全日本モトクロス選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。
Rd.01 4月14日 九州
RACE DATA
■大会名称:2019全日本モトクロス選手権第1戦九州大会
■開催日:2019年4月14日(日)
■会場:熊本県・HSR九州
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■観客数:7,100人
REPORT
2019シーズンは、国内最高峰に「TEAM YAMALUBE YAMAHA RACING」からIA1参戦2年目となる岡野聖が2019年型YZ450Fで参戦。若手中心のIA2には、次のヤマハエースライダーの育成を行うユースチーム「YAMALUBE RACING TEAM」から、昨年に続き大倉由揮と鳥谷部晃太が、2019年型YZ250Fで参戦する。
また今シーズンは、IA2やIBOPENに参戦するYZライダーの中から、大倉と鳥谷部に続く次期「YAMALUBE RACING TEAM」のライダーを、ランキングなどを加味して決定するセレクションを開催するほか、元ファクトリーライダーで、現在はヤマハ専属アドバイザーとしても活動する三原拓也によるサポートを充実させるなど、育成&ステップアップをさらに強化して全日本で活動する。
IA1:岡野がヒート1で4位入賞、ヒート2は星野が3位表彰台を獲得
予選から好調をキープした「TEAM YAMALUBE YAMAHA RACING」の岡野聖が、2019シーズンのオープニングレースとなるヒート1でも実力を発揮し、初表彰台に迫る4位を獲得して昨年から成長した姿を見せた。
2019シーズン最初のレースは山本鯨(ホンダ)のホールショットでスタートした。これにYZ450Fを駆る星野優位(bLU cRU レーシングチーム鷹)と岡野が続き、1周目を終え星野が2番手、3番手に富田俊樹(ホンダ)、4番手に岡野という順位になる。トップの山本は1周目から速いペースで一気に引き離しにかかるが、これに富田が反応すると、岡野も即座に反応し前を行く星野をかわして3番手に浮上した。
その後はトップを視野に入れた状態を保ち、終盤勝負という戦略で富田とともに山本に食らいついていった。しかし後半に入ると、4番手の成田亮(ホンダ)が岡野を上回るペースで走行。荒れてきたコンディションでペースが落ちはじめていたこととも重なり成田が急接近。ラスト2周で岡野は逆転を許し4番手へ後退してチェッカー。これでIA1での初表彰台を逃すこととなったが、トップグループの中で戦えるまでに成長していることをレースを通じて示すことができた。
第2ヒートは、レディースの決勝から本格的に降り始めた雨の影響により、完全なマディコンディションでのレースとなった。ここで気を吐いたのが星野、第1ヒートに続き好スターを切り上位を確保してレースを進める。一方の岡野は6番手で1周目を終了するが、ゴーグルを早く外すことなってしまいペースを上ることができず、7番手を走行。後半に入ると追い上げてきた小島庸平(ホンダ)にかわされ一つポジションを下げたが最終ラップに1つ順位を上げ7位でフィニッシュとなった。
スタートで上位につけた星野は、一時4番手へとポジションを下げたが、前を走る富田の転倒により3番手に復活。難しいコンディションの中で集中して走りきり、そのままチェッカーを受け、シーズン初戦で表彰台を獲得した。
IA2:大倉が2/3位と両ヒートで表彰台を獲得、鳥谷部は第2ヒートで5位入賞
YAMALUBE RACING TEAMの在籍2年目、勝負の年となる大倉由揮がシーズン最初のレースで2位を獲得し、自身初となる表彰台に登壇した。一方の鳥谷部晃太は序盤のアクシデントでリタイアとなった。
レースは、鳥谷部&YZ250Fの完璧なホールショットで幕を開ける。序盤はその勢いのまま鳥谷部がトップをキープするが、早速3周目にレースが動く。1周目を3番手で終えた大倉が猛プッシュで2番手の内田篤基(スズキ)をかわすと、さらには鳥谷部に仕掛けて競り勝ちトップに浮上。一方の鳥谷部は、次の周に他車との接触によるアクシデントでリタイアとなってしまう。
トップに立った大倉はそのまま周回を重ねていったが、後方から横山遥希(カワサキ)がハイペースで追い上げてきてその背後につかれ、7周目にトップを明け渡すこととなる。ここで大倉も意地を見せついていったが徐々に離されて単独走行になると、さらにYZユーザーの平田優の追撃に合うがこれを振り切って、横山に続き2位でチェッカーを受け、自身初となる表彰台を獲得した。優勝は横山、3位は平田が獲得した。
午前中は、ポツポツとぱらつく程度の雨が、午後に入ると本降りとなりヒート2はマディコンディションでのレースとなった。この中で好スタートを切ったのは大倉。ヒート1で優勝した横山に続く2番手で1周目を終えるが、大量の泥を浴びたことで3周目にゴーグルを外すこととなり、そのタイミングで平田にかわされて3番手に後退する。
その後は平田についていく形でレースを進めたがトップのペースが早く一時は約10秒差をつけられてしまう。しかし、そこからトップに接近。平田に2秒差、横山に4秒差とするが、アタックするまでには至らずチェッカーとなったが、3位でフィニッシュし、2ヒート連続表彰台を達成。総合でも3位とし、チャンピオン獲得に向け幸先の良いスタートを切った。優勝は横山、2位は平田。
一方の鳥谷部は1周目で8番手となったが、すぐに5番手としそのまま上位陣を視界に捉えて周回を重ねたが、その後は徐々に離されてしまい単独で周回重ねて5位でチェッカーとなった。
また、昨年国際B級から国際A級に昇格したばかりの川上龍司(bLU cRU TEAM エム FACTORY)が、デビュー戦となったこの開幕戦で両ヒート6位入賞を果たす活躍を披露。時期「YAMALUBE RACING TEAM」のライダー候補として名乗りを上げた。
レディース:昨年に続き開幕戦で本田七海が完勝
予選を独走でトップ通過、小雨が降り一部スリッピーな難しいコンディションの中で行われた決勝。TEAM KOH-Z の本田七海はスタートこそ完璧ではなかったものの、すぐに2番手に上がると前を行く川井麻央 (ホンダ)の背後に付き1周目の内にトップに浮上した。
その後は、後方よりも速いラップタイムを刻み、後方を突き放しレース中盤には独走状態に。その後は降り続いた雨の中で集中した走りをみせてチェッカー。昨年の開幕戦以来の2勝目を上げるとともに、チャンピオン獲得に向けて最高のスタートを切った。
IA1 RESULT Heat.1
IA1 RESULT Heat.2
IA1 RIDERS RANKING
IA2 RESULT Heat.1
IA2 RESULT Heat.2
IA2 RIDERS RANKING
COMMENT
TEAM YAMALUBE YAMAHA RACING
岡野聖選手談(IA1:4位/7位:総合5位)
「ヒート1はスタートからよい位置につけることができたので、トップグループについていくことを心がけました。3番手になってからはトップも見える位置だったので、無理に仕掛けるのではなく後半勝負でキープの走りだったのですが、コンディションの変化にラインを変えることができずペースが落ち、明らかに速かった成田選手にかわされてしまいました。途中までは表彰台獲得できると思っていましたが、簡単ではありませんね。ヒート2はマディとなり、いつも以上にスタートが重要でしたが、悪くなかったものの、たくさんの泥を浴びて、我慢できゴーグルを外してしまいました。これだけが原因ではありませんが、ペースが上がらないレースでした。結果は出ませんでしたが、九州選手権、予選、決勝と手応えはあり、実際にトップグループで走ることができたので自信になってます。次回の関東大会ではライバルに食い込みまずは表彰台に立てるように全力を尽くします」
佐藤光幸談(チームディレクター)
「昨年は毎レース入賞という目標でシーズンをスタートしましたが、大幅にライダーのレベルが上がり、今シーズンは全レースで表彰台という目標を持って臨みました。その第一歩となるヒート1では、事前からしっかりと練習しセッティングも作り込んできたスタートが決まりまず一つ成果がでました。内容もペースはトップレベルで、3番手で富田選手と互角の走りを見せてくれたのですが、後半に入り少しペースが落ちたところで成田選手に抜かれてしまい、初表彰台を逃す悔しい結果となりました。マディーとなったヒート2は、7位という数字だけを見るとよいとは言えませんが、昨年の雨のレースと比較して進歩を見せてくれたのは大きな収穫であり、ウィークトータルではライダーもスタッフも手応えを持って終えることができたと思います。次回の関東は、岡野選手も勝ったことがあるコースで、今回達成できなかった表彰台の獲得の実現に向けてしっかり準備して臨みます」
bLU cRU レーシングチーム鷹
星野優位(IA1:5位/3位:総合4位)
「ヒート1については、スタートを出てそこまでは予定通りでしたが、山本選手が思っていた以上にペースが速く、それについていこうとしてリズムを崩してしまいました。それで順位を落とし、ラインも良くなかったようでペースも上がらず、さらにカバーもできずない状況だったのですが、後方との距離もあったおかげで、5位キープの単独走行でレースを終えました。ヒート2はマディでのレース、基本的に好きなコンディションで自信はあったのですが、ライバルメーカーのテストコースということもあり簡単ではないと思っていたのですが、予定通りスタートが決まったので確実な走行を心がけました。ライバルが早く4番手までポジションを下げたのですが、ヒート1よりもリズムもよかったし、幸い前にいた富田選手の転倒もあって3位を確保。ミスもありましたが確実にラップを重ね表彰台を獲得できました。次は地元のコースなので自信を持って臨み、もちろん勝利を狙って走ります。それで勢いをつけてトータルでよいシーズンにしていきたいですね」
YAMALUBE RACING TEAM
大倉由揮選手談(IA2:2位/3位:総合3位)
「ヒート1は、スタートがうまくいったので早い段階でトップを狙い、思うような展開を作り出すことができました。でもその後、変に緊張してペースが上がらず横山選手に抜かれ、何周かはついていきましたが、周回遅れのこなしも悪く離され、後半は平田選手の追い上げをなんとか振り切って2位。初の表彰台ではありましたが、流れの悪いレースでした。ヒート2は横山選手の後ろでスタート。ペースがよかったのですが序盤でゴーグルを外し、その時に平田選手に抜かれました。平田選手にはついていきましたが、何度もミスを続けて結局なにもできずに3位。得意ではなかったマディでの表彰台獲得なので進歩こそ感じましたが、両レースとも優勝を狙えるレースだっただけに、後味が悪く、悔しさの残るレースでした。次回は去年も苦しんが関東ですが、目標となるチャンピオン獲得にためにもしっかり克服し、優勝を狙います」
鳥谷部晃太選手談(IA2:DNF/5位:総合9位)
「事前も公式練習と調子がよかったので自分へ期待して臨みました。ヒート1では煮詰めてきたスタートが決まりホールショット。最初は気持ちよく乗れていたのですが、IAに上って初めてトップを走ったため硬くなって、3周目に大倉選手にかわされ、さらに4周目には他車と接触してクラッチレバーが折れてしまいリタイアとなりました。ラインに迷いがあったため、中盤で探って後半で勝負しようと考えていたところでのアクシデントだったので、ただただ悔しいです。ヒート2は得意のマディとなりチャンスでもあったのですが、序盤からペースが掴めずに単独走行となり5位となりました。スタートが決まって自信にはなりましたが、一言で言えば悔しさばかりの開幕戦でした。次回の関東はシーズンオフに乗り込んできたコースなので、事前テストと練習でさらに走り込み、勝つための材料を揃えて臨みます」
TEAM KOH-Z
本田七海選手談(レディース:優勝)
「予選は乗れていたこともあり自信を持っていたのですが、決勝は雨が降って不安がありました。スタートは出だしこそよくなったのですが、1コーナーの出口までに挽回して2番手に。そこで予選の走りを意識して冷静になれて、トップのすぐ背後につけていたこともあったので、1周目で勝負してトップに立てました。そのあとは追い上げが気になって、前半で突き放す離すことに集中しました。それがうまくいったのですが、やはりスリッピーコンディションだったこともあり不安は続きましたが、勝ててよかったです。昨年はこの開幕戦で勝った後が悪かったので、気持ちを強く、しっかり考えてレースに臨み、今年こそはチャンピオンを撮りたいと思います」