本文へ進みます

Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.08 6月22日 イギリス

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第8戦イギリスGP
■開催日:2008年6月22日(日)決勝結果
■開催地:イギリス/ドニントンパーク(4.023km)
■観客数:88,000人
■周回数:30周(120.69km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度 ■路面温度:26度
■PP:C・スト―ナー(ドゥカティ/1分38秒232)
■FL:C・スト―ナー(1分28秒773)

REPORT

ロッシ2位表彰台、ランキング首位のリードを拡大!

[速報]

フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシは2位、予選17位発進のJ・ロレンソは懸命に追い上げ、6位をもぎ取った。テック3・ヤマハチームのC・エドワーズは単独4位、地元のJ・トーズランドは1周目に転倒し後退するが、17位で完走した。優勝はポール発進のC・ストーナー(ドゥカティ)。

ストーナーの好スタートで始まった30周の決勝。予選2位のロッシ、序盤はストーナーの直後で様子をうかがうが、少しずつ差が広がる。10周目には約2秒の差をつけたストーナーが首位を走り、その後もリードを広げ、独走で優勝した。

中盤15周目頃、注目の的は熾烈な2番手争いだった。予選9位から追い上げてきたD・ペドロサ(ホンダ)は2番手を走るロッシと抜き差しを展開。約2周に渡って2人のバトルが続くが、ロッシが徐々にリードを広げ、25周目には約0.5秒差をキープする。ロッシはそのままリードを拡大し、2位でチェカー。2列目発進のエドワーズは、序盤の7番手から3人抜き、単独4位でゴールした。

ロレンソは今季最悪の予選17位・6列目スタートだったが、2周目までに10番手に浮上。A・ウエスト(カワサキ)を抜いて9番手にあがった3周目以降は、30秒台でポジションをキープする。レースも3分の1を過ぎてからは、29秒台にペースアップ。その後、21周目に中野真矢(ホンダ)を抜くと、その前で6番手争いをしていたC・バーミューレン(スズキ)とN・ヘイデン(ホンダ)の2人に接近。結局26周目の第1コーナー進入でヘイデンを抜いて単独6位へ。さらに前を走るA・ドビツィオーゾ(ホンダ)を追うが及ばす、6位でチェッカーを受けた。

地元のトーズランドは、スタート直後の第1コーナーで軽いハイサイドの立て直しに失敗して転倒。ステップを損傷するがすぐ再スタートして力走、周回遅れながら17位で完走した。

[レース展開]

フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシは2位を獲得した。ロッシはストーナーを捉えることは出来なかったが、レース中盤でペドロサとのバトルを制し、シリーズポイントのリードを拡大した。ロッシにとってこのレースは200回目のグランプリ。また1996年のオーストリアGPの125ccクラスで初めて3位表彰台を獲得してから142回目の表彰台となった。チームメイトのロレンソは怪我を乗り越え、また予選での不調を挽回して6位を獲得した。

ロッシはこの間、スタートダッシュの改善に注力してきたが、これが功を奏し、スタート直後は予選位置の2位をキープする。その後は懸命にストーナーを追っていくが、この日のストーナーはコースの幾つかのエリアで速く、ロッシは2位キープに切り替え走りきった。全30ラップのレースの中盤、ペドロサが追い上げてきて1コーナー進入で2度ロッシをパスしたが、その度に抜き返し、終盤ではこれを引き離して2位でゴールした。1位のストーナーから約6秒差、3位のペドロサには2.558秒差をつけた。ポイントではペドロサとの差をさらに4ポイント拡大して11ポイントとした。

一方のロレンソは、GPルーキーとしての輝かしい活躍の足跡にまた新たな1ページを追加した。予選17位の位置から6位まで挽回したのだ。このところ転倒と怪我が続き、前回のカタルニアは欠場を強いられたロレンソ。今回はマシンの感覚を取り戻すことを目標に出場したが、ひとたび走り出せば以前と同じ果敢さを見せて次々に前車をパス。最終的には11人を抜き去る期待以上のレースを成し遂げた。

ドライだが風の強いコンディションで迎えた決勝。ロレンソは1コーナーでアウトから仕掛けて一気に数台をパス。その後もコーナーごとにそれを繰り返し、1周目終了時で10位に順位を上げてきた。これで自信を取り戻したロレンソはリズムをつかみ、13周目にはウエストをパスして9位。レース中盤になると上位グループと同等のペースをコンスタントにキープし、20周目に中野をパスして8位。さらにはその後の4ラップで3秒の差を挽回してバーミューレンとヘイデンを捉え、ついには6位に浮上した。ロレンソはさらにドジビオーゾを追っていったが、その時点で残りはわずか5ラップ。最終ラップでベストタイムを記録する走りを見せたがあと1を縮めきれなかった。

テック3・ヤマハ・チームのC・エドワーズは4位獲得と健闘した。1周目を7位で終了したエドワーズは、徐々にペースを上げて14周目にバーミューレンをパスしたところからチャージを開始。そして3ラップ後にヘイデン、その翌周にドビツィオーゾをパスして4位に上がった。レース後半はロッシやペドロサなどの上位陣と同等のペースをキープしたが、残念ながら今回は、表彰台獲得とならなかった。

一方のトースランドは予選16位から挽回を狙っていたが、第1コーナーで転倒。右手を打撲、右側のステップが脱落したにもかかわらず、残りの30ラップを果敢に走りきり17位でゴールした。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 C・ストーナー Ducati Marlboro Team Ducati 44'44.982
2 V・ロッシ Fiat Yamaha Team Yamaha 5.789
3 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 8.347
4 C・エドワーズ Tech3 Yamaha Team Yamaha 12.678
5 A・ドビツィオーゾ JiR Team Scot MotoGP Honda 14.801
6 J・ロレンソ Fiat Yamaha Team Yamaha 15.69
7 N・ヘイデン Repsol Honda Team Honda 18.196
8 C・バーミューレン Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 21.666
9 中野真矢 San Carlo Honda Gresini Honda 29.354
10 A・ウエスト Kawasaki Racing Team Kawasaki 41.03
11 T・エリアス Alice Team Ducati 44.426
12 R・ド・ピュニエ LCR Honda MotoGP Honda 46.199
13 S・ギュントーリ Alice Team Ducati 48.731
14 B・スピーズ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 49.591
15 A・デ・アンジェリス San Carlo Honda Gresini Honda +1'22.186
17 J・トーズランド Tech3 Yamaha Team Yamaha +1Lap

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 V・ロッシ Yamaha 162
2 D・ペドロサ Honda 151
3 C・ストーナー Ducati 117
4 J・ロレンソ Yamaha 104
5 C・エドワーズ Yamaha 82
6 A・ドビツィオーゾ Honda 68
8 J・トーズランド Yamaha 53

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Yamaha 180
2 Honda 151
3 Ducati 122
4 Suzuki 71
5 Kawasaki 41

COMMENT

V・ロッシ選手談(2位)

「今日の結果には非常に満足。もちろん、ストーナーとバトルをして、そして勝てていたらもっと良かったけれどね!今日はスタートがうまくいったのでそのままケイシーについて行こうとしたが、いくつかのコーナーで彼のほうが速くて、ペースについていくことが出来なかった。ポイントのことを考えれば2位獲得が非常に重要とわかっていたので、レース中盤でのペドロサとのバトルにはどうしても勝たなければならなかった。

その結果、2位を獲得することが出来て、ポイント差をまた広げることが出来た。今週は、金曜日のドライ・セッションでいくつかミスをしたことが不運だった。昨日は雨になってしまったため、課題を今日まで残すことになってしまった。そういう状況のなかで完璧を求めるには時間が足りなかった。それでもチームのみんながベストを尽くした。彼らには心から感謝している。

今のところチャンピオンシップをリードしているが、ストーナーがとても良くなってきているので、これからも僕らふたりの戦いが続いていくことになるだろう。すぐに次のアッセンがあるのは嬉しいことで、楽しみにしている」

D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談

「今日は、これ以上の結果は不可能だっただろう。でもチャンピオンシップのことを考えれば、今日の2位は非常に重要で、ペドロサに対してまた4ポイントの差をつけることができた。シーズン折り返しまでまだ1週間あるが、ここまでの戦い方には非常に満足している。何よりもランキングトップにつけているということが重要なのだ。次のアッセンまで休息の時間はない。今度は表彰台の真ん中の位置を狙っていく」

J・ロレンソ選手談(6位)

「今回は僕もチームクルーも本当に大変だったので、今日の結果はとても嬉しい。過去のことはもう考えたくない。それに、もしもフロントロウからスタートできていたら、というようなことも考えない。ただ、今の状況と今日の自分の走りだけを考えていたい。今回の一番の目標は、転倒や怪我をせずに最後まで走りきることだった。なぜなら自分の身体の健康が最も大切だからだ。ところが、いざスタートしてみると、どんどん自信が湧いてきて、走りも良くなってくる。

それでようやく、今回も十分に戦えるのだということがわかったんだ。チームのおかげで終始、ハイペースをキープすることができたし、マシンもタイヤも素晴らしかった。僕はどんなときでも笑顔を絶やさず、しっかりした姿勢で物事に臨みたいと思ってはいる。でも時々、楽観的でやる気満々でハッピーでいる、ということがどうしても難しいこともある。でも今日は本当に良かった。心からハッピーだよ!」

D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談

「今日の目標は達成した。ホルヘがマシンに対して良いフィーリングを取り戻し、また以前のように楽しんで乗ってくれるようになることが重要だった。そしてそれが実現したのだ。彼は実際、美しいまでのレースを展開し、このところの厳しい状態から抜け出した。彼の素晴らしさに、ここでまた新たに感銘を受けた。11人抜きの快挙は誰が見ても感動的だったと思う。チームのほうもよく頑張ってサポートした。次のアッセンではベストの状態まで復活すると確信している」

C・エドワーズ選手談(4位)

「4位は良い結果だが、やはり少し残念。金曜日のドライ・コンディションでは好調で、すべてに満足していた。しかし土曜日は雨が降って思うように走ることができなかった。昨年のマシンと比べるとジオメトリーが違っていて、荷重バランスもかなり変わっているんだ。今朝のウォームアップでも金曜日とまったく同じマシンだったのに、コースに出たり入ったりしながら、フロントの問題点を探すこととなった。

決勝が始まり最初の数ラップはやはりひどい状態。どんなに頑張って走っても29秒台前半が出せなくて、まるで金曜日に24周走ったあとのタイヤを履いているような感じだった。その後、何かが変わって状況が好転したが、そこまでに長い時間がかかった。フロントの挙動が大きい状態のまま、コーナーでは大きく曲がり、そうしているうちに解決策が出てきたような感じ。今年のマシンはブレーキングを深く、ハードにする必要があるんだ。

そうして初めて29秒台前半に入れることができて、徐々に順位を上げていくことができた。タイム自体はロッシやペドロサ、ストーナーと大きく変わらない。コースのあるポイントで観察してみると、彼らが大きく引き離していくわけでもなかったんだ。もう少しでも近づけていたら、彼らとバトルをすることができただろう。でも、総合的に考えて、良いウイークだったと思う。チームもミシュランもいつものように素晴らしい仕事をしてくれた。今は次のレースを楽しみにするだけ」

J・トーズランド選手談(17位)

「この気持ちをどうやって表現したらいいのかわからない...。母国のファンのためにも、どうしても好成績を狙いたかった。予選が上手くいかず、今日の決勝もかなり難しいものになってしまった。予選16位からのスタートでは当然、状況は厳しいが、それでもスタートからどんどん攻めていくつもりでいた。スタートは上手く何人かパスしたが、特に1コーナーで進入速度が速すぎているとは思っていなかった。ところがリアが回り込んで転倒してしまった。

大勢のファンが僕の走りを見にきてくれている。頭を激しく打って、右手を路面に叩き付けて痛みがあったし、ステップも取れてしまっていたが、何とかピットまで戻って再スタートした。どうしてもチェッカーを受けたかったからだ。

ホームコースに戻ってきた僕を驚くほどあたたかく迎えてくれて、一生懸命にサポートしてくれたファンのために、僕はゴールを目指した。今回のことは、これまでのレース経験のなかでも最も悔しい出来事だ。でも諦めるのは僕の性に合わないし、実際に今日もそうはしなかった。いつまでも、くよくよすることはないし、今度こそ僕の出番が回ってくると信じている」

H・ポンシャラル、チーム監督談

「まずコーリンにお礼を言いたい。彼は今日もまた素晴らしいレースを見せてくれた。雨の予選で5番手2列目を獲得、決勝序盤は出遅れたが、ロッシやペドロサと同等のペースで走り、その後追いついていった。彼の今日の走りを見れば、マシンの仕上がり具合がよくわかる。

ジェームスについては本当に残念だった。ホームレースで好成績を狙っていたが、土曜日が雨になってしまったこともあって厳しい戦いになった。挽回を目指すなかでミスをしてしまったが、その後の彼の態度は心から賞賛すべきものだった。母国のファンの応援に何としても応えたかったのだろう。ファンのために頑張った彼に対して、彼らも決して失望はしなかったと思う。幸い翌週すぐ次のレースがあるので、彼なら気持ちを切り替えてその強さを証明してくれるだろう」

ページ
先頭へ