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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.04 5月4日 中国

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第4戦中国GP
■開催日:2008年5月3日(土)予選結果
■開催地:中国/上海サーキット(5.451km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度 ■路面温度:46度
■PP:C・エドワーズ(ヤマハ/1分58秒139)

REPORT

C・エドワーズが今季初ポールポジション
開幕以来、4戦連続ヤマハ勢がポール発進

テック3・ヤマハ・チームのC・エドワーズが、公式予選終盤で1分58秒139のベストラップを叩き出してポールポジションを獲得。エドワーズにとってはモトGPで3回目。開幕以来3回目のフロントロウスタートとなる。
またテック3・チームにとってポール獲得は、2002年のドイツGP以来の達成。またヤマハ+ミシュランのマシンが、今季ここまでの4戦すべてでポールポジションを獲得したことになる。

2位には、0.355秒差でフィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシが入り、今季2度目のフロントロウを獲得した。
ロッシは昨日の好調をそのままに、午前中のフリープラクティス、午後からの公式予選を順調に走行。終盤のタイムアタックでトップに立つと、2本目の予選タイヤでさらにタイムを更新。これでポールポジションを確実にしたいところだったが、その後エドワーズが0.355秒上回り逆転した。ロッシにとっての50回目のポールポジション達成は、もうしばらく待たなければならなくなった。

ロッシのチームメイト、J・ロレンソは昨日のフリープラクティスをほとんど走行できなかったにもかかわらず、痛みを堪えながらの走行で見事4位を獲得。明日21歳の誕生日を迎えるロレンソは昨日、フリー走行1の11周目でハイサイドの転倒。左足首の骨折と右足首から足にかけて数か所に傷を負っていたが、強い精神力と決意で公式予選を走り切り、トップからわずか0.5秒差という健闘を見せた。

午前中は21ラップを走行して14位。昨日はほとんど走行できなかったため、怪我による痛みの他にもデータ不足という問題も抱えていた。しかし午前中はおもに決勝用のセッティングに取り組んで徐々に調子が上がってくると、午後からは予選タイヤでのアタックにも自信を見せ、懸命の走行で4位まで浮上した。

エドワーズのチームメイトのJ・トーズランドは、初めてのコース攻略に取り組みながら1分59秒254の好タイムを記録。一時は5位まで順位を上げていたが、その後ふたつ下げて7位となった。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 C・エドワーズ Tech3 Yamaha Team Yamaha 1'58.139
2 V・ロッシ Fiat Yamaha Team Yamaha 1'58.494
3 C・スト―ナー Ducati Marlboro Team Ducati 1'58.591
4 J・ロレンソ Fiat Yamaha Team Yamaha 1'58.711
5 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 1'58.855
6 L・カピロッシ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 1'58.941
7 J・トーズランド Tech3 Yamaha Team Yamaha 1'59.254
8 C・バーミューレン Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 1'59.325
9 R・ド・ピュニエ LCR Honda MotoGP Honda 1'59.357
10 N・ヘイデン Repsol Honda Team Honda 1'59.507
11 A・ドビツィオーゾ JiR Team Scot MotoGP Honda 1'59.559
12 M・メランドリ Ducati Marlboro Team Ducati 1'59.678
13 中野真矢 San Carlo Honda Gresini Honda 1'59.716
14 J・ホプキンス Kawasaki Racing Team Kawasaki 1'59.740
15 T・エリアス Alice Team Ducati 1'59.933
16 A・デ・アンジェリス San Carlo Honda Gresini Honda 2'00.316
17 S・ギュントーリ Alice Team Ducati 2'00.760
18 A・ウエスト Kawasaki Racing Team Kawasaki 2'00.838

COMMENT

V・ロッシ選手談(予選2位/1分58秒494/23周):

「このポジションをとても気に入っているよ。エストリルの3位に続いての2位だからね。次はきっともうひとつ上にいけるだろう! 金曜日の朝からずっと好調で、チームとブリヂストンと協力し合って予選タイヤでの速さを追求してきた。そしてこの結果につながったんだ。今日は乗っていてとても楽しかったし、ライバルとの競り合いもあった。力を最大限出し切ってこのコースを走ることができて本当にうれしかったよ。58.5秒の数字を見たときにはポールポジションを獲得できると思ったが、そのあとコーリンが58.1秒を出してきた。このタイムは僕らにとっては手ごわいものだったんだ。でもとにかくフロントロウに並ぶということが重要。とくに明日は雨が降るかもしれないしね。この好調を支えてくれたメカニックたちに感謝。あとは何とか雨にならないことを祈るだけ」

D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談:

「もうちょっとでポールだったんだが...。でもコーリンがまたヤマハのためにポールポジションを獲得してくれたことは素晴らしいことだ。我々も早く実現したいね! 4回のセッションともに順調で、明日の決勝がドライになるとすれば、すでに準備は万端だと言えるだろう。みんなが雨の予想をしているが、もしもそうなれば展開は読みにくくなる。でも今はとてもリラックスしていて、明日の決勝を楽しみにしている」

J・ロレンゾ選手談(予選4位/1分58秒711/21周):

「昨日の時点では、このような結果はとても想像できなかった。走るだけでせいいっぱいだと思っていたんだ。だから僕にとっては今までの3回のポールポジションと同じくらいの価値がある。そして大きな自信にもなっているよ。ここで油断しないで大事にして、明日はとにかくベストを尽くすだけ。レースがどうなるかなんて誰にもわからないからね。両足と足首は痛みがひどくて、左はシフトダウンが難しく、右はマシンの向き換えが難しい。でも何とかここまでできたというわけだ。昨日の転倒は、おそらく僕のこれまでの経験のなかでも一番激しいものだったと思う。それでもこの程度の怪我で済んだのはむしろラッキーだったんだ。ドクターたちがとてもよく診てくれていて、このあとまた治療にいくつもり。明日はもっと良くなってくれることを願っている。そして雨だろうが晴れだろうが、全力を尽くしていく」

D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談:

「ホルヘはまた我々を驚かせた! あんなにひどい怪我をしているのに、信じられないような見事な走りを見せてくれた。昨日の時点ではこんなことは考えてもみなかった。昨日はほとんど走れなかったので、我々に残されたマシン・セットアップのための時間は今日の1セッションだけ。そのなかで決勝用セッティングとタイヤを見つけることができた。そして午後からの公式予選で予選タイヤを履くと、この4位を獲得することができたのだ。コスタ医師とそのスタッフたちに心から感謝している。今日の結果は彼らの力に依るところが非常に大きい。決勝は長い戦いになるので、そう簡単にはいかないが、明日はもっと怪我の具合が良くなって、少しでも気分よく走れるようになることを願っている。彼の勇敢さは我々がよく知っている」

C・エドワーズ選手談(予選1位/1分58秒139):

「チーム、ヤマハ、ミシュランに心からの感謝の意を伝えたい。昨日の走行ではかなり苦労していたのに、今日になるととても良くなっていたんだ。昨晩はチームのみんなと日本のスタッフが一致協力し、今までとはまったく違うものに作り変えてくれた。ヤマハに所属して以来、このようなセッティングは経験したことがない。でも僕の説明から問題を分析し、アイディアを絞り出してくれたのだ。昨日まではトラクション不足が深刻な問題だった。そこでリアにより荷重がかかるようにマシンを大幅に変更し、それが見事、うまくいったというわけだ。まさにチームの努力が実を結んだ結果で、僕は今朝の最初の走行からすぐに、2番手のタイムを出すことができた。昨日のようなフロントの問題もまったくなかったので楽にそこまで行くことができて、フィーリングは昨日の50%から一気に95%まで上がった。
予選タイヤの最初の2本も悪くなかったが、まるで影を追いかけるようなコンピュータ・ゲームのような感覚で、理想のラインをシミュレーションするにとどまった。そして最後のタイヤで第1コーナーに進入したとき、ここで行くべきだと判断して、続く第2コーナーまで思いきりスロットル開けたんだ。そこだけで何とコンマ3秒も短縮した。そしてそのあとは、リスクをおかすこともなく走り切るだけでよかった。
すべては非常に落ち着いたなかで行われ、ミシュラン・タイヤが素晴らしい性能を発揮してくれた。ただ決勝用タイヤでは59秒台に入れたことがなく、ケイシーやバレンティーノに及ばない状況なので、レースはかなり厳しいものになるだろう。とにかく好スタートを切って上位に残ることが重要だ」

J・トーズランド選手談(予選7位/1分59秒254):

「上海のコースはポルトガルに比べてずっと難しかったので、この2日間は必死だった。決勝タイヤでなかなかうまくいかないので、よりグリップの良い予選タイヤを履くと一気にスピードが上がって、まるで別のコースのように感じてしまったほどだ。予選タイヤ1本目はスペアマシンに装着して走行したが、変更したクラッチに問題があったのかシフトがうまくいかなかった。次にメインのマシンに2本目のタイヤを装着して走ると、今度は"ダブル・レフト"で危ない場面に遭遇した。足がステップから外れて体がスクリーンに当たってしまったので、そこで走行を取りやめたんだ。そういうわけでタイムアタックのためのタイヤは1本しかなかったが、最初の2本も中途半端でどのくらい激しくプッシュできるかわからないままだったので、結局スピードが上がらなかった。最後のタイヤを装着して出て行くと、あるコーナーではブレーキングが早すぎ、またあるコーナーでははらんでしまう。ベストラップを記録したときには5位まで上がっていたが、そのあと下げてグリッド2列目からは脱落した。最高峰クラスの戦いのなかで知らないコースを走るのだから、このようなことは起こりうることだろう。
今日のコーリンは素晴らしかった。彼が活躍してくれることは、僕らにもその可能性があることを証明していることになるので励みになる。あとは走りなれたコースでレースができればいいんだけれど」

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