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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.10 7月16日 ドイツ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第10戦ドイツGP
■開催日:2006年7月14日(金)フリー、15日(土)予選、16日(日)決勝
■開催地:ドイツ/ザクセンリンク

CIRCUIT DATA

■開設:1966年
■コース長:3.671km
■ファステストラップ:1分22秒756(2004年:M・ビアッジ)
■MotoGPラップレコード:1分23秒705(2005年:S・ジベルナウ)
■2005年の優勝者:V・ロッシ

REPORT

激しい戦いが予想されるザクセンリンク

2006年のMotoGP第10戦はドイツのザクセンリンクで開催される。ここは、非常にタイトで起伏に富むコースであるが、今週末は近年稀に見る大接戦を展開中のライダーたちを迎えることとなる。今季はすでに5人の優勝者、9人の表彰台獲得者、そして13人のフロントロウ獲得者が出るなど実力伯仲。勝負の行方は想像すら難しい状況だ。

キャメル・ヤマハ・チームのV・ロッシは前回のイギリスGP、ドニントンパークで、負傷した手首と足首の痛みと戦いながらも2位を獲得する快挙を成し遂げ、ランキングトップのN・ヘイデン(ホンダ)との差を35ポイントまで短縮。またグランプリの表彰台獲得回数ではフィル・リードと並ぶ自己通算121回目を記録した。あとは伝説のジャコモ・アゴスチーニ、アンヘル・ニエトを追うばかりとなった。またこれまで出場したすべてのクラスを通算した獲得ポイントは2,977を数え、今回のドイツGPで優勝すれば3,000ポイントを越えることになる。

チームメイトのC・エドワーズは前回のドニントンで6位。これで30レース連続ポイント獲得となる。この記録達成の直前には、アッセンで見せた、大勢の人々の記憶に長く残るであろう、見事な戦いぶりがあったことは言うまでもない。激しいトップ争いを展開していたエドワーズは最終コーナーで転倒、大きく順位を下げたが再スタートを図り、ポイント圏内の13位でチェッカーを受けた。連続ポイント獲得回数でエドワーズの記録を上回るのは37回のM・ドゥーハンだけとなっている。

ドイツGPは以前、ホッケンハイムやニュルブルクリンクで開催されていたが、1998年からはフランクフルトから東へ約250km、旧東ドイツのザクセン州にあるこのザクセンリンクに舞台が移った。かつて公道レースとして使われたザクセンコースも近くにあり、当時の面影を残すコントロールタワーがある。

COMMENT

V・ロッシ選手談 ー “回復へ”

誰にとっても厳しかった3連戦の真ん中で負傷してしまったロッシ。痛みと戦いながら走りきったドニントンのあと1週あけて行われる今回は、大幅な回復が見込まれ、今季4回目、またこのコースで自己通算4回目の優勝を狙う。ロッシはこれまでにここザクセンリンクで、1999年にGP250で、2002年と昨年はMotoGPで優勝を果たしている。

「ザクセンリンクまでには100%、またそれにかなり近いところまで回復する自信があるよ。理学療法士のマルコ・モンタナリ、そしてクリニカ・モービルのDr.コスタが懸命に治療してくれたおかげで、ここまで良くなったんだ。3週連続でレースが続いて大変だったので、今回は、いくらかでも休養をとれて本当に良かった。イタリアで友達に会ったり、ロンドンの家でのんびりしたりしていたよ。

金曜日の朝の時点で、プラクティスを最大限有効に使えるようにするための準備をきっちり整えなければ、と思っている。前回のようにセッティングの問題で時間を無駄にするようなことはできない。ヤマハはこの休みの間に全力でマシン開発に取り組んでくれているので、金曜の朝からしっかり走れると信じている。ザクセンリンクは、とてもタイトでツイスティーなコースだけれど、昨年はマシンが良いパフォーマンスを見せてくれたし優勝もできた。だから今回も期待できると思うんだ」

C・エドワーズ選手談 ー “日本へ、そしてまたヨーロッパへ”

チームメイトのロッシを含め他の多くのライダーが休養を取ったなかで、エドワーズは日本へ飛び、7月30日に芳賀紀行と組んで出場する鈴鹿8時間耐久レースのためのテスト走行を行っていた。2日間のテストを終えたエドワーズはすぐにヨーロッパへ戻り、今は今週末に迫った大切な一戦に備えて力を蓄えているところだ。

「3連戦の後すぐに日本へいくのは本当に大変だったんだけれど、それよりも鈴鹿8耐にまた出場できると思うと、楽しみな気持ちで一杯だ。しかも10年ぶりにまたノリと組むことになる。あのときは優勝したんだよ。テストはとても順調。ただスーパーバイクの乗り味を再確認し、鈴鹿のコースを思い出すだけで良かった。マシンも非常に競争力が高いので、かなりいいところまで行けるかもしれないよ。

でもその前にまだやることがいろいろあるんだ。今週末のドイツ、そしてその翌週の母国アメリカでのグランプリ。前回のドニントンではたくさんの問題にぶつかって解決できないままに終わってしまったので、今回のザクセンリンクは非常に重要な意味を持つ一戦になる。だからここで時間を無駄にするわけにはいかないんだ。コースは二つの異なるパートに分かれていて、一方はパッシングがとても難しい部分、もう一方は体の左側に大きな負担がかかるため体力を要求される部分だ。タイヤにかかる負担も大きいので、左側をオーバーヒートさせないための正しいタイヤチョイスが肝心だ。僕自身はこのコースとの相性は悪くないし乗っていて楽しいと思えるので、きっと良い週末を過ごすことができると思う」

D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談 ー “時間は十分にある”

ブリビオは、木曜日の午後には体調万全のロッシがサーキットに姿を現すことを祈っている。シーズン中盤を迎えて調子を上げてきていたところで負傷してしまい、チャンピオンシップにおいては厳しい状況におかれているが、短い休養のあと再びタイトル獲得への道を歩み始められると確信しているのだ。それを可能にするだけのレースがまだ残っている。

「1週間レースがないとちょっとした休暇をとったような気分になっているから不思議なものだ! それはともかく、この1週間でバレンティーノのけがが回復してくれていることを望むばかりだ。それも金曜の朝からしっかりと走れれば最高だ。ようするに“いつもの週末”になってくれればそれでいいんだ。バレンティーノがけがをしてしまったことでチャンピオンシップポイントの挽回の計画が遅れてしまったのは事実だけれど、まだあと8レースが残っているし時間は十分にあるんだ。
今の我々の目標は、夏休みに入る前にもっと差を縮めておくこと。そのためには今回と、次のラグナセカが非常に重要だ。ザクセンリンクに関して言えば、ヤマハ1年目のときのバレンティーノが、マシンについてかなり苦労したのは確か。それでも昨年は良いセッティングが見つかって優勝することができたんだ。2006年型はこのコースの特徴に合っていると思っているが、やはり金曜の朝になってみなければわからない。うまくいくことを祈っているよ」

M・ノートン談(ロッシ担当のオーリンスの技術者) ー “テクニカル情報”

旧東ドイツのかつての輝かしいモーターサイクル産業の中心であったザクセンリンクのコースは、かつてのコース(以前は一部公道を使っていた)のすぐ隣に建設され、その特徴は近隣のチェコ共和国のブルノサーキットと似ている。非常にユニークで、その超近代的とも言えるレイアウトによりラップタイムはかなり遅い。低速コーナーと、その反対に2003年に追加された下りの超高速右コーナーを含むいくつかの高速コーナーが混在する。そのためライダーにとってもメカニックにとっても大きなチャレンジとなる。

「ザクセンリンクは難しいコース。非常に短くて、そしてバレンティーノの好みじゃない。マシンのセットアップに関しては、あのもの凄いダウンヒルでのブレーキング性能と、低速コーナーが続く部分でのハンドリング性能との間で適切な妥協点を見つけることがすべて。だから今週はシーズンのなかでも最も忙しい1週間になるんだ。

バレンティーノが低速部分をうまく抜けられて、また坂を下りきったところでしっかりと制動できるようにしてやらなければならない。彼は他の多くのライダーとは違ってブレーキングで勝負することが多いので、フロントフォークにある程度のマージンが必要だ。またザクセンリンクでは、タイヤのショルダー部に負荷をかける時間が非常に長いので、これも通常とは違ってアンバランスを引き起こす。でもバレンティーノというライダーは、常に適切なフィードバックを我々に与えてくれるライダーだ。だからさまざまなことを試してみて、あるときには少し大胆に変えてみても、彼はそれを乗りこなしてしまう。そしてラップタイムが良くなったり悪くなったりするので、そこから我々は何かを思いつく。どの方向へ向かっていけばいいのか、彼がアイディアをくれるんだ。そういう点で一緒に仕事をするには最高のライダーで、彼は常に100%の力を注いでくれている」

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