ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 5月20日 フランス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第5戦フランスGP
■開催日:2007年5月18日(金)フリー、19日(土)予選、20日(日)決勝
■開催地:フランス/ル・マン
CIRCUIT DATA
■開設:1965年
■コース長:4.180km
■ラップレコード:1分35秒087(2006年:V・ロッシ)
■ベストラップ :1分33秒990(2006年:D・ペドロサ)
■2006年の優勝者:M・メランドリ
REPORT
フランスGPへ向けて
MotoGP世界選手権は東洋での戦いを終え、今週末再びヨーロッパへと戻ってくる。フィアット・ヤマハ・チームにとっても、より親しみのある場所だ。前回の中国GPではV・ロッシが2位獲得、C・エドワーズはタイヤトラブルで10位と明暗が分かれたが、第5戦フランスGPを前に、二人とも非常に前向きに好成績を目指している。
フランスGPは、チームのタイヤ供給メーカーであるミシュランのホームレース。ミシュランは1991年以来、ここル・マンで開催された最高峰クラスのレースで毎回、優勝を果たしてきた。2005年の優勝もその一つで、ロッシがヤマハに乗り実現したもの。このときはチームメイトのエドワーズも3位を獲得し、そろって表彰台に上っている。そしてこの3位はエドワーズにとって、ヤマハ加入後初めての表彰台でもあった。またロッシはこれまでに94回の表彰台を獲得しているが、そのうちの5回がル・マンでのもの。M・ドゥーハンが唯一、これを上回る記録を持っているが、今回ロッシが95回目を達成すればトップタイで並ぶことになる。
伝統のブガッティ・サーキットで初めてグランプリが開催されたのは1969年。以来、断続的に同大会が開催されてきたが、ここ7年間は連続してGP開催地となっている。コースの特徴は典型的なストップ&ゴーで、今年の開催地のなかで最高速のコーナーとなる第1コーナーは難関。そしてそれに続くタイトなシケインでは、大きくマシンを傾けた状態でハードブレーキングを行うことになる。この他にはいくつかの短いストレートがあり、これらをヘアピンやシケインがつないでおり、ハードに繰り返されるブレーキングでのバランスとコントロールが要求される。それだけでなく、コーナー立ち上がりでは、フルブレーキからフル加速へ移る素早い動きが重要になる。その上9つの右コーナーに対して左コーナーは4つしかなく、タイヤの片側だけに負担のかかるコースでもある。
COMMENT
V・ロッシ選手談 ー “もう一度好成績を目指して”
前回の中国GPで2位を獲得して昨年のタイヤトラブルの悪夢を振り払ったロッシは、ここでもう一つ好成績を挙げておきたいところ。昨年のフランスGPではエンジントラブルで勝利を逃していることもあり、また今シーズンの戦いを有利にするためにもシーズン序盤のこの時期に確かな手応えをつかみたい。
「昨年のル・マンは、勝てるはずだったのにトラブルで駄目になってしまった。今回はここで確実にポイントを加算しておきたいんだ。今年は去年とは状況が全然違う。僕自身も意欲満々でレースをとても楽しみにしているよ。マシンも、昨年のトラブルを除けば、ここル・マンでは常に好調だったしね。ヨーロッパに戻って来ることができてうれしいし、これからの数戦はどれも好きなコースでこれまでの成績もいい。2カ月の間に7レースを行うことになるので、ちょっと大変だけれど、この期間がシリーズ戦のなかで最も重要なものなので準備万端整えて臨みたい。
中国ではもっと苦戦することが予想されていたんだけれど、実際には予選、決勝ともにマシンがとても良く走ってくれた。このことはとても大きな励みになっている。僕らのマシンは本当に素晴らしいよ。トップスピードではいくらか不足するところもあるが、これはこれからの数戦では特に問題にはならないだろう。僕らは今、絶好調なんだ」
C・エドワーズ選手談 ー “3度目の正直?”
アメリカへ戻り束の間の休息をとったエドワーズ。ここ2戦は不運が続いたが、これを何とか払拭すべくこれからのヨーロッパラウンドに臨む。イスタンブールでは1周目のコースアウト、上海ではタイヤトラブルに見舞われて残念な結果に終わった。再びヨーロッパラウンドに入るここから、気分を変え表彰台を目指したいところだ。
「中国ではマシンがとても良く走ってくれて予選までは非常に好調だったので大いに期待したが、結果的に力を出し切れず悔しい思いをした。僕らのマシンが最高だと心から信じているので、ル・マンでは何とかそのことを証明したい。このコースでは必ず良い走りができると思うので、また表彰台を狙っていくよ。中国ではタイヤをミスしてしまったが、ル・マンはミシュランのホームグラウンドでもあるので助けになってくれるはずだ。
これからの数戦は、例年のことだがとても忙しくて、そして最も重要なもの。そしてその後には、僕にとっての最も大きなレース、ラグナセカが待っているので、そこに向けてしっかりと準備を整えていきたいんだ。ラグナセカまでに何度か表彰台に上ること、そしてポイントを獲得してランキングでも好位置につけておくことが目標だ」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談 ー “予測不可能”
8週間の間に6レースが行われるヨーロッパラウンド。その1戦目となるのがこのフランスGPだ。この非常に重要な時期に、ブリビオは、二人のライダーがともに上位を目指して戦っていける状態にあると確信している。
「これから夏休みまでは、2カ月の間に、レースのない週が3回しかないことになるので、チームにとっても非常に厳しいスケジュール。だからチャンピオンシップの行方を左右するほどのとても重要な時期と言ってもいいくらいだ。中国では我慢の戦いで守りきり、そしてヨーロッパでアタックを始めるというのが我々の以前からの考え方で、今も変わりはない。でも手強いライバルも大勢いるので予測することは不可能だ。
ル・マンとの相性は悪くない。これまでのサーキットとはまったく異なるタイプなので、ここで我々のマシンがどんな走りをするのか、ライバルたちと比較してどうなのかということをとても楽しみにしている。カタール、トルコ、中国のような長くて速いストレートはないが、それでもライバルたちは手強いだろう。800ccマシンの導入、タイヤメーカー同士の競争などで、今シーズンは結果を予想することがとても難しいんだ。今回のル・マン、そしてこれからの数戦での目標は、できる限りトップに近いところにいること、そして常に表彰台に上り、優勝のチャンスを狙うことだ」
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