スーパーバイク世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 7月19-21日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク・スーパースポーツ世界選手権 第6戦チェコ
■開催地:チェコ/モスト(4.212 km)
WorldSBK レース1
■開催日:2024年7月20日(土)
■周回数:22周 (92,664 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度
■路面温度:43度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分30秒064)
■FL:T・ラズガットリオグル(1分31秒540)
WorldSBK スーパーポールレース
■開催日:2024年7月21日(日)
■周回数:10周(42,120km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:27度
■路面温度:40度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分30秒064)
■FL:T・ラズガットリオグル(1分31秒180)
WorldSBK レース2
■開催日:2024年7月21日(土)
■周回数:22周 (92,664 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:32度
■路面温度:51度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分30秒064)
■FL:M・ファン・デル・マーク(BMW/1分32秒100)
WorldSSP レース1
■開催日:2024年7月20日(土)
■周回数:19周 (80.028km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度
■路面温度:47度
■PP:Y・モンテッラ(Ducati/1分34秒126)
■FL: S・マンジ(Yamaha/1分34秒834)
WorldSSP レース2
■開催日:2024年7月21日(日)
■周回数:19周 (80.028km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:33度
■路面温度:53度
■PP:Y・モンテッラ(Ducati/1分34秒126)
■FL: S・マンジ(Yamaha/1分35秒083)
REPORT
WorldSBK 7月20日(土)
ロカテッリ7位、レイ10位
スーパーバイク世界選手権はシーズン後半戦を迎え、第6戦チェコ大会のレース1ではPata Prometeon Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリとJ・レイがそれぞれ7位と10位を獲得した。
先立って行われたスーパーポールは難しい展開となり、ロカテッリが9番手、レイは最初のアタックで転倒して15番手に留まっていた。
スーパーポール7位のA・バウティスタ(ドゥカティ)が3ポジション降格のペナルティを受けたことで、ロカテッリは8番グリッドからスタート。オープニングラップの第1コーナー進入はいつも大混戦となるが、"ボトルネック"として知られ、コースアウトが多発するこのコースではいつも以上に競り合いが激しく、ロカテッリは12番手まで後退してしまった。しかしここから順調にペースを上げ、着実に順位を挽回して7位でチェッカーを受けた。
一方のレイも第1コーナーで手間取り、一時、最後尾まで後退。オープニングラップで18番手まで挽回し、レース中盤には11番手に浮上した。その後、ロングラップペナルティを履行したうえで、最終的に10位に上げてゴールした。
ガードナーが5位獲得
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのR・ガードナーがレース1で5位獲得と健闘。チームメイトのD・エガターは13位でフィニッシュした。
先立って行われたスーパーポールではガードナーが1分30秒889を記録して5番手。エガターは路面グリップの低さに苦戦し、1分31秒533で17番手に留まった。
レース1は明るい太陽の下でスタート。ガードナーはグリッド2列目から好ダッシュを決め、序盤から果敢に攻めて表彰台争いを目指していった。終始ハイペースをキープし、一時、4番手まで上がったあと5位に下げてゴールした。一方のエガターは安定したペースで順位を挽回し、13位でチェッカーを受けた。
WorldSBK 7月21日(日)
ロカテッリ、表彰台獲得。レイも6位と健闘
第6戦チェコ大会のレース2で、Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリが今季3度目となる表彰台に上った。
先立って行われたスーパーポール・レースで6位を獲得し、レース2のグリッド・ポジションを押し上げたロカテッリ。スタート直後から勢いを見せ、好位置につけて積極的に仕掛けていった。そして6ラップ目には、第1コーナー進入でハード・ブレーキングによりR・ガードナーをパス。これで4番手に上がり、いよいよ表彰台争いへと近づいていった。その走りはさらに力強さを増し、前を行くM・ファン・デル・マーク(BMW)との差を着実に詰めると、13ラップ目でとらえてついに3番手に浮上。その後も順調にラップを重ね、3位を守り切ってチェッカーを受けた。
この表彰台は、ちょうど60回目の誕生日を迎えたクルーチーフ、T・オケインと、同じく誕生日だったテクニカル・マネジャー、R・ティッシへのうれしいプレゼントとなり、もちろん、チームクルー全員への恩返しにもなった。
ロカテッリのチームメイトのJ・レイもまた、好調ぶりを発揮して6位と健闘した。スーパーポール・レースで8位に入り、レース2を3列目の中央からスタート。序盤の混乱で一時、順位を下げたものの、すぐにペースをつかんでラップごとに順位を挽回していった。そして終盤にはX・ビエルゲ、I・レクオナ(ともにホンダ)、M・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)を捉え、残り3ラップで6番手に浮上。その後もしっかりとレースをコントロールし、リナルディとの差を1秒以上に広げてゴールラインを通過した。このところの好調にチームクルーたちの士気も上がっており、次回、ポルトガル大会では、さらに上を目指す。
ガードナーが4位獲得、エガターは16位
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのR・ガードナーが、前日のレース1からひとつ上げて4位獲得と健闘した。
午前中のウォームアップ・セッションで調子を整えたあとスーパーポール・レースに臨んだガードナーは、表彰台争いに加わりハード・バトルを展開。最終的に5位でゴールし、レース2の5番グリッドをキープした。
レース2では好スタートを切り、序盤から3位に浮上。再び表彰台争いを展開し、22ラップにわたりハイペースを維持する素晴らしい走りを見せたが、最終的に4位に留まり表彰台に上ることはできなかった。
ガードナーのチームメイトのD・エガターはスーパーポール・レースのオープニングラップで転倒し、再スタートして18位。レース2では好スタートを切り、一時は13番手まで挽回していたが、後半で再び後退して16位に留まった。
WorldSSP 7月20日(土)
ヤマハがダブル表彰台
第6戦チェコ大会のレース1でEvan Bros Yamaha WorldSSP Supported TeamのV・デービスが2位、Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported TeamのS・マンジが3位を獲得し、揃って表彰台に上った。
スーパーポールではマンジが3番手、デービスが4番手となり、それぞれグリッド1列目と2列目からレース1をスタート。まずマンジがトップに立ち、A・ウエルタス、Y・モンテッラのドゥカティ勢、そしてデービスらがトップグループを形成した。しかしまもなくウエルタスがマンジを捉えてトップに浮上し、リードを広げて逃げ切り態勢を構築。やや遅れて3台が激しく競り合う展開となった。
残り4ラップでマンジとデービスがモンテッラをパスして、それぞれ2位と3位に浮上。2位争いは最終ラップに持ち込まれ、デービスがついに逆転して2位でチェッカー、マンジが0.138秒差の3位で続いた。
その他のヤマハ勢ではGMT94 Yamaha WorldSSP Supported TeamのL・マヒアスが6位。マンジのチームメイトのG・ファン・ストラーレンは8位でゴールしたあと、コースリミット越えのペナルティで9位降格となった。
マンジはレース中にファステストラップを記録し、レース2をポールポジションからスタートする。デービスが真後ろの4番グリッド、スターレンが5番グリッドとなる。
WorldSSP 7月21日(日)
マンジが2位獲得
レース2ではPata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported TeamのS・マンジが2位を獲得。レース1で2位のEvan Bros Yamaha WorldSSP Supported TeamのV・デービスは最終ラップでコースリミット越えのペナルティを受け4位に留まった。
レース1同様、ウエルタス、マンジ、モンテッラ、デービスの4台によるトップ争いとなったレース2。ウエルタスがリードを広げ、マンジはほぼ単独走行を維持して2位でチェッカー。デービスは最終ラップの第1コーナーでモンテッラと接触してはらみ、ペナルティを受けて1ポジション降格となった。
その他のヤマハ勢ではG・ファン・ストラーレンが7位、L・マヒアスはオープニングラップの第1コーナーで他車と接触してリタイアした。
この結果、マンジはトップから53ポイント差のランキング3位。デービスがさらに53ポイント差のランキング4位で続いている。
WSBK RESULT Race.1
WSBK RESULT Superpole Race
WSBK RESULT Race.2
WSSP RESULT Race.1
WSSP RESULT Race.2
RIDERS RANKING WSBK
RIDERS RANKING WSSP
CONSTRUCTORS RANKING WSBK
CONSTRUCTORS RANKING WSSP
COMMENT
WorldSBK 7月20日(土)
Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official Team
A・ロカテッリ選手(7位)
「スーパーポールで残念ながら9番手に留まってしまいました。2列目までほんのわずかの差でしたが、スタートには不利な状況となりました。スターティング・ポジションが何よりも大きな問題だったので、明日はスーパーポール・レースで好位置を獲得したいと思っています。トップと大きな差はないのですが、レース序盤で離されたことで上位争いのチャンスを逸してしまいました。そのなかでも多くのデータを収集し、自分たちに足りない部分を把握することができたので、調整を施し改善を目指していきます。今のところマシンはあまり乗りやすい状態ではなく、大幅な改善は難しそうに見えます。でもレース1のデータを最大限に活用し、明日はチャンスをつかみたいと思います」
J・レイ選手(10位)
「非常に難しいレースでした。予選のタイムアタックの1周目でミスをしてしまい、グリッド位置が悪かったことがおもな原因になっています。第16コーナーでバンプに乗ってわずかにはらみ、フロントホイールの状態はとても良かったにもかかわらずチャターが出て、切れ込んでしまいました。でもメカニックたちがわずか7分で修復してくれたおかげで、コースに戻ってセッションを走り切ることができました。彼らの仕事は本当に素晴らしかったです。クリーンラップが1ラップあり、15位に上がることができたのは良かったのですが、昨日の好調を台無しにしてしまったのは残念です。グリッド5列目から好スタートを切りましたが、第1コーナーで2台のマシンに挟まれてしまい、第2コーナーではほぼ最後尾まで後退してしまいました。そこから1台1台抜いていって、中盤はペースも良かったのですが、終盤はまたチャタリングに悩まされました。それでもレースのなかで貴重なデータを収集できたので、ここからはチームの出番です。データを活用し、明日は前進を目指します。そのためにもスーパーポール・レースで上位に入り、レース2をグリッド前方からスタートすることが重要です。ここまでのハードワークの結果が10位というわけですから厳しい状況ですが、今日も経験を重ねることができたので、明日もまた頑張ります!」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
R・ガードナー選手(5位)
「全体的には満足していいと思います。予選セッションはとても好調で、素晴らしいタイムを記録して5番グリッドを獲得することができました。そのあとのレース1では好バトルを展開し、トップグループとの差を縮めようと頑張りました。全体的にはいいレースができたと思っています。明日はもっと上を目指します。楽しみです」
D・エガター選手(13位)
「正直に言って、とても難しい一日でした。予選で17番手に留まったため、レース1は一層、厳しい状況になりました。そのなかでもベストを尽くし、いくつかポジションを挽回してポイントを獲得することができました。明日もタフな戦いを予想していますが、ひたすらハードワークを続け、パフォーマンス向上を目指し、雪辱を果たしたいと思っています」
WorldSBK 7月21日(日)
Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official Team
A・ロカテッリ選手(6位/3位)
「今日はいい仕事ができたと思います! グリッド6番は絶好の位置とは言えませんし、またスーパーポール・レースの9番グリッドも同様です。しかし私たちは着実に前進しており、R1は走るごとに良くなり、とくに今日のレース2ではフィーリングが大幅に改善されて大きな一歩を進めることができたと思っています。今日の午後は気温が上がり、難しいコンディションになりましたが、最後までマシンを信頼してグリップも維持することができました。上位陣は常にプッシュを試みており、彼らと戦うのは簡単なことではありません。しかしそのなかでも今日は大きく前進し、力強いレースができたことを喜んでいいと思っています。チームのみんなへの恩返しになりましたし、トム(オケイン)とリキ(ティッシ)へのバースデー・プレゼントです」
J・レイ選手(8位/6位)
「ウイークは順調に進みました。予選15番手からレース1で10位を獲得し、スーパーポール・レースの8位、レース2の6位と着実に上げることができました。しかしこのなかで改めて、予選の重要さが明らかになりました。レース中のペースは周りのライダーたちより少し速かったので、本当はもう少し前へ行かれたかもしれないのですが、混雑のなかを抜けていくのはやはり簡単ではありません。レース2はグリッド3列目に並んで半分のチャンスを手に入れ、さらに絶好のスタートを切ることができました。しかし第2コーナーで他のライダーに阻まれたため、第3コーナーへの勢いを失ってしまいました。それでも決してあきらめることはありませんでした。表彰台争いのグループはペースが少し上でしたが、リズムをつかんでからは私も好調で、まずホンダ勢をパスし、そのあとリナルディに照準を定めました。身体を伏せて周回を重ね、ついには彼を捉えることができました。この時点でタイヤはまだ少し残っていましたし、トップグループのペースが落ちてきているのがわかりましたが、距離があり追いつくことはできませんでした。初日の転倒でチームの仕事を増やし、みんなに迷惑をかけましたが、彼らのハードワークのおかげで、このようにポジティブな結果を導くことができました。次回はもっといい仕事ができるよう頑張ります」
P・デニング(チーム代表)
「暑さと大観衆、そして今日の最後のレースでロカ(ロカテッリ)と私たちチームの表彰台が実現しました。チームクルーたちは今回も、ロカとJR(ジョナサン・レイ)に最高のマシンを提供するために全力で仕事に取り組んできました。JRはスーパーポールでの転倒がその後の展開に影響することになりましたが、それでもレースごとに順位を上げ、マシン自体も安定性や性能が良くなっていきました。今年のスーパーバイク世界選手権は非常に競争が激しく、パフォーマンスのほんのわずかな差により順位が大きく変わってしまいます。そのことを考えれば、ロカが今日の最後のレースで素晴らしい走りを見せ、表彰台という最高の結果で終えられたことを本当にうれしく思います」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
R・ガードナー選手(5位/4位)
「正直なところは少し残念な気持ちです。でもそれもポジティブに受けとめたいと思っています。4位にがっかりしたということは良い兆しだとも言えます。つまり私たちには、発揮すべきポテンシャルがまだたくさん残っているのです。レース2では第1コーナーの混乱に巻き込まれなかったことも幸運でした。そこから順調にレースを組み立て、最後までハイペースをキープすることができました。残念ながら、表彰台の最後のポジションまでの距離は詰め切れませんでしたが、可能性はあったと感じています。全体的には満足できる良い週末になりました」
D・エガター選手(18位/16位)
「悔しい一日になってしまいました。スーパーポール・レースで挽回を狙っていましたが、1周目で転倒してしまい、その後は思うように順位を上げることができませんでした。おそらく自分にプレッシャーをかけて力が入り過ぎていたのでしょう。チームに申し訳ない気持ちでいっぱいです。レース2も流れを変えることはできませんでした。スタートはうまくいったのですが、もう一度、転倒しそうになってしまったのです。ポイント圏内を目指しましたが、トップ15に入れず16位に留まりました。気持ちを切り替え、ちょっと休んでから、次のポルトガル大会で復活を目指します」
WorldSSP 7月20日(土)
Evan Bros Yamaha WorldSSP Supported Team
V・デービス選手(2位)
「難しいレースでした。昨日よりも気温が上がったためセッティングを少し変更していたことも原因のひとつです。またレース中盤でミスもあったのですが、何とか前との差を詰めたあとはペースも良く、アタックのチャンスも見えたのでトライしました。最後のバトルはかなりエキサイティングで、互いにアグレッシブに、そして正確に抜き差しを繰り返し、素晴らしい戦いでした。望んでいた結果を手にすることができ、これからもこの好調を維持したいと思っています。チームのみんなのハードワークに感謝します。とてもハッピーで、明日への準備もできています」
WorldSSP 7月21日(日)
Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported Team
S・マンジ選手(2位)
「昨日よりもずっと調子が良くなったのでハッピーです。昨日は苦戦してヤマハ勢のトップになれませんでしたが、今日はそれに比べるととても好調でした。昨日のレースのあと、チームが頑張ってくれて、おかげでマシンがよく走ってくれました。見ごたえある戦いだったと思うので、家に帰ったらすぐ見返したいと思います。我慢の走りでもありましたが、最終的に3位との差を広げることができたのはよかったです」