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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

全日本モトクロス選手権 IA1

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどIA1に関する情報をお届けします。

Rd.06 7月4日 北海道

RACE DATA

■大会名称:2010全日本モトクロス選手権第6戦北海道大会
■カテゴリ:IA1クラス
■開催日:2010年7月4日(日)
■開催地:北海道/わっさむサーキット
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■天候:晴れ ■観客:8,700 人

REPORT

成田が第1ヒート優勝で総合2位
IA2は小島が両ヒート優勝、レディスは安原が優勝

第5戦九州大会が家畜伝染病口蹄疫の感染拡大防止のため中止されたことにより、約1ヵ月ぶりの開催となった全日本モトクロス。前回の第4戦で全日本初のIAシュートアウトを制し波に乗るYSP・レーシング・チーム・ウィズ・N.R.T.の成田亮は、第1ヒートで今季6度目となるヒート優勝。第2ヒートは4位となり表彰台を逃したが、総合成績では2位を獲得。IA1の4連覇に向けまた一歩前進した。また、IA2は小島太久摩が両ヒートを制して総合優勝。レディスは安原さやが今季2勝目を挙げ、ヤマハライダーの活躍が目立った大会となった。

前日の土曜日、ゲリラ豪雨がコース周辺を襲い、その後弱いながらも降り続いた雨のため、決勝日の午前中はウエットコンディションとなった。しかし、決勝日は午前中から晴れて気温も高く、さらにセッションが行われるたびに路面が乾き、IA1の第1ヒートは、ドライに近いコンディションで開催されることとなった。なお、午前中に予定されていたIA1の予選はコンディションを考慮してキャンセル。グリッドは第4戦終了時点でのランキング順として決勝を行うこととなった。

第1ヒート、乾いたラインがある最もイン側のグリッドに入った成田は、そのアドバンテージを生かし好スタートからホールショット。しかし1周目に福留喜秀(ホンダ)にトップを奪われ、2番手で1周目を終える。2番手以下には、熱田孝高(スズキ)、増田一将(ホンダ)、平田優(ホンダ)、新井宏彰(カワサキ)、田中教世(カワサキ)とランキング上位陣が続き、序盤から激しい展開が予想されるオーダーでレースは幕を開ける。
そのなかで成田は、序盤から積極的な走りを披露。福留に接近してプレッシャーをかけると、4周目にトップに浮上。さらに後方では、成田を後押しするかのように熱田、平田が転倒して脱落。福留もペースを落として後退し、上位は成田、増田、田中、新井に絞られる。
成田は、中盤に入っても手を緩めずハイペースをキープし2番手以下との大きなマージンを築く。これで成田の独走かと思われたが、増田とのバトルを制して2番手に浮上した田中が、成田の独走に待ったをかける。田中のペースは速く、最大8秒程度あった差を縮め、2秒差まで接近。しかし成田は、この追撃かわしてトップを堅持し、今季6勝目を獲得した。

続く第2ヒートは、コースはほぼドライとなり、和寒サーキット特有のハードパックな路面が復活。また高い気温も相まってライダーにとっては厳しいレースとなった。
スタートを制したのは田中。成田もこれに僅差で続き、1周目を田中、小島庸平(スズキ)に続く3番手で終える。序盤からトップを狙う成田は、まず小島の攻略にかかるが、6周目に小島が転倒で後退し2番手に浮上。続いて田中に照準を合わせるが、その田中は序盤からペースが速く、大きなリードを許してしまう。
その後成田は2番手をキープしていたが、中盤に入ると増田、熱田の追い上げにあい、二人に吸収されるかたちで2番手グループを形成する。しかし成田はハードパックな路面を攻略しきれず、14・15周と順位をおとし4番手に。その後懸命の追い上げを見せるが、ライバルたちをとらえることができず、田中、熱田、増田に続き4位でチェッカーとなった。

総合成績では、田中に続く2位を獲得。一方ライバルでランキング2位につける熱田が第1ヒートで14位だったため、第4戦の8ポイント差から22ポイント差に拡大。成田が一歩リードした状態でシリーズ後半戦に突入することとなった。

併催されたIA2では、YZ250Fを駆る小島が、両ヒートを制し今季初の完全勝利と総合優勝を獲得。
第1ヒート、好スタートを切った小島は、3周目にトップに浮上するが、井上眞一(カワサキ)、深谷広一(ホンダ)、勝谷武史(カワサキ)というライバルが後方につけ小島をマークする。しかし井上と勝谷がアクシデントで後退。これで勝機をつかんだ小島は、終始安定した走りでトップをキープする。後半に入ると勝谷が激しく追い上げてくるが、ここまでに築いたマージンを生かして逃げ切り、今季2勝目となるファーストチェッカーを受けた。 続く第2ヒート、スタートで小島と勝谷が接触。一瞬緊張が走ったが小島は体勢を崩しながらも1コーナーをトップで通過し、1周目を制して完璧なスタートを切る。その後は、快調なペースで2番手以下を引き離し、危なげない走りで今季3勝目を挙げるとともに、総合優勝を獲得した。ランキングでもトップを走る勝谷に4ポイント差まで迫り、逆転でのチャンピオン獲得に向けてよい流れをつくるレースとなった。

レディスでは、安原さやが今季2勝目を獲得した。安原は混戦の第1コーナーをうまくさばき好スタートでレースを開始。1周目を2番手、2周目にはトップに浮上する。一方、3番手につけていた最大のライバル益春菜(ホンダ)は2周目に転倒。これに対して安原は安定した走りで2番手以下との差を拡大していく。 再スタートした益は、安原を上回るペースで追い上げ、着実に安原との差を縮めてくる。しかし、安原は、この追い上げにも動じず、序盤で築いたマージンを使って逃げ切り、今季2勝目を挙げた。

次回の全日本選手権・第7戦東北大会は、7月17・18日(IA1は18日のみ)、藤沢スポーツランド(岩手県)にて開催される。

RESULT RACE.1

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 成田 亮 YSP・レーシング・チーム・ウィズ・N.R.T Yamaha 32'10.266(19Laps)
2 田中 教世 グリーンクラブTEAMTAKASE Kawasaki 32'15.123
3 増田 一将 DREAM Honda RT Masuda Honda 32'17.510
4 新井 宏彰 K.R.T Kawasaki 32'21.044
5 小島 庸平 Team SUZUKI Suzuki 33'17.126
6 福留善秀 Dream Honda RT Fukudome Honda 33’22.547
7 辻 健二郎 ホンダドリームRT高浜 Honda 33'24.554
8 芹沢 翔悟 T.E.SPORT Honda 33'31.586
9 小川 裕紀 KONG STYLE Kawasaki 33'34.372
10 北居 良樹 SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS Honda 33'39.039
11 溝口 哲也 OrangeClubうず潮レーシング福山 KTM 33'39.347
12 沼田 誠司 グリーンクラブJUDFE MENT Kawasaki 33'53.994
13 高濱 龍一郎 HRF TEAMHAMMERホンダ学園 Honda 33'59.890
14 熱田 孝高 Team SUZUKI Suzuki 32'22.133(-1Lap)
15 片平 竜英 モトハウスレースチームwith elf Yamaha 32'25.768(-1Lap)
16 中村 泰介 Yamaha 33'44.208(-1Lap)
17 林 友太 レーシングチーム鷹 Yamaha 32'12.921(-2Laps)
18 芹沢 直樹 TeamCarLife Honda 33'42.552(-2Laps)
19 平田 優 DreamHondaRTHIRATA Honda 30'08.013(DNF)
- 池田 孝宏 Orange clubうず潮レーシング福山 KTM 13'25.862 (DNF)

RESULT RACE.2

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 田中 教世 グリーンクラブTEAMTAKASE Kawasaki 33'17.992(20Laps)
2 熱田 孝高 Team SUZUKI Suzuki 33'24.122
3 増田 一将 DREAM Honda RT Masuda Honda 33'26.404
4 成田 亮 YSP・レーシング・チーム・ウィズ・N.R.T Yamaha 33'34.721
5 新井 宏彰 K.R.T Kawasaki 35'52.720
6 平田 優 DreamHondaRTHIRATA Honda 34'09.020
7 福留善秀 Dream Honda RT Fukudome Honda 34'14.888
8 北居 良樹 SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS Honda 34'28.857
9 辻 健二郎 ホンダドリームRT高浜 Honda 34'30.206
10 高濱 龍一郎 HRF TEAMHAMMERホンダ学園 Honda 34'38.324
11 小川 裕紀 KONG STYLE Kawasaki 34'44.610
12 溝口 哲也 OrangeClubうず潮レーシング福山 KTM 34'44.861
13 小島 庸平 Team SUZUKI Suzuki 35'00.863
14 芹沢 直樹 TeamCarLife Honda 35'08.450
15 片平 竜英 モトハウスレースチームwith elf Yamaha 33'21.055(-1Lap)
16 中村 泰介 Yamaha 33'04.404(-1Lap)
17 沼田 誠司 グリーンクラブJUDFE MENT Kawasaki 34'01.158(-2Laps)
18 林 友太 レーシングチーム鷹 Yamaha 34'01.453(-2Laps)
19 池田 孝宏 Orange clubうず潮レーシング福山 KTM 34'41.238 (-3Laps)
DC 芹沢 翔悟 T.E.SPORT Honda 34'39.528(-3Laps)

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 成田 亮 Yamaha 223
2 熱田 孝高 Suzuki 201
3 田中 教世 Kawasaki 194
4 新井 宏彰 Kawasaki 166
5 平田 優 Honda 149
6 小島 庸平 Suzuki 142
15 釘村 太一 Yamaha 48
18 中村 泰介 Yamaha 33
18 片平 竜英 Yamaha 33
20 林 友太 Yamaha 21

COMMENT

成田亮選手談(優勝/4位:総合2位)

「ハードな路面が特徴のわっさむサーキットだが、前日に雨が降り自分に有利なコンディションになるかと思われたが、想像以上に乾くのが早く、難しいレースになった。第1ヒートはまだ完全なハードパックではなかったため、スタートを決めて序盤でリードを築くことができた。でも、今回は田中選手がとても良いペースだったので、厳しいかと思っていたが、レース中盤で田中選手がライバルたちとバトルをしていた時間があり、そこで差を広げられたことが勝因のひとつだと思う。第2ヒートはドライになったので序盤でトップに立ち主導権を握りたかったが、田中選手に先行され、逃げられる展開となってしまった。さらに中盤での2位争いでは、苦手なハードパックと疲れで、ライバルのペースについていくことができなかった。もっと上の順位が目標だったが、苦手意識のあるコースでランキング2位の熱田選手との差を広げることができたのは、大きな収穫だと思う。次回は得意の藤沢だが、ここでみんなをぶっちぎって、ポイント差をさらに大きくしたいと思う」

亀井慶一監督(YSP札幌西社長)

「第1ヒートは、序盤でレースを自分のものにして、中盤からは安定した走りを披露。後半は追い上げられるシーンもあったが、成田選手らしいレース構成力で、応援する側としても安心して見ることができた。一方の第2ヒートはコースコンディションの変化で、リズムをつくれず厳しい戦いになったが、それでも最後まで諦めない懸命な走りを見せてくれた。成田選手の特長は、成績が良くも悪くも、見せ場を作り、我々の心を打つ戦いを見せてくれること。今回もまさにその通りの走りで、来場したお客さまも非常に喜んでくれた。そして本来は応援する側の我々YSPにも、大きな元気を与えてくれた。次回の東北大会、いや残りの全レースで成田選手は期待に応える走りを見せてくれるはず、4連覇だけでなく、これから行われるひとつひとつのレース内容にも注目して見てほしい」

斉藤和幸 チーフエンジニア談

「1ヵ月のインターバルがあったことで、ライダーが緊張感、モチベーションを持って戦えるかがポイントのひとつとなった今大会。成田選手はしっかりとその状態を作り、今大会を迎えることができた。今大会は田中選手が良いタイムを出しており、これにどうやって立ち向かうかというのがテーマになった。基本的には先行し、序盤でマージンを築くことだったが、それを実践できたのが第1ヒート。中盤までに十分なマージンを築いて、それを消化しながら逃げ切るという戦い方ができた。しかし第2ヒートは逆に田中選手に先行されてしまい、さらに中盤に疲れがでて、順位を落としてしまった。ただ、成田選手に苦手意識のあるコースで総合2位とできたのはよかったし、熱田選手とのポイント差を拡大することができた。これで残りの4戦では、コースやコンディション、ライバルたちの調子など全体をみたなかで、勝ちにいくレースと、崩れないレースなど戦略的に戦える体制ができたのは良いことだ。次の東北大会は、成田選手を含めライバルたちも得意なコースなので、とても重要な一戦になるはずだ。我々としてはさらに有利にシーズンを進められるような戦いにしたい」

IA2:小島太久摩選手談(優勝/優勝:総合優勝)

「両ヒートで優勝できたことは本当にうれしい。特に第2ヒートは、序盤でリードを作ってレースをコントロールするという自分の勝ちパターンを実践できたことがとても良かった。また、ここまで圧倒的な強さを見せてきた勝谷選手に4ポイント差まで近づいて、自分のことを意識させることができたのも、大きな収穫だ。でも最終的な目標はチャンピオンであり、それが達成できなければまったく意味がないので、ここで喜んでばかりはいられない。次はあまり得意ではない藤沢だが、サッカーワールドカップで活躍した本田選手のように、勝つための準備をしっかりして臨みたい。自分にある勢いを生かして優勝を狙いたいが、最低でも2位を狙う。ぜひ期待していてほしい」

レディス:安原さや選手談(優勝)

「このコースはアップダウンが激しく、厳しい戦いになることを想像していた。だからスタートで先行して、逃げ切ることをイメージしてレースに臨んだ。実際のレースは益選手が転倒し、大きなチャンスが与えられた。しかし益選手は速く、後半に追い上げられたが、焦ることなく落ち着いて走れたし優勝もできたので満足している。益選手には実力的にまだ差があるが、自分も成長して少しは戦えるようになってきた。ここまでバトルらしいバトルがないので、藤沢では、益選手とバトルができたらと思う。藤沢が楽しみだ」

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