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全日本トライアル選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。

Rd.01 4月3日 中部・愛知

RACE DATA

全日本トライアル選手権 第1戦中部大会
■開催日:2022年4月3日
■開催地:愛知県・キョウセイドライバーランド
■観客:900人
■気温:12度
■天候:雨のち曇り
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間40分(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:黒山健一(ヤマハ)/5

REPORT

黒山健一、ニューマシンで開幕優勝
野崎史高は3位表彰台ゲット

全日本トライアル選手権シリーズの開幕戦となる第1戦中部大会が、今年も愛知県のキョウセイドライバーランドで開催され、新型コロナの感染拡大防止対策のため観客は大会当日のみの入場だが、冷たい雨が降るなか多くのファンが集まった。

最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する#2黒山健一は、新型ファクトリーマシンTYS250Fiでヤマハの10年ぶりタイトル奪還と通算12度目のチャンピオン獲得をめざす。同じくTYS250Fiに乗る#4野崎史高(Team FwO with YAMALUBE)は、自身初のチャンピオンを狙い、開幕戦に挑んだ。

国際A級スーパークラスの競技は19人が出走、4時間40分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名だけがより難易度が高くて見ごたえがある2つのスペシャル・セクション(SS)に臨む。セクションはもともと大岩や急斜面が立ちはだかる難易度の高い設定だったが、雨で路面がぬかるんで非常に滑りやすくなり、極めて困難なコンディションとなった。さらに2ラップ目は残り時間がわずかとなり、失敗(減点5)が見込まれるセクションは申告減点5でトライせずに先を急ぐ姿も多く見られた。そんな状況で、黒山は2年目を迎え熟成が進むニューマシンを駆り熱い走りを披露、終日大観衆を沸かせるレース展開を繰り広げた。

競技の1ラップ目から圧倒的な強さでトップに立った黒山(減点26)は、1ラップ目終了時点で2番手の小川友幸(ホンダ/減点41)に15点差をつける大きなリードを奪った。その後には、野崎が小川(友)とわずか1点差の減点42で3番手につけていた。その背後には、氏川政哉(ホンダ/減点43)、柴田暁(TRRS/減点44)らがそれぞれ1点差の僅差で続いていて、ヤマハのTYS250Fiに乗る期待の若手、#7久岡孝二(VICTORY/減点46)は7番手となっていた。

黒山は、4時間40分で10セクションを2ラップする競技の1ラップ目に、4時間近い時間を費やしていた。ライバルたちも同様だが、残り1時間足らずで2ラップ目を終えなければならず、時間との戦いにもなった。そんな2ラップ目、黒山は1ラップ目よりも大きく減点を増やして減点39を加算したものの、2ラップ目は減点33で追い上げてきた小川(友)を2ラップのトータル減点では9点差に抑えた状態で、トップの座をキープしていた。2ラップ終了時点の3番手以下は、氏川(減点87)、野崎(減点88)、柴田(減点88)という大接戦で、野崎の3位奪回が期待された。一方、久岡(減点99)は2ラップ終了時点で11位となり、SS(10位以内)への進出はならなかった。

こうしてSSをトップで迎えた黒山は、残り2セクションを2つとも失敗(減点5×2=10)した場合は、小川(友)に逆転される可能性はあった。だが、逆に1つでも減点3(何回足を着いてもよい)で走破すれば、優勝が決定する。その1つ目のSS、人工セクション。一方が高い位置に設置された丸いヒューム管の上を上がってジャンプし、遠く離れた着地台まで空を飛んでいく、見ごたえのあるポイントも難なくこなした黒山はクリーン(減点0)とし、この時点で優勝を決定づけた。

さらに2つ目、最終セクションは1つ目の逆走となり、今度は1つ目のセクションの着地台からジャンプして、なんと遠く離れた丸いヒューム管(しかも、今度は下り坂になる)の上に着地しなければならない、非常にリスキーな設定。そのため、黒山以外の選手は全員ジャンプせず、一旦地面に降りてからヒューム管を上がる安全策をとった。ところが、なんと、黒山はジャンプ! しかも大成功の離れ業で、有終の美を飾った。

これで黒山は、昨年の最終戦での優勝に続いて連勝。黒山の開幕戦優勝は4年ぶり。ヤマハとしては2020年の野崎以来、2年ぶりとなった。黒山の通算92度目の勝利は、ダントツの歴代1位となる。史上初、12度目のチャンピオン獲得に向かって、これ以上はない好スタートを切った黒山。また、野崎も土壇場で氏川を逆転、3位表彰台を奪取した。

次回の第2戦・九州大会は4月24日、熊本県の矢谷渓谷トライアル場で行われる。

RESULT

RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

黒山健一選手談(優勝)

「悪天候の中、観客の皆さまには現場まで足を運んでいただき最後まで見ていただいて、ありがとうございました。僕自身の調子が良い悪いは抜きにして、去年から今年にかけてオートバイをしっかりと仕上げていただいて乗り込むことができたので、この1位は僕だけのものではなくてヤマハ・スタッフ一同で勝ち取った1位だと思っています。とりあえず開幕戦を勝っただけなので、今年はあと7戦ありますので、このペースをしっかり守ってチャンピオンを取りたいと思いますので、皆さん応援よろしくお願いいたします」

佐藤美之監督談

「応援ありがとうございました。今回のセクションは非常に難易度が高くて、また今日は本当にあいにくの天気で最悪のコンディションだったのですが、それでも黒山選手の頑張りのおかげで勝つことができました。表彰式でも、『今回はヤマハのマシンのおかげです』と言っていただいたのも非常に嬉しかったのですけれども、私としてはやはり黒山選手の頑張りのおかげだと思っています。これを機に、次の九州大会からも一戦一戦を大事に戦っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします」

Team FwO with YAMALUBE

野崎史高選手談(3位)

「今日は雨でコンディションがここまで悪化するとは思わず、かなり厳しかったです。僕も2ラップ目にかなりのセクションをパスしなければならない状況だったので、見に来てくれたお客さまには本当に申し訳なかったのですが、逆転3位に入れたことはチャンピオンシップとしては後々影響してくると思うので、とりあえず良しとして以降のレースでさらに上を目指して頑張りますので、また応援よろしくお願いいたします」

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