全日本トライアル選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.08 10月23日 東北・宮城
RACE DATA
■開催日:2022年10月23日
■開催地:宮城県・スポーツランドSUGO
REPORT
黒山が2位表彰台、年間ランキング2位を獲得、野崎は4位で同4位
全日本トライアル選手権シリーズの最終戦となる第8戦東北大会は10月23日、今年も宮城県のスポーツランドSUGOで開催され、新型コロナの感染拡大防止対策をとりながら観客はすべてのセクションを観戦することができた。最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する#2黒山健一は、ポイントランキングトップと15ポイント差の2位となっており、今季3勝目を目指す。また、ランキング3位となっている#4野崎史高(Team FwO with YAMALUBE)は、4位とのポイント差が2と少ないため、トップ3を獲得すべく今季2勝目を目指し、有終の美が期待された。
国際A級スーパークラス(IAS)の競技は16名が出走、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名が難易度がより高くて見ごたえがある2つのスペシャル・セクション(SS)に挑む。セクションは急斜面や岩場を組み合わせ、コンクリートの障害物などもあり、それぞれに難易度が高かった。
大会当日の天気は曇り時々晴れで、SSに入ってから雨が降り始め、濡れた岩やコンクリートが非常に滑りやすくなり、セクションの難易度をさらに増した。SS以前の10セクションは、崖を登る第4&第10セクションがほとんどの選手が失敗する(減点5となる)鬼門となり、第2の岩場や第5の泥岩、タイヤと崖の第8セクションなども多くのミスを誘うものとなっていた。
1ラップ目、黒山は第2セクションで失敗、第4と第10も残念ながら減点5となったが、それ以外のセクションはすべてをクリーン(減点0で走破)するパフォーマンスを見せて、着実に減点を抑えた。この結果、1ラップ目の黒山はタイムオーバーで減点1を加算しながらも、合計減点16で2番手。1ラップ目終了時点でトップの小川友幸(ホンダ)は12点で、黒山との差は4点差と、2ラップ目の逆転が起こりうる状況だった。一方、野崎は減点23で4番手につけており、3番手の氏川政哉(ホンダ/減点21)に2点差に迫った。また、ヤマハのファクトリーマシンに乗る若手の#7久岡孝二(VICTORY/減点)は7番手で、6番手の小川毅士(ベータ)とはわずか1点差だった。
2ラップ目、黒山は1ラップ目に失敗した第2セクションを鮮やかにクリーン、第4と第10だけはまたも減点5となったが、それ以外のセクションでは再びすべてをクリーンする絶好調。この結果、2ラップ目の黒山は1ラップ目よりも6点も少ない減点で回ることに成功した。しかし、トップの小川(友)減点を減らし、トップと黒山の差は10点に広がっていた。一方、野崎は2ラップ目を減点15で回り、4番手から5番手に後退したものの、4番手の柴田暁(TRRS)とはわずか1点差だった。また、久岡は2ラップ目終了時点で7番手をキープしていた。
迎えたSSの2セクションは、最大10点差が付くため、もしトップと同点になった場合はクリーンの数が多い黒山に、大逆転優勝の可能性が残されていた。このチャンスに賭ける黒山は、SSの1つ目のセクションを先に走り、確実にクリーンした。しかし、トップの小川(友)もまたここをクリーン、この時点で小川(友)の勝利が決まった。そしてまた、氏川もまたクリーンしたため、SSの2つ目の最終セクションは、2点差の黒山と氏川の2位争いが注目された。
先に走った氏川は、前半の岩場で岩から岩に飛ぶ果敢な走行ラインで失敗、黒山は氏川が失敗したところは綺麗に走破して、最後の難関であるオーバーハング(しかも非常に滑りやすい上り斜面)のコンクリートへと挑んだ。ここは先に走った野崎が足着き覚悟の右から回り込んで角を狙う走行ラインで2点で切り抜けていたが、黒山はクリーンを狙い正面から挑戦、惜しいところでミスがあり減点5となったが、最後まで果敢に攻める姿勢に拍手がわき起こった。これで黒山が2位表彰台をゲット。そしてまた黒山は、クリーンの数では優勝者を上回り、最多クリーン数16をマークした。野崎は最後の2点が功を奏し、5点となった柴田を逆転して4位。久岡は7位。ポイントランキングは、2位黒山、4位野崎、9位久岡となった。
RESULT
RIDERS RANKING
COMMENT
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
黒山健一選手談(2位)
「全部のスケジュールが無事に終了しました。最終戦東北大会は1位を狙ったのですが、残念ながら2位という結果に終わってしまいました。今年のランキングも2位ということで、昨年に続き2位と残念ですけれども、今年は体調が悪かったり、しっかり走れない試合もあったのですが、後半の近畿と東北はちゃんと走れたので僕自身非常に良かったと思います。皆さん応援していただいて本当にありがとうございました。また来年も引続きよろしくお願いします」
佐藤美之監督談
「今年も一年間応援していただいて、本当にありがとうございました。最終戦は正直、勝ちたかったのですが、相手が上だったということです。チームとして欠けているものを洗い出して、来シーズンに向けてまた頑張りたいと思いますので、来年もまた応援よろしくお願いします」
Team FwO with YAMALUBE
野崎史高選手談(4位)
「最終戦は4位で、ランキングも4位となってしまいました。シーズンを通して良し悪しがはっきり出た感じだったので、当然といえば当然の結果かなと思います。来年に向けて今年は色々な準備をするための部分もあったので、来年に反撃を誓って頑張りたいと思います。一年間応援ありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします」