ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.03 4月30日 トルコ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第3戦トルコGP 初日
■開催日:2006年4月28日(金)フリー走行2
■開催地:トルコ/イスタンブール(1周5.340km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度 ■路面温度:27度
REPORT
エドワーズがフリー走行6番手タイム
キャメル・ヤマハ・チームのV・ロッシとC・エドワーズは、第3戦トルコGPのプラクティス初日、そのほとんどをセッティングのためのデータ収集に当てた。昨年は10月に行われた同大会。気候や気温が異なるため、新しいデータが必要となる。この日は曇り空で気温も20度と低く、路面のグリップ性があまり良くない状況。そのなかでトップタイムを記録したのはN・ヘイデン(ホンダ/1分53秒623)。
ロッシはこのコンディションに素早く慣れ、午前中に行われた第1セッションでは3番手のタイムをマーク。ところが午後になるとあまりいいところがなく、11位でこの日の走行を終えた。チームメイトのC・エドワーズは両セッションともに6位。課題の解決にはまだ多く時間が必要だが、明日は天気が下り坂で雨に見舞われる可能性も高い。
テック3・ヤマハ・チームのC・チェカとJ・エリソンは、それぞれ16位と17位。マシンのセットアップでいくつか問題があり楽な状況ではなかったものの、チェカは怪我を完全に克服して本来の調子を取り戻している。一方のエリソンも乗るたびにYZR-M1に慣れ、タイムでも徐々にチームメイトに近づいている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 1'53.623 |
2 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 1'53.861 |
3 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 1'53.971 |
4 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'54.001 |
5 | T・エリアス | Fortuna Honda | Honda | 1'54.022 |
6 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'54.042 |
7 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'54.055 |
8 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'54.227 |
9 | S・ジベルナウ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'54.279 |
10 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 1'54.422 |
11 | V・ロッシ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'54.662 |
12 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'54.722 |
13 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'54.967 |
14 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 1'55.179 |
15 | R・ド・ピュニエ | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'55.700 |
16 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'56.838 |
17 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'56.943 |
18 | A・ホフマン | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'57.467 |
19 | J・ルイス・カルドソ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'58.007 |
COMMENT
C・エドワーズ選手談(フリー走行6番手/1分54秒042/38周)
「初めはカタールのときのセッティングで走ってみたが、あまりうまくいかなかった。それで、フロントタイヤを通常テストで使っているものよりも新しいものに替えてみたらかなり良くなったんだ。さらにサスペンションのセッティングを少し変えると、とても走りやすくなってラップタイムが上がってきた。最終的には非常に安定して走れるようになったのでハッピーだ。依然としていくらか振動が出ているものの、頻度は減って、限られたコーナーだけになっている。明日はそのあたりを中心に進めていきたいと思っているが、天気がちょっと心配だ。午前中はコースがとても汚れていたが、午後には少し良くなった。このままドライが続けば週末に向けてグリップも上がってくると思うが、天気予報では雨とのことなので今は様子を見るしかなさそうだ」
V・ロッシ選手談(フリー走行11番手/1分54秒662/43周)
「午前中は初めから好調で、すぐにタイムも上がった。3番手で第1セッションを終えることができたので、午後もそのままの調子でいけるものと思っていたんだ。ところが加速性を向上させようと思って何箇所かモディファイを加えたら、ブレーキングでのグリップが落ちてしまい、タイムも更新できなかった。コンディションから考えれば午後のほうがコンマ5秒は速くなっているはずなのに… 午前中はコースが汚れていたからなのか11位に落ちてしまった。ちょっとがっかりだが、その一方で、終盤のセッティング変更でいくらか改善できたので心配はしていない。今のところ振動の問題は大きくない。明日、グリップが良くなったときにも問題が起きないことを望むばかり」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「午前中はバレンティーノが好調、午後はコーリンが好調だった。だからチームとしてはまずまずと言っていいだろう。良かった点は、今日はプラクティス1日目としての作業を通常通りに進めることができたこと。例えば開幕戦のように、問題に直面してしまって他のことができないというようなことがなかった。そして多くの重要なデータを収集することができたので、明日以降、それをもとにセッティングを行っていく。ただひとつ心配なのが雨。最低でも数ラップ、我々の解決策が正しいかどうかテストするための時間が欲しい。バレンティーノはちょっと方向性を見失っているが、今日一日のデータを比較しながら最良の方法を探していく」
C・チェカ選手談(フリー走行16番手/1分56秒838/42周)
「最高の日というわけにはいかなかった。セッティングを変えてフロントタイヤのテストを行ったが、タイムアップにはつながらなかった。明日は、とくに高速セクションについて良い方向性が見つかることを望んでいる。リアのほうもグリップの問題がいくらかあるが、これは皆が同じ条件のようだ。ダンロップは僕らの要求に応えようと懸命に頑張ってくれていて、レースのたびに改善されている。シーズンはまだ始まったばかりだから、そんなに遅くならないうちにトップに近づいていけると信じている。ダンロップとの仕事に信頼をおいており、一日も早く成果を得られるよう努力したい。肩の怪我もかなり良くなった。ただ、ハードブレーキングで力が入りきらないことだけが悔しい」
J・エリソン選手談(フリー走行17番手/1分56秒943/40周)
「最悪の状況とは言わないが、考えていたほど良くはなかった。それでも常に安定して前進を続けていることに自信を持っている。ここはカタールとまったく違うタイプのコースなので当然たくさんの作業が必要になる。でも今は、バランスを改善するための変更を少しずつ試している。僕はこのサーキットが大好き。ラグナセカやフィリップアイランドと並んで好きなコースの一つなので、条件が整ったらきっとうまくいくと思う。レイアウトとしては高速右コーナーが特徴的で、その他にもあらゆるタイプのコーナーが揃っている。時速300kmで、自分の体の下でバイクが動いている感じはとても特別なもの。明日は決勝用セッティングを改善していくと同時にタイムも上げていきたい」
H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談
「いくつか難しいところがあった。順位は重要な問題ではないが、とにかく解決策を見つけ出さなければならない。カルロスの左肩がほぼ良くなったことはうれしい知らせだが、残念ながら依然として最高の状態ではない。ダンロップとの仕事は非常にうまくいっていて満足している。彼らは我々の要求をしっかりと聞いてレースのたびにニュータイヤを持って来てくれる。しかし今日の走行の終盤には他の二つのブランドと競い合うことになった。彼らにも多くのライダーがそれぞれフィードバックを行っており、我々よりもずっと多くのデータを持ち、また長年にわたりグランプリで成功をおさめてきたメーカーだ。ダンロップにとってはMotoGPファクトリーマシンでの使用1年目。まだわずか3レース目だ。現時点で他から大きく離されているわけではなく、これからもしっかり戦っていけると信じている。明日は決勝のために一つでもポジションを上げたい」