全日本トライアル選手権

RACE DATA

■開催日：2021年11月14日
■開催地：愛知県・キョウセイドライバーランド
■観客：1,500人
■気温：18度　■天候：快晴
■天候：晴れ時々曇り
■競技：10セクション×２ラップ＋SS-２セクション
■持ち時間：４時間40分（10セクション×２ラップ）
■最多クリーン数：黒山健一（ヤマハ）／8

REPORT

黒山健一、今季初優勝

全日本トライアル選手権シリーズ第8戦（追加分・最終戦）中部大会は、前日の土曜日に第3戦（延期分）が行われたのと同じ会場である、愛知県のキョウセイドライバーランドで開催された。タイトル争いはすでに第3戦で決着しているため、今大会は最終戦優勝を目指すとともに、ランキング2位以下の争いとなった。

最高峰の国際A級スーパークラス（IAS）にYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する#3黒山健一は、新型のファクトリーマシンTYS250Fiで初の勝利を飾って一矢報いるとともに、ランキング2位を堅持したいところだった。また、同じく新型TYS250Fiに乗る#2野崎史高（Team FwO with YAMALUBE）は、ランキング3位から上を目指す構えだ。

2日連続の中部大会2日目は、セクションを数カ所変更するだけではなく、スタート方式もIASの出走を早めるなどして、第3戦では実施しなかったスペシャル・セクション（SS）を復活させている。IASの競技は18名が出走、4時間40分の持ち時間で8セクションを2ラップした後、上位10名だけがより難易度が高く見ごたえがある2つのスペシャル・セクション（SS）に挑んだ。セクションはどれも難易度が高く、減点5となる選手は多く、前日に全セクションを全てクリーン（減点0で走破）した#1小川友幸（ホンダ）でさえも減点5を連発するほどの、荒れ模様の競技展開となった。

そんな中、1ラップ目は転倒するなどして減点5を2つ取りながらも、黒山が減点13でトップに立った。2番手以下は僅差で、小川（友）15点、氏川政哉（ホンダ）15点、野崎18点、柴田暁（ヴェルティゴ）20点、小川毅士（ベータ）25点という接戦状態だった。

2ラップ目に入ると、氏川が9点で追い上げ、柴田も12点と大きく減点を減らしてきたが、黒山は14点と思うように減点を減らせないでいた。結果、2ラップの合計点では、氏川24点が黒山27点を逆転してトップに立っていた。3番手以下は、小川（友）31点、柴田32点、小川（毅）46点、久岡46点、野崎52点と続いた。

こうして迎えたスペシャルセクションは1つ目の、氏川や小川（友）を含むほぼ全員が失敗して減点5となったコンクリートや丸太でできた人工セクションの難所を、若手の廣畑伸哉（ガスガス）と黒山だけが減点2で走破。ここで黒山が、氏川と同じ29点に並ぶこととなった。そしていよいよ2つ目の最終セクション。急斜面の岩場を右に左にターンしながら越えていき、最後に巨大な岩を上がる、その前半で再び氏川や小川（友）を含むほぼ全員が失敗したが、黒山はなんとここを足着きわずか1回のみの減点1という驚異的なパフォーマンスで駆け抜けて、氏川を逆転。黒山が、ついに新型ワークスマシンで待望の今季初優勝を獲得した。
野崎は7位、TYS250Fiに乗る若手の#7久岡孝二（Victory）は6位で表彰台に並んだ。

RESULT

RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM
黒山健一選手談（優勝）

「最後になんとか追いついて、そして追い越して、逃げ切って、1位を獲得することができました。これもひとえに皆さんの応援のおかげです、本当にありがとうございました。今年はニューマシンに乗させていただいて、なかなか良い結果が出ませんでしたけれど、こうして勝つことができて非常に良かったです。また来年、しっかり頑張りますので、皆さん応援よろしくお願いします」

佐藤美之監督談

「やっと勝てました。今まで苦労してきましたが、最後に黒山選手の頑張りとチームスタッフ皆が一体となって成し遂げた成果です。とくに最後のSSは感動しまして、本当に素晴らしいレースを見せてくれました。これを機に、また来年に向けて色々と考えて、やり直して、頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。今年一年本当にありがとうございました」

Team FwO with YAMALUBE
野崎史高選手談（7位）

「最終戦は大変残念な結果に終わりました。今の自分の走りではこの結果も当然です。来年のシーズンが始まるまでには十分時間があると思いますので、その間に本来の自分の走りを取り戻して、さらなるレベルアップを目指し、また来年頑張りたいと思います」

Victory
久岡孝二選手談（6位）

「今日は6位ということで、自分なりにいいところもあったのですけれども、ちょっと悪いところが目立ってしまったので、来年につながる走りはできたかなと思います。また来シーズンに向けて頑張りますので、今後とも応援よろしくお願いします」