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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.01 4月8日 九州

RACE DATA

■大会名称:2018全日本モトクロス選手権第1戦九州大会
■開催日:2018年4月8日(日)
■会場:熊本県・HSR九州
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート

REPORT

2018シーズンの幕が開けた。国内最高峰には新チームの「フライングドルフィン サイセイ with YAMAHA」からIA1初参戦となる岡野聖がYZ450Fで参戦。若手中心のIA2には、育成がミッションのユースチーム「YAMALUBE RACING TEAM」が復活。鳥谷部晃太、大倉由揮の2人がYZ250Fで参戦する。

彼らが挑む開幕の舞台はHSR九州(熊本県)。初日(予選)は雨やみぞれなど、春とは思えない不安定な天候の中で行われ、予選方式がタイムアタックに変更となったIA1では岡野が6番手、IA2では大倉が3番手、鳥谷部が10番手を獲得し決勝を迎えた。

IA1の決勝では岡野が第1ヒートで6位入賞を果たすも第2ヒートはリタイアとなり総合14位。一方、レーシングチーム鷹の星野優位がヤマハ勢トップの総合4位を獲得した。IA2では鳥谷部が第1ヒートでヤマハトップの9位、第2ヒートは大倉がヤマハトップの5位と健闘。レディスでは、TEAM KOH-Zの本田七海が自身初優勝を飾り最高のスタートを切った。

IA1:第1ヒートで岡野が6位入賞、星野がヤマハ最上の総合4位

岡野聖にとって、IA1のデビュー戦となった第1ヒートは試練のレースとなった。なんと、トラブルにより26番手で1周目を終えることとなったのだ。幸いにもレース序盤であったことから、一気に前方との差を詰め2周目を終え16番手まで挽回した。その後もYZ450Fとともに速いペースをキープ。レース中盤にはトップ10に入ると、池本凌汰(スズキ)、ハドリー・ナイト(KTM)、星野裕(カワサキ)といったライダーたちとバトルを展開し、それぞれを確実にかわし6位入賞という結果でデビュー戦を終えた。

一方、レーシングチーム鷹より、今年からYZ450Fを駆り参戦する星野優位は1周目を9番手と出遅れたが、序盤の内に新井宏彰(カワサキ)に続く4番手に浮上する。前半はトップライダーの1人であるその新井に対して約4秒差をキープしてレースを進めてきたが、徐々にその差は拡大してしまう。それでも後方からの追い上げは許すことなくポジションを守ってチェッカー。ヤマハ最上位となる4位で2018シーズンの開幕レースを飾った。

なお、優勝は成田亮(ホンダ)、2位は山本鯨(ホンダ)、3位は新井となった。

第2ヒート、再び岡野にアクシデントが降りかかる。1周目を9番手で終えると、第1ヒートよりも速いペースでポジションを順調にアップ。トップグループからは離されてしまったものの6番手とすると、5番手の山本(ホンダ)、さらに4番手の星野に狙いを定めYZ450Fをプッシュしていった。ところが8周目、山本を捉え攻略を試みようとしたところで転倒。これがきっかけで体にダメージが残ったため再スタートできず、悔しいリタイアとなった。

6番手スタートとなった星野は、上位陣と同様のペースでレースを展開するが、5番手走行中の5周目にスローダウンを余儀なくされ、背後の岡野にかわされて順位を落とす。しかしすぐにペースをあげ5番手に返り咲くと、その勢いのまま前方の山本もパスし、4番手でレースを進めた。ところが背後の山本を振り切ることができず、ラストラップにはバトルに発展すると、ここで競り負けてしまい逆転を許して5位でチェッカー。それでも総合成績では総合4位とプライベートではトップの成績で開幕戦を終えた。なお、レースは成田が連勝、2位は小方誠(カワサキ)、3位は新井となった。

IA2:鳥谷部が第1ヒートで9位、大倉は第2ヒートで5位入賞

鳥谷部晃太、大倉由揮という若い2人の挑戦は、ほろ苦いスタートとなった。まず、鳥谷部は16番手で2周目に入るが、ラインミスでぬかるみに入り21番手まで後退してしまう。しかしここから鳥谷部は盛り返し着実にポジションを挽回。残り2周となったところで9番手とすると、そのままポジションを守り、21番手からヤマハ勢でトップとなる9位でチェッカーを受けた。

大倉は対照的に好スタートから6番手につけ、3周目には古賀太基(ホンダ)、能塚智寛(ホンダ)、小川孝平(カワサキ)といったIA2トップラーダの後方4番手につける。しかし4周目走行中に転倒し最後尾となると、さらに転倒が続き6周目を終えてピットインしリタイアとなった。トップ3はレース後半に逆転した能塚が優勝、これに古賀、小川が続いた。

第2ヒートは、第1ヒートでノーポイントなった大倉がリベンジを果たす。7番手で2周目に入り4番手まで順位をあげるも、トップ3からは離され、さらに後方から追い上げてきた能塚とバトルとなり、抜き差しの末に逆手を許し5番手となる。しかし中盤以降は安定したペースで後方のライバルを寄せ付けず、そのままチェッカーを受け、今季初ポイントを5位入賞で飾った。

鳥谷部は、大倉の後方10番手でスタートしすぐに9番手へ。集団でのレースでジャンプアップのチャンスもあったが、逆にポジションを少しずつ落としていく展開となり、最後は12位でチェッカーを受けた。優勝は古賀、2位は横山遥希(カワサキ)、3位は能塚。総合成績では鳥谷部がヤマハ最上位の8位。大倉は13位で開幕戦を終えた。

レディース:本田が独走で自身初優勝をゲット!

TEAM KOH-Zの本田七海が、圧巻のレースを見せた。予選から好調でポールポジションを獲得。決勝でもその速さは健在で、1周目にトップに立つと、ライバルを寄せ付けないハイペースでグングン後方との差を広げ中盤までに独走状態を作った。後半は少しペースが落ちたものの余裕を持ってチェッカー。力強いガッツポーズとともに2012年にフル参戦をスタートして以来、初の優勝を獲得した。

安原さやも好スタートから1周目を5番手でクリア。表彰台を視野にレースをスタートすると、持ち前のスピードでポジションをアップ、さらに上位陣の脱落もあり3番手に浮上し表彰台圏内でラストラップを迎えた。ところがこの最終ラップで、後方からの追い上げを受けると、コース後半まで順位をキープしていたものの、最後の最後でミスが発生し、かわされ4位となり表彰台を逃すこととなった。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

フライングドルフィンサイセイ with YAMAHA
岡野聖選手談(IA1:6位/DNF:総合14位)

「自分がやってきたことを出し切る。それが開幕戦のテーマでした。ただ、第1ヒートは1周目にトラブルで最後尾まで順位を落としてしまいました。ただモチベーションが落ちることはなく、前にライバルが見えてくればそれをかわすことだけを考えて走りました。6位はよかったと言えますが、途中でもたついたところがあり、もう一つ前も狙えただけに満足はしていません。第2ヒートは9番手からスタートとなりましたが、早めに仕掛けないと上位陣に離されるので序盤から積極的に走りました。6番手に上がってから、山本選手がペースを落としていたのでこれを攻略しよう仕掛けましたが、その際にミスして山本選手のラインと交錯しそうになり、回避したことで転倒。第1ヒートよりもよい走りができていたので残念です。IA1の印象としてはやはりトップの3・4人には、ベストラップを上げるなど変わらなけれ及ばない状況です。だからこそ次回も全力でいくだけ。まずはトップグループに食らいついていけるようにがんばります」

佐藤光幸談(チームディレクター)

「第1ヒートはトラブルで最下位まで落ちてしまいましたが、そこから追い上げて6位入賞。新チームに加入し、IA1にステップアップして初のレースであることを考えれば十分な成績です。第2ヒートは上位争いをしている中で転倒がありリタイアと残念な結果となりましたが、走りの内容、ラップタイムはともに進歩を示してくれました。ポテンシャルUP、マシンへの順応は、レースを重ねる中で積み上げていくことで上位に絡んでいけることでしょう。我々チームも新たな体制となり万全のサポートができていない状態なので、我々も改善していく必要性を感じています。このチームのミッションはYZ開発になります。レースを通じ市販YZへフィードバックできる先進技術を獲得することです。しかし、そのYZの速さを示すことも我々チームの重要な役割です。現状はトップ5に入ることが目標ですが、いずれは表彰台の一角に食い込んでいきたいと考えていますし、それができるライダー、スタッフ、マシンだと確信しています」

YAMALUBE RACING TEAM
鳥谷部晃太選手談(IA2:9位/12位:総合8位)

「第1ヒートは序盤、集団の中で前を抜こうと思いコーナーでアウトのラインを選んだのですが、土曜日にできたぬかるみが残っており、それにつかまって順位を落としてしまいました。その後もラインをうまく見つけられなかったのですが、上位陣の脱落や、走りも徐々に良くなってきたことで9位まで挽回することができました。第2ヒートはスタートこそまずまずでしが、プッシュする中で第1ヒートの疲れからペースが上がらず、順位を落としてしまいました。意識はしていませんでしたが、今回は体制が代わって重圧を感じたし、予選で調子がよかったので決勝も気負ってしまったこと、そして体力的な課題などが複合的に重なり厳しい結果となりました。次回は2週間後で今日の課題克服は簡単ではありませんが、会場となるオフロードヴィレッジは好きなコースなので、目標である入賞を狙っていきます」

大倉由揮選手談(IA2:DNF/5位:総合13位)

「第1ヒートはとてもよい流れでしたが、後ろから追い上げられインを締めに行ったところで転倒。再スタートに時間がかかったことで最下位に転落してしまいました。その後、リズムは取り戻せたのですが、集中が切れてしまって再び転倒してリタイアとなりました。第2ヒートは転倒の恐怖心が残った状態でのレースとなったのですが、うまく切り替える走ることができて結果は5位。ホッとしたのは確かですが、昨年の最高が4位だしトップグループとの差は明白なので満足はしていません。また今年からYAMALUBE RACING TEAMに入り以前より注目度が上がっていると思いますが、期待に応えられるだけの順位でもありません。今後は、混戦の走り方やスタートの改善などの課題を克服していかねばなりませんが、まずは今回のようなミスを抑え、安定した走りで成績を積み重ねていきたいと思います」

佐藤美之談(MS戦略部 レース支援グループマネージャー)

「YAMALUBE RACING TEAMは、トップクラスのライダーを育てること。若いヤマハライダーにとってのモチベーションや目標になるために立ち上げたチームです。ライダーは、こうした目標について理解しているため、気負いすぎて大きな怪我をしてしまうことを心配していました。その中で大倉選手が、第2ヒートで5位入賞。鳥谷部選手もプレシャーを感じ本来の走りができていない状況でしたが、第1ヒートではヤマハ勢トップの9位を獲得しました。一方でチーム自体の準備不足があり、総合的に見ると十分なスタートが切れたのだとと思います。チームはスタートを切ったばかりだし、それぞれが課題を見つけたと思いますので、焦らずに一つずつ克服していけばよいと思います」

TEAM KOH-Z
本田七海(レディース:優勝)

「おまたせしました! 素直に嬉しいし、自信にもなりました。前半は余裕があって楽に走れていたのですが、後半に入って腕あがりになりました。それで後方のことが気になり出したのですが、辻本さんが出してくれるサインボードに力をもらい、また自分ならやれると言い聞かせながらながら走りました。幸い後方とは差を作ることができていたので、無理せずにミスを抑える安定した走りを心がけました、このシーズンオフは約一ヶ月、アメリカの毎日すばらしい環境の中で走らせてもらったのが、今回の結果に繋がったし、そこで積み重ねが自信にもなっています。続く第2戦でも今回の流れを生かして勝ちたいし、最終的にはチャンピオンをとって、みんなで笑顔で終われるようにがんばります」

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