ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.16 10月15日 ポルトガル
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第16戦ポルトガルGP
■開催日:2006年10月13日(金)フリー走行2
■開催地:ポルトガル/エストリル(4.182km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度 ■路面温度:40度
REPORT
チェカがフリー走行4番手
キャメル・ヤマハ・チームのV・ロッシとC・エドワーズはポルトガルGPのフリープラクティスを開始。YZR-M1のセットアップを中心に作業を行った。コース改修工事が行われたばかりとあり、午前中の第1セッションは路面が砂や埃で汚れていて非常にスリッピー。それでも午後になると、気温の上昇も手伝ってコンディションが良くなり、本格的なセットアップ作業が始まった。
第1セッションではロッシがトップタイムをマーク。1分39秒398のタイムで2位のL・カピロッシ(ドゥカティ)をコンマ2秒引き離した。しかし午後からのセッションでは、翌日の予選に備えてさまざまなセッティングを試していたため、タイムは思うように上がらなかった。
一方のエドワーズは、午前中ロッシに1秒ほど遅れていたが、先日もてぎで行ったテストの際のセッティングを採用して午後からは一気にタイムを短縮。逆にロッシをコンマ1秒上回り6番手につけた。トップタイムを記録したのはC・ストーナー(ホンダ)。0.05秒差でN・ヘイデン(ホンダ)が2位につけている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 1'38.218 |
2 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 1'38.268 |
3 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 1'38.337 |
4 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'38.503 |
5 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'38.586 |
6 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'38.779 |
7 | S・ジベルナウ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'38.815 |
8 | V・ロッシ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'38.826 |
9 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'39.007 |
10 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'39.161 |
11 | T・エリアス | Fortuna Honda | Honda | 1'39.217 |
12 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'39.907 |
13 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'40.006 |
14 | R・ド・ピュニエ | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'40.096 |
15 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 1'40.214 |
16 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'40.661 |
17 | A・ホフマン | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'41.146 |
18 | G・マッコイ | Ilmor SRT | Ilmor X3 | 1'42.096 |
19 | J・ルイス・カルドソ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'42.319 |
20 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 2'14.734 |
COMMENT
C・エドワーズ選手談(フリー走行6番手/1分38秒779)
「もてぎで大きな成果が得られたので、そのときのセッティングをそのままにして、今朝、トラックからマシンを下ろしたところだ。でもコースの特徴がかなり異なっている。もてぎはどのコーナーもフラットだが、ここはバンクがたくさんあるんだ。だから以前のセッティングをこのコースでどのように活用したらいいのかを探るのに少し時間がかかってしまった。それでも最終的には確かな前進が見られ、午後のセッションでは午前中に比べて格段に速くなったので方向性は間違っていないと思う。今晩は次のステップについて皆で話し合うことになる。少々の運も味方してくれれば明日までにすべての条件がそろうだろう」
V・ロッシ選手談(フリー走行8番手/1分38秒826)
「このコースに最適なものを探して、今日はいろいろなものをたくさん試したよ。午前中はほとんど問題がなくて、走り始めるとすぐに好タイムが出た。でも午後になると、良いタイヤがなかなか見つからなかったため苦労してしまったんだ。またメインのマシンに問題が出たためスペアマシンのセットアップを急いでしなければならず、実質的には3、4周しかできなかった。それに比べてニッキーがとても速いので厳しい戦いになりそう! とは言え、問題さえなければ総合的に見てまずまずの滑り出し。明日も課題はたくさんあるが、きっとうまくいくと思う」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「バレンティーノは午前中とても好調だったので、午後からはさまざまなセッティングを試してみた。二通りのセッティングデータを比較してみるのは、とても面白いし役に立つ。これが功を奏して明日、最終的にベストのセッティングが見つかればいいと思う。コーリンも今日は非常に良かったと思う。もてぎテストの成果をなんとかここで活用したいんだ。今日は全体的にとてもうまくいった。明日もバレンティーノ、コーリンがそろってさらに進歩し、予選、決勝に向けてしっかりと準備を進めていけるよう願っている」
C・チェカ選手談(フリー走行4番手/1分38秒503)
「今日はとてもうまくいったよ。前回のもてぎのフリープラクティスと比べたら、フィーリングも格段にいい。フィリップアイランドの頃まで戻った感じで、チーム全体がとてもポジティブになっている。終盤にはソフトコンパウンドのタイヤを履いてラップタイムが上がったし、また決勝用タイヤのほうでも好調だ。明日はさらにタイムを上げ、ポジションも上げられるだろう。この一年ずっとタイヤのサイドのグリップに悩まされてきたが、今はかなり改良されている。今回はストレートへと続くところでとても長い時間マシンを傾けていてタイヤサイドに負担をかけているが、ダンロップはこの状況でも非常にうまく機能してくれる。新しく舗装した路面は、とくに午前中のセッションでは非常に滑りやすく、しっかりグリップするようになるまでにはもう少し時間がかかりそうだ。いずれにしても1日目を良い状態で終えることができて満足。明日もこの調子で、さらに前進していきたい」
J・エリソン選手談(フリー走行16番手/1分40秒661)
「午後はだいぶん良くなってきたけれど、午前中は路面が汚れていて大変だったよ。タイヤのテストがたくさんあったからね。僕はコンパウドを、カルロスは構造の異なるものをいろいろ試していて、どこかで両方がうまく合うところがないかと探していた。その方向性を決めていこうとしていたんだ。午後のセッションは状況が少し改善されたので、作業もうまく運んで答が見えてきた。そしてラップタイムにも反映されて最終ラップに最速タイムを出すことができた。予選用タイヤについても向かうべき方向が見えてきたんだ。新しいサーキットにやって来て、またタイヤのテストをしなければならなかったからスタートは少し遅れているが、僕としては今日一日の進歩に満足しており、明日もまたあらゆる面で改善できるよう頑張っていく」
H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談
「今日の僕はとても幸せな男だよ。フィリップアイランドでは、とてもうまくいっていたのに決勝で雨が降ってすべてが台無しになってしまった。もてぎも同じことを予想していたが、そこでは大変なことが起こってしまった。今思えば小さな出来事だったのかもしれない。だって今は、ほとんど何もいじっていないのにフィリップアイランドの頃まで戻っているのだから。
午前中は新しい路面と低い気温。午後になると気温が上がり、またゴムが路面に馴染んで良い状態。そのなかで僕らのチームは、ずっと好調をキープしてコンスタントに5、6位を走行できた。そして明日もこの状態をキープできると思う。大きな問題もないし、マシンのセッティングに関しては安定性とタイヤの性能がとてもとてもうまく仕上がっている。それでもまだ課題は残っているんだ。終盤は予選用タイヤを履いたがそれもうまくいった。予選タイヤも決勝タイヤもテストすべきものがたくさんあって、予選、決勝ともに選択肢は多い。そして今日の結果を見れば、決勝もきっと好結果を狙えるだろう。
ここから先はシーズンのなかでも最も重要な時期。チャンピオンもこのなかで決定する。その意味でもみなさんの前で今日このようないい走りをすることができて良かったと思っている。またカルロスのおかげで進歩もあった。彼は我々のこのプロジェクトにおいて多くの仕事をしてくれてチームに大いに貢献してくれた。またダンロップタイヤの開発にも惜しみなく力を注いでくれて、ほとんど“カルロス・チェカ・プロジェクト”のようにさえなっていたんだ。カルロスがいなかったとしたら、状況はまったく違っていただろう。かなり厳しいものになっていたに違いない。予選6位を獲得したフィリップアイランドでやらなければならなかったことを、今度こそできるように、決勝は晴れてほしい」