MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 9月15日 サンマリノ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第13戦サンマリノGP
■開催日:2019年9月14日(土)フリー走行総合結果
■開催地:ミサノ/イタリア(4.226km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:40度
REPORT
ビニャーレスがポールポジション獲得
Monster Energy Yamaha MotoGPのM・ビニャーレスはサンマリノGPのQ2セッションで大健闘。コース上の混雑を避けて2回のピットストップを行う作戦をとり、見事ポールポジションを獲得した。チームメイトのV・ロッシはQ2を順調にスタートしたものの、2回目の走行でタイムを更新することができず7位に留まっている。
ビニャーレスはタイムアタックに十分なクリアスペースを確保するために、マシンを2回乗り換えるという明確な作戦を持ってQ2に臨んでいた。最初のアタックで4番手につけ、2回目もそのポジションを維持したあと残り8分でピットイン。そして1分以内に2台目のマシンで復帰すると、その間に第1マシンには最終走行のために燃料が入れられた。
2回目の走行で3番手に上げてから再び第1マシンに乗り換えたビニャーレス。残り時間はわずか2分半、チェッカーフラッグがすでに用意されているなかで一気にペースを上げ、1分32秒265をマークしてトップに躍り出た。2番手に0.295秒差をつけ、今季2度目となるポールポジションを獲得している。
一方のロッシは通常通りに1ストップの作戦を採り、最初のアタックで5位。1分33秒079でポジションをキープしたものの、3度目のトライで短縮できないままピットに戻ってきた。2回目の走行に残された時間は5分。これを最後まで使い切って懸命にプッシュし続けたが、マシンは思うように走ってくれなかった。最終ラップでは第3セクションと第4セクションでアクシデントがありラップタイム更新のチャンスは消滅。さらにはコースのリミット・ラインを越えたことで記録がキャンセルとなった結果、ロッシはトップから0.814秒差の7番手となり、グリッド3列目に留まっている。
クアルタラロとモルビデリ、サンマリノGP予選で絶好調
PETRONAS Yamaha Sepang Racing TeamのF・クアルタラロとF・モルビデリが好調ぶりを発揮し、チームとして最高の3番手と4番手を獲得した。
クアルタラロは午前中に行われたフリープラクティス第3セッションでトップタイムをマーク。気温が上がりコンディションが変化したQ2ではやや苦戦したものの、1分32秒571で3番手を獲得して今季7度目となるフロントロウにつけた。
一方のモルビデリはクアルタラロにコンマ1秒差の4番手となりグリッド2列目。午後のセッションでは気温上昇とともにグリップ・レベルが低下したが、その対処方法に懸命に取り組み、明日の決勝に備えている。
決勝は現地時間14:00にスタート。全27ラップで競われる。
RACE RESULT
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手談(予選トップ/1分32秒265)
「とてもうれしくて興奮しています。ここまで非常に順調で、とてもいい雰囲気を作り出すことができています。もちろん、ここで終わりというわけではありませんが、予選でトップを獲得するのは難しいことなので、今はこの瞬間をエンジョイしているのです。すでに決勝に向けての準備も万全。リズムが良く、終盤までペースを維持することができています。テストのときには滑りやすい路面コンディションと格闘し懸命に取り組んできたので、その成果がここに現れていると思います。すべてはチームの努力のおかげです。今回はウイーク初日からヤマハの全員が好調でしたが、なかでも私がひとつ前へ出ることができました。他にもかなり接近しているライダーがいるので状況を見なければなりませんが、明日は第1コーナーからトップに立ち、そのあとも最後まで全力でプッシュしていくつもりです。もちろん優勝を狙います。失うものは何もなく、すべてが勝利のためにあります。その結果がどうなろうと、優勝を目指す気持ちが重要だと思っています」
V・ロッシ選手談(予選7番手/1分33秒079)
「残念な結果になってしまいました。フリープラクティス第4セッションでは非常にペースが良く順調だったのですが...。Q2も好調を維持できるはずでしたが、ソフト・コンパウンドを履いたら問題が出てしまいました。最初のラップで苦戦し、そのあとも混雑につかまってしまいました。7番手ということは2列目に入れなかったということですから、とても厳しい状況。2列目と3列目では大きく違うのです。でもペース自体は悪くないので、とにかく全力でトライします。セッション終盤、私は2本目のタイヤで限界までプッシュしていました。そのときに高速コーナーでマルケスに抜かれたことで遅れてしまいました。彼はそのあとグリーン・スペースへ出たのでペースを落とすだろうと思い、私はイン側に留まって抜き返そうとしました。ところが彼がライン上に留まったためブレーキングでオーバーテイクを試みることになり、そこではらんでしまったのです。最終ラップに100%を賭けていましたが、最後のチャンスを失ってしまいました」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「あらゆる意味で、非常に激しい予選セッションになりました。まずマーベリックに"おめでとう"を言います。カタール以来のポールポジションです。今日は彼の2ストップ作戦が功を奏し、スリップストリームの効果も使わず彼ひとりの力で1分32秒265という見事なタイムを記録しました。ミサノ・テストでも非常に好調でしたが、今回のこの暑さのなかでも、実際のところ今シーズンはこの暑さに苦労してきたわけなのですが、彼は好調を維持しています。ですから明日の決勝がとても楽しみです。一方、バレンティーノのほうはホームレースを3列目からスタートすることとなり残念です。でもプラクティスまでは、とても好調だったのですから、ペース自体は決して悪くありません。明日はウォームアップ・セッションで試してみようと思っていることがあります。決勝ではふたりそろって素晴らしいレースをお見せできるよう準備を整えます」
Petronas Yamaha Sepang Racing Team
F・クアルタラロ選手談(予選3番手/1分32秒571)
「難しいセッションになってしまいましたが、フロントロウ獲得の目標に届いたので良かったと思います。午前中はとても好調に乗れていたのですが、午後は風と気温上昇でコンディションが大きく変化。その対処方法を間違えて、そうするべきではないタイミングでフロントをソフト・コンパウンドに換えてしまったのです。それでも何とか好位置を確保できましたし、決勝で上位を狙うだけのペースも持っています。好スタートを決めてポジションを下げないようにできれば、トップ5を狙っていけるはず。さらに上を目指すチャンスがあれば、必ずそれをつかみに行きます」
F・モルビデリ選手談(予選4番手/1分32秒710)
「予選セッションはとても順調で、前の2列までを確保するという目標を達成することができました。フロントロウまであとわずかだったので、ちょっと悔しい気持ちもありますが、4番手のポジションに満足していますし、これからまた作業を続けて明日はさらに上を目指します。決勝では好スタートを決め、そこから最後までいい走りを続けることが目標です。このコースは路面グリップが悪く、午後になって気温が上がるとますますひどくなってしまいます。でもそれは誰もが同じ条件なので、重要なことはリアタイヤのチョイスだと思っています」