スーパーバイク世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 6月14-16日 エミリア・ロマーニャ
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク・スーパースポーツ世界選手権 第4戦エミリア・ロマーニャ
■開催地:イタリア/ミサノ(4.226 km)
WorldSBK レース1
■開催日:2024年6月15日(土)
■周回数:21周 (88,746 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度
■路面温度:44度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分32秒320)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分33秒174)
WorldSBK スーパーポールレース
■開催日:2024年6月16日(日)
■周回数:10周(42,260 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度
■路面温度:37度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分32秒320)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分32秒687)
WorldSBK レース2
■開催日:2024年6月16日(日)
■周回数:21周 (88,746 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度
■路面温度:45度
■PP:T・ラズガットリオグル(BMW/1分32秒320)
■FL:T・ラズガットリオグル(BMW/1分33秒307)
WorldSSP レース1
■開催日:2024年6月15日(土)
■周回数:18周 (76,068 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:30度
■路面温度:45度
■PP:Y・モンテッラ(Ducati/1分36秒876)
■FL:A・ウエルタス(Ducati/1分37秒404)
WorldSSP レース2
■開催日:2024年6月15日(日)
■周回数:15周 (64,400 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:27度
■路面温度:44度
■PP:Y・モンテッラ(Ducati/1分36秒876)
■FL:A・ウエルタス(Ducati/1分37秒114)
REPORT
WorldSBK 6月15日(土)
ロカテッリ、レース1で4位獲得
Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリが、第4戦エミリア・ロマーニャ大会レース1で4位獲得と健闘した。
舞台となったミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリはハイスピード・レイアウトと低い路面グリップで知られ、過去にはあまり良いところのなかったロカテッリだが、この日は今季最高とも言える素晴らしい走りを見せた。スーパーポールで6番手を獲得してグリッド2列目からスタート。オープニングラップで5位に上げてN・ブレガ(ドゥカティ)に激しく迫り、中盤ではR・ガードナーを捉えて4位でチェッカーを受けた。
その一方でチームメイトのJ・レイは、スーパーポールで15番手に留まりグリッド5列目。ここから挽回を図りペースを上げたが、オープニングラップの第13コーナーで転倒し、そのままリタイアとなった。左手と右ひざを打撲したものの幸い大きな怪我はなかった。
ガードナー、スーパーポール3位と絶好調
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのR・ガードナーがスーパーポールで3番手を獲得。フロントローからスタートしたレース1も6位と健闘した。
ガードナーとチームメイトのD・エガターは、午前中に行われたフリープラクティス第3セッションでそれぞれ1分33秒332の3番手と1分33秒571の6番手。その後15分間で競われたスーパーポールでは揃ってタイムを更新し、ガードナーが1分32秒906の3番手でフロントロー、エガターが1分33秒234の9番手でグリッド3列目を確保した。
明るい太陽の下で行われたレース1で、ガードナーは絶好のスタートからトップに浮上。そのままレース前半は表彰台圏内をキープする好調ぶりを見せていたが、後半に入るとグリップ低下に苦しみ、6位に下げてゴールした。一方のエガターはスタートで出遅れたあと挽回していたが、10ラップ目にマシントラブルによりリタイアした。
WorldSBK 6月16日(日)
ロカテッリ、表彰台に迫る
Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official TeamのA・ロカテッリはスーパーポール・レースで4位、レース2で5位となり、繰り替えし表彰台に迫るも届かなかった。レース2ではA・バウティスタ(ドゥカティ)と熾烈な3位争いを展開するなど、ホームレースでは、これまであまり良いところのなかったロカテッリにとっては過去最高の活躍だったが、本人もチームクルーも満足することはできなかった。
チームメイトのJ・レイはレース1での転倒で左手にダメージを受けていたが、午前中に行われたスーパーポール・レースで8位獲得と健闘。レース2ではオープニングラップでミスがあり遅れたが、10位まで挽回してチェッカーを受けた。
レース2はガードナーが8位、エガターはリタイア
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのR・ガードナーはレース2でポテンシャルを発揮しきれず8位に留まった。
ガードナーとD・エガターは、ウォームアップ・セッションでそれぞれ5番手、8番手。自信を持って臨んだスーパーポール・レースでは、エガターがオープニングラップの混乱ではらみ順位を下げたものの、ハイペースで挽回して10位でチェッカー。その一方でガードナーは、スタートで出遅れたあと挽回を目指していたが、他車と接触して転倒し、再スタートするも3ラップ後にリタイアした。
この結果、ガードナーはフロントローの権利を失い10番グリッドからレース2をスタート。13番グリッドのエガターとともに序盤から難しい展開を強いられた。そのなかでもガードナーは、安定した走りを維持して少しずつ順位を上げ、最終的に8位でゴール。エガターも順調にペースを上げていたが、5ラップ目にマシントラブルによりリタイアとなった。
WorldSSP 6月15日(土)
マンジが3位獲得
Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported TeamのS・マンジが3位を獲得し、ホームレースで表彰台に上った。
マンジはスーパーポールで3番手のタイムを記録し、レース1をフロントローからスタート。終始3番手をキープし、終盤はEvan Bros Yamaha WorldSSP Supported TeamのV・デービスの追撃を抑えて表彰台の最後の 一つを守り切った。デービスはマンジから1.2秒遅れてゴ4位でゴールした。
その他のヤマハ勢ではマンジのチームメイトのG・ファン・ストラーレンが10位、GMT94 Yamaha WorldSSP Supported TeamのL・マヒアスが15位となっている。
この結果、マンジはランキング3位となり、トップのA・ウエルタス(ドゥカティ)を10ポイント差で追う状況。明日のレース2もフロントローからスタートする。
WorldSSP 6月16日(日)
デービスが表彰台獲得
Evan Bros Yamaha WorldSSP Supported TeamのV・デービスが熾烈な3位争いを制し、今季2度目となる表彰台を獲得した。
レース1では4位に留まったデービス。レース2はフロントローからスタートし、序盤から続いたS・マンジの追撃を抑えきって3位でチェッカーを受けた。
レース1で表彰台に上ったPata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported Teamのマンジは、デービスに続く4位。チームメイトのG・ファン・ストラーレンが14位となった。またGMT94 Yamaha WorldSSP Supported TeamのL・マヒアスは序盤でリタイアした。
この結果、マンジは合計125ポイントでヤマハ勢トップのランキング3位。ランキングトップのA・ウエルタスからは22ポイント差。レース2で3位を獲得したデービスは、合計78ポイントでランキング5位に浮上している。
WSBK RESULT Race.1
WSBK RESULT Superpole Race
WSBK RESULT Race.2
WSSP RESULT Race.1
WSSP RESULT Race.2
RIDERS RANKING WSBK
RIDERS RANKING WSSP
CONSTRUCTORS RANKING WSBK
CONSTRUCTORS RANKING WSSP
COMMENT
WorldSBK 6月15日(土)
Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official Team
A・ロカテッリ選手談(4位)
「ここミサノでのベスト・レースのひとつと言っていいと思います。テスト中から調子が良かったので、いいレースができると思っていましたし、自分自身とR1を信じていました。シーズン開幕以来、常に前進を目指し、大きく成長してきました。そして今日、レース1で素晴らしい仕事を達成することができました。明日は今日以上にいい走りをして表彰台に上りたいと思っています。遠い場所ではありませんが、ライバルたちもとても手強いので、決して簡単なことではありません。でもチャンスはすぐそこにあるので挑戦していきます。ヤマハが手厚くサポートしてくれるので、"ホームレース"に過剰なプレッシャーを感じずにいられます。おそらくヤマハが家族のようになったからだと思います。今回はポジティブな気持ちがあるだけです。このコースは以前は私のライディング・スタイルにはあまり合っていなかったのですが、一歩一歩、そして一年一年、経験を積み重ねるごとに適応できるようになりました。そして今日もまた前進することができました」
J・レイ選手談(DNF)
「私のレースは始まる前に終わってしまいました。本当に悔しい気持ちでいっぱいです。今日のことは予選の不調から発生したドミノ現象のようなもので、スタート後の最初のいくつかのコーナーで混乱に巻き込まれ、高速セクションに至ってさらに悪化し、第12コーナーではエガター選手に近づき過ぎたため少しスペースを作ろうと、わずかにラインを空けたら縁石を乗り越えてしまいました。そのあとのことは正直なところ、よく覚えていません。そのくらいあっという間でした。そして転倒し、まるで永遠に転がり続けるかのようでしたが、アルパインスターとアライのプロテクションのおかげで、幸い少しの打撲で済みました。明日は問題なく走れると思います。良いフィーリングをつかむことが明日の目標です。好スタートを切り、少しずつ自信をつかんでいきたいと思っています」
P・デニング、チーム代表談
「ふたつのガレージでそれぞれ異なるストーリーが展開していました。ロカ(ロカテッリ)は表彰台こそ逃しましたが、予選の好調に続いて今季最高とも言える素晴らしいパフォーマンスを見せました。以前はこのコースで苦戦することが多かったのですが、今年はそれを覆し、トップ3には及ばなかったものの、次に続くライダーとして見事な走りを披露しました。ここまで継続的にパフォーマンスを向上させ、自信を積み重ねてきた彼とそのチームクルーを心から称賛し、祝福します。
ジョナサン(レイ)のほうは、予選順位の低迷が大きな問題となってしまいました。今シーズンはコンマ1秒が5台分、コンマ5秒が10台分の差を生んで、順位でも大きな差ができてしまいます。セッティングを見直し、サイティングラップでは良いフィーリングをつかんでいたのですが、1周目の第13コーナーで激しく転倒してしまいました。そのためデータを得ることもできず、明日に向けての流れや自信を取り戻すチャンスもつかめませんでした。それでも私たちにとっては、ジョナサンが無事であったことが最も重要です。チームは今後も冷静さを保ち、前向きな姿勢を維持して、彼が難しい時期を乗り越えて本来のレベルまで復活できるよう、最大限の努力を続けます」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
R・ガードナー選手談(6位)
「スタートが非常にうまくいきました。そのあとも自信を持ってレースをリードしていましたが、後半はフロントタイヤに苦戦し、何とかトップグループに留りたいと思いながらもタイヤをセーブしなければならなくなりました。決して悪い結果ではありませんが、スーパーポールが好調だっただけに、もっと活躍できると考えていました。それでも私たちはより上を目指しているし、自分たちのポテンシャルを認識しているという意味で、良い兆しととらえることもできると思います。明日に備えてデータをチェックし、さらに改善を目指します」
D・エガター選手談(DNF)
「今日はまったく運がありませんでした。スーパーポールでは去年よりタイムが上がりましたが、ライバルたちも進化しているので順位は9番手に留まりました。レースでは、できるだけ多くポジションを挽回したかったのですが、スタートで遅れてしまい、そこから上げていくのは簡単ではありませんでした。そして中盤に入って不運にもマシントラブルが発生し、リタイアすることとなってしまいました。とても残念ですが、明日のスーパーポール・レースで順位を上げ、レース2のスターティング・グリッドで好位置を確保できるよう頑張ります」
WorldSBK 6月16日(日)
Pata Prometeon Yamaha WorldSBK Official Team
A・ロカテッリ選手談(4位/5位)
「ホームレースでイタリア中のファンが応援してくれていたので、もっと頑張って何とか表彰台に上りたいと思っていました。でもそのためにはハードワークを継続し、自分たちを信じ、進化を積み重ねていくしかないということもわかっています。今日の戦いも楽ではありませんでしたが、ポイントをたくさん獲得することができましたし、ミスは一度もなかったので、次につながる自信を得ることができました。その意味で今回はとてもいい大会になったと感じていますが、できることなら、私たちがいつも強さを発揮できる他のコースと同じように、表彰台争いができればもっと良かったと思います。私たちは順調に仕事を続けており、チームのみんなの努力に感謝しています。ここミサノではいつも暑さに苦しめられますが、今年は昨年に比べて格段に速くなっただけでなく、最後まで全力で戦い抜くことができました。全体的には悪くなかったと思っています」
J・レイ選手談(8位/10位)
「非常に悔しい結果になってしまいました。でも同時に、昨日は激しい転倒にもかかわらず、深刻なダメージがなかったことが本当に幸運だったと感じています。左手首と左手に少し痛みがありますが、走行中は大きな影響はありません。今日は2つのレースともに好スタートを切ることができましたが、レース2ではオープニングラップの第8コーナーでレミー(ガードナー)と絡んでポジションを大きく下げてしまいました。序盤のタイヤがまだ新しい時間帯はかなり苦戦しました。終盤になってタイヤがうまく動くようになってからは少し良くなったのですが、初めはマシンのポテンシャルを発揮しきれず、自信も持てませんでした。今の状況は非常に残念ですが、R1の競争力の高さは明らかなので、何とかフィーリングをつかみ、このマシンから最大限の力を引き出す方法を見つけなければなりません」
P・デニング(チーム代表)
「イタリアの熱狂的な大観衆を見ることができてうれしく思っています。表彰台を目指していた私たちにとって目標を達成できなかったことは残念ですが、ロカ(ロカテッリ)のパフォーマンスについては、予選から3つのレースを通じてすべてに満足しています。彼はここミサノでいつも苦戦してきました。しかし今年はパフォーマンスが大きく向上し、今朝のスーパーポール・レースでは、昨日のレース1に続いて4位を獲得することができました。レース2ではバウティスタと3位争いを展開中に激しいスライドがあり、危うく転倒しそうになって大きく遅れてしまったため、5位は十分な結果でした。JR(ジョナサン・レイ)については、昨日の転倒の影響で左手が腫れており、かなり痛そうな状態でした。それを考えれば、今日はレースに出場することができ、両レースでトップ10に入れたことを前向きに受け止めています。JR、ヤマハ、チームともに満足できない状況ですが、ここでひと呼吸入れて気持ちを切り替え、万全の状態を取り戻してから、また一歩一歩前進していきたいと思います。彼とR1のポテンシャルは誰もが十分に理解しています」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
R・ガードナー選手談(DNF/8位)
「ここまで順調だっただけに残念な結果になりました。スーパーポール・レースではスタートのあとはらんで大きく順位を下げてしまいました。それでも、そのあとはいいレースができると思っていたのですが、アクシデントに遭遇してリタイアすることになってしまいました。レース2は後方からのスタートとなり、追い上げるのは大変でしたが、何とかポイントを獲得することができました。ヤマハのサポート、チームのハードワーク、そして応援に来てくれたすべての人に感謝しています」
D・エガター選手談(10位/DNF)
「今週はまったくいいところがありませんでした。スーパーポール・レースではスピードは悪くなかったのですが、序盤ではらんで遅れてしまったため、かなり後方から追い上げなければなりませんでした。そのため10位まで挽回するのが精一杯で、9位には届きませんでした。レース2はグリッド13番となり、苦しい状況でしたが、とにかくベストを尽くそうと頑張りました。序盤で少しポジションを上げることができたのですが、最終的にはマシンの不具合でリタイアすることになってしまいました。良いレースをお見せすることができず、チームやファンに申し訳なく思っています」
WorldSSP 6月15日(土)
Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported Team
S・マンジ選手談(3位)
「とてもいいレースでしたが、3位という結果に心から満足することはできません。というのもタイトル争いのライバルふたりが前にいるからです。今週はここまで、決して楽な戦いではありません。予選セッションを終えて、彼らについて行くのは難しいと思いましたが、今日は残念ながら、難しいというよりも不可能でした。彼らに大差をつけられてしまったことにがっかりしています。私たち自身で改善できるところを探していかなければなりませんが、それだけで差をすべて解消できるのかどうかは定かではありません。チームと私はいつも通り、できることをすべてやるだけです」