ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 3月25日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦スペインGP
■開催日:2007年3月23日(金)フリー、24日(土)予選、25日(日)決勝
■開催地:スペイン/ヘレス
CIRCUIT DATA
■開設:1985年
■コース長:4.423km
■レコードラップ (990cc):1分40秒596(2005年:V・ロッシ)
■ベストラップ (800cc):1分38秒394(2007年:V・ロッシ)
■2006年の優勝者:L・カピロッシ
REPORT
フィアット・ヤマハ・チーム、好調のまま開幕第2戦へ!
MotoGPはヨーロッパへ移動。その第2戦が今週末の3月25日、スペインはヘレスで開催される。フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシとC・エドワーズは開幕戦での好調をそのままに、まもなくこの第2戦のレースウイークを迎える。開幕戦のカタールではフリープラクティス、予選で上位を独占。決勝はC・ストーナー(ドゥカティ)に勝利を譲ることとなった二人だが、今回は3週間前に行ったテストのデータを十分に活用して雪辱を狙っている。
カタール、ドーハの砂漠のなかのコースで2位を獲得したロッシは、ストーナーに5ポイント差のランキング2位。一方のエドワーズは、ロサイルの不安定な路面コンディションに悩まされて6位に終わっている。しかし、開幕前の最終公式テストのコースとなったヘレスでは二人とも絶好調で、ロッシはポールレコードを更新する1分38秒394を叩き出している。ロッシは1996年、GP125で初めてここヘレスを走って優勝。以来、5機種のマシンで6回勝利を経験している。一方のエドワーズは、MotoGPデビューの2003年に初めて走行。これまではあまり良いところがなく3年前のウエットレースでの7位が最高位。
モーターサイクルレースにおけるスペインの「メッカ」とも言えるヘレスには、例年12万人ものファンが押し寄せる。アンダルシア地方の美しい緑に囲まれたコースは、カタールのドーハとはまったく対照的な天然の舞台。全長4.423kmのコースにはさまざまなコーナーが設けられており、素早い向き替えを行うための総合的なマシンセッティングと、フルバンクでのグリップが重要となる。またハードブレーキングして進入するコーナーが多く、スロットルを全開にするストレートが少ないことから、ライダーには正確なライン取りが求められる。
COMMENT
V・ロッシ選手談 ー “僕らは絶好調”
カタールではドゥカティのトップスピードに屈服した格好となったが、ロッシはこの問題解決に取り組むヤマハエンジニアへの信頼を繰り返し口にしている。ストーナーのマシンは確かに、ロサイルのロングストレートでアドバンテージを握っていた。しかしロッシは第2戦までの数週間でこのギャップを埋める自信を見せており、またタイトなヘレスではコーナリングピードでYZR-M1のアドバンテージが重要となるはずだと話す。
「カタールのレースでは今後の課題も見えたが、マシンはとても好調に走ってくれて昨年のような失敗を繰り返すこともなかった。そして次のヘレスは自信満々。あのコースは僕らのマシンにぴったりと合うと思うんだ。この間のテストも絶好調だったしね。馬力の不足は感じているが、これについてはレースを重ねていく中でだんだんと向上していくと思っている。それにヘレスはまったく異なるタイプのレイアウトだから、トップスピードが問題になることはないだろう。
ヘレスは好きなコースの一つで、これまでにも何度か好成績をおさめていて楽しい思い出がたくさんある。だから今年も良いレースができるよう願っている。カタールは観客も少なくとても静かなところ。邪魔になるものがないから開幕戦としてはそれも良かったと思うけれど、今はヘレスのパーティーみたいな熱狂的な雰囲気をとても楽しみにしているんだ。集まってくれる大勢のファンに素晴らしいショーをお見せしたいね。ライバルになるのはペドロサ。彼はテストでもとても速かったし、ホームレースだからね。彼といいバトルがしたい」
C・エドワーズ選手談 ー “学び続け、前進し続ける”
ロサイルでは予想外の問題に直面させられたエドワーズだが、このオープニングラウンドでの6位は十分に貴重である。そして第2戦を迎える今、さらに確実に調子を上げていこうと意欲を見せている。カタールに比べてコンディションが安定しているヘレスでは、開幕前のテストで完成したセッティングを十分に活用することができる。そして、再びタイムシートのトップに返り咲くことができるはずだ。
「ヘレスではテストのときにマシンがとても良く走ってくれたし、いくつか行った変更もうまくいった。だからあのときと同様にまたトップをキープできると期待している。そしてとくに今回は、それを決勝で実現したいんだ。カタールは予選まで絶好調だったのに、決勝だけがうまくいかなかった。予想外のことだったからとてもがっかりしたけれど、とにかくそこから何かを学び、さらに前へ進み続けなければならないと思う。
去年のこの大会は、僕らにとってはあまり良い思い出ではない。好スタートを切ったあとにバレンティーノのクラッシュに巻き込まれ、第1コーナーでコースアウトしてしまったんだ。今年は二度と再びあのようなことにならないようにと、僕もバレンティーノも十分に注意している。今回はすでにセッティングができ上がっているから、好調にウイークをスタートして好調に終えることができると信じている。またいくつかの課題も分かっていて、ヤマハはトップスピードの向上に取り組んでくれている。もっともヘレスのコースでは、その部分はあまり大きな問題にはならないだろうけれど」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談 ー “表彰台が最優先”
フィアット・ヤマハ・チームのブリビオは、開幕戦でのロッシの表彰台獲得を高く評価する。もちろんチームが目標にしていたのは優勝だったが、もう一度タイトルを手中にするためには、一つでも多く表彰台に上ることが重要になると考えているからだ。今はチーム全体が次のチャレンジに向かって一丸となっており、なかでもヘレスはその恰好の舞台となるはずだ。
「カタールでは我々のマシンの競争力を確認することができ、優勝にもまもなく手が届くことがわかった。しかも表彰台に上ることができた。これこそが、貴重なポイントを着実に獲得していくためには必要なのだ。ヘレスはテストもうまくいっているしデータも豊富なので何も心配はしていない。それにこのコースはトップスピードの差が問題にならないので、その点でも自信をもって臨むことができる。
カタールは素晴らしいところだが、レースの雰囲気はヘレスにはとてもかなわない。モーターサイクルスポーツが成熟していて、大勢の熱狂的ファンがパドックで、グランドスタンドで大声援をくれる。バレンティーノはこうした雰囲気をとても楽しみにしていて、熱狂のお礼に素晴らしいショーを見せたいと考えているようだ。それはバレンティーノに限ったことではない。すべてのライダーをやる気にさせてくれるものなので、コーリンもテストの好調をそのままキープして、二人そろって表彰台を目指してくれるものと信じている」
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