ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 9月10日 マレーシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第13戦マレーシアGP
■開催日:2006年9月9日(土)予選は豪雨により中止(結果は暫定グリッド)
■開催地:マレーシア/セパン(5.548km)
REPORT
ロッシ&YZR-M1がポールポジション獲得
キャメル・ヤマハ・チームのV・ロッシがポールポジションを獲得。今日のセパンは雨に見舞われ、午後から予定されていた予選が中止となる事態。レース主催者は結局、きのうからの3回のフリープラクティスの結果を総合し、そのなかの最速タイムをそれぞれの予選タイムとすることに決定した。ロッシは今日の午前中のセッションで記録したタイムが採用されてポールポジションの位置からスタートすることとなった。
チームメイトのC・エドワーズはきのうからセッティングがなかなか煮詰まらずに苦労していた。今日の午前中にはいくらか前進が見られ、午後からの予選セッションでさらに磨きをかけるべく楽しみにしていたが、中止の事態を受け、予選グリッドは11位に決定した。フロントロウはN・ヘイデン(ホンダ)とL・カピロッシ(ドゥカティ)。
テック3ヤマハ・チームのC・チェカとJ・エリソンはきのうからの3セッションのほとんどをダンロップタイヤの新製品のテストにあてていた。タイムアタックは行わず決勝用のタイヤ選択に集中していたこともあり、チェカが15位、エリソンが18位からのスタートとなってしまった。明日の朝のウォームアップで挽回を図りたいところ。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 2'00.605 |
2 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 2'01.043 |
3 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 2'01.167 |
4 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 2'01.898 |
5 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'02.021 |
6 | S・ジベルナウ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 2'02.181 |
7 | R・ド・ピュニエ | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 2'02.313 |
8 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 2'02.453 |
9 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 2'02.560 |
10 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 2'02.790 |
11 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 2'02.800 |
12 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 2'02.832 |
13 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 2'02.918 |
14 | T・エリアス | Fortuna Honda | Honda | 2'03.102 |
15 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 2'03.123 |
16 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 2'03.285 |
17 | A・ホフマン | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 2'04.706 |
18 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 2'05.023 |
19 | J・ルイス・カルドソ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 2'05.958 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(予選1位)
「レーシングスーツを着たまま2時間も待たされた! こんなことなら雨の中を走ったほうがまだましだったかもしれないよ! でも安全性の確保はとても大切なこと。コース上には水たまりがたくさんあって、確かにかなりひどいコンディションだったからね。あるところでは川ができてしまっていて、しかもその水がとても深いんだ。MotoGPのセーフティー・コミッションの一員として主催者と話をして、またピットでは他のライダーからも意見を聞いて、最終的にはやはり走らないほうがいいということになった。水のせいだけじゃなくて、視界が悪かったことも大きな理由だ。第1コーナーなんか見えないんだから! みんなとても懸命で、状況は10年前とはまったく変わったのだと思う。ライダーたちの権利が強くなったんだよ、これはとても良いことだと思っている。
今日の午前中のセッションではマシンがとても良く走ってくれて、ほとんど完璧と言っていい状態でタイヤも適切に機能してくれた。オフシーズンのテストのときに採用したセッティングに戻してみたら、すぐに速くなったんだ。また予選タイヤを試すことができたこともラッキーだった。レースタイヤに関してはまだいくつか候補が出ている段階だが、明日の天気を見て決めることにしている。晴れてくれるといいけれど…」
C・エドワーズ選手談(予選11位)
「今日は完全に天候に翻弄されてしまった! 午前中にバレンティーノが魔法みたいにセッティングを見つけ出した。これは1月のテストで採用したものにとても近いものだったんだけれど、僕らも午後からこれを試す予定だったんだ。ところが雨が降り出してすべては夢に終わってしまった。バレンティーノと違って午前中には予選タイヤも使っていなかったしね…。明日は11位からのスタート。この後は明日のウォームアップのわずか20分間の走行ですべてを解決するためにどうしたらいいかを考えなければならない。僕としては、ただ体を思いきり伏せて前の集団に挑んでいくだけ」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「何とも奇妙な一日になった! バレンティーノは午前中のセッションでとても好調で、マシンについては大きく前進して、さらに予選タイヤまで試すことができた。このことが結局は予選グリッドの確保に大いに役立ったというわけだ。でもきのうから少しずつ前へと進んでいたわけで、常に正しい方へと向かっていたことは確か。そしてその結果として、今日の素晴らしいタイムが出たのだ。ポールポジションからのスタートは非常にうれしいし、明日の決勝には自信を持っている。コーリンのほうは残念ながら天候に助けられることがなかった。彼の場合は午後から大きくタイムを伸ばすことが期待されていたが、その機会を失ってしまったのだからね。だからチームとしては良いことと悪いことが混ざり合っている状態。明日も天候が非常に気になるところだが、我々にできることはただ一つ。明日の朝、部屋のカーテンを開けた時に青空を見られるよう祈ることだけだ」