スーパーバイク世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。
Rd.12 11月18-20日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク・スーパースポーツ世界選手権 第12戦オーストラリア
■開催地:オーストラリア/フィリップアイラインド(4.445km)
WorldSBK レース1
■開催日:2022年11月19日(土)
■周回数:22周 (97,790 km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:18度
■路面温度:22度
■PP:A・バウティスタ(Ducati/1分29秒815)
■FL:A・ローズ(Kawasaki/1分31秒847)
WorldSBK スーパーポールレース
■開催日:2022年11月20日(日)
■周回数:10周(44,450 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:15度
■路面温度:26度
■PP:A・バウティスタ(Ducati/1分29秒815)
■FL:A・バウティスタ(Ducati/1分32秒636)
WorldSBK レース2
■開催日:2022年11月20日(日)
■周回数:17周(75,565 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:15度
■路面温度:27度
■PP:A・バウティスタ(Ducati/1分29秒815)
■FL:A・バウティスタ(Ducati/1分30秒879)
WorldSSP レース1
■開催日:2022年11月19日(土)
■周回数:18周 (80,010 km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:18度
■路面温度:21度
■PP:F・カリカロス(Ducati/1分37秒161)
■FL:N・ブレガ(Ducati/1分45秒211)
WorldSSP レース2
■開催日:2022年11月20日(日)
■周回数:18周 (80,010 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:16度
■路面温度:31度
■PP:F・カリカロス(Ducati/1分37秒161)
■FL:F・カリカロス(Ducati/1分33秒989)
REPORT
WorldSBK 11月19日(土)
ウエットからドライへ変わる波瀾のレースでラズガットリオグル2位、ロカテッリも4位と健闘
2022シーズン最終戦オーストラリア大会のレース1でPata Yamaha wit Brixx WorldSBK TeamのT・ラズガットリオグルが2位を獲得。今季29回目となる表彰台に上った。チームメイトのA・ロカテッリも上位争いを展開し、表彰台まで3秒弱に迫る4位でゴールした。
午前中のFP3はフルウエットのコンディションで行われ、ラズガットリオグルとロカテッリはそれぞれ2番手と5番手を獲得。続くスーパーポールでも好調を維持し、それぞれ4番手と5番手につけた。
午後になると雨と風と太陽がすべて入り混じった激しい天候へと変化。レース1はウエットコンディションでスタートしたあと少しずつ乾いていったが、再び降りはじめる可能性を考慮し、ウエットタイヤをできるだけ長く使用しながらピットインのタイミングを待った。
そして10ラップ目、ラズガットリオグルはJ・レイ(カワサキ)に続いてピットに入り、スリックタイヤに交換。数ラップをかけて全員が作業を終えたところでレイがトップを維持し、ラズガットリオグルが約5秒差の2番手で続く状況となっていた。ここから逆転を狙いたいところだったが、2台はほぼ同等のラップタイムで周回しており、最後まで差を詰めることはできず2位でチェッカーを受けることとなった。
一方のロカテッリはA・バウティスタ(ドゥカティ)、A・ローズ(カワサキ)とバトルを展開。18ラップ目のミラー・ヘアピンでバウティスタをパスし、ローズに続く4位でチェッカーを受けた。
最終日の2レースを残し、ラズガットリオグルとバウティスタは依然としてふたつの賞を競い合っている。"Pirelli Best Lap Award"ではトップタイ、また最大12ポイントが与えられる"Tissot Superpole Award"では、ラズガットリオグルが11ポイントをリードしている。ふたりは優勝回数でも14勝ずつで並んでいる。
ガーロフが6位獲得
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのG・ガーロフが、レース1でトップサテライトとなる6位を獲得した。
午前中のFP3はウエット・コンディションで行われたが、スーパーポールはドライとなり、ガーロフは1分30秒727で6番手と好調。午後は再び雨天となったが、決勝グリッドへとマシンを進めようとしたところで太陽が輝き出す。しかし路面がまだ濡れていたため、同チームのふたりを含むほぼ全員がウエットタイヤを装着して出走した。ガーロフは絶好のスタートからポジションを維持し、順調にペースアップ。ところが路面コンディションが急激に変化したため、10ラップ目にピットに戻りスリック・タイヤに交換した。
9番手でコースに戻ると素早く挽回を開始。X・ビエルゲ(ホンダ)に仕掛けて7番手に上がり、さらにA・バッサーニ(ドゥカティ)との9秒差を縮めて残り3ラップで6位に浮上して、チェッカーを受けた。
チームメイトの野左根航太はスーパーポールで19番手に留まり、レース1での挽回に自信を見せていたものの、マシントラブルによりリタイアとなっている。
WorldSBK 11月20日(日)
ラズガットリオグルがスーパーポール・レースで表彰台獲得、ロカテッリは両レースで5位と健闘
Pata Yamaha wit Brixx WorldSBK TeamのT・ラズガットリオグルは、2022シーズン最終戦のスーパーポール・レースで2位を獲得した。ピットレーンが開く直前に激しい雨が降り始めたが、その後の回復を予想して前後スリック・タイヤで賭けに出たバウティスタが優勝。ラズガットリオグルとレイはともにフロントにウエット、リアにインターミディエートを選択しており、互いに激しく競り合ったあとラズガットリオグルが2位でゴールした。
シーズン最後となるレース2もまた、いつものようにラズガットリオグル、バウティスタ、レイの3台が優勝争いを展開してファンを魅了。ラズガットリオグルは序盤は5番手に留まっていたが、5ラップ目のミラーヘアピン(第4コーナー)で一気に2台を抜いて3番手に浮上してバトルに加わった。しかし終盤ではローズに先行を許して4番手を走行中、17ラップ目にレッドフラッグが提示されてそのまま終了。ラズガットリオグルは4位でゴールし、チームメイトのA・ロカテッリが5位で続いた。
チャンピオンに輝いた2021シーズンには3回のポールポジションを獲得したラズガットリオグル。今シーズンはポールポジション4回、スーパーポール・レース優勝7回、また全36レース中でフロントローを逃したのは4回のみという驚異的な記録を達成し"Tissot Superpole Award"を受賞。インドネシアのマンダリカ・サーキットでは、ドライ・コンディションにおける予選タイムで1992年以来、最大となる1.052秒差をつけてポールポジションを獲得している。
またWorldSBKで合計30勝を挙げ、これまで芳賀紀行が保持していた記録を抜いてヤマハ・ライダーとして最多。2022シーズンは2021シーズンよりも1大会少なかったにもかかわらず、ひとつ上回る14勝を達成している。
一方、チームメイトのA・ロカテッリはWorldSBK2年目の今季、同カテゴリーの全体的なレベルが上がるなかで表彰台はマンダリカとアッセンの2回に留まったが、最終戦を力強く走りきり、ランキング5位を獲得している。
2022シーズン最終日、ガーロフがスーパーポール・レースで7位獲得
GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのG・ガーロフはスーパーポール・レースで7位と健闘。チームメイトの野左根航太はレース2で力強い挽回を見せるも、僅差で16位に留まりポイント獲得はならなかった。
スーパーポール・レースの前まで降っていた雨が止み、出場ライダーたちがグリッドへと向かう頃には再び太陽が輝き出す。この時点ではまだ路面が濡れていたため、ガーロフはフロントにウエット、リアにインターミディエートを選択したが、野左根は前後ともインターミディエートを装着してスタートした。
ガーロフは好調な走りを見せ、終盤になると完全にドライとなった路面に手間取りながらも7位でチェッカー。一方の野左根は序盤で苦戦し、後半でペースをつかんだものの17位に留まった。
レース2でもう一度、ポイント獲得を目指した野左根。終盤まで15番手のライバルを追い続けて、あとわずかと迫っていたが、残り5ラップでレッドフラッグが提示され、レースはそのまま終了となった。一方のガーロフは第2コーナー進入で他車と接触してリタイアとなっている。
WorldSSP 11月19日(土)
ウエット・レースでバルダッサーリ4位、エガターが5位
Evan Bros.WorldSSP Yamaha TeamのL・バルダッサーリとTen Kate Racing YamahaのD・エガターが、それぞれ4位と5位を獲得した。
前日は晴天に恵まれたフィリップアイランドだったが、この日は早朝に雨が降り、午前中に行われたスーパーポールは20分間のセッション中に徐々に路面が乾いていく難しいコンディションとなった。
エガターはリアにインターミディエートのタイヤを装着して1分37秒381の好タイムを記録し、2番手以下に4秒以上の大差をつけていたが、最後の5分で多くのライダーがスリックやインターミディエートに交換すると4番手に後退した。
レース1が始まる頃には再び雨が降り出し、一転、ウエットの路面がライダーたちを迎えた。エガターはグリッド2列目から慎重にスタートしてオープニングラップを5番手で終了。2ラップ目にはバルダッサーリに一時、先行を許すも再び5番手に浮上した。さらにN・ブレガ(ドゥカティ)をパスすると、最終コーナーでバルダッサーリも続いてきたが、まもなく2台揃ってブレガの後ろへ後退。そして残り6ラップでは第1コーナーでバルダッサーリが再びエガターをとらえ順位が入れ替わった。
最終ラップでは首位争いのなかでアクシデントがあり、バルダッサーリとエガターはそれぞれ4位と5位に上げてチェッカーを受けている。
その他のヤマハ勢ではKallio RacingのS・ジャスパーセンが9位、EAB Racing TeamのG・ヴァン・ストラレンが11位。バルダサーリのチームメイトのP・セバスチャンはオープニングラップの第1コーナーでコースアウトしたあと13位まで挽回。GMT94 YamahaのA・ヴェルドーヤが16位、エガターのチームメイトのL・タッキーニが17位で続いた。J・クルーセル(GMT94 Yamaha)、M・ブレンナー(VFT Racing)、U・オラドレ(MS Racing Yamaha WorldSSP)はリタイアに終わっている。
WorldSSP 11月20日(日)
エガターが2022シーズン最終レースで17勝目
Ten Kate RacingのD・エガターがレース2で今季17勝目を獲得。Evan Bros.WorldSSP Yamaha TeamのL・バルダッサーリもルーキー・イヤーの最終レースで3位獲得と健闘した。その一方でGMT94 YamahaのJ・クルーセルは11位でWorldSSPに別れを告げた。
フィリップアイランドは午前中に激しい雨に見舞われたが、決勝を前に回復し、路面は急激に乾いていった。エガターとバルダッサーリは、それぞれ4・5番グリッドから好スタート。ともにオープニングラップの激しいポジション争いを制してワン・ツーとして、互いに順位を入れ替えながらトップ争いを展開した。
7ラップ目にはエガターがリードを拡大し始め、レース後半になるとさらにペースを上げて2秒以上のアドバンテージを築いてそのまま逃げ切り、今季17回目となる勝利を飾った。バルダッサーリは終盤でF・カリカスロ(ドゥカティ)に先行を許して3位となっている。
その他のヤマハ勢ではA・ヴェルドーヤが9位、G・ヴァン・ストラレンが10位、そして今シーズンを最後に引退するJ・クルーセルが11位で輝かしいキャリアを終えた。P・セバスチャン、S・ジャスパーセン、O・ボスタテック(MS Racing Yamaha WorldSSP)がポイントを獲得。L・タッキーニはタイヤの空気圧の問題によるペナルティから19位まで挽回した。
エガター、Ten Kate Racing、ヤマハはそれぞれライダー・ランキング、チーム・ランキング、コンストラクターズ・ランキングでトップとなり、ヤマハR6が3冠を達成している。
WSBK RESULT Race.1
WSBK RESULT Superpole Race
WSBK RESULT Race.2
WSSP RESULT Race.1
WSSP RESULT Race.2
RIDERS RANKING WSBK
RIDERS RANKING WSSP
CONSTRUCTORS RANKING WSBK
CONSTRUCTORS RANKING WSSP
COMMENT
WorldSBK 11月19日(土)
Pata Yamaha with Brixx WorldSBK
T・ラズガットリオグル選手談(2位)
「初日はあまり良い状態ではありませんでしたが、チームのみんなが頑張ってくれたおかげで、ここまで上がってくることができました。つまりレース1で表彰台に上り、しかもとても奇妙なレースを走り切ることができたのです。ピットストップのあるレースは初めてでした。チームにも小さなミスがあり、フロントタイヤをうまく装着できずに5秒ほど遅れてしまったのです。でもこれがレースであり、モータースポーツです。私はベストを尽くし、チームもベストを尽くしました。その結果に満足しています! 私たちはひとりで戦っているのではなく、チームワークにより2位を獲得したのです。序盤のウエットコンディションではリアのスピンがひどくなるまで待ち、そのあとはプッシュしないようにしました。路面が少しずつ乾いてきてドライラインも出てきましたが、また降り出す可能性もあったのでタイヤを温存したのです。見ると、レイ選手もプッシュしていませんでした。数ラップ後に彼がピットに向かい、私もそのすぐあとについていきました。明日も今日のような天候になれば難しい戦いになります。晴れを期待していますが、どちらにしても、また表彰台を目指してベストを尽くします」
A・ロカテッリ選手談(4位)
「ファンの皆さんにとって楽しいレースだったと思います。そして私たちにとっても、ピットストップはとても面白かったです! 最終的に4位という好成績を獲得し、ローズ選手と3位争いもできたのですから喜ぶべきでしょう! 明日もまた表彰台を狙っていきます! ピットストップではチームがとても素晴らしく、ひとりひとりが非常にいい仕事をしてくれました。時間を無駄にせず、ミスもありませんでした。今日はレースをエンジョイし、とても満足しています。明日もこのようなレースを期待します。そしてもう少し自信をつけて、このコースを学んで、2023シーズンをここからまた力強くスタートしたいと思います。今回は非常に好調で、マシンも素晴らしく、ローズにかなり近づいています。明日のスーパーポール・レースとレース2も表彰台を目指し、最高の成績を獲得できるよう頑張ります」
P・デニング(チーム代表)談
「ラズガットリオグル選手については、昨日は非常に苦戦しましたが、今日は見事に復活しました。とくにFp3のウエットコンディションでは絶好調でした。以前からのライディングの弱点が改善されており、レース1では序盤のウエットもその後のドライも素晴らしいパフォーマンスとなりました。残念だったのはピットストップでミスが出てしまったことです。ラズガットリオグル選手はレイ選手と同等のペースで走れていたので、このことがなければ優勝争いができていたかもしれません。ロカテッリ選手は前回のインドネシア大会で大きく前進し、ここフィリップアイランドでも同様の進化を続けています。そして新チャンピオンとバトルし、打ち勝ち、表彰台まであと一歩と近づいたのです。明日もまた改善を目指し、さらに前進できるよう頑張ります」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
G・ガーロフ選手談(6位)
「とても面白いレースでした。ウエットでのフィーリングは素晴らしいとは言えなかったものの、それほど悪くもありませんでした。でもスリックタイヤに履き替えると、セッティングはウエット用のままにもかかわらず絶好調になったのです。正直なところ、ここまでは期待していなかったのですが、明日に向けて大いに助けになりました。雨が降らないことを祈ります」
野左根航太選手談(DNF)
「このようなことになり残念ですが、これがレースです。予選は悪くありませんでしたし、まだ十分ではありませんが、常に前進を続けています。今はとにかく原因を調査し、フィナーレをしっかり走り切るために万全を期すだけです」
WorldSBK 11月20日(日)
Pata Yamaha with Brixx WorldSBK
T・ラズガットリオグル選手談(2位/4位)
「すべてのセッションでグリップとセッティングを追求してきましたが、最終レースでは最後の10ラップでリア・タイヤのグリップが大きく落ち込んでしまいました。ローズ選手を見ると彼も懸命にプッシュしていて、2ラップ後にはリアがスピンし始めたのです。その時点で、最後の2ラップで彼をパスしようと考えていました。しかしレッドフラッグで中断になり、作戦を実行することはできませんでした。でも今回は彼を祝福します! 今回は彼がとても強かったので4位になってしまいましたが、ランキングは2位を獲得することができました。またスーパーポール・レースではバウティスタ選手が賭けに勝ちました。でも彼はすでにチャンピオンを決めているからリスクをおかすことができたのです。私のほうはその時点でまだランキング2位を争っていたので、レイ選手と同じタイヤを履いて一騎打ちに臨みました。スタート時点でコース全体が乾いていたので、バウティスタ選手が勝つとわかりました。ここでもう一度、彼のタイトル獲得を祝福します。また、レイ選手とは毎回のように互いに競り合ってきました。ファンの皆さん、私たちのレースを見てくれたすべての人が楽しんでくれたことと思います。私もその一員になることができ、皆さんが私のライディングを楽しみにしてくれたことをうれしく思います。ドニントンとマンダリカでの3勝は最高の喜びでした。チームとヤマハに心からお礼を言います。私たちはとても強いチームです。来シーズンはまたチャンピオンを狙っていきます」
A・ロカテッリ選手談(5位/5位)
「とても良い形でシーズンを締めくくることができました。このあとの冬季テスト、そして2023シーズンのためにも非常に重要なことです。最後の2大会はとくに好調でしたが、大きなポイントを失ったいくつかのレースについては少し残念に思っています。それがなければランキング4位を目指すこともできたかもしれませんが、難しいシーズンをランキング5位で終えられたことを喜ぶべきでしょう。早くも来シーズンが楽しみで、より強くなるために何ができるかを考え始めています。ここフィリップアイランドは知り尽くしたコースですが、このマシンで走るのは初めてだったので楽ではありませんでした。風が非常に強く、路面コンディションは30分ごとに変化するので本当に難しかったのです。でも私は今回、今後のために重要なことをたくさん学ぶことができたと思っています。まだ2年目なので、これからも懸命に仕事に打ち込み、自分を信じることで改善していけると思います。そしてマンダリカのようにトップとの差を縮めていくことができるでしょう。今回はそれより少し難しかったのですが、来シーズンに目を向け、チームとこの素晴らしいR1とともに戦っていきます!」
P・デニング(チーム代表)談
「金曜日にはラズガットリオグル選手が非常に苦戦しました。それだけに最終的に2回の表彰台を獲得し、さらにもう1回の可能性にも近づけたことは大きな励みとなっており、来年2月のシーズン初戦につながる重要な基盤ができたと思います。ロカテッリ選手もまた、シーズン最終戦で素晴らしい走りを見せてくれました。数週間前と比べてもR1により馴染んでいるように見えますし、ここまでの努力の結果としてランキング5位を獲得できたことは非常に大きな成果です。彼もまた来シーズンに向けての確かな基盤を築きました。ヤマハの組織的サポートと、Yamaha Motor Europeと献身的なチームに感謝します。来シーズンもまたベストを尽くし、タイトル奪還を目指していきます」
GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team
G・ガーロフ選手談(7位/DNF)
「この日が来るまであっという間でした。ここまでの道のりを振り返ると、チームとの時間がこれで終わってしまうなんて、とても信じられません。ヨーロッパに来るチャンスを与えてくれたヤマハには、どんなに感謝してもしきれません。ともに素晴らしい時間を過ごすことができましたし、GYTR GRT Yamaha Teamも大切な存在でした。何度もアップダウンがありましたが、私たちは常に一緒でした。このような関係性はどこにでもあるわけではなく、彼らのサポートにはいくら感謝しても足りません。シーズン最終戦は望んでいたようなものにはなりませんでした。スーパーポール・レースはある程度、満足していますが、レース2では1周目で他のライダーと接触してしまい、第2コーナーを抜けることができませんでした。このような形で終わるのは残念ですが、前を向くしかありません。チームとヤマハの今後の活躍を祈ります。サーキットでまた会いましょう!」
野左根航太選手談(17位/16位)
「毎ラップ、100%の力でプッシュしましたが、簡単ではありませんでした。スーパーポール・レースでは序盤で他のライダーと接触してポジションを下げてしまいました。そのあとのペースは安定していたのですが、ポイント圏内まで上がるには時間が足りませんでした。最後にポイントを獲得してチームにお別れを言いたかったのですが、結局、そうはなりませんでした。2年間をともに過ごしたヤマハとGYTR GRT Yamaha Teamに心からありがとうと言いたいです。彼らの来シーズンの活躍を祈っています」
WorldSSP
Ten Kate Racing Yamaha
D・エガター選手談(5位/優勝)
「これ以上ないほどの素晴らしいシーズンになりました。この2年間で連続タイトルを獲得し、チーム・タイトル、ポールポジション・アワード、ファステストラップなど歴史に残る記録を達成することもできました。
今日のレースも好調で、ドライコンディションに恵まれてバルダサーリやカリカスロといいバトルができました。中盤では後ろのふたりにスリップストリームを使わせないように懸命にプッシュし、最終的に今季17勝目と19回目の表彰台を獲得することができたのです。
ヤマハ、Ten Kate Racing、友人、家族、スポンサーをはじめ、今シーズンの成功を後押ししてくれたすべての人に感謝しています。シーズンを通して何も問題なく過ごせたのは彼らのおかげです。
2023シーズンはスーパーバイクでポテンシャルを証明できるよう頑張ります。ビッグネームと戦い、歴史を作りたいと思っています。Ten Kate Racingの今後の活躍を祈ります」
Evan Bros Yamaha World SSP Supported Team
L・バルダッサーリ選手談(4位/3位)
「最終戦を表彰台で締めくくることができ、うれしく思います。優勝争いを目指していましたが、エガター選手のほうが、わずかに勝っていました。でも今日の3位と昨日のウエット・コンディションでの4位は、最終戦としては悪くなかったと思います。
苦しい時期を乗り越え、今シーズンは好調にスタートすることができました。そしてエガター選手ととともに見応えあるショーを演じ、全体として素晴らしいシーズンを送ることができました。来シーズンはGMT94 Yamahaからスーパーバイクに参戦することになりました。ともに成長し、シーズンをエンジョイしたいと思っています。
チームメンバー全員とヤマハのひとりひとりに感謝しています。最大限の成績を獲得するために、あらゆることを変更し、ハードワークに取り組んできたので、彼らの努力に心から感謝しています」
GMT94 Yamaha
J・クルーセル(DNF/11位)
「キャリア最後となるレースを走り終えて、とても感動しています。友人たちの支えもあり素晴らしい一日になりました。また決勝前にはラズガットリオグル選手が会いに来てくれて、ピットの裏でチームのみんなも一緒にふざけ合ったりダンスをしたりしてひと時を楽しみました。18年間はとても長い時間ですが、あっという間に過ぎ去ってしまいました。今はとても幸せな気持ちですが、同時に涙も出てきます。
これまでのキャリアのなかで24回の優勝と63回の表彰台を獲得しました。タイトル争いも何度も経験し、そのなかで多くの素晴らしい瞬間を味わいました。最後のレースではもちろん、もっとトップに近づきたかったのですが、残念ながら思い通りにはいきませんでした。それでも、これまでの人生のなかで成し遂げてきたすべてのことに誇りを持ち、また、まだ34歳ですから、これから先も多くのことを達成していきたいと思っています。若いライダーの成長を手助けしたい気持ちがありますし、もしかしたらまったく別のことをするかもしれません。今は家族と楽しい時間を過ごし、そのあと将来を考えるつもりです」