YART、3人が5秒台をマーク、チームベストを更新し予選3番手を獲得
トップ10トライアルが急遽、中止となり、代わりにトップ10トライアルの参加チームによる40分間の計時予選にて、上位10台のグリッドを決めることとなった。#7 YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team(以下YART)はこのセッションで3人それぞれがアタック。全員が2分5秒台を記録して、チームの総合力を示しながら、予選3番手を獲得した。
計時予選、トップバッターを務めたのは、ここまでのチーム最速タイムを記録しているニッコロ・カネパ。ニュータイヤを装着してアタックすると、2分5秒981をマーク。昨日のベスト2分5秒863には及ばなかったが、Team HRCに続く2番手につけてアタックを終了した。
これに続いて登場したのが、マービン・フリッツ。昨日の予選では5秒台に迫る2分6秒138を記録していることから、5秒台を目標に出撃。非常に緊張するアタックになったが、このプレッシャーを跳ね除けて自己ベスト、カネパのチームベストを更新する2分5秒776を叩き出した。しかし、ライバルの一つであるKawasaki Racing Team Suzuka 8Hがタイムを更新したことで、ポジションは3番手に後退してしまう。
そして最後に登場したのがカレル・ハニカ。公式予選では自身の1本目に転倒があり、さらに2本目には降雨もあって満足にアタックすることができず、ベストも2分20秒台にとどまっていた。そして本来、トップ10トライアルであれば、ハニカには走行の機会はなかったが、計時予選となったことで走行の機会を得ることとなったのだ。
そのアッタクでは1本目は6秒台にとどまったが、2本目に入ると各セクションで好タイムを連発すると、自己ベスト、そしてマービンが更新したばかりのチームベスト、そしてヤマハの8耐最速タイムも更新する2分5秒769をマーク。全体では、Team HRCの2'04.934、Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hの2'05.149には及ばなかったが、3番手を獲得。また、ライダーを絞ってアタックしたチームもある中で、3人全員が5秒台を記録するなど、EWCレギュラーチームとしての力を示すとともに、耐久マシン・ライダーの力を証明。明日の決勝では、EWCレギュラーチームの最上位、YART初となる表彰台獲得に挑む。
予選3番手:YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team(2分5秒769)
カレル・ハニカ選手談
「昨日の転倒での痛みがちょっと残っていましたが、今日普通に走れてびっくりしました。でも、ドライで走ったのが昨日の朝だけだったので、とても緊張しました。最初のラップはよくありませんでした。2周目は速かったけどミスをいっぱいしました。でも鈴鹿8耐でのヤマハ最速タイムを出せてとても嬉しく思います。予選3番手にも満足しています。そして、最初の2日間、とにかくドライでレースペースを改善できているし、昨日は夜も、雨も、強いことを証明したと思います。決勝では、強い2チームと戦うわけですが、YARTは一番ライダー3人のタイムが近くペースが同じぐらいなので、それが強みになると思います。明日はすべてを出し切って、チームを信じて、頑張ります」
マービン・フリッツ選手談
「とてもいい感じでした。2分5秒7というタイムを見た時は、ヘルメットの中にニコニコしていました。チームの仕事を誇りに思うし、チームメイトの仕事も素晴らしいものでした。全員5秒台ですよ。僕たちは恐らく3人のレベルが一番高いチームです。
レースでは集中しないといけません。YARTにとって初の表彰台が目標ですが、まずはEWCのことを考えて、FCCとSERTよりも上位でフィニッシュしたいと思います。それが一番大事なことです。もちろん8時間は長いし、明日の天気はどうならかわかりませんし、何があってもおかしくはありませんが、ドライもウェットも速いしセッティングもばっちりです。EWCでたくさんの経験を強みにして、集中し、プッシュせず、ミスを起こさず表彰台を目指します」
ニッコロ・カネパ選手談
「順位については満足だし、全員5秒台に入れて本当にチームとチームメイトを誇りに思います。ここに来る前は、みんな5秒台が出るとは思っていませんでしたが、3人とも実現したのはすごいことです。考えるだけで鳥肌が立ちます。自分のラップですが、もっといけたと思いますがそれが大事ではありません。一番大事なのはペースで、3人とも同じラップタイムであること。僕たちはEWCでの経験をいっぱいもっているから、その経験を生かして頑張りたいと思います。
目標は表彰台ですが、それ以上も大歓迎です。表彰台はYARTにとっては初めてだし、24時間レースを走るバイクでファクトリーと戦えるのは素晴らしいことです。僕たちにはプレッシャーがありませんが、他のチームにあると思うので、明日は集中し自分たちのペースで走ります」
マンディ・カインツ監督談
「3人のタイムがこんなに近いチームは私たちだけです。大変満足しています。大きなトラブルがなく、プラン通りとなりました。YARTの3人はEWCで最も早いライダーだと分かっています。だからいつもポールポジションを取れるのです。3人のタイムが近いだけでなくR1も完璧です。そして完璧なタイヤあり、結果に現れています。 レースは予測できません。ライダーが多く、天気は変化しやすく、路面コンディションは変わりやすく、ペースカーもあるし、何があってもおかしくありません。だから私たちは、最善の準備をしてきました。今のところは全部完璧なので、レースも完璧になるといいけれど、後はコントロールできないので、運にまかせます。レースではファクトリーの2台を意識せず、できるだけ安全に自分たちのレースをするだけです」
Pos. | No. | Team | Machine | Time |
---|---|---|---|---|
1 | 33 | Team HRC | Honda | 2'04.934 |
2 | 10 | Kawasaki Racing Team Suzuka 8H | Kawasaki | 2'05.149 |
3 | 7 | YART-YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC | Yamaha | 2'05.769 |
4 | 5 | F.C.C. TSR Honda France | Honda | 2'06.204 |
5 | 73 | SDG Honda Racing | Honda | 2'06.409 |
6 | 72 | Honda Dream RT SAKURAI HONDA | Honda | 2'06.564 |
7 | 17 | Astemo Honda Dream SI Racing | Honda | 2'06.607 |
8 | 25 | Honda Sofukai Suzuka Racing | Honda | 2'06.668 |
9 | 37 | BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM | BMW | 2'06.897 |
10 | 2 | EVA RT 01 Webike TRICKSTAR Kawasaki | Kawasaki | 2'08.033 |