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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.07 9月9-11日 フランス

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク・スーパースポーツ世界選手権 第7戦フランス
■開催地:フランス/マニクール(4.411 km)

WorldSBK レース1
■開催日:2022年9月10日(土)
■周回数:21周 (92,631 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度
■路面温度:29度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分36秒124)
■FL:A・バウティスタ(Ducati/1分36秒715)

WorldSBK スーパーポールレース
■開催日:2022年9月11日(日)
■周回数:10周(44,110 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度
■路面温度:26度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分36秒124)
■FL:A・バウティスタ(Ducati/1分36秒411)

WorldSBK レース2
■開催日:2022年9月11日(日)
■周回数:21周 (92,631 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度
■路面温度:36度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分36秒124)
■FL:T・ラズガットリオグル(Yamaha/1分36秒813)

WorldSSP レース1
■開催日:2022年9月10日(土)
■周回数:12周 (52,932 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度
■路面温度:29度
■PP:F・カリカロス(Ducati/1分40秒565)
■FL:D・エガーター(Yamaha/1分40秒876)

WorldSSP レース2
■開催日:2022年9月11日(日)
■周回数:19周 (83,809 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度
■路面温度:32度
■PP:F・カリカロス(Ducati/1分40秒565)
■FL:L・バルダッサーリ(Yamaha/1分40秒547)

REPORT

WorldSBK 9月10日(土)

ラズガットリオグルは転倒後11位まで挽回、ロカテッリは7位

マニクールで開催された第7戦フランス大会のレース1でPata Yamaha with Brixx WorldSBK TeamのT・ラズガットリオグルとA・ロカテッリは、それぞれ11位と7位を獲得した。

前日のFPは両セッションともにウエット・コンディションで行われたが、この日は好天となりドライ・コンディション。FP3の30分間だけドライを走行し、レース1に向けて決勝用セッティングとピレリ・タイヤのコンビネーションを確認した。

ラズガットリオグルはFP3でS・レディング(BMW)に0.5秒以上の差をつけてトップタイム。スーパーポールではJ・レイ(カワサキ)と同タイム(1分36秒124)でトップに立ったが、2番目のタイムの比較によりレイがポールポジション、ラズガットリオグルは2番手となった。またロカテッリはトップ5にコンマ2秒以下と迫りながら順位は12に番手留まった。

レース1では2ラップ目のシケインでレイが転倒。ラズガットリオグルはレディングを抑えてトップに立ち、すでに1.5秒差を築いていたが、フロントのブレーキ・コントロールが安定せず第13コーナーで転倒してしまった。これで23番手まで後退したラズガットリオグルは懸命の挽回を見せ、11位まで上げて貴重な5ポイントを獲得している。

一方、2021年にチーム加入以来、何度となくトップ5のペースと安定感を見せてきたロカテッリにとって、この日の7位は悔しい結果。リアグリップに悩んでおり、チームは最終日に向けて改善に取り組むとしている。

ガーロフが5位獲得

GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのG・ガーロフが、今季自己ベストとなる5位を獲得。チームメイトの野左根航太は、好調な走りを見せていたものの17位に留まりポイントには届かなかった。

午前中に行われたFP3では、ガーロフが1分37秒454で8番手、野左根は1分38秒938で16番手。スーパーポールではガーロフが1分36秒464を記録して5番手を獲得し、野左根も午前中のタイムを1.108秒更新してグリッド17番手となっていた。

ガーロフはレース1で好スタートを決めたものの、オープニングラップの混乱で後退。そのなかでもペースを取り戻して挽回し、表彰台争いにも加わって最終的に5位でチェッカーを受けた。

一方の野左根は、好スタートから序盤でポジションアップ。ポイント圏内のバトルを展開していたが、最後の数ラップで順位を下げ17位となっている。

WorldSBK 9月11日(日)

ウイーク最終日、ラズガットリオグルがダブルウイン

Pata Yamaha with Brixx WorldSBK TeamのT・ラズガットリオグルが、ウイーク最終日のスーパーポール・レースとレース2でダブルウインを成し遂げた。

前日は11位に終わり、そのリベンジを目指していたラズガットリオグル。午前中に行われたスーパーポール・レースではA・バウティスタ(ドゥカティ)、レイとの熾烈なバトルを制して優勝を果たした。

午後からのレース2ではポールポジションからスタートしたラズガットリオグルが、またもバウティスタと競り合ったあと2ラップ目にトップを奪還。その直後、ラズガットリオグルの後方でバウティスタとレイが接触するアクシデントがあり、バウティスタはここで戦列を離れ、レイもポジションを下げることとなった。

代わって浮上したA・バッサーニ(ドゥカティ)とM・リナルディ(ドゥカティ)がトップ争いに加わり、7ラップ目まではバッサーニが、13ラップ目まではリナルディがレースをリード。その第11コーナーでリナルディがミスをして遅れると、ラズガットリオグルはトップを奪い返して一気にペースを上げ、そのままポジションを守ってチェッカーを受けた。

チームメイトのA・ロカテッリは、スーパーポール・レースで何度かミスをおかして10位。トップ9入りを逃してグリッドポジションを上げることができなかった。レース2は、12番グリッドから挽回を目指したロカテッリは、G・ガーロフとのバトルを僅差で抑えきって7位を獲得している。

ガーロフが両レース8位、野左根もレース2でポイント獲得

GYTR GRT Yamaha WorldSBK TeamのG・ガーロフはスーパーポール・レースのオープニングラップを9番手で終了し、10ラップをハイペースで走り切って8位を獲得。チームメイトの野左根航太は16位で終えた。

午後からのレース2でガーロフは好スタートを切ったものの、オープニングラップで軽い接触もあり12番手まで下げてしまう。しかしここから着実に挽回し、終盤でL・バズをとらえて8番手に上がると、そのままポジションを守ってチェッカーを受けた。

一方の野左根は、好スタートからポジションアップ。終盤はタイヤの消耗に苦しんだものの、ペースを維持して15位を獲得している。

WorldSSP 9月10日(土)

バルダッサーリが優勝

Evan Bros.WorldSSP Yamaha TeamのL・バルダッサーリがレース1で優勝。2位にG・ヴァン・ストラレン(EAB Racing Team)、3位にD・エガーター(Ten Kate Racing Yamaha)が続き、ヤマハが表彰台を独占した。

バルダッサーリは20分間のスーパーポールで2番手を獲得。レース1をフロントローからスタートしてリードを奪ったが、その後、5ラップ目までに徐々にポジションを下げた。

アデレード・ヘアピンでヴァン・ストラレンをとらえて3番手に上がり、さらにC・オンク(カワサキ)をパスして2番手に浮上。トップのF・カリカスロ(ドゥカティ)を視界にとらえながらチャージを続けていたが、6ラップ目にはカリカスロがトラブルで戦列を離れた。

その後、後方から追い上げたエガーターがオンクをパスして3番手に浮上。さらにトップ2との差を詰めてきたが、第5コーナーで発生したK・スミスとB・ソフオグルの転倒によりレッドフラッグが提示されて中断し、そのままレースは終了となった。この結果、バルダッサーリが25ポイントを獲得してエガーターに5ポイント差と迫っている。

GMT94 Yamahaからワイルドカードで参戦し、前日にはトップタイムを記録したV・デービスが7位を獲得。チームメイトのJ・クルーセルも10位と健闘している。バルダッサーリのチームメイトのP・セバスチャンが13位、エガーターのチームメイトのL・タッキーニが14位で続き、それぞれポイントを獲得した。

WorldSSP 9月11日(日)

エガーターが優勝し、チャンピオンシップのリードを拡大

レース2ではD・エガーターが優勝。レース1で優勝のL・バルダッサーリは終盤で転倒して後退し、代わってクルーセルが2位、デービスが4位、バルダッサーリは5位でチェッカーを受けている。

頭上に青空が広がり、完璧なコンディションの下で行われたレース2。バルダッサーリが前日の展開を再現するようにオープニングラップからレースをリード。6ラップ目にはN・ブレガ(ドゥカティ)、カリカスロ、クルーセルらが追いつき激しい競り合いとなったが、9ラップ目にはバルダッサーリがトップを奪い返して、さらにペースを上げていった。

その一方で、5番グリッドからスタートし、オープニングラップで7番手まで後退していたエガーターが着実に挽回。レース中盤には上位集団に追いつき、11ラップ目にブレガを、13ラップ目にクルーセルをパスして、ついにはトップ2を視界にとらえて優勝を目指した。その後、カリカスロのミスにより2番手に上がったエガーターはバルダッサーリとの一騎打ちを制してトップに浮上し、そのまま真っ先にチェッカーを受けた。バルダッサーリは最終ラップで転倒し、5位でゴールしている。

今大会を前に今シーズン限りの引退を表明していたクルーセルは、終盤でブレガをパスして2位表彰台を獲得。デービスが4位となっている。

25ポイントを獲得したエガーターはチャンピオンシップのリードを19ポイントに拡大し、合計286ポイントでランキングトップを守っている。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Superpole Race

WSBK RESULT Race.2

WSSP RESULT Race.1

WSSP RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

RIDERS RANKING WSSP

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSSP

COMMENT

WorldSBK 9月10日(土)

Pata Yamaha with Brixx WorldSBK

A・ロカテッリ選手談(7位)

「7位に終わり残念です。非常に厳しい戦いになりましたが、未だにその原因がわかりません。12番グリッドという難しい状況に加え、リアタイヤのフィーリングがおかしかったのです。明日に向けて何をすればいいのかわかりませんが、チームとともに改善を目指して仕事に取り組みます。レース2でより前からスタートし、プッシュしていくためにも、スーパーポール・レースでの上位獲得が重要です。今日のドライ・セッションのデータを分析し、やるべきことを確認したいと思います。7位は私の本来の場所ではありませんし、トップとの差も広がっています。強さを取り戻さなければなりません」

T・ラズガットリオグル選手談(11位)

「決勝では非常にいいスタートを切ることができたのですが、3ラップ目に大きなミスをしてしまいました。スタート後、すべてのコーナーでフロント・ブレーキのフィーリングが不安定になっていました。第13コーナーではいつもと同じようにブレーキングしましたが、レバー位置に対して制動が大きすぎる感じがあり、あやうく転倒しそうになりました。コーナーを大きく回り、コースに戻ろうとした矢先、転倒してしまいました。それでも最大限のポジションアップを目指してベストを尽くし、何とか11位まで挽回できました。実力があることはわかっているのに、今日は奇妙な転倒をしてしまいました。そのことがとても悔しいです。明日はブレーキングの安定性を改善し、もう一度、優勝を目指して戦います」

P・デニング(チーム代表)談

「非常に残念な結果となり、チャンピオンシップでトップとの差を縮めるチャンスを失ってしまいました。それでもラズガットリオグル選手は全力を尽くし、23番手から11位まで挽回して5ポイントを獲得しています。これはチームにとって大きな励みであり、今後のエネルギーになります。ペース自体はトップと同等でしたが、とくに低速コーナーの進入でブレーキングが安定せず苦戦しました。これについては今夜、徹底的に調査します。ラズガットリオグル選手は非常に悔しがっていますが、明日は新たな一日を迎えます。
ロカテッリ選手にとっては思いがけない展開となりました。スタート直後から前後ともにグリップ不足を感じていたようです。そのなかでもコンスタントにリズムをキープして7位でゴールしましたが、上位との差、また彼自身のパフォーマンスに対する期待値とのギャップは、予想よりもずっと大きなものでした。このようにふたりとも苦しんでおり、ともに改善が必要ですが、チームとしては前向きに取り組んでいきます」

GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team

G・ガーロフ選手談(5位)

「スーパーポールがとても好調で、グリッド2列目を獲得できたことが大きなメリットになりました。レース1では好スタートを決めましたが、第1コーナーと第2コーナーが非常にタイトで難しいため、そこで少し遅れてしまいました。全体的にペースはとても良かったのですが、最終結果は望んでいたものではありませんでした。明日もう一度、トライします。このコースでは好成績を狙えると思っています」

野左根航太選手談(17位)

「ポイントを獲得できず残念です。マシンのフィーリングは良く、ペースも決して悪くありませんでした。序盤はリズムよくポジションを上げることができましたが、終盤で何台かとぶつかって遅れてしまいました。明日に向けてまたハードワークに取り組みます」

WorldSBK 9月11日(日)

Pata Yamaha with Brixx WorldSBK

T・ラズガットリオグル選手談(優勝/優勝)

「昨日は非常に不運でしたが、今日はとてもいいレースができました。スーパーポール・レース、そして重要なレース2も優勝することができ、たくさんのポイントを獲得することができました。ここは大好きなコースなので、いつもなら3勝を狙うところですが、昨日の不運を除けば今日はとても満足できる結果になりました。ブレーキ関係のキットをすべて交換したらフィーリングが格段に良くなり、マシンの状態も同時に改善されたので、私はただ勝利を目指して走り切るだけでした。ラスト10ラップでリナルディのリアタイヤが滑り始めたのを見て、ここでパスしようと決めました。こうして2勝することができ、今はとてもハッピーです」

A・ロカテッリ選手談(10位/7位)

「レース2は、昨日のレース1や午前中のスーパーポール・レースよりずっと良くなりました。というのもスーパーポール・レースでは、1ラップ目と最終ラップでミスをしてしまったのです。このためトップ9に入ることができず、またも12番手からスタートすることになってしまいましたが、レースはまったく違う展開になりました。ラップタイムが上がり、リズムもとても良くなり、最後までバトルをして7位を獲得することができました。成績自体は目標に届きませんでしたが、精一杯の結果です。ここからまた前進し、次のバルセロナではトップとの差を詰めていきたいと思っています」

P・デニング(チーム代表)談

「スポーツというものは、とても不思議なものです。昨日は悪夢を見ましたが、今日はまさに夢のような一日になりました。昨日の悔しい結果にもポジティブに対応し、スーパーポール・レースでは激しいバトルを制し、レース2ではさらに追い込んで勝利を確実にしたラズガットリオグル選手とチームに、ただ'おめでとう'と言いたいです。このあともたくさんのレースが残っており、いろいろなことがあると思いますが、一戦一戦を大切に、ベストを尽くしていきたいと思っています。ロカテッリ選手もまた今日は非常に良くなりました。とくにレース2は素晴らしく、昨日は10秒もあったガーロフ選手との差を埋めて彼に打ち勝ったのです。最近はバルセロナ・サーキットでテストを行い、手応えをつかんでいます。今日の好調とともに、2週間後のカタルニア大会に向けてしっかりしたベースが出来上がったと考えています」

GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team

G・ガーロフ選手談(8位/8位)

「みんな非常にペースが良かったので、難しいレースになりました。スーパーポール・レースはいつも激しくタフですが、何とか8位まで挽回できたのは良かったと思います。レース2では他のライダーにぶつけられてはらんでしまい、そこから挽回していくことになりました。今日はこのようなことになりましたが、これからも戦い続け、2020年に良い思い出があるバルセロナ大会に集中していきます」

野左根航汰選手談(16位/15位)

「全体的にそれほど悪くはなかったのですが、決して十分ではありません。レース2ではセッティングを変更してペースが良くなりましたが、終盤はタイヤに少し苦戦することになってしまいました。ポイントを獲得できたのは良かったですが、目標はもっと高いところにあります。これからバルセロナへ向かいます。好きなサーキットなので、良いレースウイークをエンジョイできるよう頑張ります」

WorldSSP

Ten Kate Racing Yamaha

D・エガーター選手談(3位/優勝)

「ハードな戦いでした。グリッド・ポジションが良くありませんでしたし、レース1はオープニングラップで遅れてしまいました。レース2は少し良くなりましたが、何台かに押し出される格好になり、またもポジションを下げてしまいました。できるだけ早くトップグループに追いつくことを目標にして、少し時間はかかりましたが、ペースが良かったのでトップに立つことができました。チャンピオンシップのリードを拡大し、表彰台と優勝を獲得することができたのは良かったと思います。ドライ・コンディションが少なかったなかでも私のために素晴らしいマシンを用意してくれたチームのみんなに感謝しています。次のバルセロナでも優勝を目指します。バルダッサーリ選手とはまた熾烈な戦いになるでしょう」

Evan Bros Yamaha World SSP Supported Team

L・バルダッサーリ選手談(優勝/5位)

「レース1の優勝は非常に重要でした。金曜日の転倒のあとマシンを完ぺきに直し、フィーリングを回復してくれたチームのみんなに感謝します。そして決勝でいい走りができ、最高の結果を得ることができました。日曜日はとても悔しい結果になりました。ハイペースを維持していたのですが、予想外のこともあって厳しい戦いになりました。レース中盤ではカリカスロ選手と競り合い、その間にエガーター選手に追いつかれてしまいました。最終ラップで勝負をかけるつもりで準備をしていましたが、第13コーナーで転倒してしまいました。非常に残念ですが、いい戦いができたことが次へのモチベーションになります」

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