ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.09 6月30日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第9戦オランダGP(TTアッセン)
■開催日:2007年6月28日(木)フリー、29日(金)予選、30日(土)決勝
■開催地:オランダ/アッセン
CIRCUIT DATA
■開設:1955年
■コース長:4.555km
■ラップレコード:1分37秒106(2006年:N・ヘイデン)
■ベストラップ:1分36秒411(2006年:N・ヘイデン)
REPORT
伝統のアッセンへ
雨のドニントンパークからわずか数日、フィアット・ヤマハ・チームは北海を越え、第9戦が行われるオランダへ。このレース名には歴史あるTT(ツーリストトロフィー)の名がつけられ「ダッチTT」となっており、今年2007年は第77回目を迎える。
V・ロッシは現在、ランキングトップのC・ストーナー(ドゥカティ)を26ポイント差で追っており、残り10戦となったこの時期、チャンピオン獲得のためには激しいバトルが必至という状況だ。一方このところ3戦のうち2戦で雨に見舞われているが、ロッシはムジェロのドライコンディションで優勝を果たしていることもあり、今回も好天を期待している。そして、これまでに最高峰クラスでの3勝を含め通算5勝を挙げてきたアッセンで、YZR-M1とミシュランタイヤをさらに進化させていきたいところ。
チームメイトのC・エドワーズもまた、ここアッセンでの優勝経験者。スーパーバイク時代には、チャンピオンを獲得した2002年のダブルウインを含めて3回の優勝を果たしている。昨年は最終シケインまでN・ヘイデン(ホンダ)を抑えてトップを走行しながら、最後の瞬間、グランプリで初めての転倒リタイヤを喫した。
アムステルダムとドイツブレーメンのほぼ中間に位置するアッセンは、1949年の世界選手権開始から今も残っている唯一の開催地で、最も歴史のあるGPコースである。昨年はコース改修が行われてレイアウトが変更されたが、MotoGPコースのなかでも最もテクニカルで、また非常に体力を要求されるその特徴は変わっていない。ストレートの部分が少なく、高速シケインやアップダウンに対応するためのハンドリングが鍵を握る
COMMENT
V・ロッシ選手談 ー “伝説の地”
先週日曜日のドニントンパーク決勝からわずか4日、今週木曜日に始まるアッセンのフリープラクティスを待ちきれないロッシ。ウエットタイヤを装着しながら路面が次第に乾いていく難しいコンディションに苦しめられたロッシは、決勝後にヤマハ、ミシュランのエンジニアと数時間に渡って話し合い、一つの確かな改善策を導き出した。
「ドニントンの後は悔しい気持ちでいっぱいだったけど、みんなで話し合って、問題がどこにあったのかがわかったんだ。だから、間をおかずにまたすぐに走れるのはうれしいよ。ドニントンは大好きなコースで、今までも多くの好成績を残してきた場所なのに、そこで4位になってしまったことは本当に悔しかった。そのことを早く忘れるためのいいチャンスだ。
アッセンも好きなコースの一つ。去年はあそこで怪我をしてしまったので、今年は雪辱を果たしたい。でもコース改修が行われてレイアウトも変更され、楽しいところがなくなってしまったのはとても残念なんだ。そうは言っても依然として伝説の地であることに変わりはなく、その雰囲気やファンの素晴らしさは残っている。見にきてくれるファンのためにもいいレースがしたい」
C・エドワーズ選手談 ー “最高、そして最悪の思い出”
ロッシ同様、エドワーズもまた好成績を目指して臨む。昨年の苦い思い出は、彼の頭のなかにも未だに鮮明だ。このところ不運が続いていたエドワーズは、5戦でわずかに19ポイントと厳しい状況におかれていたが、前回のドニントンでは本来の実力を発揮。ポールポジションから2位を獲得して、ようやく表彰台に返り咲いた。今回はさらにその上、真ん中の位置を狙う。
「不思議なめぐりあわせだと思うよ。だってアッセンという場所は僕にとって、一番いい思い出であると同時に一番嫌な思い出でもあるんだから。昨年は、どうしても勝っておかなければならなかったところなのにニッキーに人生最大のプレゼントをしてしまった。コースは大好きで良くわかっているし、スーパーバイクでは何度も優勝している。またファンも素晴らしくて、大勢が“テキサス・トルネード”と書いたTシャツや旗で、コース脇から応援してくれるんだ。大きな励みになるよ。
前回のドニントンではいい仕事ができたし、ほんの限られた時間のなかでドライとウエット両方のセッティングを詰めることができたことで自信がついた。このところのトラブルを解決し、また表彰台に上ることができたのでとてもうれしいんだ。これからはひたすら前を見て走り続けるだけ。去年のアッセンの悲劇を心のなかから取り除けるように、そして数週間後に迫ったホームレースのラグナセカに向けて好調をキープしていきたい」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談 ー “素晴らしいサーキット”
ブリビオは、チャンピオンシップのなかではどんなことも起こりうるのだと主張する。ストーナーとの間には1回の優勝分よりも多いポイント差ができているが、挽回は当然可能である。8戦を終了して残りは10戦。ロッシとそのスタッフたちは、この非常に重要な時期に志気を高めている。
「チーム全体が、強いモチベーションをもって次のアッセンに向かっている。とくにバレンティーノはアッセンで非常に厳しい戦いを強いられたので、今回は何としても前進し、本来の実力を発揮して埋め合わせをしたいのだ。決勝日の夜、ミーティングを開き、より確かな解決策を求めて長時間の話し合いも行った。
コーリンは、昨年ここで優勝目前のところまでいっている。前回のドニントンでは表彰台に復活して調子を取り戻してきているので、良い状態で臨めるだろう。シーズンはほぼ半分が終了したところ。すべてが計画通りに運んでいるとは言えないが、先はまだ長い。どんなことも起こりえるのだから、我々としてはただひたすら戦い続けるだけ」
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