ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.09 7月2日 イギリス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第9戦イギリスGP
■開催日:2006年7月1日(土)予選結果
■開催地:イギリス/ドニントンパーク(4.023km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度 ■路面温度:47度
■PP:D・ペドロサ(ホンダ/1分27秒676)
REPORT
ロッシとエドワーズ、4列目グリッド
キャメル・ヤマハ・チームのV・ロッシとC・エドワーズは、いずれもマシンのセットアップに悩んでペースが上がらず、それぞれ12位と10位。グリッド4列目からのスタートとなった。ロッシは9日前にアッセンで負傷した手首と足首の痛みもあり、過去6年で5勝を挙げているこのドニントンパークで厳しい戦いを強いられることになりそうだ。エドワーズもまた、前日のフリープラクティスでは好調ぶりをアピールしたものの今日はあまり進歩が見られなかった。
YZR-M1のベースセッティングは、前回のアッセンやカタルニアなど高速コースに素早く順応してきた。しかし今回は、課題がまだ多く残されている状態だ。なおランキング争いのライバル、N・ヘイデン(ホンダ)も今回は調子が上がらず、エドワーズとロッシの間の11位、同じく4列目からのスタートとなる。
テック3・ヤマハ・チームのC・チェカは決勝用のセッティングにセッションのほとんどを費やして13位。チームメイトのJ・エリソンは今日もきのうのタイムから1秒縮めて母国のファンにアピール。16位につけた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'27.676 |
2 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'28.158 |
3 | M・メランドリ | Fortuna Honda | Honda | 1'28.205 |
4 | J・ホプキンス | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'28.252 |
5 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'28.394 |
6 | R・ド・ピュニエ | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'28.428 |
7 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'28.431 |
8 | C・ストーナー | Honda LCR | Honda | 1'28.447 |
9 | K・ロバーツ | Team Roberts | KR211V | 1'28.473 |
10 | C・エドワーズ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'28.481 |
11 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 1'28.509 |
12 | V・ロッシ | Camel Yamaha Team | Yamaha | 1'28.808 |
13 | C・チェカ | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'29.294 |
14 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 1'29.362 |
15 | A・ホフマン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'29.479 |
16 | J・エリソン | Tech 3 Yamaha Team | Yamaha | 1'30.382 |
17 | I・シルバ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'31.838 |
18 | J・ルイス・カルドソ | Pramac d’Antin MotoGP | Ducati | 1'32.252 |
COMMENT
C・エドワーズ選手談(予選10位/1分28秒481/30周)
「マシンが思い通りに動いてくれない。しかもその理由がわからないんだ。先週はあれほど好調だったのに、今回はそうはいかないようだ。何かが変わってしまったんだ。スタッフも懸命に頑張ってくれていて、今日はスプリングをいじって車高を変えてみたりしたが、依然として先が見えない。ドニントンは好きなコースの一つで、いつも最初の走行からトップ3に入っていた。今回もそうなるはずだったが、なぜかうまくいかなかった。今できることは、明日の朝のウォームアップで何かしらの答を見つけ出し、絶好のスタートを決め、そして懸命に戦うことだ」
V・ロッシ選手談(予選12位/1分28秒808/28周)
「ここドニントンでこれほどの問題にぶつかるとは思っていなかった。だって去年は素晴らしい走りができたんだから…。僕自身もいつも、最初の走行からとても速く走れていたコースなので、今回は本当に残念だ。ル・マンでニューフレームが投入されてからはマシンがとても良く走ってくれたので自信を持っていたが、今回はいくつかの理由でセッティングを詰め切れなかった。明日のウォームアップで少しでも改善できるように頑張ってみたい。
また今日は、ドクター・コスタと相談して痛み止めを打つことにした。そのほうが多少なりとも通常に近い走りができるので、マシンのこともわかりやすいからだ。手首の状況はそれほど悪くないが、ハードブレーキングの場所ではやはりまだ問題がある。思い通りに乗れないことは確かで、万全の状態と言うことはできないだろう。明日はウォームアップでチームと協力してベストセッティングを追求し、その後はドクター・コスタと相談しながら少しでも良い状態でレースに臨めるよう治療を行う予定」
D・ブリビオ、キャメル・ヤマハ・チーム監督談
「コーリン、バレンティーノ、そしてニッキーまでもがそろって4列目という何とも奇妙な結果になった。このスタートポジションが二人にとっては一番の問題になるだろう。コーリンについては、我々がもう少しうまくセッティングを詰めていけていればきっといい走りができただろう。バレンティーノのほうは今晩もう一度分析をして、少しでも手首に負担のかからない方法を探していきたいと考えている。今日の彼は本当に強気で臨んでいて素晴らしかったが、100%の状態でないことは確か。これはもう少し状況を見守るしかない。しかし問題はそれだけではないんだ。マシンセッティングが思い通りに進んでいなくて、決勝のためのタイヤチョイスもまだはっきりしていない」
C・チェカ選手談(予選13位/1分29秒294/31周)
「もう少し伸ばせると思っていたのだが、やはりラップの終盤がうまくいかない。コースのなかでも前半の流れるような部分ではとても速くて、トップにも負けないくらい。でも低速コーナー部分ではまだ改善が必要だ。低速部分でのグリップとステアリングを追求するために明日は少し違ったことを試してみる。レースタイヤを履いているときは、よりトップに近づいているが、我々が予選でもっと良いポジションにつけるように懸命に頑張ってくれている。今晩も徹夜の作業になると思うが、これがきっと好結果を導き出してくれると信じている。この数戦、ダンロップタイヤはレース距離をしっかりと安定して走りきってくれている。この暑さのなか、他のメーカーのもののなかには30ラップをコンスタントに走りきれないものもあるだろう」
J・エリソン選手談(予選16位/1分30秒382/28周)
「最高とは言えないが、きのうの最初のセッションから比べれば2秒も縮めることができたし、レースタイヤを履いたときのセッティングもかなり良い感じになっている。まだ完璧に決めたというわけではないが、このコースでとくに重要なフロントエンドのフィーリングは、走るたびに向上してきている。決勝用でも予選用でもカルロスに1秒差でつけているので、これは非常に励みになる。さらにセットアップが煮詰まれば、彼と同じくらいのところまで到達できると思うんだ。
また今回は僕にとってのホームグランプリ。コースのあちこちで僕を支えてくれるファンに出会い勇気づけられた。僕には他に何もないが、彼らの強力なサポートがある。彼らは僕が100%の力を注いで戦うことを期待しているから、そのことは僕にとっても大きな意味がある。サッカーのホームゲームのようなもので、選手は彼らに報いるためにも好結果を狙うんだ」
H・ポンシャラル、テック3・ヤマハ・チーム監督談
「今日もうまくできたと思う。予選グリッドはアッセンほど良くないが、ロッシやエドワーズにかなり近づくことができたんだ。レースタイヤで好調なので、決勝は面白いことになりそうだ。またジェームスにとっては大切なホームグランプリ。当然、彼は母国のファンにアピールしたいだろう。簡単なことではないが、彼は常にベストを尽くして懸命にプッシュし続けている。そしてきのうのタイムを大幅に縮めることができたんだ。
レースタイヤを履いたときは、ラップタイムでもトップの4、5台にかなり近づいているので、上位陣についていくことができると思っている。決勝で彼らとバトルすることが、実は非常に大切なんだ。このドニントンはダンロップにとってもとても重要な一戦となるため、今回は日本からシニアエンジニアを含め新しいスタッフが大勢やって来た。パドックでは早くも来年の話が始まっているので、彼らにとっても自分たちの能力、やる気、方向性をアピールする大切な機会なのだ。とは言え我々としてはただ、明日の決勝に向けてさらなる改善を目指すだけ。ここまで常に前進し続け、マシン全体として着実に力をつけてきているので、次はこれを確かな結果に結びつけたい。それだけを考えている」