全日本トライアル選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.06 10月8日 中部
RACE DATA
■開催日:2017年10月8日
■開催地:キョウセイドライバーランド
■観客:2,900人
■気温:28度
■天候:晴れ
■競技:12セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:5時間(12セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:小川友幸(ホンダ)/22
REPORT
黒山健一、苦戦しつつも3位表彰台をゲット
全7戦の終盤戦となる第6戦を迎えた全日本トライアル選手権シリーズは、前回第5戦以来3カ月近い長いインターバルのあと開催された。最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する黒山健一(ゼッケン2)は、新型エンジン搭載のニューマシンTYS250Fiとともに国別対抗戦である「トライアル・デ・ナシオン」(9月24日/スペイン)に日本代表選手の一人として参戦、20カ国が参加した中で3位銅メダルを獲得した。そのデ・ナシオンでの快挙に黒山は大きく貢献、マシンも絶好調だったという。そんな黒山らの活躍を見ようと、今大会には大会始まって以来初めてという駐車場を埋め尽くすほど多くの観客が集まった。
競技はまず5時間の持ち時間で12セクションを2ラップした後、今回の出走14名中上位10名がより難易度の高い2つのスペシャル・セクション(SS)に挑戦することができ、その合計減点の少なさを争う。周回路の周辺に作られたセクションは、新たに巨大なタイヤを積み重ねたり、一般からアイディアを募集したコンクリートの人工セクションも用意され目新しさがあるとともに迫力満点だった。大会当日は好天に恵まれたが、前日の朝まで雨が降っていたため路面状況は悪化しており、セクションの難易度はやや低く抑えられていた。そのため、失敗して減点5になりやすいリスクもありつつ、ミスが許されないシビアな戦いとなった。
黒山は1ラップ目の第1セクションで1回足を着き、第3セクションでは出口の大岩登りで失敗するなど、競技序盤から苦戦。その後も3つのセクションで少しずつ減点を重ねた結果、1ラップ目終了時点での黒山は減点12で4番手となっていた。この時点でトップの小川友幸(ゼッケン1)はわずか減点1、2位の野崎史高(ゼッケン3)は減点5、3位の柴田暁(ゼッケン5)は減点6と、やや点差が離れた厳しい状況だった。
しかし、2ラップ目の黒山は3つのセクションでそれぞれ1回ずつ足着きがあったものの、2ラップ目に限ってはトップの成績となる減点3をマークし、減点5の小川や野崎、減点30と大きく崩れた柴田らを追撃した。とはいえ、1ラップ目とのトータル減点では、トップの小川6点、2番手の野崎10点、3番手の黒山は15点となっていた。
こうして迎えたSSは2セクションあり、黒山が2つとも減点0でライバルが2つとも減点5となれば、大逆転優勝の可能性もなくはなかった。だが、最後に巨大な貯水タンクを越えるSS-1で小川は減点0、野崎と黒山は減点1となり、この時点で小川の優勝、野崎2位、黒山3位が決まった。表彰式では、苦戦しながらも3位表彰台を獲得、随所でスーパーライディングを披露して大観衆を沸かせた黒山に、観客から惜しみない拍手が贈られた。
第6戦終了現在のタイトル争いは、トップの小川友幸に12ポイント差をつけられて厳しい状況の黒山だが、最終戦こそ勝つ意気込みだ。
次回第7戦(最終戦)・東北大会は10月29日、スポーツランドSUGOで行われる。
RESULT
RIDERS RANKING
COMMENT
黒山健一選手談(3位)
「今日はオートバイを上手く走らせてあげることができませんでした。2ラップ目に挽回できたのですが、1ラップ目の減点を減らすことにはできないので、なかなかもったいなかったですけれども、仕方ありません。最終戦に向けては、マシン、体をしっかりと仕上げて臨みます。このままで終わるわけにはいかないですし、最終戦で勝ってシーズンオフに入るのが一番気持ちがよいので、最終戦しっかり狙っていきます」
木村治男監督談
「今日は本当に観客の皆さまにたくさんたくさん集まっていただいたので、ぜひともよい結果をと思っていたのですが、残念ながらこのような結果になってしまいました。でも、最終戦があるので、ファンの皆さんの期待に応えられる結果を残せるようにがんばります。応援よろしくお願いいたします」