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アジアロードレース選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどアジアロードレース選手権に関する情報をお届けします。

Rd.06 12月4日 タイ

RACE DATA

■大会名称:2016アジアロードレース選手権第6戦タイ
■カテゴリ:SS600・AP250
■会場:チャーン・インターナショナル・サーキット

【レース1】
■開催日:2016年12月3日(土)
■コースコンディション:ドライ
SS600クラス
■周回数:18周
■PP: Chalermpol Polamai(1分38秒547/ヤマハ)
■FL: Ahmad Yudhistira(1分39秒567/カワサキ)
AP250クラス
■周回数:10周
■PP: Apiwat Wongthananon (1分55秒203/ヤマハ)
■FL: Kasma Daniel Kasmayudin (1分56秒343/ヤマハ)

【レース2】
■開催日:2016年12月4日(日)
■コースコンディション:ドライ
SS600クラス
■周回数:18周
■PP: Chalermpol Polamai(1分38秒547/ヤマハ)
■FL: Azlan Shah Kamaruzaman(1分39秒158/カワサキ)
AP250クラス
■周回数:10周
■PP: Apiwat Wongthananon (1分55秒203/ヤマハ)
■FL: Apiwat Wongthananon (1分55秒419/ヤマハ)

REPORT

SS600:Race1、Race2ともにヤマハライダーが表彰台を独占!
AP250:YZF-R25ライダーが2レースで連勝、5つの表彰台を獲得!

2016シーズンの最終戦は、ヤマハライダーがライバルを圧倒する大会となった。まずスーパースポーツ600(SS600)では、レース1で地元「Yamaha Thailand Racing Team」の3人が表彰台を独占。さらにレース2でもヤマハライダーが表彰台を独占する快挙で完全勝利。開幕以降、マシンを研ぎ澄まし、ライダーも確実な成長を遂げ、トップ争いを牽引する位置まで上り詰めた。
また、スタートして2シーズン目となったAP250は、第5戦インド大会で#24 Apiwat Wongthananon(Yamaha Thailand Racing Team)が悲願のタイトルを獲得した。しかし、最後まで貪欲に勝利を追求し、今大会は2連勝。合計では5つの表彰台を獲得し、苦しんだ昨年からヤマハチーム、マシン、ライダー全てが進化していることを証明する結果となった。

レース1(SS600)

YZF-R6がブリラムサーキットで強烈な走りを見せつけた。
前日の予選「Yamaha Thailand Racing Team」からワイルドカードで参戦する#65 Chalermpol Polamaiがポールポジション、#24 Decha Kraisartが2番手とその兆候はすでにウィークを通して見られたが、レース1ではそれが現実のものとなった。
序盤は#65 Polamaiと#24 Kraisartが僅差のワン・ツーで先行。微小ながら確実にライバルを上回るラップタイムで後方とのマージンを広げていく。3周目に#24 Kraisartがトップに浮上したが、#65 Polamaiも食らいつき、その後も僅差でバトルを展開していった。
一方後方では、4番手スタートの#14 Anucha Narkcharoensriが、ライバルの転倒も手伝って3番手へ浮上。さらにトップを上回るペースで2人に接近すると、ついには3つ巴へのトップ争いへと持ち込む。そのなかでも#24 Kraisartの走りは鮮烈だった。後方の2人にスキを与えず、完璧にレースをコントロールしてリードを保つと、そのまま今季2勝目をゲット。これに#65 Polamai、#14 Narkcharoensriと続いて、「Yamaha Thailand Racing Team」が地元ブリラムで表彰台を独占し、多くの観衆の期待に応え、YZF-R6のポテンシャルを示した。
「YAMAHA RACING TEAM」の#76 Yuki Itoは、スタートで遅れ14番手から挽回のレースを強いられた。しかし、このウィークで自己最速タイムをマークするなど、ポジションを上げ一時は7番手に浮上し、ライバル勢とバトルを繰り広げながら周回を重ねた。しかし後半、アベレージタイムを落とした#76 Itoは、順位も落として10位でチェッカー。またチームメイトの#12 Md Fitri Ashraff Razaliは、スタートで遅れて序盤20番手。それでも徐々に挽回し16番手まで浮上するが、ラストラップに一つ順位を下げ17位でレースを終えた。

レース2(SS600)
3日の表彰台独占から一夜明けて迎えたレース2。再びYZF-R6を駆るライダーが、ライバルを圧倒するレースを見せつけた。今回もYamaha Thailand Racing Teamの#24 Kraisartと#65 Chalermpolが、抜群のスタートダッシュから先行。1周目を#24 Kraisartがトップ、#65 Chalermpolが2番手とすると、序盤は#25 Azlan Shah Kamaruzaman(カワサキ)が2人に食らいつき周回を重ねたが、それも序盤のみ。ペースの速い2人は#25 Kamaruzamanを置き去りにしていく。
勝負は#24 Kraisartが#65 Chalermpolに付け入る隙を与えず、レース1と同様にこう着状態となり、ほぼ同間隔でレースは進んでいくが、終盤に入るとわずかながら差が拡大し、最後は#24 Kraisartが余裕を持ってチェッカーを受け連勝で今季3勝目、#65 Chalermpolもまた2レース連続で2位表彰台とし、地元タイの大応援台の前で、有終の美を飾った。
3位争いは、#25 Kamaruzamanと、元MotoGPライダーの#13 Anthony Keith West(Akeno Speed WJR Racing Team)の戦いとなったが、前回のインド大会で2連勝を飾り、好調の#13 Westは速いラップタイムでライバルを捉えると、少しバトルになったもののすぐにリードを広げ3番手をキープすると、3位でチェッカー。これにより、2レース連続でヤマハライダー&YZF-R6がSS600の表彰台を独占することとなった。
また「YAMAHA RACING TEAM」の#76 Itoは、1周目を14番手、2周目を11番手と順調に順位を上げてきたが、続く3周目に転倒を喫してリタイア。チームメイトの#12 Razaliは、19番手で1周目を終え、その後2つ順位を17位でシーズンを終えた。

レース1(AP250)

ここまで5戦10レース、#24 Apiwat Wongthananon(Yamaha Thailand Racing Team)が8勝を重ねチャンピオン獲得したが、そのレースでは常に、YZF-R25を駆るヤマハライダーをはじめ、他メーカーのライバルとの激しい戦いがあった。そして今大会もまたおよそ10台がトップグループを形成し、ただ一つしかない頂点を目指した。
レースは序盤から混戦となり、トップグループの数は12-15台に上った。アジアの若手育成プログラム「YAMAHA|VR46 Riders Academy」に参加した6人のライダーも、その成果を発揮しながら、このサバイバルの一員に加わった。
レースは、コーナーが来るたびにトップが入れ替わり、多くのライダーがその先頭に立った。R25ライダーでは、#24 Wongthananonと#99 Galang Hendra Pratama(Yamaha Racing Indonesia)、#127 Kasma Daniel Kasmayudin(Yamaha Finson Racing)、#33 Yusuke Nakamura(Akeno Speed WJR Racing Team)がトップに立っている。
レースは例のごとく、ラストラップの最終コーナーまで結果の見えない状況となる。多くが固唾を呑んで見守るが、最終コーナーを前に大きなアクシデントが発生。#24 Wongthananonがコーナーリング中に転倒。これに#127 Kasmayudinら数台が巻き込まれ、また間接的に数台がクラッシュ、#99 Pratamaもこの影響でポジションを落とし、一気に上位が姿を消したのだ。この結果、その少し後方につけていたライダーが繰り上がり「Yamaha Thailand Racing Team」の#500 Anupab Sarmoonがトップ、#14 Peerapong Loiboonpengが2位、そして#33 Nakamuraが3位でチェッカーとなった。
これによりSS600での表彰台独占と同様、AP250でもヤマハライダーが表彰台を独占。「Yamaha Thailand Racing Team」に至っては、地元で5つ目の表彰台獲得となり、大きな成果を残すこととなった。

レース2(AP250)

波乱の展開で幕を閉じたレース1だったが、レース2ではそのアクシデントの発端となりノーポイントとなった#24 Wongthananonが、チャンピオンに相応しい完璧なレース展開を披露した。
その戦いは、レース1を教訓に大きく戦略を変更したものだった。今回はスタートでホールショットを奪うと、混戦になるのを避けるように、序盤からギアを一段上げハイペースをキープ。これについてこれたのは#1 Takehiro Yamamoto(カワサキ)の一人。狙い通り混戦から抜け出しレースを掌握する。
中盤に入り#1 Yamamotoに先行を許すが、しっかりとテールに張り付き勝負どころを探る。そしてその時は、ラストラップに訪れる。コース後半に入るとすぐにトップに浮上すると、さらにそこから瞬間的にギアを上げリードを拡大。最終コーナーで勝負させないマージンを築き、最後は余裕を持ってチェッカーに飛び込み、昨日のリベンジを果たすとともに、今季9勝目でシーズンを締めくくった。
一方の3位争いは、最後の最後まで、表彰台の残った一つを奪うのが誰になるかわからない大混戦となった。ここには多くのR25ライダーが加わったが、互いに譲らず3番手は周回ごと、コーナーごとに順位が変わっていった。こうして勝負は最終ラップの最終コーナーとなり、5人ものヤマハライダーが最後の1席をめざし飛びこむと、#96 Imanuel Putra Pratna(Yamaha Traxx-D TJM Bien Racing)がこれを制し3位表彰台を獲得。2レースで6つの表彰台のうち、5つを獲得。ランキングでも、チャンピオンの#24 Wongthananonを筆頭に、8位までに6人のR25ライダーが入った。
このことからわかるように、昨年からチーム、メカニック、マシンの進化を証明。そして何よりもローカルレースから這い上がり、ARRCでライバルに揉まれ、また一部は「YAMAHA|VR46 Riders Academy」を経験することで、心技体すべてにおいて大きなステップアップを果たしたことを証明する結果となった。

SS600 RESULT Race.1

SS600 RESULT Race.2

SS600 RIDERS RANKING

AP250 RESULT Race.1

AP250 RESULT Race.2

AP250 RIDERS RANKING

COMMENT

SS600
YAMAHA RACING TEAM
#76 Yuki Ito(10位/DNF)

「今回も出だしは良い状態からスタートしたわけではありませんでした。でもセッションを重ねるごとにマシンが進化を果たし、シーズンの中でも順調に前進することができました。レース1は、終盤にペースが落ちて10位となりましたが、スタートの失敗からも、ウィークの自己ベストを更新するなどの納得の追い上げができました。レース2は、レース1で大きな手応えがあったため自信を持って臨んだのですが、転倒によりリタイア。ウィークの良い流れを結果に結びつけることができませんでした。このシーズンは立ち上げたばかりのチームでイチからのスタートとなってとても苦労したし、途中表彰台には立ったものの、満足の結果にはなりませんでした。それでもチーム一丸で困難に立ち向かい、また成長を遂げていくことはとても良い経験になったし、すばらしいスタッフに恵まれたと思っています。来年はまだ未確定ですが、もしこのチームで走れるのなら、チャンピオンでシーズンを終わりたいと思っています」

#12 Md Fitri Ashraff Razali(17位/16位)

「今回は両レースでポイントを獲得はできましたが、決して満足できる結果とは思っていません。まずレース1はスタートで遅れました。ペースも上がらず挽回できず苦しんだし、ラストラップでミスをして順位を落としてしまったことも悔いが残ります。今日は、レース2に向けてのウォームアップで転倒。その時に頭を打って万全で臨めませんでしたが、なんとかポイントを獲得できたレースでした。シーズンをトータルで見ると、新チーム、新マシンという中で、混乱も転倒も多くありました。その中で必死にサポートしてくれたおかげで、最後まで戦うことができたと思います。応援してくれたファン、そしてチームスタッフに感謝します。ありがとうございました」

Michael Chai, Team Manager, Motorsports Development

「最終戦ということで、我々にとって最高の結果になるべく意気込んでいましたが、ご覧の通り2人のライダーともに満足な結果を残すことができませんでした。応援してくれたファンの皆さまの期待に応えられず、とても残念です。今シーズンは苦労したものの。いろんなことをトライし、チームとしては多くの経験を積み上げることができました。だからこそ来シーズンは、このシーズンから大きく進化できると確信しています。最後に、多くのご声援をいただき感謝します。ありがとうございました」

Yamaha Thailand Racing Team
#24 Decha Kraisart(優勝/優勝)

「レース1は完璧でしたね。Chalermpolをかわしてからも落ち着いてレースができました。というのも後方を振り返ってみた時に、3番手もチームメイトであることがわかったからです。それに何よりチームのおかげでマシンがとても良かったし、私自身のコンディションも良かったので、自信があったのです。レース2は、午前中のウォーウアップでさらにマシンの状態がよくなり速さもプラスされ、自信をさらに深めて臨みました。実際にライバルたちは、僕についてくることができませんでしたが、勝因はマシンの進化だったといえるでしょう。今シーズンは、当初とても苦労しました。しかし時間はかかりましたが、マシンは着実に進化してくれたことで、後半は戦えるようになり表彰台、そして今日のように優勝も獲得することができました。そして来シーズンですが、僕自身もマシンももっと良くなる可能性を感じています。だからこと目標はチャンピオンしかありませんね」

Theerapong Opaskornkul, Senior General Manager of Sales & Marketing Support

「Decha、Chalermpolが、全日本での経験を生かし、とてもすばらしい結果をもたらしてくれました。Anuchaもマシンの状態が完璧ではなかったのですが、レース1では3位に入り、表彰台独占という最高の結果に貢献してくれ、とてもうれしく思います。今回は我々のホームレースでしたが、ファンの皆さまに、Yamaha Thailand Racing Teamの成長をお見せしたいと考えていましたが、何よりもそれが実現できて大変うれしく思います。こうした結果は、チーム全員が経験を着実に積み上げたこと。その中で培ったチームワークの成果だと思います。これからも"Never give up"の精神を忘れず、来シーズンこそチャンピオンを獲得できるようがんばっていきます。1年間、たくさんのご声援ありがとうございました」

AP250
Yamaha Thailand Racing Team
#24 Apiwat Wongthananon(23位/優勝)

「まずレース2ですが、狙い通りの成績、優勝を獲得することができてとてもうれしく思います。というのは、昨日のレース1では、ミスをによって優勝できず、とても悔しい思いをしたからです。今年は、ヤマハに加入したことがチャンピオン獲得に何よりも大きい貢献してくれました。さらに、このYamaha Thailand Racing Teamすべてのサポートは、自分自身の進化を後押ししてくれました。だからチャンピオンになれたし、とても楽しいシーズンを過ごせたのだと思います。そして今年は、YAMAHA|VR46 Riders Academyのプロジェクトに参加することができました。このすべての経験は、ライダーが進化するために考えられたもの。それは現地だけでなく、戻ってからも自分で実践できることで、成長を助けるものになったし、チャンピオン獲得にもつながる経験だったと思います」

Theerapong Opaskornkul, Senior General Manager of Sales & Marketing Support

「予選では、Apiwatがポールポジションを獲得しましたが、他のライダーはあまり良い結果とはいえず、不安を持ってレースに臨むことになりました。ところが、レース1のApiwatの転倒は残念でしたが、レース2も含めて、ファンの皆さまにチームの成長を証明するとても印象的ですばらしい成績を獲得してくれました。これは、我々チームの中に浸透している"Never give up"の精神が成し遂げたものだと思います」

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