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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.07 6月10日 カタルニア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第7戦カタルニアGP
■開催日:2007年6月10日(日)決勝結果
■開催地:スペイン/カタルニア(4.727km)
■観客数:112,600人
■コースコンディション:ドライ
■気温:31度 ■路面温度:43度
■PP:V・ロッシ(ヤマハ/1分41秒840)
■FL:J・ホプキンス(スズキ/1分43秒252)

REPORT

白熱戦の末、ロッシが2位表彰台を獲得!

【速報】

C・ストーナー(ドゥカティ)、フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシ、D・ペドロサ(ホンダ)の3選手による白熱したトップ争いが最後まで展開され、ストーナーが0.069秒差でロッシを振り切り優勝。ロッシは2位、ペドロサが3位となった。ロッシのチームメイトのC・エドワーズは10位。

決勝はストーナーのホールショットで開始。しかしペドロサがすぐ首位に浮上し、これにストーナー、J・ホプキンス(スズキ)、ロッシ、T・エリアス(ホンダ)、R・ド・ピュニエ(カワサキ)、エドワーズが続く。2周目終了時には、ロッシがホプキンスを抜いて3番手に、トップも入れ替わりストーナー、ペドロサの順となる。ロッシは二人からわずかに間隔をおき、二人のラインがきっちり見える位置につけて様子をうかがうが、やや後退し始めたペドロサを11周目にかわして2番手に浮上する。その後、この3人にホプキンスが加わり4人のグループとなるが、後半に入るとホプキンスは遅れ、トップ争いは再び3人に絞られる。

その後もストーナーが先頭をキープしていたが、ついに18周目、ロッシがトップに立つ。しかしリードを広げようとするもその差は変わらず、ストレートで優位なストーナーと、コーナリングで優位なロッシは、何度も順位を入れ替えるバトルを展開。さらにすぐ後方にペドロサも追随し、ワンミスで順位が入れ替わる緊迫した戦いが続く。

22周目に入り、トップに立ったロッシは、しばらくポジションを守るが、ラスト2周(24周目)に入る第1コーナーで、またも順位が入れ替わりストーナーがトップに。そしてこの後はストーナー、ロッシ、ペドロサが約0.3秒以内という文字通りテール・トゥ・ノーズのトップ争いとなり、今季最高の接近戦のまま最終ラップを迎える。ラインがクロスし今にもマシンが接触しそうな激しい戦いは、ストーナーがロッシの追撃を抑えて優勝、ロッシは追い上げ及ばず僅差の2位となった。

エドワーズはスタート直後は7番手、その後8番手につけるが徐々に後退し10位。テック3・ヤマハ・チームの玉田誠とS・ギュントーリはそれぞれ12位、14位でヤマハ選手全員がポイントを獲得した。

【レポート】

ロッシは、終盤の数周でストーナーと熾烈なバトルを展開。最終的には0.069秒届かず2位となった。チームメイトのエドワーズは終始グリップ不足に悩まされ、予選グリッド6位から順位を下げて10位でレースを終えた。

ロッシは今季4度目のポールポジション。エドワーズもコンマ4秒差の6位で2列目外側の位置を確保した。土曜日午前中のフリープラクティスでは、二人とも順調にセットアップを進めていたが、午後になると次第に気温が上がり、路面温度は44度まで上昇。決勝でも同じようなコンディションが予想されたため、照りつけるスペインの太陽の下、セッション前半でレース用セッティングの仕上げに取り組んだ。

予選の残り8分、ロッシは1本目の予選タイヤを装着して1分41秒840のポールタイムを記録。同時に昨年自らが記録したポールレコードを更新した。一方のエドワーズは一時3番手まで上がったものの、終盤で逆転され6位に後退した。

天気予報通りに決勝日も好天に恵まれ、路面温度は43度。そして気温は30度を越える日差しのなかで、112,600人もの大観衆がレースの行方を見守った。このコースで9度目の優勝を目指すロッシは、同時に昨年のもてぎ以来、誰も成功していないポール・トゥ・フィニッシュを狙ってグリッドについた。シグナルがグリーンに変わると、まずペドロサが飛び出してホールショット。これにストーナー、ホプキンスが続き、ロッシは4番手。挽回を強いられたロッシは、まずホプキンスと何度も順位を入れ替えながらバトルを展開。3周目にようやく突き放し、そこからペドロサ、ストーナーを追いかける。

3台になったトップ争いが8ラップほど続いた後、ロッシは第1コーナー進入のブレーキングでしかけてペドロサをパス。地元のヒーローを抜き去ったこの瞬間、イタリアからのファンも多いグランドスタンドからは大歓声が上がる。まもなくロッシはトップのストーナーに仕掛けるチャンスを狙っていき、18周目の終わりで、ついにこれをパスしてトップに出るが、次のラップでまた抜き返されてしまう。

そこから二人はテール・トゥ・ノーズの激しいバトルを繰り広げることとなり、さらにはこれにペドロサも加わって、コースの至るところで順位を入れ替える見応えある戦い。そして残り6周、最終コーナー進入でストーナーのインに飛び込みラインをキープして見せたロッシ。最終ラップでの逆転を狙うロッシにとっては、これがそのリハーサルでもあった。しかし残り1周を前にストレートで伸びるストーナーがアドバンテージを握り、そのまま各コーナーでロッシを抑え込んで走りきった。ロッシは懸命の追撃もかなわず0.069秒差で2位。ペドロサがやや遅れて3位でゴールした。

一方、エドワーズは序盤からスライドが激しく、6周目までにエリアス、メランドリ(ホンダ)、L・カピロッシ(ドゥカティ)、N・ヘイデン(ホンダ)、A・バロス(ドゥカティ)、C・バーミューレン(スズキ)に抜かれて12番手に後退。終盤で唯一、ヘイデンを追い詰めてパス。さらにはエリアスが15周目にリタイヤしたため、エドワーズは10位に上がり6ポイントを獲得した。20ポイントを加算したロッシは、ストーナーに14ポイント差のランキング2位。エドワーズは10位をキープしている。

玉田とギュントーリはそれぞれ12位と14位。二人は前回のイタリアGPから投入された16インチのフロントタイヤを今回も装着。ダンロップはリアタイヤも多くの選択肢を用意しており、性能、耐久性の向上を印象づけた。イタリア、スペインと2連戦の後、次回の第8戦は1週あけてイギリスはドニントンで開催される。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 C・ストーナー Ducati Marlboro Team Ducati 43'16.907
2 V・ロッシ FIAT Yamaha Team Yamaha 0.069
3 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 0.390
4 J・ホプキンス Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 7.814
5 R・ド・ピュニエ Kawasaki Racing Team Kawasaki 17.853
6 L・カピロッシ Ducati Marlboro Team Ducati 19.409
7 C・バーミューレン Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 19.495
8 A・バロス Pramac d'Antin Ducati 24.862
9 M・メランドリ Honda Gresini Honda 24.963
10 C・エドワーズ FIAT Yamaha Team Yamaha 35.348
11 N・ヘイデン Repsol Honda Team Honda 36.301
12 玉田 誠 Tech3 Yamaha Team Yamaha 38.720
13 A・ホフマン Pramac d'Antin Ducati 40.934
14 S・ギュントーリ Tech3 Yamaha Team Yamaha 44.399
15 中野 真矢 Konica Minolta Honda Honda 54.103

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 C・ストーナー Ducati 140
2 V・ロッシ Yamaha 126
3 D・ペドロサ Honda 98
4 M・メランドリ Honda 75
5 C・バーミューレン Suzuki 72
6 J・ホプキンス Suzuki 72
10 C・エドワーズ Yamaha 45
16 玉田 誠 Yamaha 16
17 S・ギュントーリ Yamaha 16

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Ducati 143
2 Yamaha 126
3 Honda 125
4 Suzuki 95
5 Kawasaki 39
6 KR212V 4

COMMENT

V・ロッシ選手談(2位)

「なんというレース! 勝てなかったことは悔しいけれど、こんなに素晴らしいレースができたことに感動だよ。最後のほうはコースの至るところで何度も何度も抜き合いになって、信じられないようないいバトルだった。不運だったのはスタートでちょっと出遅れてしまったこと。ホプキンスはブレーキングが良かったから、なかなか抜けなくて、時間をとってしまったんだ。その後がストーナー。これが本当にいい戦いで、僕としてもこれ以上ハードに攻めることはできなかった。振り返れば、もっとうまく走れたところもあったはず。ストレートだけじゃなくて、いくつかのコーナーもね。でもとてもいい経験になったし、今後、前進を続けていくために必要なものも見えた。ヤマハとミシュランが力を尽くしてくれていて、その結果で今日のようなレースができるんだ。ここではこれまで何度も勝っているので、もちろん今日も勝ちたかったけれど、さっきも言ったように今日はこれ以上は無理だったよ。今日のストーナーは神がかっていた。素晴らしいライバルを祝福したい」

C・エドワーズ選手談(10位)

「どうすることもできなかった。最初からリアのグリップがなく、まったくリズムに乗れなかった。フロントに荷重をかけることができないし、思うようにコーナリングできなかった。今回は基本セッティング、スプリング、イニシャル荷重など考えられるものはすべて変更し、あらゆることをやってみた。それでも問題を解決することが出来なかったんだ。予選は悪くなかったが今日は本当に手も足も出なかった。明日はテストを行うので問題の奥底を探るつもり。このあとは好きなコースが続くので調子を取り戻していきたい」

D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談

「こんなに感動的なレースをして、バレンティーノがあんなに素晴らしい走りを見せてくれたのに、結局は勝てなかったというのはやはり複雑な気持ちだ。三人のバトルは信じられないくらいに見事で誰もが感動したが、今日はストーナーが強く、バレンティーノも本当に全力を尽くしたが届かなかった。ポイント争いも激しくなってきているが、まだシーズンは半ば。しかもトップとの差はわずか14ポイントだ。我々チームとしては、バレンティーノが今日のような走りを続けていけるよう、そして優勝できるように、毎回、マシンを最高の状態に作り上げることだ。コーリンは本当に厳しい戦いになったが、この後の2戦は彼と相性がいいので期待している。予選での好調を決勝でも発揮できるようにするために、データを分析し、マシン作りに役立てていきたい。戦い続けるのみだ!」

玉田誠選手談(12位)

「今シーズンで一番いいレースができた。世界チャンピオンのヘイデンや同じヤマハに乗るエドワーズに近づけたからね。中盤でちょっとチャターが出てしまったが、もしもこれがなかったら二人をパスできて、もっと順位が上がったんじゃないかと思う。タイヤの感じにはとても満足していて、ダンロップは今回も新製品を持って来てくれた。16インチのフロントと新しいリアタイヤは、どちらもとても良く走ってくれる。最初から最後までほとんどずっとグリップが落ちなかったし、スピンの状態も変わらなかった。こんなに暑いなかでここまで出来たことは、とても良かったと思う。常に前進できている」

S・ギュントーリ選手談(14位)

「今回も三日間を通じて前進できてとても良かった。このコースが好きだし、予選も順調で、決勝でもまたポイントを獲ることができた。MotoGP最初のシーズンでここまでできていることは大きな自信になっているんだ。スタートはあまりうまくいかなかったけれど、その後は最後までハードに攻め続けた。最初の10周はリズムも最高。中盤になると少しチャターが出たりして苦労もしたが、これは16インチに変えたことから十分に予期出来たことだ。ペースはとても良くて、コーリンから大きく離されるなかったのは良かったが、その後は転倒のリスクを恐れ抑えて走ってしまったのが自分では残念だ。今回は投入されたタイヤを全部テストしたわけではなかったし、テストしたものもそれぞれ8周から10周だけで決定しなければならなかった。そう考えれば今日の結果は十分に喜んでいいと思う。次のドニントンは、今近自宅が近いこともありもう一つのホームレースみたいなものなので、とても楽しみにしている」

H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談

「今回もチームとして良い仕事ができた。毎回同じことを言っているようだが、本当に走るたびに強くなってきているんだ。予選も良かったし、決勝も二人ともよく頑張った。シルバンは序盤からとても積極的で、ラップタイムも良かった。その後チャターの問題が出てしまったようだ。レース後半はエドワーズやヘイデンとバトルを展開。このときにもしもトラブルが出ていなかったら、彼らをパスできたと思っている。今はマシン、タイヤがそろって常に前進を続けられている。今シーズンは800ccマシンがどれも良くなっているので以前よりも戦いは厳しいが、我々としても他のファクトリーマシンと競り合い、いくつかは勝ちたいと思う。入されたニュータイヤとの相性も良さそうなドニントン、アッセンを楽しみにしている」

辻幸一談(ヤマハ発動機モトGPグループ)

「前戦のイタリアGPに引き続き、連続を狙っていたレースでしたが、ストーナー選手との激戦の末、僅差でロッシ選手が2位となりました。チームメイトのコーリン選手は10位、テック3・ヤマハ・チームの玉田選手は12位、ギュントーリ選手は14位とヤマハライダー全員がポイントを獲得しています。

今シーズンで最も気温、路面温度が上昇し、ライダー、マシン、タイヤにとって非常に過酷な条件下でのレースとなりました。このようななかでも、マシンの信頼性には確固たる自信がありましたし、ライダーもマシンのポテンシャルを最大限引き出してくれました。結果は2位と非常に悔しいですが、レースを通じて我々が取り組むべき課題も明確になりました。テック3・ヤマハ・チームは今回のレースから新しいリアタイヤを使用し、非常にポジティブな結果を得られたことで、今後よりいっそうの飛躍が期待できます。次戦はイギリスでのレースとなります。引き続き皆さんのご支援、ご声援をお願いします」

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