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アジアロードレース選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどアジアロードレース選手権に関する情報をお届けします。

Rd.05 10月2日 インド

RACE DATA

■大会名称:2016アジアロードレース選手権第5戦インド大会
■カテゴリ:SS600・AP250
■会場:ブッダ・インターナショナル・サーキット

【レース1】
■開催日:2016年10月1日(土)
■コースコンディション:ドライ
SS600クラス
■周回数:13周(65 km)
■PP: Anthony Keith West(1分55秒528/ヤマハ)
■FL: Anthony Keith West(1分55秒912/ヤマハ)
AP250クラス
■周回数:9周(45km)
■PP: Apiwat Wongthananon(2分15秒005/ヤマハ)
■FL: Peerapong Loiboonpeng(2分16秒051/ヤマハ)

【レース2】
■開催日:2016年10月2日(日)
■コースコンディション:ドライ
SS600クラス
■周回数:16周(80 km)
■PP: Anthony Keith West(1分55秒528/ヤマハ)
■FL: Anthony Keith West(1分55秒855/ヤマハ)
AP250クラス
■周回数:9周(45km)
■PP: Apiwat Wongthananon(2分15秒005/ヤマハ)
■FL: Peerapong Loiboonpeng(2分16秒223/ヤマハ)

REPORT

SS600:レース1・2でWest&YZF-R6がダブル優勝!
AP250:Apiwatが両レースを制し最終戦を待たずしてチャンピオン獲得

スーパースポーツ600(SS600)では、「Akeno Speed WJR Racing Team」の#13 Anthony Keith Westがレース1・2ともに優勝。「Yamaha Thailand Racing Team」の#24 Decha Kraisartも両レースで2位を獲得し、YZF-R6の強さを見せつけるレースとなった。
一方、アジアプロダクション250(AP250)では、#24 Apiwat Wongthananon(Yamaha Thailand Racing Team)が2レースともに優勝し、最終戦を待たずしてライダー、チームチャンピオンを決めた。

レース1(SS600)
#13 Anthony Keith West(Akeno Speed WJR Racing Team)が、第3戦日本ラウンド・レース1の#24 Decha Kraisart(Yamaha Thailand Racing Team)以来となる優勝をヤマハにもたらした。
ウィーク2日目は、予選そしてレース1が行われ、怪我から復帰した「YAMAHA RACING TEAM」の#76 Yuki Itoが予選11番手。トップから約1.3秒の遅れがあるものの、5番手には0.38秒につけた。チームメイトである#12 Md Fitri Ashraff Razaliは、昨日のフリープラクティス1で転倒があり、その後、走行できなかったことも影響し18番手。ポールポジションは、ARRC初のサーキットに素早く順応した#13 West。さらに9月末に行われた全日本選手権のST600で3位表彰台を獲得して波に乗る#24 Kraisartが2番手と2人のヤマハライダーがフロントローに並んだ。

迎えたレース1は、好調の#13 Westと#24 Kraisartがワンツーでレースを進めるが、すぐに赤旗が出され再スタート。いきなり、アクシデントが襲う。しかし、再レースでも2人の勢いは止まらず、再びワンツー体制を築く。この中で、ウィークを通じ確実に走りを熟成してきた#13 Westが徐々に後方を引き離しはじめ、レース中盤までに独走状態を確立すると、そのまま危なげない走りで他を寄せ付けず、今シーズン初優勝を獲得した。
一方、2位争いは混戦に。#24 Kraisartが後方集団に飲み込まれ、さらにそこから#33 Ahmad Yudhistira(カワサキ)と抜け出してテール・トゥ・ノーズのバトルを繰り広げた。何度か#33 Yudhistiraの先行を許した#24 Kraisartだったが、終盤、ポジションを奪還すると付け入る隙を与えずフィニッシュ。YZF-R6が1-2フィニッシュを達成した。
#76 Itoは、1周目に4つポジションをアップし7番手で1周目を終えるも不運の赤旗。再レースではスタートでミスをおかし順位をダウンし、その後もペースをつかむことができず苦しんだ。しかし後半、反撃に転じてポジションをアップ、復帰戦を9位で終えた。18番手からスタートした#12 Razaliも、予選から順位を3つ上げ、15位でチェッカーを受けた。

レース2(SS600)
レース1に引き続き、#13 Westと#24 Kraisartの戦い。
2番手スタートの#24 Kraisarにホールショットを奪われるが、すぐに#13 Westがトップを奪い返す。2周目には再び#24 Kraisarに交わされ、3周目には3番手に付けていた#25 Azlan Shah Kamaruzaman(カワサキ)に#13 Westは2番手の座を奪われてしまう。しかし翌周にはポジションを奪回し、#13 Westは0.2〜0.3秒差で先頭を行く#24 Kraisarをぴたりとマーク。5周目に#13 Westが再びトップに立つと、中盤以降はYZF-R6の2台が後続を大きく引き離しレースを支配。#13 Westは、一時0.19秒差まで攻め寄る#24 Kraisarをしっかり押さえ、3秒以上の差をつけて今大会W優勝。2位には#24 Kraisarが入り、YZF-R6が両レースで1-2フィニッシュを達成した。
#24 Kraisarのチームメイト#14 Anucha Narkcharoensriは、徐々に後退する#25 Kamaruzamanの背後に#1 Yuki Takahashi(ホンダ)とともに5番手で付け3番手表彰台を狙うが、最終ラップで#1 Takahashiを交わすも表彰台には一歩及ばず4位でフィニッシュ。
11番手スタートの#76 Itoは、オープニングラップと続く2周目にそれぞれ1つずつポジションを上げ9位でチェッカー。#12 Razaliは14位だった。

レース1(AP250)
今大会の注目は、9月中旬に若手ライダーの育成をめざすYAMAHA|VR46 Riders Academyの今年2回目となるトレーニングプログラム「The Master Camp」に参加したライダーの成長。そしてここまで4大会8レースで6勝、「The Master Camp」に初参加を果たした#24 Apiwat Wongthananon(Yamaha Thailand Racing Team)のチャンピオン獲得にも注目が集まった。
予選では、#24 Wongthananonがポールポジションをゲット。さらにチームメイトの#500 Anupab Sarmoonが2番手、そして「The Master Camp」に参加した#99 Galang Hendra Pratama(Yamaha Racing Indonesia)が3番手とYZF-R25ライダーがフロントローを独占し、レース1を迎えた。
しかし、レースはこれまでも見られたように、10台程度でトップグループが形成される。長いストレートでスリップに入れるため、多くのライダーがタイムを伸ばせることがその要因だ。その中でも#24 Wongthananon、#500 Sarmoon、そしてカワサキのライバル、#1 Takehiro Yamamoto(TRICKSTAR Racing)が上位につけ、周回毎、あるいはコーナー毎にトップを入れ替えながらレースを進めていった。
そして勝負は、終盤までもつれ込むが、ラスト2周でYamaha Thailand Racing Teamの#24 Wongthananon、#500 Sarmoonがワンツー体制とすると、ライバルを一気に突き放し、#24 Wongthananonが今シーズン7度目の優勝、#500 Sarmoonが3度目の表彰台となるチェッカーを受け、再び YZF-R25の強さを見せつけた。
これにより、ランキングトップの#24 Wongthananonとランキング2位の#1 Yamamotoの差は47ポイントに拡大。#24 Wongthananonがレース2でのチャンピオン獲得に王手をかけた。
なお、「The Master Camp」に参加したライダーは、#99 Pratamaが5位、#22 Soichiro Minamimoto(Akeno Speed WJR Racing Team)が7位、#96 Imanuel Putra Pratna(Yamaha Racing Indonesia)が9位、#14 Peerapong Loiboonpeng(Yamaha Thailand Racing Team)が12位、#127 Kasma Daniel Kasmayudin(Yamaha Finson Racing)が13位だった。

レース2(AP250)
レース1同様、10台前後が連なってトップグループを形成し、毎周上位が入れ替わる混戦模様。
絶好調の#24 Wongthananonが、レース2も好スタートでホールショットを決めると、チームメイトの#500 Sarmoonとともに、常に上位に付ける展開。終盤#99 Pratamaに先頭を譲るも、最終ラップのロングストレートで交わしてトップに立つと、#24 Wongthananonは、ちらりと後ろを振り返りつつ背後との差を見極める余裕を感じさせながらそのままチェッカー。
今シーズン8度目の優勝とともに、#1 Yamamotoが5周目にリタイヤしたこともあり、#24 Wongthananonが最終戦を待たず、AP250クラスの年間タイトル獲得した。
#99 Pratamaは最後に一つ順位を落とし3位。#500 Sarmoonは残り3周でオーバーランし結局5位でフィニッシュ。
なお、「The Master Camp」に参加した#14 Loiboonpengは6位、続く7位に#127 Kasmayudin、#96 Pratnaは10位、そして#22 Minamimotoはマシントラブルによるリタイヤでレースを終了。
ARRC最終戦は、12月3-4日、第2戦同様、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットにて行われる。

SS600 RESULT Race.1

SS600 RESULT Race.2

SS600 RIDERS RANKING

AP250 RESULT Race.1

AP250 RESULT Race.2

AP250 RIDERS RANKING

COMMENT

SS600
YAMAHA RACING TEAM
#76 Yuki Ito(9位/9位)

「フリープラクティスでマシントラブルに見舞われ、またいいセッティングも見つけられず、いい流れを作ることができないまま、決勝レースを終えてしまいました。次戦、タイのブリラムは、過去に勝ったことのあるサーキットですし、前回・第2戦で勝てずに悔しい思いをしましたので、その時の雪辱を果たしたい。がんばりますので、期待していてください」

#12 Md Fitri Ashraff Razali(15位/14位)

「レース1、レース2とも思うようにうまく走ることができませんでしたが、そんな中で、ポイントを取れただけでも良かったです。もうひとつは、目標としていたタイムを出すことができたので、続けて出せるよう、次戦のタイに向けてがんばります」

Michael Chai, Team Manager, Motorsports Development

「Ito選手については、満足できる順位ではありませんでした。技術は持っているライダーなので、メンタル面やマシンのセッティング面などがぴたっとマッチしてくれば、もっと上位に食い込んでいけるはず。その部分を良い方向に進めて行けるよう、チーム一丸、力を合わせてがんばります。
Razali選手は、フリープラクティス1での転倒の影響で、調子がでないまま終わってしまった感じでした。唯一、貴重な1ポイントを取ることができたのが収穫です。最終戦に向け、引き続き応援のほど、よろしくお願いします」

Akeno Speed WJR Racing Team
#13 Anthony Keith West(優勝/優勝)

「レース1とレース2とダブルで勝つことができて、とてもうれしいですね。ここまでのアジアロードレース選手権は、マシンやコースなどがいまひとつ自分に合わず、勝つことが難しかったのでなおさらです。
でも今回のインドのサーキットは、ヨーロッパのようなコースレイアウトでしたし、マシンのセッティングもとても良く決まって勝つことができました。Decha選手が2位に入ったことでもお分かりいただけると思いますが、この週末はヤマハがものすごく速かったんです。懸命に作業をしてくれたチームのみんなとヤマハにお礼を伝えたいですね」

Yamaha Thailand Racing Team
#24 Decha Kraisart(2位/2位)

「今回はマシンの調子がすごく良く、West選手といいバトルができて良かったです。チームみんなが良い仕事をしてくれているので、次戦・地元タイのブリラムでは、十分勝てると思います」

AP250
Yamaha Thailand Racing Team
#24 Apiwat Wongthananon(優勝/優勝)

「チャンピオンを獲れて本当に嬉しいです。レースを始めてからこの日を長い間待ち望んでいました。スポンサーさんを始め、ヤマハ、支えてくれたみなさんに心から感謝しています。
昨年はもう少しのところでチャンピオンを逃してしまっていたので、今年は何が何でも絶対にチャンピオンを獲りたかった。その目標が実現して本当に幸せです」

Theerapong Opaskornkul, Senior General Manager of Sales & Marketing Support

「今回のレースはYamaha Thailand Racing Teamにとって、ほぼ完璧なレースでした。特にAP250クラスはライダーとチームのチャンピオンを獲得できました。これはチーム・ライダーともに"never give up"の精神で常にチャレンジしてきた成果の現れだと思います。全てに追い風が吹いていましたが、これはチームみんなの努力が巻き起こしたものだと思います。その結果、最終戦を待たずして、5戦10レースでチャンピオンを決めることができました。

SS600ではKraisart選手がレース1、2で2位表彰台を獲得。彼は、先日の全日本第7戦岡山大会のレースでも2位を獲得しました。これは彼が非常に安定した速いライダーであることの証しだと思います。
またNarkcharoensri選手も今年はとても進歩したと思います。思い出してください、昨年のアジアロードレース選手権SS600では全然上位に入れなかったんです。でも今年はライダー、メカニック、チームスタッフの全員が成長したことで、常に上位を狙えるチームになりました。

次の最終戦はブリラムで、我々のホームレースです。Yamaha Thailand Racing Teamがどれだけ成長したかをタイのお客さまに見てもらえると思います。今まで支援くださったスポンサーさま、ヤマハ、関係者のみなさまに感謝いたします。ありがとうございました」

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