ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.08 7月10日 アメリカ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第8戦USGP
■開催日:2005年7月10日(日)決勝結果
■開催地:カリフォルニア州/ラグナセカ(1周3.610km)
■観客数:59,000人
■周回数:32周(115.42km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度 ■路面温度:52度
■PP:N・ヘイデン(ホンダ/1分22秒670)
■FL:C・エドワーズ(ヤマハ/1分23秒915)
REPORT
エドワーズ、ロッシが2・3位表彰台
快晴のラグナセカ。11年ぶりのUSGPでポールスタートの地元N・ヘイデン(ホンダ)が独走しGP初優勝を飾った。中盤先行するV・ロッシをパスして2番手に浮上したC・エドワーズは、2位を守りきり表彰台へ。ロッシは3位としヤマハ「USインターカラー」のYZR-M1ライダーが2、3位を獲得。またR・チャウスが11位、T・エリアスが13位としたことで、3大会連続でヤマハライダー全員が完走、ポイントを獲得することとなった。
決勝はヘイデンの好スタートで発進。2番手ロッシ、そしてT・ベイリス(ホンダ)、M・ビアッジ(ホンダ)、J・ホプキンス(スズキ)、S・ジベルナウ(ホンダ)、エドワーズが続き先頭グループが形成され1周目を終了。この周A・バロス(ホンダ)、M・メランドリ(ホンダ)が転倒して戦線離脱する。
序盤エドワーズは4周目に3番手まで浮上し、その後5周目にはファステストラップを記録し先行する二人を追う。中盤に入ると、トップのヘイデンとこれを追うロッシに注目が集まるが、5周目に1.7秒だった二人の差が11周目には2.7秒まで拡大する。その一方、後方からエドワーズが少しずつ差をつめてロッシの背後に迫ると、折返しとなる16周目のコークスクリュー手前でエドワーズがロッシをかわして2番手へ浮上し、ヘイデンの追撃を開始する。
ヘイデン、エドワーズ、ロッシのトップ3台が24秒台で周回する後半。エドワーズは先行するヘイデンとの差を26周目に1.8秒まで短縮するが、終盤31周目には2.7秒まで拡大。終盤ヘイデンはラップタイムを25秒台に下げ走りきり優勝。ロッシは、エドワーズの後で、一時は約2秒差をつけられるが、終盤挽回してエドワーズと僅差の3位でチェッカー。ポイントランキングのリードを拡大した。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 45'15.374 |
2 | C・エドワーズ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 1.941 |
3 | V・ロッシ | Yamaha Factory Racing | Yamaha | 2.312 |
4 | M・ビアッジ | Repsol Honda Team | Honda | 4.216 |
5 | S・ジベルナウ | Movistar Honda MotoGP | Honda | 4.478 |
6 | T・ベイリス | Camel Honda | Honda | 22.381 |
7 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 22.493 |
8 | J・ホプキンス | Red Bull Suzuki | Suzuki | 23.148 |
9 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 23.625 |
10 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 26.123 |
11 | R・チャウス | Fortuna Yamaha Team | Yamaha | 43.512 |
12 | A・ホフマン | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 50.957 |
13 | T・エリアス | Fortuna Yamaha Team | Yamaha | 51.343 |
14 | K・ロバーツ | Red Bull Suzuki | Suzuki | 1'13.749 |
15 | S・バーン | Team Roberts | PROTON KR | 1'24.256 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Yamaha | 186 |
2 | M・メランドリ | Honda | 107 |
3 | M・ビアッジ | Honda | 100 |
4 | S・ジベルナウ | Honda | 95 |
5 | C・エドワーズ | Yamaha | 93 |
6 | N・ヘイデン | Honda | 85 |
12 | R・チャウス | Yamaha | 33 |
16 | T・エリアス | Yamaha | 18 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 190 |
2 | Honda | 166 |
3 | Kawasaki | 75 |
4 | Ducati | 64 |
5 | Suzuki | 35 |
6 | Blata WCM | 4 |
COMMENT
C・エドワーズ選手談(2位)
「スタート直後は第1コーナーで、左右から他選手にハンドルを挟まれ後退してしまった。その後は集団から一度離れて、落ち着きを取り戻してから、思い切りロッシを追っていった。2位に上がってからはニッキーを追っていったけれど、彼との差は縮まりそうで縮まらなかった。その後はタイヤのグリップも考慮して、確実に順位をキープすることにしたんだ。後半、ロッシと約2秒アドバンテージがあったけど、最終ラップにピットサインを見ると0.6秒差となっていてびっくり。きっとサインの間違いだろうと祈りながら第2コーナーで後ろを振り向くと、すぐ後ろに本当にロッシがいたんだ。その後、彼とのリードを守るため必死で走り抜いたから2位になれたんだよ」
V・ロッシ選手談(3位)
「今回は予選中、サーキットの特徴を確認するのに時間を費やしたこともあり、結果的にマシンは100%のセッティングとはならなかった。また僕たちのタイヤ選択もパーフェクトではなかったね。今回ヘイデンは良く乗れていたから、彼に追いつくのは無理だったんだ。中盤エドワーズが迫ってきていたけど、どれだけ迫ってきたのか分からなかったから、コークスクリューで抜かれた時には驚いたよ。それで一度は後退したけど、後半は彼が少しリズムを崩したように見えたので、彼に追いつこうと攻めたんだ。終盤、コーリンがこちらを振り向いたので、僕はヘルメットの中で“ハロー!僕はここにいるよ!”と言ってラストラップのアタックに入ったよ。でも2台のヤマハで表彰台獲得も悪くないし、チャンピオンシップのことを考えてそのまま走りぬいた。いずれにせよ今日はうれしい。シーズンの中でもとくにハードなこのレースで、アメリカ人ライダーといいバトルを展開したしね。来年のために多くのことを吸収出来たよ」
D・ブリビオ、ヤマハ・ファクトリーレーシングチーム監督談
「満足のいくレースウイークだった。今年3度目となる二人そろっての表彰台は、ヤマハ50周年を祝う意味で良かった。久しぶりにイエロー&ブラックのカラーリングを表彰台で見るのは素晴らしいことだし、何よりバレンティーノが選手権ポイントでのリードを広げたこと、そしてコーリンがトップとの差を大きく詰めたのがうれしい。我々にとってあらゆる点で評価できるグランプリだった。カリフォルニアを楽しむことができたし、来年また来ることを楽しみにしている」
R・チャウス選手談(11位)
「スタートを失敗してしまったが、落ち着いて走るように心がけた。前をいくロルフォをパスしてからは、自分本来のペースで走ることができるようになったし、マシンも安定していたから、ハードワークだったけど、チームの誰もが落ち着いていた。ポイントを獲得し続けられてチームとしては良かった」
T・エリアス選手談(13位)
「この週末は厳しい戦いを強いられていたが、少なくとも3ポイント獲得できたので満足している。すごくタフなレースだった。4周を終わったところから手首がひどく痛み出した。完走することが重要で、ホフマンの後にくらいついていった。ここは伝説のコース。ここでレースをするのが自分の夢の一つだったが、それが実現できてうれしい。ただ、僕らは前進しなければならない。来年また戻って来たいし、調子の良いときに来て全力で戦えば、今年より良い成績が残せると思う」
中島雅彦談(技術開発室MotoGPグループYZR-M1プロジェクトリーダー)
「11年ぶりにアメリカで行われたGPは高低差の激しい難コース。しかもほとんどのライダーが本コース未経験ということもあり、地元・アメリカンやWSB経験者の活躍が目立つレースとなりました。創立50周年記念最初となったこのレースは我々にとっても非常に重要でありカラーリングを含めさまざまなイベントを企画し、大きな盛り上がりを見せました。プレッシャーが厳しいなか、エドワーズ選手、ロッシ選手がそれぞれ2、3位と表彰台を占めることができ、胸をなでおろしたと言うのが正直な気持ちです。ライダーを含め経験不足で戸惑いもありましたが、チャウス選手、復帰戦となるエリアス選手を含め、全員がポイントを獲得したことにより、YZR-M1の戦闘力の高さを充分アピールできたと思います。次戦からヨーロッパに戻り、いよいよ後半戦に入りますが、さらに上を目指して頑張りますので、ご声援、よろしくお願いいたします」