ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.12 9月18日 日本
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第12戦日本GP
■開催日:2005年9月17日(土)予選結果
■ 開催地:栃木県/ツインリンクもてぎ(1周4.801km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:31度 ■路面温度:40度
■PP:L・カピロッシ(ドゥカティ/1分46秒363)
REPORT
ロッシ、予選11位。4列目からの挽回を目指す!
ゴロワーズ・ヤマハ・チームのV・ロッシは予選11位と今季最低のグリッドポジションとなった。連続12回目の表彰台をかけた明日の決勝は、厳しい戦いを強いられそうだ。一方、チームメイトのC・エドワーズも13位に留まっている。
1時間の予選を通じてロッシは懸命にタイムアップを図ったが、終盤、予選タイヤを履いてからのアタックで思うようにタイムが伸びず、11位でセッションを終えた。ロッシもエドワーズともにきのうのタイムを1秒以上更新しているが、順位では大きく後退することとなった。
ポールポジションはL ・カピロッシ(ドゥカティ)、2位にJ・ホプキンス(スズキ)、3位にM・メランドリ(ホンダ)が続いた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | L・カピロッシ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'46.363 |
2 | J・ホプキンス | Team Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'46.861 |
3 | M・メランドリ | Movistar Honda MotoGP | Honda | 1'46.867 |
4 | 玉田 誠 | Konica Minolta Honda | Honda | 1'47.043 |
5 | M・ビアッジ | RepsolHonda Team | Honda | 1'47.089 |
6 | N・ヘイデン | Repsol Honda Team | Honda | 1'47.166 |
7 | S・ジベルナウ | Movistar Honda MotoGP | Honda | 1'47.168 |
8 | K・ロバーツ | Team Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'47.257 |
9 | C・チェカ | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'47.323 |
10 | A・バロス | Camel Honda | Honda | 1'47.562 |
11 | V・ロッシ | Gauloises Yamaha Team | Yamaha | 1'47.563 |
12 | A・ホフマン | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'47.594 |
13 | C・エドワーズ | Gauloises Yamaha Team | Yamaha | 1'47.678 |
14 | 中野 真矢 | Kawasaki Racing Team | Kawasaki | 1'47.787 |
15 | 宇川 徹 | Camel Honda | Honda | 1'48.194 |
16 | R・ロルフォ | D’Antin MotoGP Pramac | Ducati | 1'48.733 |
17 | T・エリアス | Fortuna Yamaha Team | Yamaha | 1'48.861 |
18 | 松戸 直樹 | Moriwaki Racing | Moriwaki | 1'49.734 |
19 | R・チャウス | Fortuna Yamaha Team | Yamaha | 1'49.969 |
20 | F・バッタイーニ | Blata WCM | Blata | 1'51.902 |
21 | J・エリソン | Blata WCM | Blata | 1'51.972 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(予選11位/1分47秒563)
「午前中のセッションでセッティングに大きな前進が見られ、タイムもだいぶ上がったが、午後になるとまた悪くなってしまったんだ。これは今季最悪の状況だ。ミシュランのレースタイヤは素晴らしいものがあったが、今日は残念ながら、それを十分に生かすことができなかった。それから、最後の数分でリアタイヤを交換することになり時間を無駄に使ってしまったのも運がなかった。明日は午前中に使ったセッティングに戻し、データをさらに分析して決勝に臨む。昨年のカタールも一番後ろのグリッドから、4周でトップグループに追いついたので、明日はあの時の再現を狙っていくよ」
C・エドワーズ選手談(予選13位/1分47秒678)
「セッティング面では前進していて、とくに4コーナーから9コーナーにかけてはかなりうまく走れている。問題はその前後のセクションで、長いストレートからのハードブレーキングに手を焼いている。300km/hからほぼ0km/hまで減速する感じの場所で、リアのフィーリングが十分ではないんだ。コーナー進入で少しでもラインを外れてしまうと、タイムを大きくロスしてしまう。通常、バイクはもっとフレキシブルなのだが、今回ばかりはいうことを聞いてくれない。明日の午前中にどこまでできるかにかかっているが、いずれにしてもこのポジションからでは楽な戦いは難しいだろう」
D・ブリビオ、ゴロワーズ・ヤマハ・チーム監督談
「今日の我々は、このスポーツが簡単なものじゃないってことを証明するために走ったようなもの。しかも手強いライバルがたくさんいて、気持ちの休まることがない。バレンティーノもコーリンもかなり厳しい状況に置かれているが、この苦境にチームがどう対処できるか、それを見守っていたいと思う。これまでにも予選で苦労したことは何度もあり、その度に優秀なエンジニアが全力を尽くして助けてくれた。難しいときこそ、何かやってくれるだろう。明日が楽しみだ」
T・エリアス選手談(予選17位/1分48秒861)
「やることがたくさんあったよ。チームの皆で懸命に頑張った。このコースはハードブレーキングのコーナーがたくさんあって、そこでの安定感が確保できずまだ悩んでいる。今のところはコーナーのかなり手前からブレーキをかけ始めなければならない状態で、そうでないとブレーキングマーカーを見落としたりコースをはみ出してしまったり大変なことになる。このあとは、ここまで試したなかで最良のセッティングがどれか判断する作業になるが、おそらく金曜日の午前中のものに戻すことになるだろう。とにかく少しでも前へ進むこと。そしてできるだけ多くポイントを取って次につなぐことだ。手首のけがのことは言い訳にはならないが、完治したわけではない」
R・チャウス選手談(予選19位/1分49秒969)
「今日の午前中は良い感触だった。僕は明らかに大きく出遅れていて、それがコースのせいではなくて自分がマシンを乗りこなせていないということもわかっている。シーズン当初からずっと、M1に慣れることを考えて頑張ってきたのだが… 今回、最大の問題はコーナー進入のブレーキング。去年まで乗っていたバイクよりもトップスピードは高くない。僕のこの体重のせいもあり、違いは明らかだ。少なくとも今は、どこが問題なのかを知ることが重要。この厳しい状況から早く抜け出したいが、明日がもしだめだったなら、次のマレーシア、カタールでまたベストを尽くすだけ」
H・ポンシャラル、フォルトゥナ・ヤマハ・チーム監督談
「この予選結果には、やはりがっかりしている。状況はかなり厳しいが、決勝でなんとか挽回できるように願うだけだ。トニはきのうの午前中とても良かったのに、今日の予選セッションでは大きく後退してしまった。この理由がわからないんだ。ルーベンもポジションは良くないが、希望を失わずにいたい。ライダー、マシン、タイヤ、コースのすべての要素がかみ合っていない。ヤマハはここでかなり苦しんでいるが、応援してくれる人たちもいるのだからもっともっと頑張らなければならない。ここまでが良くない分も、明日はなんとか一歩前進したい」
中島雅彦談(技術開発室MotoGPグループYZR-M1プロジェクトリーダー)
「決勝レースに向けてのセッティングは、午前中のフリー走行で決めることができた。またレースタイヤについても、48秒前半から47秒台後半のタイムを出せるタイヤを見つけることができた。しかし、予選タイヤでのタイムアタックでは、セッティングと噛み合わず、我々が思っていた以上にタイムを短縮することができなかった。スタッフ、そしてライダーともこの結果には正直、驚いている。これを受けて、セッティングについては軌道修正を行わなければならない。このレースウイーク中は、スタビリティーを重視したセッティングを心がけてきたが、もう少しハンドリングを良くする方向のセッティングを明日のウォームアップで試し、最終的な判断したいと考えている。また、ロッシ選手のチャンピオン獲得がかかっているレースであるが、我々としてはあくまでも17戦の1戦ととらえ、いつものペースで戦い表彰台の獲得を目指したいと思う」