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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.03 5月20-22日 エストリル

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク・スーパースポーツ世界選手権 第3戦エストリル
■開催地:ポルトガル/エストリル(4.182 km)

WorldSBK レース1
■開催日:2022年5月21日(土)
■周回数:21周 (87,822 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:19度
■路面温度:32度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分35秒346)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分36秒204)

WorldSBK スーパーポールレース
■開催日:2022年5月22日(日)
■周回数:10周(41,820 km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:18度
■路面温度:22度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分35秒346)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分36秒801)

WorldSBK レース2
■開催日:2022年5月22日(日)
■周回数:21周 (87,822 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:18度
■路面温度:29度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分35秒346)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分36秒919)

WorldSSP レース1
■開催日:2022年5月21日(土)
■周回数:18周 (75,276 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:19度
■路面温度:36度
■PP:D・エガーター(Yamaha/1分39秒046)
■FL:D・エガーター(Yamaha/1分40秒058)

WorldSSP レース2
■開催日:2022年5月22日(日)
■周回数:18周 (75,276 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:18度
■路面温度:24度
■PP:D・エガーター(YAMAHA/1分39秒046)
■FL:D・エガーター(YAMAHA/1分41秒072)

REPORT

WorldSBK 5月21日(土)

ラズガットリオグル、最終コーナーで勝利を逃す

エストリル・サーキットで開催されている第3戦エストリル。そのレース1でPata Yamaha with Brixx WorldSBKのT・ラズガットリオグルは15ラップ以上にわたりレースをリードしていたが、最終ラップの最終コーナーで逆転されて2位でゴールした。

全21ラップのレースはラズガットリオグルとJ・レイ(カワサキ)のトップ争いからスタート。16ラップ目にレイがミスをして遅れ、終盤はリアタイヤの消耗と闘いながら、A・バウティスタ(ドゥカティ)の激しい追い上げに立ち向かう状況となった。

ラズガットリオグルとレイは少なくとも8回にわたり順位を入れ替える熾烈なバトルを展開。16ラップ目にレイが遅れたあとは自分の走りに集中していたが、最終ラップの最終コーナーでバウティスタにトップを奪われ、0.126秒差の2位でチェッカーを受けた。

ラズガットリオグルのチームメイトのA・ロカテッリは、トップ3からは大きく離されたものの4位獲得と健闘した。好スタートから3番手につけて序盤の数ラップはバウティスタを抑え込んでいたが、その後、上位グループのハイペースについて行けなくなり4番手に後退。徐々に差を広げられて厳しい状況のなか、ベスト・リザルト確保に集中して走り切った。

野左根航太がポイント獲得

GYTR GRT Yamaha WorldSBK Teamの野左根航太が今季初のポイント獲得。チームメイトのG・ガーロフはFP3で転倒した影響で欠場を余儀なくされた。

ガーロフはFP3終盤、第13コーナーでハイサイドにより転倒。左ひざを負傷し、その後の走行を取りやめた。この結果、ガーロフは12番手、野左根が13番手でセッションを終えている。

野左根はスーパーポールで1分36秒980を記録して13番手。レース1をグリッド5列目からスタートすると、オープニングラップで9番手まで浮上した。その後、徐々に後退したもののトップ15を維持し、最終的には14位でゴールしてシーズン初となるポイント獲得を達成した。

WorldSBK 5月22日(日)

ラズガットリオグル、3レースすべてで表彰台獲得

Pata Yamaha with Brixx WorldSBKのT・ラズガットリオグルはウイーク最終日、スーパーポール・レースで2位、レース2で3位を獲得し、レース1の2位に続き表彰台に上った。

悪天候に見舞われ、難しいコンディションのもとで行われたスーパーポール・レースでは、ラズガットリオグルとレイがまたも優勝争いを展開。ラズガットリオグルはトップを守って最終ラップを迎えたが、第9コーナーから第10コーナーのシケインでフロントを大きく振られるアクシデントで遅れてしまう。危うく転倒というところを見事な才能とスキルで持ちこたえ、最終セクターでは再びリードを奪える位置まで迫ったが、わずかに届かず0.174秒差の2位でゴールした。

午後からのレース2はドライ・コンディションで行われたが、ラズガットリオグルはリアタイヤを予想以上に早く消耗して3位に留まっている。

チームメイトのA・ロカテッリは両レースで5位を獲得した。レース1では17秒離されていたが、スーパーポール・レースとレース2では8秒ほどまで近づいている。

ラズガットリオグルとロカテッリは2日後の火曜日、ここエストリル・サーキットでプライベート・テストを実施。次回、第4戦は6月10日~12日、イタリアはミサノ・ワールド・サーキットで開催される。

野左根がレース1に続きポイント獲得

GYTR Yamaha WorldSBK Teamの野左根航汰がレース2で13位を獲得。チームメイトのG・ガーロフは怪我のため欠場となった。

ウエット・コンディションで行われたウォームアップで、野左根は1分51秒983の14番手。スーパーポール・レースの前に雨は止んだものの、ところどころに水たまりが残る難しいコンディションのなかでスリック・タイヤを選択し、絶好のスタートから10番手に浮上。その後ひとつ下げて11位でチェッカーを受けた。

レース2でも好スタートを決めた野左根は、グリッド5列目からすぐさま9番手へジャンプアップ。L・バズ(BMW)とバトルを展開しながらハイペースと安定性を維持して21ラップを走り切り、13位を獲得して3ポイントを加算した。

WorldSSP

レース1:エガーターがポール・トゥ・フィニッシュの快挙

Ten Kate Racing YamahaのD・エガーターが圧倒的強さを見せつけて4連勝。Evan Bros WorldSSP Yamaha TeamのL・バルダッサーリが2位で続き、ヤマハの1-2フィニッシュを達成した。

前日のフリープラクティスでトップタイムをマークしたエガーター。ウイーク2日目のスーパーポールでは3回にわたってラップレコードを更新し、A・ロカテッリが持つ記録を0.474秒上回る1分39秒046でポールポジションを獲得した。

決勝のスタート直後は3番手につけ、その後2番手に浮上。トップを行くC・オンク(カワサキ)、EAB Racing TeamのG・ヴァン・ストラレンとバトルを展開したあと、第1コーナー進入でトップに躍り出た。

ヴァン・ストラレンが2番手に上がりヤマハの1-2態勢を構築したが、第9コーナーでヴァン・ストラレンが転倒したため、エガーターが後続との間に大きなアドバンテージを築いてそのままトップでゴール。ヴァン・ストラレンも再スタートし、7位まで挽回してチェッカーを受けている。

その一方で、バルダッサーリはスタートで出遅れて8番手まで後退。序盤から積極的にペースを上げ、ファステスト・ラップを記録しながら素早く順位を挽回していった。残り7ラップではオンクをとらえて2位に上がり、貴重な20ポイントを獲得した。

レース2:エガーターがダブル・ウイン達成

Ten Kate Yamaha WorldSSPのD・エガーターがレース1に続き優勝。VFT RacingのK・スミスとEvan Bros WorldSSP Yamaha TeamのL・バルダッサーリがそれぞれ2位と3位を獲得し、ヤマハ勢が表彰台を独占した。

激しい雨のあとコンディションは改善されたものの、ところどころで水しぶきが巻き上げられる緊張状態のなかで全18ラップのレースが展開された。

スタートするや雨が降り出し、9台によるトップ・バトルは激しさを増す。エガーターは序盤で6番手まで下げ、コンディションの変化に適応しながらレース後半での挽回を目指した。そして1台ずつ着実にパスしていくと8ラップ目でトップに浮上。しかしすぐさまC・オンクに奪い返されてしまう。

しばらくバルダッサーリと2位争いを展開したあと、残り6ラップで再び仕掛けてトップを奪回。その後は一気にリードを広げ、2秒の大差を持って優勝を果たした。その後方ではスミスが激しく追い上げ、バルダッサーリをとらえて2位。バルダッサーリが3位で続いた。

今季5勝目を決めたエガーターがランキングトップをキープ。44ポイント差でバルダッサーリが続き、ヴァン・ストラレンも4位と健闘している。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Superpole Race

WSBK RESULT Race.2

WSSP RESULT Race.1

WSSP RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

RIDERS RANKING WSSP

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSSP

COMMENT

WorldSBK 5月21日(土)

Pata Yamaha with Brixx WorldSBK

T・ラズガットリオグル選手談(2位)

「できることはすべてやりました。決勝に100%の力を注ぎ込みました。マシンのフィーリングも素晴らしく、昨年以上に良くなってきたことがラップタイムにも表れています。開幕戦では'本当の自分'を感じることができませんでしたが、今日は自分自身を実感し、レースをエンジョイできました。このことが何よりうれしく、またレイ選手とのバトル、さらにバウティスタ選手との戦いもとても良かったと思っていますが、最後のところがわずかに足りませんでした。とくにリア・グリップを向上させることで加速性能を上げていきたいと思っています。最後の5ラップでスピンが激しくなってしまうので、長いレースのなかではタイヤをセーブしなければなりません。その一方でブレーキングは上々で、第1コーナー進入ではレイ選手とバウティスタ選手を楽にパスすることができました。あとは最後までしっかり戦うために、リアタイヤの調整が課題です」

A・ロカテッリ選手談(4位)

「ハッピーとは言えません。上位との差が自分で思っていた以上に大きく開いてしまいましたからね。レイ選手とトプラック選手について行きたかったのですが、3ラップもするとマシンのフィーリングもグリップ感も落ちてきて難しい状況になりました。またバウティスタ選手にもついて行って、ハイペースとリズムを学びたかったのですが、結局、離され、最後はリア・グリップの消耗との闘いになってしまいました。コーナー立ち上がりのパフォーマンス向上が必要になると考えています。リアのスピンによって遅れてしまったので、明日はこの部分にしっかり取り組んでいきます。とは言え、4位は決して悪くない成績で、チャンピオンシップ・ポイントにおいても、また明日のレースのためにも非常に重要なものです。簡単なことではありませんが、明日はトップライダーたちについて行けるよう頑張ります」

P・デニング(チーム代表)談

「トプラックは本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。ただ、最後の数メートルのところで勝利を逃してしまったことはチームの全員が残念に思っています。ヤマハとチームとで懸命に作業を続けてきた結果、マシンのフィーリングもブレーキングパフォーマンスも前の2戦に比べて向上しています。トプラック選手は限界まで攻め、さらに限界を超えてもまだ気持ちよく走れているように見えました。チームとしては、明日までにもう一歩前進できるよう全力で取り組みます。ロカテッリ選手も引き続き好調で、とくに序盤はスマートかつアグレッシブにハイペースを維持していました。そしてバウティスタ選手について行けないことがはっきりしたあとは、状況をしっかり認識して4位を守り切りました。とても良い戦い方だったと思います。明日はさらに前進を目指します」

GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team

野左根航太選手談(14位)

「予選タイムはとても良かったと思います。ラップタイムではグリッド4列目や3列目にかなり近づいているのに、残念ながら5列目スタートになってしまいました。でも終わってみれば、これは大きな問題ではありませんでした。レース1はスタートで飛び出して一気にポジションを上げ、そのあとはそれを守ることに集中して走り切りました。最後のストレートで13位のチャンスを逃してしまいましたが、シーズン初のポイントを獲得できたことには満足しています。明日はさらに上を目指します」

G・ガーロフ選手談(欠場)

「午前中のFP3で転倒してしまいました。幸い、骨折はなかったのですが、スーパーポールとレース1に出場できなくなりとても残念です。前日の金曜日は非常にペースが良く、マシンのフィーリングも上々でした。そのままいけば、今回はかなり良い結果を出すことができたはずです。チームに対しても申し訳ない気持ちでいっぱいですが、今は回復に集中し、より強くなって戻って来たいと思っています」

WorldSBK 5月22日(日)

Pata Yamaha with Brixx WorldSBK

T・ラズガットリオグル選手談(2位/3位)

「今週はずっと好調で、昨日も今日も上位争いに加わることができました。レース2でももちろん勝利を狙っていて、そのためにも最初の10ラップはタイヤをセーブすることを最優先にしてレイ選手をパスせずついて行きました。ところが10ラップ後にはリアタイヤのフィーリングがおかしくなり、グリップが落ちて激しいスライドが始まったのです。とくに最終コーナーは苦しい状況でしたが、そのなかでも何とか3位に入り、ポイントを獲得できたことは良かったと思っています。スーパーポール・レースもベストを尽くし、もう少しで優勝というところまで近づいていたのですが、そのためには運も必要になる場合があるようです。レース1では最後にバウティスタ選手に抜かれ、今日のスーパーポール・レースでも最終ラップで小さなミスをしてしまいました。そして実際には決して小さいミスではなくて、危うく転倒しそうになったのです。チェッカーフラッグが見えたので、もう一度トップ奪回を目指しましたが、どうしてもそこまでは届きませんでした。繰り返しになりますが、今日は貴重なポイントを獲得することができました。優勝を逃したことは残念ですが、気持ちは沈んでいません。次のミサノでまた勝利を目指します」

A・ロカテッリ選手談(5位/5位)

「スーパーポール・レースは天候不順によりコンディションも良くない状態でしたが、そのなかで5位を獲得したことでレース2の5番グリッドを確保することができました。昨日と比べてマシンのフィーリングも格段に良くなっていて、レース2でも上位グループとの差が縮まりました。序盤で何度かミスをしてしまったのでローズ選手との4位争いはできませんでしたが、全体的にはウイークを通してとても好調で、手ごたえを感じています。次のミサノがとても楽しみです。また一歩、前進し、トップとの差を縮めていけるよう頑張ります」

P・デニング(チーム代表)談

「今日も見応えあるレースが展開され、エキサイティングな一日になりました。しかし私たちはまたも、表彰台の頂点に上ることはできませんでした。スーパーポール・レースでは最終ラップまで十分なアドバンテージを維持していたので優勝をほぼ確信していましたが、最後のシケインで大きく振られてしまいました。トプラック選手の高いスキルがあったからこそ転倒を残念な出来事に留めることができたのです。このようにウイークを通してトップ争いを展開してきて、レース2の3位は少し悔しい結果になりました。ロカテッリ選手のほうも大きく成長し、トップとの差を8秒まで縮めて両レースで5位と素晴らしい戦いを見せてくれました。これからもハードワークを続け、マシンについてはより詳細まで掘り下げ、ふたりが最後までしっかり戦えるよう改善を目指します。その第一歩は火曜日のプライベート・テストから始まります」

GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team

野左根航汰選手談(11位/13位)

「スーパーポール・レースはコンディションが難しく、決して楽ではありませんでしたが、何とか頑張ってトップ10まであと少しというところまで近づくことができました。レース2の13位はそれほど良い結果ではないかもしれませんが、ペースの良さと安定性を見せることができたと思います。今シーズンで最高の出来だったので、ここをスターティング・ポイントとして、さらに前進を目指していかなければならないと感じています。次のミサノは大好きなコースですし、イタリアは第2のふるさとなのでとても楽しみです」

WorldSSP

Ten Kate Racing Yamaha

D・エガーター選手談(優勝/優勝)

「5連勝を果たし、チャンピオンシップのリードを広げることができました。私にとっては最高のレースウイークになりました。すべてのコンディションで速さを維持し、スーパーポールではラップレコードを更新し、ふたつのレースで優勝できたのですから素晴らしい結果だと思います。でも今日のレースは難しい状況で、最初の雨粒から小雨へと変わっていくなかで安定性を維持するのは大変でした。限界がどこなのかわからないような状態だったので、前半は集団のなかに留まり、残り3ラップでプッシュを決断して優勝することができました。チーム、スポンサー、エストリル・サーキットに足を運んでくれたファンの皆様に感謝しています。次のミサノも楽しみです」

Evan Bros Yamaha World SSP Supported Team

L・バルダッサーリ選手談(2位/3位)

「非常にタフでクレイジーなレースでした! 大勢がポジションを競り合い、雨とも闘わなければならず大変な状況でした。それでも今大会には満足することができます。すべてのコンディションで速く走れていましたし、スミス選手とバトルすることもできました。ノーポイントに終わったとしてもおかしくない状況のなかで3位に入り、たくさんのポイントを獲得できたのです。次のミサノはホームレースなので、母国ファンの前で走るのをとても楽しみにしています」

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