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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.05 6月10日 九州

RACE DATA

■大会名称:2018全日本モトクロス選手権第5戦九州大会
■開催日:2018年6月10日(日)
■会場:熊本・HSR九州
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート

REPORT

全日本モトクロス選手権の2018シーズンが今年2回目の九州大会で後半戦を迎えた。フライングドルフィンサイセイ with YAMAHAからYZ450FでIA1に参戦する岡野聖は、予選で6番手タイムを出し決勝へ。その第1ヒートでは4番手争いの最中に目を負傷し13位、第2ヒートはその影響で欠場し総合18位。IA1のヤマハ最上位は宗本駿真の総合12位となった。

IA2ではYAMALUBE RACING TEAMの大倉由揮が第1ヒートで今季最高の4位を獲得し、第2ヒートでも5位入賞。総合成績による表彰台に1ポイント差で届かなかったものの総合4位。チームメイトの鳥谷部晃太も両ヒートでシングルフィニッシュとなる9/7位で総合6位となった。レディースクラスでは名阪レーシングの安原さやがレース前に肩を外すアクシデントに見舞われたが出場し5位入賞を果たした。

IA1:岡野が第1ヒートで4位争い中に負傷し13位

前半戦を終えた全日本はいよいよ後半戦へと突入。岡野聖はここまで少しずつであるが着実にIA1のレースに、またYZ450Fへの適応を見せており、後半最初の本大会で第1目標となる両ヒート5位を目指し出場。ウィーク初日の予選では6番手を確保すると、第1ヒートは、7番手で1周目を終え5位を見据えた位置でレースをスタートした。

序盤でトップ3が逃げる中、岡野は田中雅己(ホンダ)を先頭に大塚豪太(ホンダ)、成田亮(ホンダ)に続く4位争いの最後尾につけ序盤を進める。この接近戦の中で岡野は、大塚をかわした成田に合わせるように6番手に浮上。さらに8周目に田中を捉えて5番手とし成田に照準をあわせた。

ところが、レース開始から降っていた雨が強まる中、岡野はゴーグルの捨てレンズを失い視界を確保できない状況に。そこでゴーグルを外したところ、その直後に前方を走るライダーが跳ね上げた土が目を直撃。このアクシンデントにより左目を負傷した岡野は一気にペースダウン。最後まで走りきったものの大きくポジションを落としてしまい不運な形で13位となった。なお、岡野はこの負傷で第2ヒートをキャンセルすることとなった。優勝は山本鯨(ホンダ)、2位は小方誠(カワサキ)、3位は新井宏彰(カワサキ)。

岡野を欠いた第2ヒート。1周目のヤマハ勢トップは星野優位(レーシングチーム鷹)の8番手。序盤は小島庸平(ホンダ)、田中、星野裕(カワサキ)の後方につけるが、すぐに田中を抜いて7番手。さらに5周目には星野裕をかわして6番手に上がり、さらにYZ450 Fをプッシュし前をいく小島に食らいつく。しかし7周目にアクシデントで11番手まで後退。その後は大きくペースを落としてポジションキープにとどまり11位でレースを終えた。この結果、ヤマハ勢トップはSP忠男広島の宗本駿真の総合12位となった。なお、トップ3の順位は第1ヒートと変わらず山本、小方、新井。

IA2:大倉が今季最高の総合4位、鳥谷部は総合6位

4月に開幕してから2ヶ月、シーズンはついに後半戦に突入した。YAMALUBE RACING TEAMでシーズンを戦う鳥谷部晃太と大倉由揮の2人は、若手ライダーのトップカテゴリとなるIA2の中で、浮き沈みしながらも経験を積み上げてきたが、今大会の予選ではそれぞれA・B組の3番手に入り決勝を迎えることとなった。

しかし、レースは簡単にはいかない。第1ヒート、1コーナーでマルチクラッシュが発生。これに鳥谷部が巻き込まれ21番手で2周目へ。一方の大倉はスタートでは遅れながらクラッシュによりポジションをアップ。能塚智寛(ホンダ)、大木汰一(カワサキ)、横山遥希(カワサキ)に続く4番手で1周目を終える。さらに続く2周目、大木が後退したことで3番手に上がり、表彰台圏内でレースを進めた。しかし5周目、小川孝平(カワサキ)にかわされ4番手に後退しながらも、横山、小川の2位争いについていくが徐々に離される。その後は単独走行となった大倉だが、集中力を切らすことなくポジションを守り、今季最高となる4位入賞を果たした。

一方の鳥谷部は21番手で2周目に入ったが、この周、一気に7つ挽回し14番手とする。その後は混戦でのバトルとなり順位が上下があったがここを勝ち上がり10周目に10番手と混戦から抜け出してペースアップ。終盤に一つ順位を上げ、シングルフィニッシュとなる9位で第1ヒートを終えた。

第2ヒート、ここまで課題に掲げてきたスタートで鳥谷部が好発進。1コーナーをトップ3で抜け、1周目を5番手で通過し、3周目に6番手とするも入賞圏内で周回を重ねていく。チームメイトの大倉は1周目を12番手としで遅れた形となったが、ハイペースで追撃し前半の内に鳥谷部の後方7番手までポジションを上げた。

ここから少しこう着状態が続いたが、後半に入ると徐々に大倉が鳥谷部に接近し、石浦涼(ホンダ)、横澤拓夢(ホンダ)を含めた4番手争いへと発展してく。この中で地元九州の石浦が抜けだしたが、前をいく横澤に鳥谷部、大倉がアタックしこれをパスすると、ここからチームメイト同士で抜きつ抜かれつの接近戦を展開。これを大倉が制しリードを築く。そして終盤、後方から追い上げてきた横山に鳥谷部がかわされたが、大倉はこれを抑えて5位でフィニッシュし、表彰台に迫る、今季最高の総合4位を獲得した。鳥谷部は7位でチェッカーを受け、総合では6位を獲得した。

レディース:怪我を負う安原さやが意地の走りで5位入賞!

シーズン前半、ヤマハ勢としてレディースを盛り上げてきた本田七海(TEAM KOH-Z)と安原さや。このうち、本田が前大会での負傷により欠場。安原は日曜日の練習走行直前に肩が外れるアクシデントに見舞われ、公式練習をキャンセルするという事態となる。しかし安原は出場を決意し、ぶっつけ本番ながら決勝のグリッドに立った。

過去にも逆境に立たされながら、幾度となくハイレベルな走りを見せてきた安原だったが、1周目は9番手と厳しい状況に立たされる。ところがここから本領を発揮。痛みを抱えながらもそれを感じさせない走りで追撃し、4周目に6番手とするとさらに手を緩めず前方のライバルを追い詰め、最終ラップに逆転して5位。トップライダーの実力を見せつけた。

次回の第6戦は7月21・22日、東北に舞台を移し岩手県は藤沢スポーツランドで開催される。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

フライングドルフィンサイセイ with YAMAHA
岡野聖選手談(IA1:13位/欠場:総合18位)

「第1ヒートでは序盤で追い上げ、成田選手の後方5番手につけました。ここで4位を狙ったのですが、無理についていったわけでもなかったし、成田選手に対しアドバンテージのある箇所もあり、追いつきチャンスがあればいけると考えていたのですが... 雨が降り接近戦が多かったため、予定以上に捨てレンズが早くなくなり、レンズを手で拭きながら耐えていたのですが視界が回復せず、転倒のリスクが大きくなってきたのでゴーグルを外したところ、直後に土の塊が飛んできて目にヒット。そこから視界がなくなりペースをあげることができませんでした。不用意ではあったと思いますが、これで第2ヒートも欠場。なかなか前進できない中、今回は非常によい走りができていたので残念です。次回も目標は変わらず5位以内を目指しますが、次こそはなんとか達成したいですね」

佐藤光幸談(チームディレクター)

「他のライダーが飛べないジャンプを飛べるなど、今回は走りの状態がよかっただけに、アクシデントでこのような結果となりとても残念です。この要因はゴーグルを外してしまったことで、前を走るライダーが跳ね上げた土などが目にあたり負傷したわけですが、ゴーグルを外してしまった時点で、ペースをあげるのは困難になるし、準備も含めもっと注意すべきだったと思います。すでに後半戦に入りましたが、思うような成績を残せていません。でも後一歩のところにはきています。今後もビッグステップは簡単ではないので、スモールステップを刻むイメージで次の東北大会以降も全力を尽くします」

YAMALUBE RACING TEAM
大倉由揮選手談(IA2:4位/5位:総合4位)

「今期最高のリザルトですが、まだまだというのが感想です。第1ヒートのスタートは、それ自体がよかったわけでなく、1コーナのクラッシュで順位が上がり、3番手で2周目に入ることができました。その後に4番手となり、前の横山選手と小川選手になんとかついていたのですがペースが落ち離されました。第2ヒートは1周目が10番以下となり、想像以上にマディで、序盤は集団の中から抜け出せない状況がありました。それでも少しずつ追い上げる中で切り替え、鳥谷部選手はなんとかかわすことができたのですが、そこから前が見えているにもかかわらず5位。表彰台の可能性もあったのですが、入賞圏内に入った安心感もあったし、前にいくのは厳しいと自分で決めてしまい、精神的な面で負けてしまった感じです。納得できない部分は多々ありますが、後半最初のレースでシーズン一番の成績を残せたのは、残りの4戦に向けてよいスタートになったと思います。ここから力をつけ最後まで自分に負けない走りをして、自分の力で表彰台に立ちたと思います」

鳥谷部晃太選手談(IA2:9位/7位:総合6位)

「課題にしてきたスタートはよくなっていますが、内容も結果も悔しいものとなりました。第1ヒートはライバルが転倒し、それを回避するため自らコースアウトするしか方法がなく2周目は21番手。でも次の周、数台の転倒もありましたが7人を抜くことができました。その後に集団にはまって順位を上下しましたが、速いペースのライダーを捕まえて抜け出したところからペースが上がり、シングルフィニッシュまでいくことができました。第2ヒートは、速いライダーがインに集中していたのでアウトを選んのですが、それが的中し外からまくって上位につけることができました。ただ上位のペースについていくことができず、中盤もペースも上がらず、遅い選手に捕まって大倉選手に追いつかれました。そこからは踏ん張ったのですが抜かれ、気持ちの焦りもありミスも増えて、後方のライバルにも抜かれてしまいました。今回は予選から流れがよく、スタートも改善が見られたので次の藤沢にはいい形で臨めると思いますし、昨年、IAでの初表彰台を獲得したコースでもあるので、自己最高の順位、そして表彰台を狙います」

福上聖一談(チームマネージャー)

「今回も目標は入賞圏内でしたが、九州は2回目ということで、前提として開幕を上回ることを2人に課しました。まず大倉選手は、この九州大会に向けて事前テストを行い、マシンを熟成できたことが大きかった。それが予選の順位、そしてタイムとして現れ手応えを持って決勝に臨みました。第1ヒートでは横山選手についていく中でペースが上がらず、小川選手にかわされて4番手となったのですが、その後は集中して順位をキープし4位。第2ヒートはスタートこそ決まりませんでしたが、早いタイミングで挽回し鳥谷部選手をかわして5位。表彰台が見えていただけに残念ですがまた成長を示してくれました。鳥谷部選手の第1ヒートは不運にも1コーナのクラッシュに巻き込まれてしまいましたが、早い段階での挽回でシングルフィニッシュ。第2ヒートはここまで苦労してきたスタートを決め最終的には7位と、こちらも開幕を上回るリザルトを残しました。冒頭でも話した通り、このチームの目標は入賞圏内でバトルし、最終的に入賞することです。まだ毎レースで確実に入賞できていませんが、今回2人が示してくれたように高い確率で上位に絡めるようになっています。だからこそ、今後の4戦では表彰台をより意識していきたいと思いますので、引き続き応援をよろしくお願いします」

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