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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.16 10月15日 ポルトガル

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第16戦ポルトガルGP
■開催日:2006年10月13日(金)フリー、14日(土)予選、15日(日)決勝
■開催地:ポルトガル/エストリル

CIRCUIT DATA

■コース長:4.182km
■2005年のPP:1分37秒202(A・バロス)
■2005年のFL:1分38秒480(A・バロス)
■2005年の優勝者:A・バロス

REPORT

逆転まで12ポイント!

自身にとってMotoGP初タイトル獲得から5年、V・ロッシは今週末、2006年シーズンのラスト2戦目となる第16戦ポルトガルGPに臨む。連続6度目の栄冠を目指すロッシは、タイトル争いのライバル、N・ヘイデン(ホンダ)を抜いて逆転トップに立ちたいところ。最近の4戦は非常に好調で、39ポイントものギャップを埋めて現在はヘイデンにわずかに12ポイント差。この勢いで最終戦のバレンシアまでに逆転を狙っていく。

ロッシに何かのミスでもあれば、この日曜にもヘイデンのチャンピオンが決定するという状況。しかし過去のデータを見ればその可能性は大きくなさそうだ。ロッシはここエストリルで、これまで6レースに出場してすべて表彰台を獲得。そのうちの4回は、2004年にヤマハで初めて走ったときを含めて表彰台の中央に立っている。その一方でヘイデンにとってはあまり相性の良くないサーキットのようで、昨年の7位がベストリザルトだ。

エストリルはヨーロッパの西の端、大西洋岸からわずか7kmのところに位置する。天候が変わりやすく突風に見舞われることも多いこの場所では、何が起きても不思議はない。昨年は春に開催されMotoGP史上初のフラッグ・トゥ・フラッグのレースとなったが、秋に行われる今回も同様に荒々しい気象条件が予想される。

ロッシのチームメイト、C・エドワーズは昨年の同大会で天候の変化に翻弄されて24周目に転倒、再スタート後に6位を獲得している。今年はこのところ好調で、マシンセッティングの仕上がりも良くなってきているため好結果が期待される。先日、もてぎで行なったテストでは非常に素晴らしいタイムも記録しており、好調のうちにシーズンを終えたいところだ。

COMMENT

V・ロッシ選手談 ー “二つの難しいコース”

残る二つのサーキットはいずれも、あまり好きなコースではないというV・ロッシだが、どんな状況であれヘイデンに勝つ自信は持っている。この夏ヤマハのエンジニアたちが行った懸命の作業によって、ロッシは今や非常に競争力が高いマシンを手に入れることができた。YZR-M1はここエストリルにも最終戦のバレンシアにも合わせて調整できるようになっているため、チャンピオン獲得のチャンスを十分に残していると言える。

「残りの二つは非常に難しいコース。でも僕のYZR-M1はどこへ行っても速いはずだ。ブルノのあと、マシンの性能を100%引き出すために何が必要なのかを完全に理解できた。あれからどのサーキットへいってもとても強くて、毎回表彰台に上ってきたんだ。ライバルとは互角に戦えるし、性能を最高まで引き出せれば常にトップを争える。もちろんシーズン序盤からこの調子だったとしたら、もっとたくさん勝てたはずだが、こればかりは仕方がない。

今は自分たちのポテンシャルに自信を持っており、予選グリッドの前のほうを確保できれば表彰台を立てることも分かったからこの調子でいきたい。チームに関わっているすべての人の協力のおかげでここまで来ることができた。我がチームのモチベーションと集中力は、パドックのなかでも最高のものだと思っている。だからここでもう一度、彼らにお礼を言いたいんだ。

2004年にはマシンが素晴らしく良く走ってくれた。2005年にはタイヤとのマッチングで課題があったことと、開幕2戦目でしかも天候が悪かったことで苦労した。今年は、少し暖かくなってくれて、雨が降らなければいいと思う。そして良いタイヤを見つけることができれば最高だ」

C・エドワーズ選手談 ー “太陽の恵みを!”

2007年のルール改正に備えて800ccマシンの開発がすでに始まっている今、エドワーズもまた、チームのハードワークがこの最終の2戦で実を結び、この2年間でいくつもの素晴らしい走りを見せた990ccマシンが有終の美を飾ることを望んでいる。

「前回のもてぎのあとテストを行って、そこでまた大きく一歩前進することができたんだ。まるでコースの上を飛び回るみたいにね。このマシンで戦うのはあと2戦だけになってしまったが、決勝日のコンディションに合わせて調整していくためには、常にテストをしながら改良していくことが必要。ポルトガルでもそのようにしたいと思う。結果だけを見れば、このところの2戦も本来の目標には届かなかったが、マシンの総合的なフィーリングはとても良くなっている。うまくいけば、もてぎのテストで試した調整がエストリルでいい結果に繋がるだろう。

昨年は雨の中で転倒してしまったが、すぐに再スタートして6位まで挽回することができた。今回はあのときよりもずっと調子はいいんだ! コースに関しては特別な思いは何もない。何もかもがそろっているという感じだが、とにかく僕らのマシンには結構合っていると思う。場所自体は悪くなくて、美しい海岸とおいしい食べ物に恵まれている。唯一の問題が天気だけれど、この点では今シーズンはずっとツイていない感じなので、今度こそ晴れてほしいね!」

D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談 ー “集中を切らすな”

ブリビオは、最後の2戦でチームスタッフに望むことは、集中し続けることだという。わずか4レース前には51ポイントあった差が、今では逆転も可能なところまで縮まってきた。このチャンスを逃さないよう、ブリビオは決意を持って臨もうとしている。

「シーズンは最終盤を迎えている。非常に大変な時期でありここで集中力を切らさないことが大切だ。今回の目標は、このところの2・3戦と同じ。このまま好調をキープして最終戦ではタイトルを賭けて戦えるようになっていたい。最終戦のバレンシアで栄冠を勝ち取るため、ここエストリルでできる限り差を縮めておきたい。それだけに今回のレースは非常に重要なのだ。

コーリンは月曜日、もてぎのテストで素晴らしい仕事をしてくれた。おかげで非常に重要な一歩を進めることができた。この成果をよりしっかりと定着させることができたら、彼はきっとトップ争いの舞台にカムバックできるだろう。今シーズンはずっと、マシンセッティグの面で悩まされてきたが、我々は決してあきらめることはない。コーリンを信頼しているし必ず良いところを走ってくれると確信している」

M・ノートン談(ロッシ担当のオーリンスの技術者) ー “テクニカル情報”

最高時速は340km/hにも達するMotoGPサーキットのなかでも最も長いストレートの一つをもち、同時に最も低速のシケインももつエストリル。また平均時速では最も低速で、非常にツイスティーなインフィールドセクションは2速や3速を使用するコーナーばかりでスロットルを大きく開けるところはほとんどない。しかしその一方で200km/hで抜ける第5コーナーや最終のパラボリカ・コーナーは、ライダーにとってもマシンにとっても難しいチャレンジとなる。こうした対照的な特徴を克服するためにメカニックとミシュランタイヤの技術者たちは、適切な妥協点を見いだすセッティングを行う。

「サスペンションは前後ともに、レース終盤に向けて最高の状態にもっていけるようにセッティングしなければならない。というのもここは9つの右コーナーと4つの左コーナーがありタイヤへの負担が大きいからだ。特別にテクニカルというわけではないが、タイヤには非常に厳しいコースなのでセッティングでできる限りサポートする必要があるんだ。

とてもツイスティーで低速なインフィールドのセクションと、第5コーナーやパラボリカ・コーナーのような高速セクションとが混在しているので、これに対応するためには適切な妥協点を見つけなければならない。昨年最も苦労したのはタイヤの温度。開催時期が春先で、また雨も降ったので気温が上がらなかったんだ。でも今年はこの点では少しは良くなることが期待できそう。何とかドライで走れるように祈るばかりだ」

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