ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.10 7月16日 ドイツ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第10戦ドイツGP
■開催日:2006年7月14日(金)フリー走行2
■開催地:ドイツ/ザクセンリンク(3.671km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度 ■路面温度:27度
REPORT
ロッシはフリー走行7番手
MotoGPのコースのなかで最も短く最も低速となるコース、ドイツのザクセンリンクでのフリープラクティスが始まった。キャメル・ヤマハ・チームのV・ロッシとC・エドワーズは、この曲がりくねった難しいコースにYZR-M1を合わせるべく調整に励んだ。気温は20度と暖かく、一日中雲に覆われて今にも嵐がやってきそうな天候だったが、雨はわずかに降っただけでライダーたちは2時間のセッションを存分に活用することができた。
しかしロッシとエドワーズはともにベースセッティングの調整に苦労したことを認めている。このところのドニントン、アッセン、ムジェロ、カタルニアといった高速コースのようには、うまくマッチしない。結果は、午前中のセッションでロッシが6位、エドワーズが9位。午後は他のライダーがタイムを上げてきたのに対して二人はあまり上がらず、それぞれ7位、11位に終わっている。決勝に備え、明日も作業が続く。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 1'23.145 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'23.486 |
3 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'23.490 |
4 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 1'23.525 |
5 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 1'23.676 |
6 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'23.693 |
7 | V・ロッシ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'23.871 |
8 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 1'23.889 |
9 | S・ジベルナウ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'24.022 |
10 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 1'24.030 |
11 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'24.100 |
12 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'24.116 |
13 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'24.190 |
14 | R・ド・ピュニエ | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'24.582 |
15 | T・エリアス | Fortuna Honda | Honda | 1'24.626 |
16 | A・ホフマン | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'25.092 |
17 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'25.293 |
18 | J・ルイス・カルドソ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'25.707 |
19 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'25.833 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(フリー走行7番手/1分23秒871/43周)
「あまり好きなコースじゃないし、例年、プラクティス初日から苦労するんだ。このことはサーキット入りする前からわかっていたこと。今回も残念ながらその通りになって、気分が良くなかった。マシンを良くするためにいろんなことを試してみたが、どんどんはまっていく。結局最後まで適切な方法が見つからなかった。でもまだ明日がある。あと2時間のチャンスがあるわけだが、それをできるだけ有効に使えるように明日はどうしても晴れてほしいんだ。でも自信は失っていないよ。ジェリーをはじめエンジニアたちは今までも、わずかなデータのなかからでもマシンをしっかりとセットアップしてくれた。明日はとにかく集中していく。厳しいレースになることは今からわかっているが、厳しいレースほど楽しいんだ!」
C・エドワーズ選手談(フリー走行11番手/1分24秒100/33周)
「大変だ…。いくつかの場所でバイクの挙動が激しくなる。この症状を解消するためには、明日は何かドラスティックな変更を行わなければならないだろう。現状では、コースの上で僕とバイクが一体化できてない感じ。コースの後半部分だけでコンマ5秒も遅れているのだからどうしようもない。明日はそこのところを改善することと、他のすべてのセクションでのコーナースピードを上げていくことを目標にする。今のところは僕が何をやってみても、どうにもペースが上がらない。課題は山積みだが、我々はその解決のためにここにいる。だから明日も楽しみだ」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「初日にやっておくべきことが、まだできていない。だから明日はたくさんの作業が残っている。二人のライダーはそれぞれ別の問題で悩んでいる。我々としてはそれを両方解決していかなければならない。でも二人はいつも通りチームと協力し合って頑張っている。エンジニアたちに情報をフィードバックし、より良いセッティングを追求している。ここは非常にタイトでツイスティー。世界の他のどのコースとも似ていない特異なコースだ。だから何か特別なセッティングを探さなければならないんだ。耳で聞くほど簡単なことではないが、頑張るしかない」
C・チェカ選手談(フリー走行12番手/1分24秒116/47周)
「午前中のセッションでは上位陣にかなり近づくことができ良かったが、午後には少し離されてしまった。でも全体としてはとても順調だと言っていい。タイヤは、とくに右端のグリップがもう少し欲しいところ。低速のエリアではスロットルをあまり開ける必要がなく、大体10~15%くらいでいいので何とかなる。でもコースの裏側のスロットルを大きく開ける部分ではリアのグリップとサポート感が十分じゃない。マシンセッティングとタイヤと、両方において何らかの答を見つけ出さなければならない。とくに下りの右高速コーナーが問題で、マシンをタイヤの端のほうに乗せてスロットルを激しく開けるという作業が難しい状況なんだ。
でもこのところの数戦、我々はあらゆるエリアで、乗るたびに常に前進を続けてきた。そして前のライダーに近づいてきたんだ。このことはある種の達成感を与えてくれるし、これからも、僕らを支えてくれるチームやダンロップのスタッフのためにも追求し続けなければならない部分だ。だから明日もまた一歩前進し、また一歩トップグループに近づけるよう全力を尽くす」
J・エリソン選手談(フリー走行19番手/1分25秒833/41周)
「安定したスタートだった。でも午後のセッションではマシンが大きく変わったのでまた初めからやり直さなければならなかった。コースの後半の低速コーナー部分は、今のところとてもうまくいっているが、高速部分はマシンが振動して安定感がない。この解決のためにリム幅の広いものを試してみると、コーナー進入はいい感じになったものの、依然として厳しい状況に変わりはない。おそらく今使っているタイヤの構造が硬くて、あまりつぶれてくれないのだと思う。リムが広くなってタイヤが硬くなると逃げ場がないので、明日はまた柔らかめのものに戻してみようと思っている。それに硬いタイヤは路面の凹凸をすべて拾ってしまうんだ。
今はまだカルロスに遅れているが、午後のセッションでは彼の午前中のタイムにかなり近づくことができた。つまり1セッション分遅れているということだ。方向性が見つかり新しいフロントタイヤも手に入ったので、明日はもっと良くなるだろう」
H・ポンシャラル、テック3ヤマハ・チーム監督談
「毎週同じことを言っているようだが、今回もこの第1セッションはとてもうまくいったと思う。カルロスは上位陣のタイムにかなり近づいているし、午前中のセッションではトップからわずかコンマ6秒の差だ。このコースはタイムが遅いのでラップタイムが接近するが、カルロスがヤマハの他のライダーと非常に近いということはとても励みになる。このことからも我々が良いペースであることがわかるし、タイヤに関してもうまくいっている。午前中は半分ほど時間を無駄にしたが、これは誰もが同じ条件。ただ我々は他のチームよりもより多く走らなければならないと思っているので辛いところだが、天候だけはどうにもならない。レース距離の練習はまだ行っていないが、必要な情報はほぼ手に入れることができていると思うしフィーリングは悪くない。明日は陽が射して暖かくなりそうだ。決勝は長いのだから明日はできるだけ多く周回したいと思っている。今までのところはほぼ満足しているが、ジェームスに関してはちょっと心配だ。シーズンも半分が終わったので、もう少しペースを上げていきたいところ。彼にとってはここが正念場だ」