ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.12 8月20日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第12戦チェコGP
■開催日:2006年8月19日(土)予選結果
■開催地:チェコ共和国/ブルノ(5.403km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:39度
■PP:V・ロッシ(ヤマハ/1分56秒191)
REPORT
ロッシ、今季2度目のポール獲得
キャメル・ヤマハ・チームのV・ロッシは、今季2回目のポールポジションを獲得。初日から予選タイヤを使用してタイムアタックを行ってきたことが実を結んだ。
今日は決勝用のセッティングにより磨きをかけていく作業を行いながらも、最後のチャンスでL・カピロッシ(ドゥカティ)を抜いてトップに立った。ロッシの出した1分56秒191というタイムは、これまでのベストラップを約1.5秒も縮めるもの。ロッシはこの後の6戦で、ランキングトップのN・ヘイデン(ホンダ)との間の51ポイントの差を挽回しチャンピオンを狙うべく決意を固めている。2位はカピロッシ、3位はK・ロバーツ(ホンダKR)。チームメイトのC・エドワーズも順調にセッティングを煮詰めておりグリッド2列目を狙っていたが、タイムアタックのラップでわずかにミスをおかしてしまい、1分56秒967のタイムで8位に留まった。
テック3・ヤマハ・チームのC・チェカは予選17位となり今季最低のグリッドポジション。チェカは午前中のフリープラクティスでハンドリングの問題を抱えており、午後からのタイムアタックでもこれを払拭しきれずタイムを伸ばすことができなかった。一方、チームメイトのJ・エリソンはきのうまでのタイムを2秒以上も短縮したが、順位はチェカの一つ前の16位だった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'56.191 |
2 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'56.441 |
3 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 1'56.603 |
4 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 1'56.694 |
5 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'56.770 |
6 | T・エリアス | Fortuna Honda | Honda | 1'56.875 |
7 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'56.913 |
8 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'56.967 |
9 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'57.139 |
10 | R・ド・ピュニエ | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'57.185 |
11 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 1'57.221 |
12 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 1'57.679 |
13 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'57.894 |
14 | A・ホフマン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'57.906 |
15 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 1'58.239 |
16 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'59.011 |
17 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'59.289 |
18 | J・ルイス・カルドソ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 2'00.971 |
19 | I・シルバ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 2'01.433 |
COMMENT
V・ロッシ選手談 (予選1位/1分56秒191/25周)
「今日の予選は見ていた誰もが感動したと思うけど、なかでも一番感動したのが僕らだよ! 今シーズンはプラクティスでいろいろな苦労をしてきて、チームやミシュランが本当に頑張ってくれた。今日もマシン、とくにタイヤのセッティングを懸命に仕上げてきたんだ。ロリスのタイムを見た時とても速いと思って、追いつけるかどうかはわからなかったけれども、どうしても追いつきたいという決意があったから全力でプッシュした。そして最終ラップにはついに1分56秒1が出た。これには自分でも信じられないような気持ちだった。これまでみたいに5列目や6列目ではなく、明日はポールポジションからスタートできるんだからうれしくて仕方がないよ。決勝までにもう少しセッティングについて決定しなければならないことも残っているが、いずれにしてもとても良い状態で明日を迎えられる」
C・エドワーズ選手談(予選8位/1分56秒967/24周)
「今日のことをどんなふうに考えればいいのかわからない。決勝用のペースはとても良くなってきて、58秒6というタイムで5位くらいを走れる計算になる。でもそんなことでは満足できないよ! 明日の朝のウォームアップでセッティングをもう少し変更してみて、そして後コンマ3秒縮めたいんだ。今日使用したセッティングでは、レースタイヤでは3~4周はとてもいいけれども、その後はグリップしなくなってタイムも落ちてしまう。これについていくつかアイディアがあるので、明日の朝に試してみようと思っている。そんな状況のなかでも、タイヤをより良く機能させるためのセッティングが、かなりできていることはわかっていて、今日も予選タイヤではとてもうまくいっていたんだ。これまでずっと予選で苦労してきたので、今回こうしてタイヤが完璧に機能してくれたことはとても励みになる」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「ポールポジションに復帰できたことは本当にうれしい。実は我々が設定していた目標は、予選グリッドの1列目か2列目に並ぶことだったんだ。バレンティーノはそれを上回ってトップにつけた。前の3戦はどれも、グリッド位置が響き決勝で非常に苦労したが、明日はそれをしないですむんだ。とは言え、まだ課題はいくつか残っていて、きのう、今日と試したいくつかのセッティングのなかから最もバランスの良いものを探していく。速いライダーが何人かいるので、厳しい戦いになることに変わりはないが、バレンティーノは上位で戦ってくれるだろうし、コーリンもスタートがうまくいけばトップグループに加わって好成績を残してくれると信じている。バレンティーノにとっては非常に重要なレース。明日の夜には、タイトルの行方がより鮮明になっているはずだからね」
J・エリソン選手談(予選16位/1分59秒011/24周)
「ずっと願ってきたことがようやく叶った。つまりカルロスよりも速いタイムを出すことができた、これにはもちろん喜んでいる。でも今日のカルロスはトラブルを抱えていたんだ。僕のほうも問題はあって、チャタリングに悩まされていた。そのうちのいくらかは解決できたけれど、まだ完璧ではないから問題の原因をつきとめなければならない。チャターを克服するたびにコンマ5秒タイムが縮まるのだから、これはとても重要なことだ。そうしたなかでようやくこのベストタイムが出たわけで、もちろんまだまだ改善の余地はあるけれども、ロッシのあのタイムはとても信じられないよ。驚異としか言えない。僕はこれまでも全力でプッシュしてきたつもりだが、今回は幸いにもチャタリングをほぼ解消できたので、本当に思う存分走ることができた。ペースはまだまだだが、正しい方向へと着実に向かっている。フロントタイヤを30ラップ使用することができたし、大きめのタイヤも気に入っている。後はリアについての耐久性を追求していくだけ」
C・チェカ選手談 (予選17位/1分59秒289/22周)
「僕の人生のなかで最低のグリッドだと思う。何が起こってしまったのか自分でもわからないが、やること成すことすべてうまくいかなかった。きのうまでは7位にいたことが信じられないくらいで、非常に残念だ。きのうは予選タイヤで好調だったのに、今日はタイムを伸ばすことができなかった。解決方法を見つけ出すにはもう時間が足りないだろう。もしできたとしても、グリッドがこんなに後ろでは非常に厳しい戦いになる。だからこのことは冷静に受けとめ、奇跡を祈りながらただ淡々とレースを走りきるだけ。でも考え方によっては、予選のタイムは決勝と何も関係がないのだから、スタートさえうまくいけば、そして上位についていくことができれば何とかなるかもしれない」
H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談
「休暇前のラグナセカが好調だったので、今回はもっともっといいところへいけると期待していたんだ。チャタリングがひどくて、それを解決する方法が見つからなかった。このことがカルロスに強く影響した。その一方でジェームスはしっかりと頑張ってくれた。とくに予選タイヤで非常に好調で、決勝タイヤを履いたときよりも1秒以上速い。このウイークのなかで唯一、喜べることだ。全体としては厳しい状況。望んでいるような状況には少しも近づけていない。ダンロップは大量の新製品を持って来てくれたが、それも適切にテストできていないのだ。でも決勝用のタイヤならば、理想に近づけていると思うので、明日はこの部分を伸ばすよう頑張るしかない。決勝が終わった後に、ここで2日間のテストを予定している。次のレースに備えるために、問題を理解して何とか解決したい。また、考えられるとしたら、天候が我々に見方をしてくれることがあるかもしれない。雨を望むわけじゃないけれど、でもこのままの状況なら我々にとっては非常に厳しい展開が見えている。今回は少しでも多くポイントを取ることを目標に、そしてその後の月曜日と火曜日でまた全力を尽くすだけ」