モトクロス世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.10 6月16日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権 第10戦イタリア
■カテゴリ:MXGP/MX2
■開催日:2024年6月16日
■開催地:マジョーラ(1,650 m)
REPORT
Monster Energy Yamaha Factory MXGPのカルバン・フランデレンが、イタリアMXGPで総合5位に入った。この好成績には、ほぼ最後尾からスタートして5位でフィニッシュしたレース2の驚異的な追い上げが大きく貢献した。チームメイトのアンドレア・ボナクローシも12位に入った。
一方、MX2クラスでは、Monster Energy Yamaha Factory MX2チームのリック・エルジンガが肘の負傷と戦いながらも総合11位に入った。
MXGP/MX2
MXGPではファランデレンが5位、MX2ではエルジンガが11位を獲得
土曜日に激しい雨に見舞われたため、マッジョーラ・サーキットはレース両日とも難しいコースコンディションとなった。土曜日には粘土質のコースの一部が何度か水没したかと思うと、日曜日のレース2ではなんと砂埃が舞い上がる。ライダーたちは2024年第10戦で、変化に富んだコンディションに直面することになった。
総合表彰台に上ることに焦点を当ててイタリアにやって来たファランデレンは、MXGP予選レースで5番手に入り、好調な走り出しを見せた。その速さと勢いをレース1に持ち込むべく、素晴らしいスタートを決めて先頭集団につけると、4番手を巡りJ・ハーリングス(KTM)と短いバトルを展開。2選手より上位につけていたJ・シーワー(カワサキ)がミスを犯したところで4番手に浮上した。その後、ファランデレンはシーワーの挑戦を抑え込み、レースが進むにつれてこれを引き離して4番手を確実にし、そのままチェッカーフラッグを受けた。
総合表彰台がかかっていることを充分に理解しているファランデレンは、レース2でも素晴らしいスタートを見せた。だがその後、ターン2に進入しようとしたファランデレンに不運が襲い、目の前を走行するライダーが激しくクラッシュし、これに巻き込まれてしまう。転倒の影響がなかったYZ450FMにすぐに跨ると、ファランデレンは今シーズンこれまでで最高と言えるライディングを披露。レースを通して着実に順位を上げ続け、最終ラップにはI・ギフティングをパスして5位でフィニッシュラインを通過。総合5位となり、MXGP選手権ランキングでは4位に浮上した。
先週末のラトビアでの厳しいGPの後、ボナクローシは立ち直りを見せて母国GPで力強い結果を残した。レース1で8位に入り、日曜日の好調な走り出しを披露したボナクローシだったが、レース2序盤にチームメイトと同じアクシデントに巻き込まれてしまう。幸運にも負傷を免れたボナクローシは、集団の中を猛チャージ。12番手まで上がったところでチェッカーフラッグを受け、総合結果では9位を獲得した。この結果、MX2クラスに参加していたためシーズン序盤の4戦を欠場しているにもかかわらず、ボナクローシはランキングをふたつ上げて14位に浮上した。
MX2のレース1では、土曜日に肘を負傷したにもかかわらず、エルジンガが安定した走りを見せて6位に入った。ところがレース2では1周目にクラッシュしかけて手首を負傷してしまう。これにより順位を落としたエルジンガだが、体勢を立て直して追い上げを敢行。14番手まで上がったところでフィニッシュし、総合11位となり、MX2選手権ランキング7位を守った。
EMX250カレンダーのブレークを利用してVRT Yamaha Official EMX250チームのトリオ、イヴァノ・ファン・エルプ、カーリス・レイズリス、ギャビン・タワーズがMX2 クラスに出場して貴重な経験を積んだ。
3名のライダーは、いつもよりはるかに厳しいレース形式にうまく適応し、全員がポイントを獲得した。チームで最高の成績を収めたのは、総合14位でフィニッシュしたファン・エルプで、レイズリスは21位、タワーズは22位でグランプリを終えた。
3連戦の最後、そして2024 FIMモトクロス世界選手権カレンダーの折り返し点のイタリアMXGPを終えて、次はインドネシアでの第11戦と第12戦が、ともにロンボク・サーキットで2週連続で開催される。
MXGP RESULT Race.1
MXGP RESULT Race.2
MX2 RESULT Race.1
MX2 RESULT Race.2
RIDERS RANKING MXGP
RIDERS RANKING MX2
CONSTRUCTORS RANKING MXGP
CONSTRUCTORS RANKING MX2
COMMENT
MXGP
Monster Energy Yamaha Factory MXGP
カルバン・ファランデレン選手談(4位/5位:総合5位)
「レース2で激しいクラッシュに巻き込まれてしまい、総合表彰台に上がるチャンスを失ったのはちょっと残念でした。それでもレースを通してずっと集中したライディングで猛チャージしました。コースの奥の方で、追い抜きができる良いラインを見つけたので、それを使って順位を上げました。バイク、ライディング、そして体調には本当に満足しています。レース2があのような走り出しになったのが残念です。スタートはかなり良かったのですが、目の前で数名のライダーがクラッシュしてしまい、避けられなくてホルヘ・プラドにぶつかってしまいました。この後、インドネシアでの2連戦。また表彰台を狙います」
アンドレア・ボナクローシ選手談(8位/12位:総合9位)
「今日はまずまずだったと思います。レース1ではスタートはうまくいかなかったけど、かなり早い段階で多くのライダーをパスすることができたので、それは良かったし、8位でフィニッシュしました。レース2ではトップ5にもっと近づきたいと思っていたのですが、スタートで大きなクラッシュがありました。その後は厳しいレースになって、12位まで追い上げて、総合9位でした。次戦インドネシアに向けてチャレンジし続けます」
MX2
Monster Energy Yamaha Factory MX2
リック・エルジンガ選手談(6位/14位:総合11位)
「土曜日の予選レースでクラッシュして、肘を痛めてしまったので、今日は肘のためにできる限りのことをする必要がありました。レース1ではすごく良いスタートができて、先頭集団で走っていたのですが、肘を過剰にかばうライディングになってしまって、先頭集団の選手たちになかなか挑戦できなかったんです。レース2のスタートも良かったのですが、1周目にクラッシュしそうになって、手首を痛めてしまいました。力を出しきれず、順位を大きく落としてしまいました。かなり後退したんですが、その後、力強さと流れを取り戻して14位まで挽回することができました」