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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.02 3月30日 スペイン

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第2戦スペインGP
■開催日:2008年3月30日(日)決勝結果
■開催地:スペイン/ヘレスサーキット(4.423km)
■観客数:130,000人
■周回数:27周(119.421km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:19度 ■路面温度:23度
■PP:J・ロレンゾ(1分38秒189/ヤマハ)
■FL:D・ペドロサ(1分40秒116/ホンダ)

REPORT

ロッシ2位、ロレンゾ3位!

速報

序盤からリードしたD・ペドロサ(ホンダ)が独走して優勝。ヤマハのV・ロッシは2位、J・ロレンゾが3位、J・トーズランドが6位でフィニッシュ。C・エドワーズは序盤に5周目6位走行中転倒リタイヤした。

予選2番手のペドロサの好スタートで決勝は開始。1周目はペドロサとポール発進のロレンゾが1・2位につけ、以下C・ストーナー(ドゥカティ)、N・ヘイデン(ホンダ)、エドワーズ、ロッシ、L・カピロッシ(スズキ)、中野(ホンダ)、トーズランドが続く。ロッシは2周目に4番手、3周目にヘイデンを抜いて3番手に上がると4周目ロレンゾを抜いて2番手につけ、先行のペドロサを追う。この周を終え、ペドロサとロッシの差は1.5秒。2台のトップ争いが注目されるが、40秒台で走るペドロサに対しロッシはやや遅れて差が開いていく。中盤に入るとふたりの差は4秒半まで広がる。ロッシは19周~25周目にかけてはペドロサを上回るタイムを記録するが、ペドロサの序盤の預金は大きく差は縮まらない。そして3.4秒差のまま最終ラップへ。ところがロッシは何と、周回数を勘違いし残り1周のラインを通過したところでペースダウン。しかしすぐにミスに気づいてもう1周を走り切り、トップのペドロサから約2.8秒遅れでチェッカーを受け、モトGP表彰台自己通算100度目を達成した。

モトGP2戦目のロレンゾは、序盤ロッシのすぐ後方につけてYZR-M1のランデブー走行。中盤になるとやや後退しロッシとの差が広がる。20周目を迎えた頃、追い上げてきたヘイデンが0.2秒後方につけて僅差の3番手争いに。その後ヘイデンがバランスを崩してタイムロスする間にロレンゾはリードを広げ3位をキープ。ロッシに1.5秒遅れの3位となり開幕戦に続く連続表彰台獲得となった。

ルーキーのトーズランドは、体調を崩して体力的にも精神的にも厳しい状況のなか、力強さをアピールして6位。最高峰クラスで2戦連続6位以内獲得は、イギリス人ライダーとしては1990年以来。スタート直後はグリッドポジションの8位から順位を下げて10位になっていたが、懸命の追い上げを続けてバーミューレン、カピロッシらを次々にパス。しかしゴール手前でカピロッシに抜かれて6位となった。次のポルトガルGP、エストリルでは改良型のニューマティック・バルブ・エンジンが投入される予定。

なお昨年のチャンピオン、ストーナー(ドゥカティ)は、2度のコースアウトで後退して11位だった。

レポート

モトGP世界選手権第2戦がスペインはへレス・サーキットで開催され、フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンゾが、14万人もの大観衆が見守る中で母国でのGPデビューを果たした。スペインのファンはそのほとんどが、このコースで過去に何度も好成績をおさめてきたV・ロッシも応援している。今回はそのふたりが揃って表彰台に上り、熱烈な歓迎を受けた。またテック3ヤマハのJ・トーズランドは体調不良に悩まされながらも6位と健闘。C・エドワーズも好スタートから上位を走行していたが、転倒リタイアとなった。

ロッシは今回の活躍で、最高峰クラスで自己通算100回目の表彰台獲得。予選5位からスタートして6位で1周目を終えると、まもなくリズムをつかんで追撃開始。ロレンゾをとらえて2位に上がると、さらにトップのD・ペドロサを追って行った。
しかしペドロサのペースは速く、なかなか追いつくことができない。ロッシは安定した走りに徹して順調に2位をキープし、そのまま残り1周を迎えた。ゴールラインを通過してペースを落としたロッシ。周回数の数え間違えに気づくとすぐさまペースアップ。3位のロレンゾとの間には十分な距離があったため、2位をキープしてチェッカーを受けた。トップのロレンゾとの差は2.883秒。

スペインのファン・カルロス国王がVIP席で観戦するなか、ルーキーのロレンゾは、土曜日に行われた予選でラップレコードを更新する好タイムでポールポジションを獲得し、カタールでの成功がフロックでなかったことを証明していた。ウイーク初日のフリープラクティスで早くもトップタイムを記録。その後も引き続きマシン・セッティングの熟成を進めながら、昨日の午後の公式予選終盤、残り20分の時間帯になってミシュラン製予選タイヤの1本目を履くとすぐさまトップに再浮上。また3本目の予選タイヤでほぼ完璧な走りを見せると、自らのタイムをさらにコンマ5秒縮める1分38秒189で今季2度目のポールポジションを確実にした。2位にはコンマ6秒遅れてペドロサ。チームメイトのロッシが3位に入るかに思われたが、終盤で電機系トラブルに見舞われてタイムアタックのチャンスを逸し5位に留まった。
ロッシは3周目までにロレンゾとの差を詰め、その次のラップでこれをパスして2位に浮上。ロレンゾはその後も懸命についていくが、再度追い詰めていくには至らず1.456秒差で3位となった。前回に続き2度目の表彰台を獲得したロレンゾはランキング2位。ロッシは3位に浮上した。またフィアット・ヤマハ・チームがチーム・ランキングでトップにつけている。

テック3・ヤマハ・チームではJ・トーズランドが、気管支炎の症状に苦しみながらも6位を獲得して体力、気力ともに強さをアピール。イギリス人ライダーとしては、2戦連続で6位を獲得したのは1990年以来のこと。
トースランドは胸とのどにひどい症状を抱えながら、予選8位の位置からスタートして10番手へ後退。しかしその後勢いに乗ってペースを上げ、5位まで挽回して残り1周を迎える。シトポンス・カーブでC・バーミューレン、A・ドビツィオーゾ、L・カピロッシを一気にパス。5位につけて最終コーナーに進入したあと激しい競り合いで行き場を失い、6位に後退してチェッカーを受けた。5位争いを制したのはカピロッシ。

チームメイトのエドワーズは予選で、前回に続いて2度目のフロントロウを獲得。しかし決勝では5周目のシトポンス・カーブで6位走行中に転倒。再スタートしたものの6周目にリタイアした。トーズランドは現在ランキング6位。テック3・ヤマハ・チームはチーム・ランキングで4位につけている。4月13日に行われる第3戦ポルトガルGPでは改良型のニューマティック・バルブ・エンジンが同チームに投入される予定。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 45'35.121
2 V・ロッシ Fiat Yamaha Team Yamaha +2.883
3 J・ロレンゾ Fiat Yamaha Team Yamaha +4.339
4 N・ヘイデン Repsol Honda Team Honda +10.142
5 L・カピロッシ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki +27.524
6 J・トーズランド Tech3 Yamaha Team Yamaha +27.808
7 J・ホプキンス Kawasaki Racing Team Kawasaki +28.296
8 A・ドビツィオーゾ JiR Team Scot MotoGP Honda +28.449
9 中野真矢 San Carlo Honda Gresini Honda +32.569
10 C・バーミューレン Rizla Suzuki MotoGP Suzuki +35.091
11 C・スト―ナー Ducati Marlboro Team Ducati +42.223
12 M・メランドリ Ducati Marlboro Team Ducati +44.498
13 A・ウエスト Kawasaki Racing Team Kawasaki +45.807
14 A・デ・アンジェリス San Carlo Honda Gresini Honda +45.871
15 T・エリアス Alice Team Ducati +1'09.558

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 D・ペドロサ Honda 41
2 J・ロレンゾ Yamaha 36
3 V・ロッシ Yamaha 31
4 C・スト―ナー Ducati 30
5 A・ドビツィオーゾ Honda 21
6 J・トーズランド Yamaha 20
11 C・エドワーズ Yamaha 9

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Honda 41
2 Yamaha 40
3 Ducati 30
4 Suzuki 19
5 Kawasaki 13

COMMENT

V・ロッシ選手談(2位):

「もう何ヵ月も表彰台に上っていなかったから、今日のこの結果はとて嬉しい。またモトGPで100回目の表彰台という記録達成も嬉しくて今は200回目が可能かどうかなんて考えてしまっている!その一方で、やはり優勝できなかったのは残念で、スタートで慎重になり過ぎてしまったのがいけなかったかも。タイヤを大切にしたかったからそのようにしたが、終わってみればタイヤは最初から最後までとてもよく走ってくれた。これは今後に向けて非常に頼もしい材料だ。いつだって優勝が一番いいに決まっているけれど、カタールでのことを考えれば非常に重要な2位。何しろ僕にとってはブリヂストンで初めての表彰台だからね。チーム、ヤマハ、ブリヂストンに感謝。このウイークでマシンはまた大きく進化し、今朝のウォームアップでも小さいながら非常に重要な調整を続けてくれた。マシンもタイヤも順調に走ってくれて、こうしてランキング3位につけている。長いシーズンのスタートとして大きな手ごたえを感じている」

D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談:

「カタールで多くのことを学び、それを今回に生かすことができたという点で、今日の結果には非常に満足している。エンジニア、技術者、チームのすべての人員が素晴らしい仕事をしてくれて、カタールで得た情報を最良の方法で形にし、大きく前進した。もちろん、ブリヂストンとヤマハとのコンビネーションについてはまだまだ課題も多いが、今回は両者が良い仕事をし、さらにバレンティーノがしっかりと安定したリズムをキープして見事なレースを展開した。バレンティーノにとって100回目、ロッシとブリヂストンにとって初めての表彰台を実現できた今日は、とても特別な日になった。でもこれからももっともっと数を増やしていきたいと思う。明日はここでテストを行い、次のエストリルに向けて準備を始める」

J・ロレンゾ選手談(3位):

「もっとチャレンジしていけると思っていたので、今日の自分の走りにはちょっと不満が残っている。でもまだ2戦目だということを考えれば文句は言えない。何しろこの2戦でポールポジションを2回、表彰台を2回獲得しているのだから十分に素晴らしい成績だね!大勢のスペインのファンと、国王様が見ていてくれたというのは何だか特別な気分。レースを思う存分に楽しむことができたよ。ダニの走りは素晴らしくて、僕はついていくことができなかった。彼は明らかな勝者だ。でも僕としては常に学び、常に前進していくことができているので、次のレースではもっと良い走りをお見せしたいと思う。シーズンは長いので、今日の3位は非常に重要。全力で僕を支えてくれるヤマハとミシュランに感謝する。この時点でランキング2位につけているなんて、開幕前には予想しなかったこと。今はただ、次のレースが楽しみだ」

D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談:

「最高の結果だ。ホルヘにとってわずか2度目のレースで、すでに2回の表彰台を獲得しているのだから!そしてまるでベテランみたいに非常にクレバーな走りを見せてくれた。彼はひたすら、できるかぎり良い成績を持ち帰るため、ミスをしないように、またポールポジションを無駄にしないようにと懸命に頑張ったのだ。チームのほうも素晴らしい仕事をして、ミシュランと協力していいマシンを作り上げた。今は当然、我々の士気が非常に上がっている。今日の結果とデータを最大限に利用してさらに前へ進んでいきたい。そして最高の状態で次のエストリルを迎えたい」

中島雅彦フィアット・ヤマハ・チーム総監督談:

「ヘレスサーキットは、旋回性とブレーキ安定性の高次元でのバランスが要求される代表的なテクニカルコースです。それに加え、まだ早春のヨーロッパは気温が低く、路面温度が上がりきらない中、いかにタイヤの性能を引き出せるかがポイントになりました。V・ロッシ選手はまだ経験の浅いブリヂストンタイヤとのコンビネーションに苦慮しながらも2位を獲得、ルーキーのJ・ロレンゾ選手は開幕戦に続く連続表彰台で、チームの士気も大いに上がりました。テック3・ヤマハ・チームはC・エドワーズ選手が残念ながらリタイヤに終わりましたが、体調を崩していたJ・トーズランド選手が6位と健闘してくれました。両チーム共、いい感触で今シーズンのスタートが切れていますので、さらに高みを目指してがんばります。皆さんの変わらぬご声援をお願いします」

J・トーズランド選手談(6位):

「全力を振り絞って戦った。今回はテック3チームと、クリニックの先生たちとが一致団結して僕を支えてくれた。彼らに心からお礼を言う。一時は出場も無理かと思ったほどだったので、こうして6位という成績をおさめることができて本当に嬉しい。心配していたのは、うまく呼吸ができなくなって、めまいがしてしまうんじゃないかということ。でも幸い最後まで体調は良かったんだ。マシンも好調で、ミシュランも順調に走ってくれた。だからこそバックストレート手前で大勢をパスすることができた。ストレートでは抜くことができず、僕にとってはあそこだけが唯一のパスポイントだったんだ。

まさに生きるか死ぬかのような厳しい戦いだったが、フロントタイヤがとても良かったので、バックストレートへと続く第5コーナーでスピードをキープし、バーミューレン、ドビツィオーゾ、カピロッシを抜くことができた。ただ、あのような激しいバトルの後で結局は5位をキープできなかったのは残念。最終ラップの最終コーナーはみんな熱くなっていて、ドビツィオーゾがどうやってコースに残れたのか不思議なほど。僕もちょっとプッシュしたが、カピロッシがインをついてきて抜かれてしまった。

カタールに続く6位。しかも完璧な状態でないなかでのこの成績は重要だ。気管支炎があっても、このチームとこのマシンは6位に入ることができるということだからね。今はニューエンジンの投入を楽しみにしている。次のレースまでに新しいものを待ち望めるというありがたい立場。待ちきれない気持ちだ」

C・エドワーズ選手談(リタイヤ):

「スタートがうまくいかず残念。今週練習したどのスタートよりも遅く、直後に集団に飲み込まれてヘイデンとストーナーに接触した。そのあとは彼らの後ろにつけ、どうすることもできなかった。自分のペースを守って走行を続けたが、集団につかまるとコーナリングでの力が不十分で競り勝てない。だから今はニューエンジンの投入を待つばかり。

このままでは劣勢を解決することができないので、何か大きな変化が必要なのだ。コーナー立ち上がりは悪くないが、コーナー途中で前を塞がれてしまうと、そこを切り抜けるだけの力が足りない。たとえば5車身も離されたところから一気にパスすることなど不可能で、ブロックされているうちにカピロッシに抜かれてしまった。

上位のライダーたちについていこうとプッシュしたところでミスをしてしまった。バックストレート手前でフロントを滑らせたんだ。それまでずっと問題はなかったのに、昨日、今日と続けてフロントに手こずったことは運が悪かったと思う。データを分析してみると、僕はあのラップで確かに遅かった。でも何が起こったのか自分ではわからないんだ。転倒するような場面ではなかったと思うのだが...。残念な結果になりみんなに申し訳ない。僕を支えてくれるスタッフたちに心から感謝している」

H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談:

「ジェームスの活躍は、言葉で表現しようもない。今日はかなりひどい状態だったにもかかわらず、このように素晴らしい走りを見せてくれて信じられない気持。ただでさえ体力的に厳しいコースなので、どうなることかと心配していたが今日の彼の走りは、まるでチャンピオンのように堂々としていた。体調が悪かったせいでプラクティス中はペースを上げることはできなかった。今日、初めてこのハイペースを走り、最後まであきらめることなく力強く戦い続けたのだ。もう少しで5位獲得となるところだったが、最終ラップはいつも難しいものだ。

総合的な結果として満足している。ジェームスは走るたびに進化している。ニューエンジンが届き、体調も良くなれば、次のエストリルでもまた成長できるだろう。コーリンのほうも今回は本当に大変だった。もちろん、ウイークを通じて順調だっただけに残念な気持ちでいっぱいだ。昨年の表彰台の思い出が我々の心に残っているので、また再現してもらいたいと願っている。我々としては今日の教訓を大事にして何かを学ばなければならない。次のエストリルではニューエンジンが投入され、僕らを大いに助けてくれるだろう」

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