ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 5月21日 フランス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第5戦フランスGP
■開催日:2006年5月19日(金)フリー走行2
■開催地:フランス/ル・マン(1周4.180km)
■コースコンディション:ドライト
■気温:16度 ■路面温度:19度
REPORT
エドワーズがフリー走行トップ
キャメル・ヤマハ・チームのV・ロッシとC・エドワーズは、第5戦フランスGP初日に行われた2回のプラクティスでいずれも好タイムをマーク。午前中の第1セッションはロッシがトップでエドワーズが2位、午後のセッションではエドワーズがトップ、ロッシが2位と好調だった。
シーズン序盤は不運が続いたチームは、ヨーロッパラウンドが始まる今回からマシンに改良を加えて臨んだ。開幕以来、悩まされてきたチャターの問題を取り除くためにニューフレームを投入。それを繰り返しテストしたロッシはかなり好感触を得ており、明日からはこれを両方のマシンに搭載して公式予選に臨む予定。
一方、テック3・ヤマハ・チームのC・チェカとJ・エリソンは14位と18位。完璧なドライセッションを活用してダンロップタイヤを多数テストしながら、順調に調子を上げていった。順位はこれまでとあまり変わっていないが、ラップタイムでは上位陣にかなり近づいていて、チェカはトップのエドワーズから1秒差。テック3・ヤマハ・チームはダンロップタイヤの開発のため、毎回、通常の作業に加えて膨大なタイヤテストを行っている。同チームにとってはウイーク1日目のプラクティスと2日目の予選が非常に重要になっている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'35.170 |
2 | V・ロッシ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'35.282 |
3 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'35.447 |
4 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'35.461 |
5 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 1'35.546 |
6 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 1'35.625 |
7 | S・ジベルナウ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'35.628 |
8 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'35.662 |
9 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'35.796 |
10 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 1'35.935 |
11 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 1'35.971 |
12 | R・ド・ピュニエ | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'36.159 |
13 | T・エリアス | Fortuna Honda | Honda | 1'36.191 |
14 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'36.306 |
15 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 1'36.483 |
16 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'36.904 |
17 | A・ホフマン | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'37.173 |
18 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'37.986 |
19 | J・ルイス・カルドソ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'38.509 |
COMMENT
C・エドワーズ選手談(フリー走行1番手/1分35秒170/52周)
「今日は悪くなかったよ。中国で好成績を挙げたばかりだしね。バレンティーノがニューフレームをテストしながら問題の解決策を探っていたので、僕らのほうは決勝用のセッティングを詰めていくことに集中できた。昨日の時点では“4ラップも走れば、今回の目標が見えてくる”と話していたんだが、今わかったことは、今回は勝利を目指していける、ということだ。トルコのテスト以来、ほとんど何もいじっていないが、フィーリングは非常に良くなってきていて自信もついてきた。マシンがどのように動くか、よくわかってきたんだ。午前中のセッションは言うことなしの絶好調。午後になってグリップが上がってくると、また少しチャターが出始めたけれど、依然として攻め続けられているので問題ない。このフレームにも限界があることはわかっているが、楽にここまでできたし、少なくともライバルたちと同等にプッシュできている」
V・ロッシ選手談(フリー走行2番手/1分35秒282/36周)
「コーリンも僕も最初から速く、今回はYZR-M1が非常によく走ってくれることがわかったのでハッピー。二人で1・2位を取れたということはチームにとって最高の結果。大いに自信になった。午前中は本当に速かった。そして午後は、明日に備えてニューフレーム用のセットアップを中心に行った。明日は雨になりそうだから、今日のうちにやっておかなければならなかったが、すでにベースが見つかったのでホッとしている。ニューフレームは気に入った。振動の問題も解決できそうだし、1日目にして早くも、そのポテンシャルの高さが見えた。ヤマハはル・マンではいつも好調なので、明日以降もこの調子でいけると信じている」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「コーリンもバレンティーノも今回は非常に良いスタートが切れた。二つのスペックを用意したが、どちらも好調だったのだから、僕らにとってはとても励みになる。明日は雨が降るということなので、今日のうちにドライ・セッティングのデータを収集しておきたかった。その結果として、すでにベースセッティングができ上がったので、決勝が晴れなら、今のままでも十分に戦える。明日は、バレンティーノはニューフレームを両方のマシンに使用、コーリンはスタンダードのままでいく予定。今のところどちらのマシンも良く走ってくれるので、明日もまた楽しみだ」
C・チェカ選手談(フリー走行14番手/1分36秒306/31周)
「今回ヤマハはとても好調で、ラップタイムも上位に近づいてきている。比較的、短いコースでここまで詰められたということは、伸びがそれだけ大きいということだ。タイヤに関しては依然としてサイドグリップに不安が残っているし、またリアタイヤに問題もある。しかしダンロップのスタッフがみな非常に頑張ってくれているので信頼することができるんだ。だから少しでも早く、それを結果につなげていきたいというのが今の望み。僕もそのために全力を尽くし、リアタイヤのフィーリング向上を目指している。逆の言い方をすれば、トップについていくためには解決しなければならない問題がまだまだたくさんあるということだ。今日もたくさんのタイヤをテストして気に入ったものが見つかったが、これからはその耐久性も考慮していかなければならない。今日の作業の方向性をそのまま続けていけるように、明日も晴れてくれることを望んでいる」
J・エリソン選手談(フリー走行17番手/1分37秒986/34周)
「ここル・マンでのM1のハンドリングがとても気に入った。マシンが好調だということは、コーリンとバレンティーノがトップに立っていることからもよくわかる。僕はル・マン24時間耐久レースに参加して何度も走っているので、このコースは大好きだ。タイヤに関しては、今のところコンパウンドの異なる3種類が用意されているが、どれもが良いところも、そうでない部分もある感じで絞りきれていない。このまま見つからないとすれば、マシンのほうを変えていかなければならないだろう。開幕時から比べたらかなり良くなってきているのだが、それはライバルたちも同じこと。だから我々の望み通りというわけにはいかないのだが、全体的に見ればやはり、かなり頑張っていると言っていいだろう。そのことはラップタイムにはっきりと表れている。僕はカルロスのタイムに近づいていっているし、カルロスは上位陣に近づいていっている。でもそれに加えて、僕はカルロスと同じマシンに乗っているのだから、彼と肩を並べるまでにならなければならないと思っているんだ。またタイヤに関しては、気温が高いほうが調子が良いので、もう少し路面温度が上がってくれるとうれしい。今日も新しいタイプを試したが、十分に暖まりきらなかったんだ。明日、もう一度テストしてみたい」
H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談
「今日はとても順調だった。これまでのどの大会よりも、トップとの差が縮まった。今日はトップから1秒落ちだったが、これからもっと縮めていけるかもしれないんだ。でも明日は雨、あさっての決勝は晴れという可能性が考えられるので、今日はタイムを狙うのではなく、従来タイプのタイヤを使うことにした。コーリンとバレンティーノも非常に好調なので、今回のヤマハはかなり良さそうだ。僕らの後ろには他メーカー、他タイヤのライダーがまだ大勢いるのだから。予定通りとは言いたくないが、今はひたすら改良を継続しライバルに近づいていくことが重要だ」