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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.10 7月13日 ドイツ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第10戦ドイツGP
■開催日:2008年7月11日(金)フリー走行2(総合結果)
■開催地:ドイツ/ザクセンリンク(3.671km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:30度 ■路面温度:41度

REPORT

フリー走行でエドワーズ3番手、ロッシは4番手

ドイツ東部にあるザクセンリンクで第10戦のレースウイークがスタート。フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシは、前回のアッセンで広がったポイント差を取り返すべく、フリープラクティスに臨んだ。ここまでヨーロッパラウンドのプラクティスは雨に見舞われることが多かったが、今回は一日中、好天に恵まれてセットアップ作業が充実。ロッシは4位で1日目を終了した。

午前中の第1セッションは序盤から好調。ラップタイムではC・ストーナーに0.299秒届かず3位となった。午後からのセッションではマシンをさらに改善していこうというところだったが、セッティング変更が期待通りの効果を生まず、タイム更新はならなかった。依然として4位につけてはいるが、トップからは約1秒離されており、明日以降の作業には多くの課題が残ることとなった。

チームメイトのJ・ロレンソは、マシン・セッティングを順調に進めて総合6位につけた。度重なる怪我で苦しい時期が続いていたが、ようやく通常通りのトレーニング・スケジュールをこなせるまでに回復。体調も良く、ラップタイム更新に自信をのぞかせていた。

このコースではまだ優勝経験のないロレンソは、午前中のセッションではリアグリップの不足を感じて10位に留まった。しかし午後になって気温が30度まで上昇すると状況は好転。午前中のタイムをコンマ5秒近く短縮して5番手、総合6位で1日目を終了した。午後のタイムはロッシにあとわずか0.098秒と迫るものだった。

テック3ヤマハ・チームのC・エドワーズは、このところの好調を今回もキープ。今日はおもにフロントのグリップ性向上に取り組み、1分22秒463を記録してミシュラン勢トップの3位につけた。一時は2位をキープしていたが、最終コーナーでの転倒もあり、ひとつ後退。しかし自信は失われておらず、フロント・グリップの問題が解決されれば、決勝での表彰台獲得に向けて更に前進できると確信している。

一方、チームメイトのJ・トーズランドにとっては厳しい展開。ドニントン、アッセンと熟知したコースが続いたあと、今回はテクニカル・コースのザクセンリンクの攻略に苦労することとなった。第1セッション序盤で転倒があったが、明日はセッティングを改善しラップタイム短縮を目指していく。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 C・スト―ナー Ducati Marlboro Team Ducati 1'21.582
2 A・デ・アンジェリス San Carlo Honda Gresini Honda 1'21.993
3 C・エドワーズ Tech3 Yamaha Team Yamaha 1'22.463
4 V・ロッシ Fiat Yamaha Team Yamaha 1'22.617
5 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 1'22.759
6 J・ロレンソ Fiat Yamaha Team Yamaha 1'22.894
7 中野真矢 San Carlo Honda Gresini Honda 1'22.922
8 N・ヘイデン Repsol Honda Team Honda 1'22.975
9 A・ドビツィオーゾ JiR Team Scot MotoGP Honda 1'22.999
10 R・ド・ピュニエ LCR Honda MotoGP Honda 1'23.116
11 S・ギュントーリ Alice Team Ducati 1'23.209
12 L・カピロッシ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 1'23.274
13 T・エリアス Alice Team Ducati 1'23.366
14 C・バーミューレン Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 1'23.411
15 A・ウエスト Kawasaki Racing Team Kawasaki 1'23.452
16 M・メランドリ Ducati Marlboro Team Ducati 1'23.698
17 J・トーズランド Tech3 Yamaha Team Yamaha 1'23.864

COMMENT

V・ロッシ選手談(フリー走行4番手/1分22秒617/63周)

「今日のプラクティスには満足していない!午後からの第2セッションではセッティングを少し変えて柔らかめのものにしてみたが、期待通りにいかなくてタイムを更新することができなかった。高速コーナーで十分なスピードを出し切れず、いつもちょっとはらんでしまう。どうしても自分の思い通りに走ることができなかったんだ。今回のチョイスが間違っていたということは確かなので、明日は今日の午前中のセッティングに戻してケイシーとの差を縮めていきたい。

新型電子制御システムは、今日は試さなかった。今のところ、今回は使わないつもりでいるんだ。ブリヂストン・タイヤについてはいくつか試し、決勝用のものはすでに候補が挙がっている。本来の実力はまだ出し切れていないので、明日は前進すべくベストを尽くす」

D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督

「午前中は好調だったが、午後はラップタイムを更新できず残念な結果になった。マシン・セッティングを少し変えてみたが、その方向性が間違っていたようだ。これからデータを分析して、明日は今日の遅れを取り戻したい。タイヤについてはいくつかテストすることができて、今のところ感触はいい。でもここは難しいコースなので、マシン全体としてのポテンシャルを上げるためにはまだもう少し時間が必要だ」

J・ロレンソ選手談(フリー走行6番手/1分22秒894/65周)

「前回、前々回と比べると、今日はとても自信を持って臨めているようだ。そのおかげで、よりアグレッシブに攻めることができるようになったので、自分でもとても気分がいい。午前中のセッションではリアのグリップ感に問題があって、それは午後、かなり改善できたのだが、依然としてセッティングは完璧ではなくてスピードがまだまだ足りない。午後は5位につけることができたわけだが、ストーナーとのギャップが大きすぎることが問題。彼が何であんなに速く走れるのか理解できないんだよ!

自分としてのフィーリングは良いが、マシンの潜在能力を出し切れていないということなのだと思う。だからもっともっと改善していかなければならないんだ。もちろん僕自身のほうの問題もあって、自信をキープしなければならないし、コースにもさらに慣れていかなければならない。明日はトップとの差を詰めていきたい」

D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督

「午前中のセッションは序盤からいくつか問題があって、とくにリアグリップの不足には悩まされた。でも午後になると状況がかなり良くなって、コンマ5秒ほどペースを上げることができたので皆一安心というところだったんだ。とは言え、リアのグリップについてはまだ改善が必要だと思っているので、明日はさらに集中して作業を進めていかなければならない。これはマシンかタイヤかどちらかの問題ではなくて、マシン全体としての課題なのだ。明日も好天が続くよう願っている。それすれば、さらに一歩、前進するための解決策を準備することができるはずだ」

C・エドワーズ選手談(フリー走行3番手/1分22秒463/51 周)

「午前中の第1セッションを走り出してみると、フロントのフィーリングが十分ではなかった。最初はたいした問題とは思わず、そのまま走行を続けていたが、なかなか良くならなかったんだ。フィーリングがつかめなくて、フロントが自分についてこない感じ。それで午後からはフロントタイヤを硬めのものに替えてみると、いくらか良くなった。でもそのタイヤは今までに一度も使ったことがないものだったんだ。

このサーキットはフロントタイヤへの負担が大きいので、いつも使っているものでは耐久性が足りない。そこでミシュランがそのあたりを改善してくれたが、僕としてはなかなか慣れることができなかったんだ。コースに出て、何周か走って、少しずつタイムも上がってきたと思ったら、次の瞬間には転倒してしまった。最終コーナーの進入でブレーキをかけたら、そのままクラッシュだ。ミスをしそうなときというのは、たいていわかるものだが、今回はその感触がまったくなかった。ただ普通にコーナーを流していたつもりが、突然に転倒してしまったんだ。兆候はゼロさ。

そのあとはミシュランとチームとで話し合ってアイディアを出し合い、フロントのフィーリング向上を目指した。スペアバイクで走り出すと、特別に激しくプッシュしたわけでもないのに22秒台が出た。つまりフィーリングがいくらかでもつかめるようになったことで、楽にタイムを上げることができたというわけなんだ。だからミシュランとチームのスタッフには心から感謝している。僕はこれまで、このコースでは良い思い出がない。今日はまるでおまじないが効いたみたいにマシンが生まれ変わったんだ。リアタイヤはとてもフィーリングがいいので、あとはフロントがもう少し良くなってくれば、本当に自信が持てるようになるだろう」

J・トーズランド選手談(フリー走行17番手/1分23秒864/55周)

「すごく難しくてわかりにくいテクニカル・コースだ。ブラインドコーナーがたくさんあって、しかもスロットルを開け続けなければならない。だから常に自分の位置をしっかりと把握していなければならないんだ。今日はとてもたくさんのことを試し、最終的にはかなり良くなってきて23秒台のリズムをつかむことが出来た。でもまもなくチェッカーになってしまったんだ。

今日は2通りのセッティングを用意して、どちらのフィーリングがいいか比べていった。そして今は、より乗りやすくするための方向性が見えたところだ。数字上にはまだ表れないが、僕自身は非常にリラックスしている。ラップタイムではかなり後方だが、トンネルの向こうに小さな光が見えているんだ。ホイールベースの短いマシンのセッティングには、確かに苦労している。長いものなら比較的簡単なのだが。以前にも同じ問題に直面してきたが、ホイールベースが短いとブレーキング時の荷重の移動が大きくなり、リアタイヤのフィーリングがつかめなくなってしまうんだ。

第1セッション3周目のクラッシュは自分のミス。左コーナー進入で白線に乗ってしまい、舗装部分に戻ったときにトラクションを失ってしまった。グラベルの石がとても大きかったので、両腕が黒や青のあざだらけだよ」

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