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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.06 9月15日 近畿

RACE DATA

■大会名称:2019全日本モトクロス選手権第6戦近畿大会
■開催日:2019年9月15日(日)
■会場:名阪スポーツランド(奈良県)
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート

REPORT

全日本モトクロス選手が第5戦東北大会から2ヶ月弱のインターバルを経て再開。第6戦近畿大会が奈良県の名阪スポーツランドで開催された。ヤマハ勢は土曜日の予選から好調。最高峰のIA1では「TEAM YAMALUBE YAMAHA RACING」からYZ450Fで参戦する#8岡野聖が予選3番手、決勝は自身IA1で最高の2位を両ヒートで獲得し総合2位。IA2は「YAMALUBE RACING TEAM」の#36大倉由揮、#37鳥谷部晃太が予選は2・4番手で決勝へ。ヒート1では両ライダーがトップ争いを演じ大倉が今季4勝目、鳥谷部が2位表彰台。続くヒート2は鳥谷部がトラブルに見舞われ12位に終わったが、大倉が3位として総合優勝を果たしランキングトップに9ポイント差へ迫った。またレディースは「TEAM KOH-Z」の#6本田七海が予選で総合2番手、決勝ではトップ争いに加わって3位としランキングトップを堅持するなど、YZシリーズを駆るヤマハライダーが各クラスで活躍した。

IA1ヒート1:岡野がトップ争いを演じ自己最高の2位表彰台を獲得!

TEAM YAMALUBE YAMAHA RACINGの#8岡野聖が#400山本鯨(ホンダ)と優勝をかけてバトル、一歩届かぬもIA1で自己最高の2位を獲得した。

岡野は好スタートを決めると山本、#114成田亮(ホンダ)を後方に従えトップで1周目を通過。その後、山本にかわされて2番手に後退するがそのペースに食らいつき、3番手以下を引き離しながら1秒以内の差をキープし中盤を迎えた。

そして11周目、ペースを乱した山本を岡野が捉えオーバーテイクに成功し再びトップに浮上すると、その勢いのままに約3秒の差を作って単独走行へ。しかし相手は国内トップライダー山本、追いつかれ15周目に逆転を許してしまう。そこからライバルが一気にスパートをかけると、岡野もこれに食らいつくが徐々に離されてしまう。それでも2番手をキープすると、前回の東北大会での3位表彰台を上回り、自己最高位を更新する2位でチェッカーを受けた。

IA1ヒート2:岡野が連続2位、総合でも2位を獲得しランキングは3位に浮上!

岡野がヒート2でも力強い走りを披露した。

スタートを確実に決め、山本、成田に続く3番手で1周目を終了。トップの山本がハイペースで逃げる中、岡野は前方の強敵、成田に照準を合わせてじっくりと動向をチェックする作戦。じわじわとその差を縮めると、7周目に入る直前のフィニッシュジャンプでオーバーテイクに成功し2番手に浮上した。

すぐに成田とのギャップをつくり2番手を確かなものとした岡野は、約10秒前をいく山本を目指してマシンをプッシュ。一時は7秒差とするもライバルも岡野とのギャップをコントロールしながらの走行でそれ以上近づくことができず後半は2番手を単独走行し、再び2位でチェッカーを受けた。これにより岡野は2ヒート連続表彰台というミッションをクリア。さらにライダー、マシン、チームの総合的な進化、そして国内最高峰での優勝に向け確実に近づいていることを証明した。

IA2ヒート1:大倉&鳥谷部がトップ争いを展開、大倉が4勝目、鳥谷部は2位表彰台!

7月の東北大会に続き、この近畿大会でもYAMALUBE RACING TEAMの#36大倉由揮と#37鳥谷部晃太がトップ争いを展開。体力、知力、精神力をつぎ込んだバトルで観客を大いに魅了した。

レースは鳥谷部が好スタートでトップ。これに#49手繰将志(スズキ)、大倉と続くが、2周目、大倉が手繰をかわし2番手に浮上すると、ホームレースの地の利も活かしながら鳥谷部をプッシュして6周目、逆転に成功する。しかし鳥谷部も黙ってはいない。ぴたりと背後についてその差を約1.5秒に保ち、勝負の時を定めるかのように大倉の走りをトレース。互いが心理戦も含め一歩も引かないを状態のままで周回を重ねていった。

レースが動いたのは後半。まず鳥谷部に小さなミスが発生し約2.5秒の差ができた。これで終わりかと思われたが... 大倉にも小さなミスが出てこれで再び接近戦になると、鳥谷部が勝負をかけて逆転に成功。ところが大倉も地元の意地を見せて再逆転すると最後まで大倉が鳥谷部を抑えきって優勝、今季4勝目をあげた。一方、大倉の攻略に失敗した鳥谷部だったが、東北大会から続く3ヒート連続表彰台を2位で達成した。

IA2ヒート2:大倉が3位表彰台を獲得し総合優勝

YZユーザーである平田優のホールショットでレースはスタート。これに手繰、大倉が続いたが、鳥谷部はスタートで出遅れて10番手で2周目に入った。序盤は上位3台がほぼ同等のペースで順位の変動はなかったが、中盤に入ると#386横山遥希(カワサキ)が追い上げ、大倉の後方4番手につけるとレースが動き出す。

この中で大倉は、ハイペースの横山との接近戦となり、10周目にかわされ4番手に後退。その後は横山のペースに食らいつく粘りの走りを披露し4番手で終盤に突入する。ところが、この終盤にバックマーカーがライバルと大倉の間に入ったことでタイムをロスし表彰台を争うライバルたちから離されてしまう。しかし順位を3番手に落としていた手繰が転倒、これで大倉は3番手浮上するとそのまま3位でフィニッシュ。ヒート1に続き連続表彰台を獲得して総合優勝に輝いた。

一方の鳥谷部は10番手走行中の7周目にトラブルでマシンがストップ。これで大きく後退することとなり16番手となるが、ここからポジションを上げ最後は12位でレースを終えた。

レディース:本田が3位表彰台でランキングトップを堅持

#6本田七海がチャンピオン争いを繰り広げるライバル#4竹内優菜(ホンダ)#2川井麻央(ホンダ)とのバトルを演じた。スタートは本田がホールショット、これにランキング3位の川井、2位の竹内が続き役者が揃った中でのレースとなる。序盤は3人が3秒の僅差でトップグループを形成。本田はこの中でトップをキープしたが、中盤の6周目に川井に逆転を許すと、さらに7周目には竹内にも先行され3番手に後退する。

残りは3周、ここで本田はペースの速い2人から離されてしまったが、無理にペースを上げるのではなくチャンピオンを見据え冷静に3番手をキープする走行にチェンジ。これで竹内、川井に続く3位でチェッカーとなった。ランキングでは、竹内に7ポイント差、川井には10ポイント差に迫られたがロスを最小限に抑えてトップを堅持した。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

TEAM YAMALUBE YAMAHA RACING
岡野聖選手談(IA1:2位/2位:総合2位)

「ヒート1は、山本選手が速いことはわかっていたので、ついていって表彰台圏内を確保することに集中しました。その中でも、相手の良し悪しを見ながら準備し、その後に少しマージンもできて逃げようと走ったのですが、ペースが上がらず山本選手も盛り返してきて逆転されました。ここからもう一度という気持ちはありましたが2位。それでも自己最高の結果を出し、終盤までトップ争いできたことが大きな収穫だと思います。ヒート2は序盤、成田選手とのバトルとなりましたが、まずはついていくことを念頭し、ペースが上だという確信ができたところで前に出しました。その後はトップに近づいたものの、相手もギャップを見ながらコントロールしていたので勝負できませんでしたが、2位で揃えられたのはとてもよかったですね。次回はライバルのホームコースです。スピードは上位と大きな差はないし、スタートや序盤の戦い方なども少しずつ改善できています。これにマシンが熟成され、セッティングの作り方もわかってくるとチャンスは増えるので、さらに上を目指しがんばります」

佐藤光幸談(チームディレクター)

「前回の東北で初の3位を獲得したので今回はさらに上を目指しましたが、2位/2位と前進してくれたことはとてもよかったですね。ヒート1は山本選手とのトップ争いでしたが、駆け引きなど経験の差が出たのだと思います。ただその中でトップを争った経験、ライバルの意識に岡野選手の成長を刷り込むことができたのは大きな収穫です。またヒート2は、山本選手にセーフティマージンをつくられ勝負できませんでしたが、怪我をしているとはいえ成田選手をかわして2位と、シーズン前半のセカンドグループから抜け出すことができたと感じています。今回はと得意なコースではありましたが、本人の努力とYZのベースアップができてたからだと感じています。次回の九州大会はライバルの本拠地と厳しいレースが予想されます。だからこそチームとしてはYZをさらに進化させ、大きな目標の優勝に挑戦します」

YAMALUBE RACING TEAM
大倉由揮選手談(IA2:優勝/3位:総合優勝)

「ヒート1はスタート4番手からすぐ鳥谷部選手に続く2番手とし、ラインは自分の方がよかったので早めにかわすことができました。でもそこからペースを上がらず、終始プレッシャーを受ける展開でした。終盤に抜かれたのですが、その時は焦ることなく、どこで勝負しようかとすぐに切り替えることができたし、逆転した後も落ち着いて走れたのが勝因です。ヒート2は3番手からのレースでしたが埃がすごくて小さなミスが頻発し、ペースを上げられず横山選手に抜かれ4番手に...。そこでなんとか踏ん張っていたのですが、バックマーカーがライバルとの間に入ってしまい離され集中が切れたのですが、手繰選手の転倒でなんとか3位に滑り込むことができたという感じです。ヒート2には不満が残りますが、SUGO、藤沢と成績を揃えることができなかったので両方とも表彰台に立ち、総合優勝も取れたので全体で見ればよい大会だったと思います。次はランキングを争う横山選手のホームコースです。前回は力の差があったと思いますが、次のレースでは自分が成長した姿を見せつけ、イーブン以上でMFJGPを迎えたいと思います」

鳥谷部晃太選手談(IA2:3位/12位:総合6位)

「苦手なコースの一つである名阪で、ヒート1はトップ争いができました。展開は序盤にトップに立ったのですが、大倉選手の方がペースがよかったことで抜かれました。その後は、大倉選手もペースが上がっていなかったし、自分も大倉選手のラインから学び修正できたので終盤勝負と考え走りました。狙い通り前には出ましたが、攻めの大倉選手に対し守りに入ってしまったし、大倉選手は地元ということもあってラインを読まれたところもあって逆転を許してしまいました。ヒート2はスタートで遅れたことから、30分をフルに使って確実に前に行くことを考えていたのですが、中盤にトラブルが発生し順位を大きく落としてしまいました。そこからもう一度という気持ちはあったのですが、前との差も大きかったし、疲れもでて12位が精一杯でした。次のHSR九州はホールショットの経験もあるし、しっかりと前にでて自分らしい走りをして、最終戦のMFJGPにもつながるレースをしたいと思います」

TEAM KOH-Z
本田七海選手談(レディース:3位)

「一言で言えば、悔しいレース展開でした。SUGOや藤沢と比べてチャンピオンへの意識が強くなりすぎて、初日の練習走行から転倒が続くなど、うまく乗れていませんでした。それが決勝にも響いてしまい、トップには立ったものの、ライバルがすごい勢いでプッシュしているのがわかって逃げようと必死になるあまりバタついて体力も消耗しかわされてしまいました。勝つことは大事ですが、最終目標はチャンピオンを取ることです。ここで中国大会で転倒したように、トラブルなく表彰台に立つことができたのは良かったし、シーズン前半の自分と比較して成長した部分だと思います。九州大会は開幕戦で勝っているコース。最終戦を気持ちよく走るためにも、今日の悔しさは飲み込み気持ちを切り替えて、勝てるように準備を進めます」

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