本文へ進みます

全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.07 10月13日 九州

RACE DATA

■大会名称:2019全日本モトクロス選手権第7戦九州大会
■開催日:2019年10月13日(日)
■会場:HSR九州(熊本県)
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート

REPORT

全日本モトクロス選手権は終盤戦となる第7戦九州大会が熊本県のHSR九州で開催された。国内最高峰のIA1ではTEAM YAMALUBE YAMAHA RACINGからYZ450Fで参戦する#8岡野聖が両ヒートで5位入賞を果たし総合4位。IA2はYAMALUBE RACING TEAMの#36大倉由揮がヒート1で今季5勝目をあげるも、ヒート2は5位としてチャンピオン争いはランキングトップに対して12ポイント差で最終戦を迎えることとなった。チームメイトの#37鳥谷部晃太は、両ヒートでトラブルがあり6/10位で総合8位。また今大会には、AMAモトクロス選手権の250MXに参戦した#110渡辺祐介(CycleTrader/Rock River/Yamaha)がスポット参戦し、ヒート1は4位に終わるも、ヒート2は独走優勝で総合2位となった。

さらにレディースはTEAM KOH-Zの#6本田七海が、チャンピオンを争うライバルに競り勝って今季4勝目。ランキング2位に対して11ポイントのアドバンテージを築き最終戦を迎える。IBOPENでは、bLU cRU レーシングチーム鷹の#215中島漱也がヒート1で2位を獲得。ライバルの予選敗退や転倒などもあり、最終戦を待たずしてチャンピオンを決定するなど、今大会もYZシリーズを使うヤマハライダーが大活躍した。

IA1ヒート1:岡野が5位入賞!

AMAモトクロス選手権の450MXにフル参戦した#718富田俊樹(ホンダ)、#922古賀太基(カワサキ)がスポット参戦し一段と層が厚くなった今大会のIA1。この中でTEAM YAMALUBE YAMAHA RACINGの#8岡野聖は、好スタートから1コーナーの入り口に真っ先に飛び込んでいった。コーナーの出口ではアウトに膨らみ順位を落としたが、それでも上位でオープニングラップを走行し、古賀、富田、#400山本鯨(ホンダ)に続き4番手で2周目に入る。

しかし1周目にライバルが巻き上げた土がゴーグルにあたりトラブルが発生。これでゴーグルを外すこととなり、大量の埃が舞うレースにおいて大きなビハインドを背負うことになってしまう。さらに2周目に入った直後に、後ろにつけていた#4小方誠(カワサキ)にかわされ5番手に後退してしまう。

それでもなんとか表彰台圏内をキープ。3番手に順位を落とした富田、そして小方を視界に捉えて追い上げる展開となったが、ゴーグルを外して埃の影響を受けることからペースの定まらない岡野は徐々に離され、さらに10周目には転倒してしまう。しかし、前半のアドバンテージもあり5番手をキープして単独走行となり、最後は5位でチェッカーを受けた。

IA1ヒート2:2ヒート連続で岡野が5位入賞

ヒート2、スタートで岡野はヒート1同様、上位で1コーナーを回り、古賀、山本、富田に続く4番手で1周目を終えるが、すぐに#51深谷広一(スズキ)にかわされて5番手にポジションを落としてしまう。トップを争う古賀、山本が逃げはじめる中、ヒート1と同様に岡野は5番手から富田、深谷を追うレースとなった。

しかし富田のペースが速く、少しずつ離されてしまったが、深谷をしっかりとマークして約2秒差で追っていくも、後半に入ると転倒し6番手へ後退する。それでも最後まで諦めることなく走り切り続けた岡野は、終盤で5番手に復帰し、ヒート1と同様、5位でフィニッシュとなった。

IA2ヒート1:4人での優勝争いを制し大倉が今季5勝目を獲得

開幕戦のHSR九州では#386横山遥希(カワサキ)に及ばなかったYAMALUBE RACING TEAMの#36大倉由揮が、その横山とのバトルを制して成長した姿を見せるとともに、今季5勝目を飾った。

レースは大倉が1周目からトップをキープし、その後方に横山、YZユーザーの#81平田優、さらに#37鳥谷部晃太が続き、スポット参戦の#110渡辺祐介はスタートのミスにより出遅れ9番手で1周目を終えた。トップ争いはすぐに大倉、横山、平田の3人に絞られ、約2~3秒差の中で3人がバトルを繰り広げながら周回を重ねていった。一方の渡辺は、ハイペースで前を走るライバルたちをかわし、8周目には平田の後方4番手、大倉まで約8秒差に迫る。さらに渡辺はコンマ数秒ずつトップ3との差を削り取り、残り5周となったところでトップ争い加わった。

そして終盤の決戦。終始大倉をプッシュした横山を平田がかわして2番手に上がるが、大倉は平田を寄せ付けずトップを死守。そして最終ラップでは再び横山が2番手に上がり後方からアタックを続けたが、大倉はこれも退けて今季5勝目となるチェッカー、2位には横山、3位は平田、渡辺は表彰台に届かず4位でフィニッシュとなった。ランキングでは、トップの横山と大倉の差が6ポイントに迫ることとなった。

また、鳥谷部は前半に順位を落とし6番手まで後退。さらに10周目にトラブルにより大きくタイムロスして8番手まで順位を落としたが、終盤に挽回し6位入賞を果たした。

IA2ヒート2:渡辺がホールショットから独走優勝、大倉は5位

渡辺がAMAモトクロス参戦ライダーの実力を発揮、ヒート2ではスタートを完全に修正し、好スタートからホールショットを奪う。さらにその序盤からスパートし、5周目に入った時点で2番手の#954石浦諒(ホンダ)に6秒差をつけると、その後、2番手に上がった平田に対しても確実にギャップを広げ前半のうちに独走態勢を築く。

後半に入ると平田に変わり2番手に上がった横山がハイペースで追い上げてきたが、渡辺はそのギャップを見ながら、安全マージンの中で走行を続けてファーストチェッカー。ヒート1の4位を払拭する走りで九州では自身初となる優勝を獲得。2位には横山、3位は最終ラップのフィニッシュライン直前で平田を逆転した石浦となった。

2位に入った横山とチャンピオン争いを繰り広げる大倉は、1周目を13番手と大きく出遅れたが、2周目には9番手、10周目には5番手と挽回するも4番手とは大きなギャップがあり、追い上げはここが限界。5位でチェッカーとなり、ランキングでは横山と12ポイント差で、最終戦を迎えることとなった。

また鳥谷部も同様にスタートで出遅れ1周目を15番手とするが、4周目までに11番手へ挽回。しかしここからペースが上がらず、9周目に再びトラブルによるタイムロスもあり10位でチェッカーとなった。

レディース:本田が今季4勝目でランキングトップを堅持

8ポイント差でランキングをリードする#6本田七海(TEAM KOH-Z)が、直接のライバルとなる#4竹内優菜(ホンダ)と息詰まるような激しいバトルを展開した。レースは本田のホールショットでスタート。本田の後方には、#5久保まな(ハスクバーナ)と竹内が続き、3人は約2秒差の中で序盤からトップ争いを展開した。

本田は序盤、2番手の久保にプレッシャーを受けたがこれを退ける。しかし3周目に竹内が2番手に浮上すると、今度は竹内のからプレッシャーを受けることとなるが5周目に逆転を許してしまう。しかし本田も負けず、ここから竹内をプッシュ。そして次の6周目に逆転すると、ラストラップも抑えきって優勝。これで今季4勝目をあげ、竹内とのポイント差を8から11ポイントに拡大。チャンピオン獲得に向け、ランキングトップのままスポーツランドSUGOで行われる最終戦のMFJGPに臨む。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

TEAM YAMALUBE YAMAHA RACING
岡野聖選手談(IA1:5位/5位:総合4位)

「不運なことにヒート1は1周目に前のライダーが跳ね上げた土がゴーグルの中に入ってしまいゴーグルをとることとなりました。ライバルの後ろで走るのはもちろん、ホコリが常に目に入ってくる状況で、ラインも見えずペースも定まらず、小方選手に抜かれてしまった時は付いていけなかったし、5位のポジションを守るのが精一杯でした。ヒート2は4番手スタートで、一旦前の富田選手をかわして3番手に上がったのですが、再び4番手に落とし、さらに2周目には深谷選手にもかわされ5番手となりました。その後は深谷選手と4位争いを展開しましたが、遅いところ速いところがあり勝負に持ち込めず、転倒もあり結局5位となりました。後半に入り表彰台争いができるようになっており、今回も表彰台を争える感触があったのでとても残念な結果です。次回の最終戦では、ここまで築いてきたすべてを注ぎ込んで、表彰台、そして最大の目標にしてきた優勝を目指します」

CycleTrader/Rock River/Yamaha
渡辺祐介選手談(IA2:4位/優勝:総合2位)

「久々の全日本で緊張もあったのですが、ヒート1はスタートでフロントを大きく浮かしてしまうミスで出遅れてしまいました。追い上げは、焦りもあり走りが雑になっていたことで思った以上に時間がかかりましたが、後半は自分の走りができたし、実際にトップ3に追いつくことができました。ただ、平田選手は捉えられる位置まではいったのですが、うまくブロックされてしまい4位となりました。ヒート2はスタートを修正し、ホールショットを取れたので、序盤でアドバンテージを作る作戦にしましたが、それを実行できたので、後半はライバルを見ながらペースを作ってトップをキープしました。今回は正直、情けない走りもしてしまったので、地元となるSUGOでは、今回のようなことはしないようにし、両方とも取りにいきます」

佐藤光幸談(チームディレクター)

「岡野選手は、ここ数戦の成績を考えれば残念な結果となりました。ヒート1は1周目に発生したゴーグルのトラブルと、ラインも良いところと悪いところがはっきりと出てしまったことで厳しいレースになってしまいました。ヒート2は序盤に富田選手を抜いて3番手に上がったのですが、ミスして抜き返され、さらに深谷選手にもかわされそこからはペースが上がらず、転倒もあり5位。ただ、開幕戦と比べるとすべての面で改善しており、成長をしているのがわかる分、結果が伴わない状況に物足りなさを感じてしまいます。ただ、チームもライダーも勝てる力があると信じてやっているので、最終戦に向けては仕切り直して、ファンの皆さまをはじめ、サポートしてくださっているすべての方に喜んでもらえるよう、優勝を目指します。
またIA2に出場した渡辺選手はAMAでの怪我から約2ヵ月レースをしていない状況と、怪我により十分にバイクに乗れていないし、怪我も完治しておらず、体と感覚がレースモードにはない中でのレースでした。それでも目標は両ヒート優勝だったのですが、ヒート1は、スタートのミスで後方からの追い上げとなり4位。ヒート2は、序盤に速いペースで安全マージンを作ってレースをコントロールするトップライダーにふさわしい走りで優勝してくれました。次のSUGOにも渡辺選手は出場しますが、地元で得意なコースなので、次こそは両ヒートでの優勝を達成できるよう、しっかりとサポートを行っていきたいと思います」

YAMALUBE RACING TEAM
大倉由揮選手談(IA2:優勝/5位:総合3位)

「ヒート1は前半から横山選手とのバトルとなり、攻めてトップに立ちました。その後は自分のペースよりも横山選手の方が速くプレッシャーをかけられていましたが、後半勝負を想定し体力温存するためにも、少しペースを落として走りました。その作戦通り、終盤のタイミングで自分もペースを上げたことで、勝つことができたレースでした。後ろの3人は意識していたライダーだったので、テンションも上がったしそれを抑えて勝てたのは大きな自信になりました。ヒート2はスタートを失敗。1コーナーは20番手くらいと、追い上げしかない状況でしたが、走りが悪く前半の追い上げに時間がかかりすぎて、上位に大きく離された結果、5位が精一杯でした。横山選手との12ポイント差は大きいですが、負けてチャンピオンを取られるのはさらに悔しいので、SUGOではとにかくライバルより先にゴールすることだけを考えて走ります」

鳥谷部晃太選手談(IA2:6位/10位:総合8位)

「ヒート1はスタートが良く、ビッグテーブルまでは3番手、その後4番手に落ちましたが上位陣が見える位置でレースはできていました。でもマシンの調子が悪く、中盤あたりでトラブルが発生し8番手まで順位を落としてしまいました。その後は復帰できたものの6位が精一杯の状態でした。ヒート2はスタートでミスがあり1コーナーで20番手あたりと大きく出遅れてしまいました。そこから追い上げたのですが、再びトラブルでロス。これで集中力が切れ、疲れもあって10位という結果となりました。次回は第4戦では勝っている地元SUGOです。マシンの不具合を解決し、しっかり自信を持って勝ちを狙っていきたいと思います」

TEAM KOH-Z
本田七海選手談(レディース:優勝)

「一番しんどいレースであったと同時に、一番"勝った"という実感と、強くなっていると感じたレースでした。展開としてはホールショットを取れたので、開幕戦の時のように序盤で抜け出したいと思っていましたが、ライバルたちについてこられました。特に竹内選手が2番手に上がってからは焦りもありましたが、サインボードで"自分の走りをすれば勝てる"とあり、焦らず落ち着いて自分の走りに徹しました。それでも終盤に抜かれてしまいましたが、何がなんでもくらいついていこうと思ったし、絶対に逆転できると信じて冷静でした。そして逆転してからはミスしないことを第一に、前だけを見て走り優勝することができました。これでランキング上でもギャップを拡大できて最終戦は自信を持って臨めるし、気を抜かず、しっかりと練習して本番を迎えたいと思います」

ページ
先頭へ