全日本トライアル選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.07 10月29日 東北
RACE DATA
■開催日:2017年10月29日
■開催地:スポーツランドSUGO
■観客:900人
■気温:12度
■天候:雨
■競技:8セクション×3ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間30分(8セクション×3ラップ)
■最多クリーン数:黒山健一(ヤマハ)&野崎史高(ヤマハ)/18
REPORT
黒山健一、劇的優勝で今季3勝目獲得!
最終戦となる第7戦東北大会を今年もSUGOで迎えた全日本トライアル選手権シリーズは、最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する黒山健一(ゼッケン2)が劇的優勝を飾り、開幕2連勝以来の今季3勝目を獲得。ヤマハ契約の野崎史高(ゼッケン3)とともに、昨年の最終戦以来1年ぶりとなる「ヤマハ・ワンツー」を成し遂げた。また、新型エンジン搭載のワークスマシンTYS250Fiでの戦績は、昨年第6戦のデビュー戦以来5勝4敗と、勝ち越すことに成功した。
タイトル争いは、前回第6戦終了時点でトップの小川友幸(ゼッケン1)に12ポイント差をつけられていて厳しい状況の黒山だったが、最終戦はなんとしても勝つ意気込みだった。大会当日は一日中雨となったが、悪天候にもかかわらず多くの観客が集まり、黒山らの熱戦に沸いた。競技はまず4時間30分の持ち時間で8セクションを3ラップした後、今回の出走14名中上位10名がより難易度の高い2つのスペシャル・セクション(SS)に挑戦して、雌雄を決した。観客が見やすいように近場に集められたセクションは、雨による路面状況の悪化を考慮して、難易度が低めに設定されていた。トップライダーたちにとっては失敗する(減点5となる)ことができない、神経戦となった。
黒山は1ラップ目の第1セクションこそ1回足を着いて減点1となったが、その後はクリーン(減点0)を連発。第8セクションで2点、第9セクションは惜しくも5点。1ラップ目終了時点では、1位野崎4点、2位小川5点に続き、3位黒山8点となっていた。2ラップ目は、野崎11点がトップのまま、失敗を重ねた小川15点に対して黒山16点がわずか1点差に迫った。そして3ラップ目を終えた時点では、黒山があわやオールクリーン(減点は第9セクションの3点のみ)という会心の走りで小川を逆転するとともに、野崎と同点に追いついた。2人は3ラップするのにかかった時間までまったく同じだったため、優劣がつかず。なんとジャンケンでSSの走行順を決める、前代未聞の措置となった。
ジャンケンの結果は黒山が先に走ることになり、後から走る野崎は、仮に黒山が失敗して5点となったセクションはばたばた足を着いてでも3点で抜ければ2点差で勝てる、作戦上は野崎が有利と思われた。実際、SS-1は先に黒山が失敗、野崎は優位に立つチャンスだったが、野崎も失敗。優勝争いは、いよいよSS-2の最終セクションまでもつれ込んだ。ここはSS-1よりもさらに難しく、SS-1を3点で抜けた小川でさえも失敗。もしも黒山と野崎が2人とも失敗すれば、2人とも優勝か?という話も事前になされていた。ところが、なんと、黒山は見事にこの難関を突破。プレッシャーがかかった野崎が敢なく失敗した結果、黒山の勝利へのあくなき思いが実をむすんだ。
RESULT
RIDERS RANKING
COMMENT
黒山健一選手談(優勝)
「勝ててよかったです。安心しました。終始マシンが僕の思い通りにちゃんと走ってくれました。それに尽きます。ただチャンピオンが取れなかったので、それが非常に残念ですけれど。結果ありきの世界なので、来年しっかり頑張ります。野崎選手と同点同タイムでしたが、勝負の世界なので、結果が出てよかったです。SSは野崎選手の前に走ったので、プレッシャーがかからずに楽でした。SS-1はちょっと行き過ぎましたね。上まで一気に上がろうとしたんですが、あれは止まって行くべきだったなと反省点はあります。SS-2は、あれを抜けないともう優勝はなかったので、走破することができてよかったです。来年はただただチャンピオンを取ります。それだけです」
木村治男監督談
「久しぶりに気持ちのいい最後でした。最終戦だからこそしっかりと決めたいという皆の思いが一つになって、いい結果が出ましたね。黒山選手と野崎選手のどちらが勝ってもおかしくない感じでしたが、ヤマハ・ワンツーが取れて。自分のやるべきことも色々と見えてきましたし。来年に向けてまた新たなスタートを切りたいと思います。協力してくれた関係者、応援してくれたフアンの皆様、たくさんの人に感謝します。感動できるヤマハのトライアルを来年もお見せしたいと思います」