全日本ロードレース選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本ロードレース選手権に関する情報をお届けします。
Rd.08 11月2-3日 MFJGP 鈴鹿
RACE DATA
■大会名称:MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ第8戦 MFJグランプリ
■カテゴリ:JSB1000
■開催日:2019年11月3日(日)
■会場:鈴鹿サーキット(5.821km)
JSB1000 レース1
■周回数:14周 ■天候:晴れ ■コース:ドライ
■PP:高橋 巧(2分3秒592/ホンダ)
■FL:中須賀 克行(2分5秒395/ヤマハ)
JSB1000 レース2
■周回数:20周 ■天候:晴れ ■コース:ドライ
■PP:高橋 巧(2分4秒385)
■FL:高橋 巧(2分5秒278)
REPORT
Race1:中須賀選手が今季6勝目を挙げてポイントリーダーとしてレース2に臨む。
野左根選手は2位に入りオートポリスから3戦連続でヤマハが1-2ゴール!!
予選2番手からスタートしたYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行選手が、今季の最多勝となる6勝目を記録。そしてチャンピオン争いをしている高橋巧選手(ホンダ)が転倒により順位を落としたことから、中須賀選手がポインタリーダーとしてレース2に臨むことになった。
また、野左根航汰選手は、スタート直後のアクシデントでポジションを落とすが、見事な追い上げで2位にまで挽回してゴール。前戦オートポリスからYAMAHA FACTORY RACING TEAMは3レース連続で2-1フィニッシュとなった。
14周で争われるレース1。中須賀選手は予選2番手、野左根選手は予選3番手でフロントローに並ぶ。そして好スタートをきった野左根選手がホールショットを奪ったのだが、第2コーナーで野左根選手と高橋選手が接触。両者コースアウトしてしまう。
このアクシデントを冷静にかわした中須賀選手がトップに立つと、そのままレースを独走。今季6勝目は最多勝を決めるものとなった。
一方、オープニングラップを15位で終えた野左根選手は激しい追い上げを開始。6周目には4位集団の先頭に立ち、9周目には2位争いの集団に加わった。そして12周目に水野涼選手(ホンダ)をパスする2位に浮上。トップの中須賀選手に迫ることはできなかったが、見事な追い上げとともにオートポリスでの2レース以来、3レース連続でYAMAHA FACTORY RACING TEAMは1-2フィニッシュを達成した。
なお、レース前のポイントリーダー高橋選手が16位となったことから、中須賀選手が9ポイント差のポインタリーダーとしてレース2に臨むことになり、ランキング2位の高橋選手とランキング3位の野左根選手にもチャンピオンの可能性が残されている状態だ。
また、YAMALUBE RACING TEAMの前田恵助選手は、好スタートからレース序盤でトップグループに入るが、その後ペースが上がらず8位でのゴールとなった。
Race2:中須賀選手が2位に入りJSB1000クラス2連覇、通算9度目の栄冠。
野左根選手は3位でランキング3位を獲得!!
YAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行選手がポイントリーダーで迎えたレース2で、中須賀選手は2位に入りJSB1000クラス2連覇、同クラスで通算9度目のチャンピオンに輝いた。また、レース終盤で中須賀選手にパスされたものの野左根航汰選手は3位に入り、ランキングでは昨年よりも一つ上の3位となった。
スタートで飛び出したのは高橋巧選手(ホンダ)で、オープニングラップからペースを上げると独走で優勝。2位の座を巡っては野左根選手、中須賀選手、渡辺一樹選手(スズキ)の3人が徐々に野集団を抜け出していく。
20周で争われるレースの17周目の最終シケインで中須賀選手は渡辺選手にパスされてしまう。さらに18周目には野左根選手も渡辺選手に抜かれてしまうが、19周目に野左根選手と中須賀選手が相次いで渡辺選手をパスしてポジションを回復。さらに最終ラップでは中須賀選手が野左根選手をパスして2位に上がると、中須賀選手が2位、野左根選手は3位でチェッカーを受けた。
また、YAMALUBE RACING TEAMの前田恵助選手は、レース1ほどにスタートが決まらずに10位でゴール。ランキング10位となった。
JSB1000 RESULT Race.1
JSB1000 RESULT Race.2
J-GP2 RESULT Race.1
ST600 RESULT Race.1
JSB1000 RIDERS RANKING
J-GP2 RIDERS RANKING
ST600 RIDERS RANKING
COMMENT
Race1:YAMAHA FACTORY RACING TEAM
中須賀克行選手(優勝)
「スタートから前に出てレースをコントロールしようと思っていて、クラッチミートもうまく行ったのだけれど、(野左根)航汰の方がスタートが良くて引くしかありませんでした。その後、航汰と(高橋)巧選手がアウトにはらんでいったので、すぐにイン側にマシンを寄せて、あとは自分のペースで走りました。巧選手のポジションが落ちたのを知ってペースが乱れましたが、優勝できてうれしいです」
野左根航汰選手(2位)
「スタート直後の第2コーナーで高橋選手と接触してコースアウトしてしまい、マシンにもダメージがありましたが、その後はガムシャラに走って表彰台に立つことができました。マシンを修復してもらい、レース2ではさらにいい戦いができるように頑張ります」
吉川和多留監督
「今大会には、追う立場としてやるべきことをしっかりとやって臨んでいます。レース1では、結果として高橋選手が転倒したことでチャンピオンシップでは中須賀選手との立場が逆転しましたが、レース2はあくまでもチャレンジャーとして戦います。今シーズン中、いろいろとマシンのセットを振ってライダーに迷惑をかけましたが、最後にライダーの納得できるセットが整いました。レース2では、チーム一丸となって今シーズンの集大成のレースにします」
YAMALUBE RACING TEAM
前田恵助選手(8位)
「スタートがうまくいったことで、レース序盤はトップ集団に加わることができ、どのような戦いをしているのか、少しですが知ることができました。ラスト2周では、アクセルを開けるのが雑になるなどで、ミスもあり、ここを冷静にクリアしたかったです。レース2では、トップグループについていけるように頑張ります」
難波恭司監督
「シーズンを戦ってきて、YZF-R1はキット車のなかでは最高の状態に仕上がっています。そして木曜日の走り始めから順調で、今大会では絶対にチャンスがある、チャンスを掴みにいけと前田選手に伝えていました。そして好スタートからレース序盤でトップグループに入ることができ、ここでいろいろなものが吸収できたのではないかと期待していますし、それをレース2に活かしてもらいたいですね」
Race2:YAMAHA FACTORY RACING TEAM
中須賀克行選手(2位)
「レース1での結果から、レース2ではいきなりポイントリーダーとして戦うことになり、何度も経験しているけれどチャンピオンがかかったレースは緊張します。それが序盤でペースを上げられなかった理由です。レース2では勝つことができませんでしたが、2位に入ってチャンピオンを獲得できたことに本当に嬉しく思います」
野左根航汰選手(3位)
「僕もチャンピオンの可能性はありましたが、あまりにも状況は厳しかったので、まったく意識することなく戦うことができました。ただ、レース2では気温と路面温度が下がったことでペースを掴みにくかった。最後は中須賀さんに先行されてしまいましたが、守るものが多い中須賀さんに負けたのは本当に悔しいです」
吉川和多留監督
「中須賀選手は、レース1での追う側からレース2では追われる立場に変わって、気持ちの整理がつかないままのレースだったようですが、しっかりと2位に入ってチャンピオンを獲るところはさすがと言えます。野左根選手も、一年をかけてしっかりと成長の跡を残してくれました。一年間、我々の活動を支えていただいたスポンサーのみなさま、そして応援していただいたファンのみなさまにチャンピオン獲得のご報告ができることを大変嬉しく思っています。本当にありがとうございました」
YAMALUBE RACING TEAM
前田恵助選手(10位)
「レース2ではスタートが決まらず、苦しい展開になってしまいました。しかし、今大会では得ることが沢山あり、今大会を一つの基準としてシーズンオフにしっかりと課題をクリアしていきます。メンタル、フィジカルともに鍛え直します」
難波恭司監督
「今大会は、次のステップに向かうためのベースになったと言えます。言い換えれば、最低限の結果であり、ここからどうやってさらに上を目指してくか、どうやってチーム全体のレベルアップを図ることができるかが今後の課題です。これは前田選手に限らず、すべてのライダーに言えることですが、オフシーズンをどのように過ごすかが将来の自分を決定するので、目的意識を持って自分を高めてほしいです。今大会を最後に2019年シーズンは終了しますが、今年は一年間しっかりと戦うことができました。我々の活動をサポートしていただいたスポンサーのみなさま、そして我々に温かい声援を送っていただいているファンのみなさま、一年間、本当にありがとうございました」