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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.12 8月20日 チェコ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第12戦チェコGP
■開催日:2006年8月18日(金)フリー、19日(土)予選、20日(日)決勝
■開催地:チェコ共和国/ブルノ

CIRCUIT DATA

■開設:1987年
■コース長:5.403km
■レコードラップ:1分58秒787(2005年:V・ロッシ)
■ベストラップ:1分57秒504(2005年:S・ジベルナウ)
■2005年の優勝者:V・ロッシ

REPORT

2006年シーズン終盤へ

キャメル・ヤマハ・チームは3週間の休暇を終えて今週末、シーズン終盤の戦いを開始する。この最後の6戦で、ディフェンディングチャンピオンのV・ロッシが、ここまでの流れを変え、再度タイトルを獲得できるかどうか、がいよいよ決定する。

チェコGPは、首都プラハの南東200kmに位置する伝統のブルノサーキットでの開催。昨年はロッシが優勝、ラップレコードも記録した。圧倒的な優勢を誇った昨シーズンと状況は異なり、今年はランキングトップのN・ヘイデン(ホンダ)に51ポイントの差をつけられている。非常に厳しい戦いであることは否定できないが、決して不可能なことではない。実際1992年、残り5戦の時点で65ポイント差でM・ドゥーハンを追っていたW・レイニーが逆転したことがあるのだ。

ちなみにレイニーがGP500最後の優勝を果たしたのが13年前のここブルノであり、またロッシがGP125でグランプリ初優勝を遂げたのもちょうど10年前の同じ場所。以来ロッシは、GP250においても成功をおさめ、MotoGPでも昨年のヤマハでの勝利を含め3度の優勝を果たしている。

一方、2週間前の鈴鹿8時間耐久でYZF-R1に乗ったC・エドワーズも、YZR-M1でのMotoGP復帰が待ちきれない。8耐では1周目に転倒、再スタートしたものの、まもなくマシントラブルでリタイヤを余儀なくされており、エドワーズもロッシ同様に不運が続いていると言わざるを得ない。短い休暇のなかでも故郷のテキサスへ戻り、家族と過ごしながらリフレッシュし、力を蓄えたエドワーズは気持ちを切り替えて残りの6戦に臨む。

COMMENT

V・ロッシ選手談 ー “一戦、また一戦”

昨年のロッシは、あと2勝を挙げればチャンピオンが決定するという優勢のなかでここブルノのレースを迎えていた。しかし今回は、あと6戦となったこの時点でタイトルの行方がまったく見えないという状況に置かれている。休暇前のラグナセカでロッシはリタイア。しかもタイトル争いのライバル、ヘイデンが優勝したため非常に厳しい状況に追い込まれてしまった。このあとロッシは、ただひたすら一戦一戦に集中していくしかなくなった。

「今シーズンはバッドラックばかり。そのなかでもラグナセカは最低だった。でも20日間の休暇をもらってリラックスできたので、あのときのことはもう忘れてしまったよ。ブルノではいいレースができると思う。好きなコースではないんだけれど、昨年はほとんど完璧と言っていいくらいうまく走れて、ファステストラップも出て優勝できた。ヤマハやミシュランのスタッフがこの休暇の間にどれほど頑張ってくれたかよくわかっているので、金曜日から早速、いい走りをお見せできると思う。

チャンピオンシップのことについては正直なところ、なんと言っていいかわからない。残りは6戦しかないから追いつくには足りないと思うけれど、とにかく一つ一つ頑張ってできるだけ多く勝ちたい。少なくとも現時点ではタイトルのことは頭にはない。このマシンとタイヤで一戦、また一戦と、少しでも良い方法を探しながら全力を尽くすだけ。レースを楽しんで優勝を目指して戦っていく、それだけなんだ」

C・エドワーズ選手談 ー “リフレッシュ&リラックス”

ロッシ同様のバッドラックに見舞われているライダーがいるとすれば、それは同じくキャメル・ヤマハ・チームのエドワーズだ。鈴鹿8時間耐久レース、そしてホームグランプリのラグナセカ、さらにはその前のアッセンではグランプリ初優勝を目前に最終コーナーでクラッシュ…。しかしアメリカへ戻り家族とつかの間の休暇を過ごしたエドワーズは、自信を取り戻してこのブルノに臨む。

「今シーズン、とくに6月、7月はスケジュールもかなりきつかったから、家族や友達とリラックスして過ごす時間がどうしても必要だったんだ。だからこの休暇はとても良かったよ。この後はレースに戻り、最後の6戦をエンジョイする。その準備はもうできているよ。ラグナセカでの残念なレースのあと、鈴鹿8時間へ行ったけれど、これも思うようにはいかなかった。たった6ラップの、長いレースになってしまった!でもそのあと6週間の休暇をテキサスの家で家族と過ごし、今はすっかりリフレッシュ&リラックスできた。これでもう、シーズンの残り6戦に臨む準備が整ったんだ。

これまでのところは自分たちの思い通りに事は運んでいないが、条件さえ整えばトップ争いができるマシンであることは良くわかっている。だからこそ残りのレースに決意を持って臨んでいけるんだ。ブルノは大好きなコースで何度も走っているし、よく知り尽くしている。応援に来てくれるみなさんも温かくてとてもいい雰囲気だ。この一戦に持てる力のすべてを注ぐつもり。マシンが良く走ってくれれば必ず好結果を導き出すことができるだろう」

D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談 ー “決してあきらめない!”

ブリビオもロッシの言う「一戦、また一戦」という気持ちに共感しているが、チームスタッフ全員で最後までチャンピオンを支える姿勢に変わりがないことを強調する。残る6戦が非常に厳しいチャレンジとなることは承知の上だが、タイトル争いに関しては、計算上完全に不可能という状況になるまで、ギブアップするつもりはない。

「ブルノはシーズン終盤戦のスタート。そこに我々は、かなり厳しい状況のまま挑もうとしている。6戦を残したこの時点で、我々は本来いるべきポジションにいない。だが決してあきらめないし、チームの一人一人が、最後まで戦い続ける決意を固めている。もちろんタイトルが欲しいし、それが可能だと信じている。これまでたくさんの不運に見舞われてきたが、自分たちの能力を信じているんだ。
約1カ月の休暇はとても良かったけれど、再開が楽しみで仕方なかった。あとは一つ一つ優勝を狙っていく。それがバレンティーノの目標だ。コーリンは8時間耐久に参戦したため休みが少なかったわけだが、良い状態で戻ってきてくれるのを楽しみにしている。二人がさらにレベルを上げて毎回、優勝を狙っていけるようになることが我々の目標だ」

M・フラミニ談(ロッシのデータエンジニア) ー “テクニカル情報”

1977年に最後のグランプリが行われたあと、1987年に現在の場所に移されたブルノ。1996年には全長5.403kmのコースに作り変えられた。ライダーたちもすでに走りなれていた、以前の凹凸の多い路面は改善されたが、曲がりくねったシケインや極端な高低差は依然としてライダーやエンジニアに試練を与える。

「ブルノはコース幅が約15mと非常に広く、ラインを外したりミスをしたりしやすくなるのでライダーにとっては難しいコース。セットアップの観点からは、下りコーナーでのパスが多くなるためブレーキングに強いマシンを作ることが重要になる。また第1、第9、第13などの長い高速コーナーでの安定性、そしてシケインでの俊敏性も必要だ。これはどのコースでもある矛盾だが、ブルノは特に顕著なんだ。
アップヒルの加速ではフロントが浮きやすく、シケイン入り口のブレーキングの後は、マシンを寝かせる前にフロントにかかった荷重が戻ってくるのを待たなければならない。荷重の移動が多いためマシンのバランスが非常に重要になる。また、ここブルノは、MotoGPのマシンが2ストロークから4ストロークへ変わった事実を、最もはっきり認識できるところだ。コースが変わっていないのにラップタイムは5秒も縮まっているからだ。いずれにせよ、マシンとタイヤの全体的な改良は当然、長いアップヒルのストレートではたくさんの馬力が必要で、ギアの選定についてもまた精巧さが要求されるということだ」

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