全日本ロードレース選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本ロードレース選手権に関する情報をお届けします。
Rd.07 10月5-6日 オートポリス
RACE DATA
■大会名称:MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ第7戦 オートポリス大会
■カテゴリ:JSB1000
■開催日:2019年10月5日(土)、10月6日(日)
■会場:オートポリスサーキット(4.674km)
JSB1000 レース1
■開催日:2019年10月5日(土) ■観客:2,415人
■天候:晴れ ■気温:21度 ■コース:ドライ
■周回数:20周
■PP:中須賀 克行(1分46秒306/ヤマハ)
■FL:野左根 航汰(1分48秒092/ヤマハ)
JSB1000 レース2
■開催日:2019年10月6日(日)■観客:4,020人
■天候:晴れ ■気温:18度 ■コース:ドライ
■周回数:20周
■PP:中須賀 克行(1分47秒139/ヤマハ)
■FL:中須賀 克行(1分48秒007)
J-GP2
■開催日:2019年10月6日(日)
■周回数:6+6周 ■天候:晴れ ■コース:ドライ
■PP:名越 哲平(1分51秒708/HARC-PRO)
■FL:榎戸 育寛(1分51秒746/HARC-PRO)
ST600
■開催日:2019年10月6日(日)
■周回数:15周 ■天候:晴れ ■コース:ドライ
■PP:小山 知良(1分53秒403/ホンダ)
■FL:國峰 啄磨(1分53秒528/ホンダ)
REPORT
Race 1:野左根がレース終盤までトップを快走!!
中須賀が大逆転でJSB1000で通算50勝達成!!
20周で争われるレース1の16周目にYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が野左根航汰をパスしてトップに立てば、野左根は最終ラップにファステストラップを記録するなど中須賀を追い詰めた。結果は0.183秒差で中須賀の優勝。これで中須賀はJSB1000で通算50勝を記録した。
事前テストから好調な中須賀は、予選で自身の持つコースレコードを更新。さらにセカンドタイムでもトップだったことから、レース1、レース2ともにポールポジションスタートとなった。
レース1は予選が行われた後の午後に行われ、中須賀はタイミング良くスタートするが、第1コーナーでラインを外してしまい、この隙をついて野左根がトップに浮上する。そしてこの2人に水野涼(ホンダ)が続き、レース序盤は3人がトップグループを形成。しかし、水野はレース中盤以降でタイムが上がらずに徐々に後退。代わって高橋巧(ホンダ)が3番手に上がるが、この段階で野左根戦と中須賀には約1秒差があった。
野左根は自分のペースと走行ラインをしっかりと守って周回を重ねる。野左根のスリップストリームに入る中須賀もパッシングチャンスを見いだせない状況が続いた。しかし、17周目の第1コーナーで中須賀が仕掛けてトップに浮上。しかし、その17周目に中須賀は自己ベストタイムを記録するが、野左根は離れない。
18周目に2人はそろって自己ベストタイムを記録。そして19周目には野左根がさらに自己ベストタイムを記録して中須賀に詰め寄り、最終ラップでは中須賀が自己ベストタイム、野左根がファステストラップを刻むが、しっかりとブロックラインを走った中須賀が0.183秒差で野左根を抑えて優勝を遂げた。
また、YAMALUBE RACING TEAMの前田恵介は、メカニカルトラブルや他者とのバトルのなかでコースアウトしながらも11位でレースを終えた。
Race2:中須賀がオートポリスで連勝! 野左根は僅差の連続2位
両者、逆転チャンピオンを賭けて最終戦に臨む
YAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行が前日のレース1に続いてオートポリスで連勝すれば、野左根航汰も連続2位となり、両ともに最終戦での逆転チャンピオンの可能性を残した。
好スタートを切ったのは水野涼(ホンダ)で、中須賀と野左根が続いたが、第2ヘアピンで野左根は高橋巧(ホンダ)にパスされてしまう。しかし、2周目に野左根は逆転に成功し、再び3番手に上がる。
4周目以降、水野を先頭に中須賀、野左根、高橋、渡辺一馬(カワサキ)、渡辺一樹(スズキ)がトップグループを形成。そのなかで8周目の第1コーナーで野左根が中須賀をパスして2番手に上がるが、10周目の第2ヘアピンでは中須賀が逆転する。
水野は13周目までトップを走るが、14周目の第1ヘアピンで野左根、そして中須賀が相次いで水野をパス。しかし、水野はすぐに中須賀を抜き返して2番手に上がる。15周目は水野を先頭に中須賀、野左根の順で終えるが、16周目のS字区間で中須賀がトップに浮上。さらに17周目の第2ヘアピンでは野左根が2番手に上がるとファステストラップを記録してトップ中須賀に迫る。
19周目には今度は中須賀がファステストラップを更新。これで中須賀は首位の座を不動のものとしてオートポリスで連勝を遂げた。
一方、YAMALUBE RACING TEAMの前田恵介は、スタートでウイリーしてしまいポジションダウン。しかし、その後はうまくリカバリーすると8位にまで順位を上げてチェッカーを受けた。
JSB1000 RESULT Race.1
JSB1000 RESULT Race.2
J-GP2 RESULT Race.1
ST600 RESULT Race.1
JSB1000 RIDERS RANKING
J-GP2 RIDERS RANKING
ST600 RIDERS RANKING
COMMENT
Race 1:YAMAHA FACTORY RACING TEAM
中須賀克行選手談(優勝)
「スタート直後の第1コーナーでオーバーランしてしまい、ここで(野左根)航汰に抜かれてしまいました。レース序盤は様子見で行こうと思っいましたが、航汰の速いペースに対して自分のリズムを作るのが大変でした。10周目頃から落ち着いてきましたが、今度は水野選手が攻めてきて、元気のいい走りに翻弄されそうになりました。地元で勝てて本当に嬉しいです」
野左根航汰選手談(2位)
「スタート直後の第1コーナーで、中須賀さんがミスしたことからトップに。その後は1分48秒台中盤をキープできたので自分としてはいいレースでした。ただ、中須賀さんに前に行かれてからは、なかなかパッシングチャンスがなくて、何度か仕掛けたのだけれど、ことごとくラインを塞がれてしまいました。中須賀さんに勝つためにはもう一つステップを踏まなければならないようですが、明日のレース2でしっかりと勝ちたいです」
吉川和多留監督
「中須賀、野左根ともに事前テストからいい流れをもってオートポリスに入ることができました。そしてレース1では、両者ともにラップタイムを落とすことなくクリーンな戦いをしてくれました。野左根はトップに立ってからも安定して速いペースを持続することができましたし、中須賀はさらにレベルの高い戦いをしてくれました。明日、レース2があるので、野左根には中須賀を打ち破ってほしいし、中須賀はしっかりと優勝して、チャンピオンシップでの逆転につなげてほしいですね」
YAMALUBE RACING TEAM
前田恵助選手談(11位)
「事前テストそしてレースウイークに入ってからも調子が良くて、これまでのYAMALUBE RACING TEAMのライダーのなかでは、一番タイムが良かったと思います。でも、レース1ではメカニカルトラブルがあり、さらにそれを挽回している最中に他車との戦いのなかでコースアウトしてしまったり、順位を上げては落としての繰り返しでした。しかし、とても冷静に対処できたし、何事もなければ6位以内も視野に入りました。明日、レース2があるので、しっかりと準備を整えます」
難波恭司監督談
「チームがどうすればさらに上のレベルに行けるのか、その足りないものと目的を共有して今大会に臨みました。事前テストで前田は自己ベストを更新して、いい形でレースウイークに入ることができましたが、レース1ではメカニカルトラブルや他者との戦いのなかでコースアウトしたりとレース結果には結びつきませんでした。しかし、こうしたことにも前田は冷静に対応していて、これがラップタイムにつながっていました。今回、気持ちの部分で負けなかった前田は、間違いなくこれまでの自分を乗り越えました。幸いにも明日、レース2があるので、レース1の挽回ができます。前田をはじめチームスタッフのポジティブな気持ちに期待します」
Race2:YAMAHA FACTORY RACING TEAM
中須賀克行選手談(優勝)
「久々にレースコントロールができた2日間でした。いい形で最終戦を迎えますが、チャンピオンを獲るためには勝つしかありません。いまのマシンパッケージでどこまで戦えるかが楽しみです」
野左根航汰選手談(2位)
「水野選手がレースを引っ張るのは予想していて、後ろについてタイヤの温存に努めたけれど、思ったよりもできていませんでした。一度トップに出ましたが、タイムを上げることができず、これが敗因です。チャンピオンの可能性は残っていますが、それよりも鈴鹿サーキットで勝ちたいです」
吉川和多留監督
「昨日のレース1を戦って、中須賀選手、野左根選手ともそれぞれ戦略を練ってきたことが分かる内容でした。レース1に続いて連勝した中須賀選手が一枚上手であったことは間違いありませんが、野左根選手もレースのアプローチを変えていたし、考えながらレースを戦っていて、確実に成長の跡を見ることができ、最終戦の鈴鹿がとても楽しみになりました。応援していただいたスポンサー、関係者、そしてファンのみなさまに最高の結果を報告することができました。ありがとうございました」
YAMALUBE RACING TEAM
前田恵介選手談(8位)
「スタートでフロントを大きくリフトさせてしまい、これでポジションを落としてしまいました。しかし、レース内容としては、2周だけラップタイムが1分50秒台でしたがその他の周は49秒台で走ることができました。レースウイークはとてもいい流れでしたし、この流れのまま最終戦を迎えたいです」
難波恭司監督
「朝フリーの練習では、これまでにないほどのスタートを決めていましたが、本番ではウイリーして遅れてしまいました。やはり本番では緊張するのだなと、責めるものではありませんが、残念な結果でした。しかし、その後はすぐにしっかりとしたリズムで走り、順位は8位ですが、内容も良かったし、現状の我々チームが本来いるべき順位に戻ってきた感じです。ここからさらに上を目指すにはどうしたらいいかを前田選手を含めてチーム全体で考えて、さらなる一歩を踏み出したいです。このオートポリスは全体的にいい流れのなかで戦うことができました。スポンサーのみさなま、そして関係者、ファンのみなさまの応援に感謝しています。ありがとうございました」