、期待に応えることができず、フィアット・ヤマハ・チームのロッシ選手が7位、テック3・ヤマハ・チームのギュントーリ選手が13位、玉田選手が17位、コーリン選手はリタイヤという残念な結果となりました。

次戦はロッシ選手の地元ミサノでのグランプリ開催となります。残り6戦となりましたが、最後まであきらめることなく戦いますので、引き続き皆さまのご支援、ご声援をよろしくお願いします」

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