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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.01 8月30日 SUGO

RACE DATA

■大会名称:2020全日本モトクロス選手権シリーズ第1戦 SUGO大会
■開催日:2020年8月30日(日)
■会場:宮城・スポーツランドSUGO
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■観客数:2,900人

REPORT

IA1は、最高峰クラスのデビューレースとなった#110渡辺祐介が3/2位と両ヒートで表彰台を獲得し総合2位。ヤマハに移籍後初レースとなった#317富田俊樹は6/4位で総合5位。併催されたIA2では、国際A級デビューの#01中島漱也が8/20位となったほか、ヒート1では#40川上龍司が3位表彰台、ヒート2では#31大倉由揮が2位。レディースでは昨年のチャンピオンである#1本田七海が2位表彰台を獲得した。

IA1

ヒート1:IA1デビューの渡辺が3位表彰台、富田は6位

ヤマハは、2020年の全日本モトクロス選手権に向けて2017年以来となるYAMAHA FACTORY RACING TEAMを復活。ライダーには、ともにIA2チャンピオンを獲得し、アメリカのプロモトクロスシリーズAMAMXの450MXに参戦していた#317富田俊樹、250MXに参戦していた#110渡辺祐介を起用。ともにIA1は初のフル参戦だが、2011年以来となる最高峰クラスでのチャンピオン獲得をターゲットとした布陣で臨む。

一方、新型コロナウイルス感染症の全国的な拡大を受け、開幕戦は4月から約5ヵ月延期。この間にスケジュール調整が行われ、最終的に8大会から4大会にて争われることとなった。

迎えた開幕戦、29日の予選ではファクトリー仕様のYZ450FMとともに渡辺が3番手、富田が4番手と幸先の良いスタート。そして2020年のオープニングレースとなるヒート1は、昨日と変わって天候は曇り、時折霧雨が降る状況の中で行われた。ホールショットは能塚智寛(ホンダ)。富田が6番手、渡辺は他車との接触でエンストがありながらも7番手と、1周目を上位グループで終える。

序盤トップを奪ったのはディフェンディングチャンピオンの山本鯨(ホンダ)、これに能塚が続き、2人は先行したが、熾烈なバトルが展開されたのが3位争いだ。

まず渡辺は、7番手から追い上げを強いられるが前半で着実にポジションアップ。5周目に6番手、7周目に5番手とし、前方の成田亮(ホンダ)、チームメイトの富田の背後につくと、ここから3台で接近戦を展開。450マシンでの初レースとは思えないアグレッシブな走りで、長年450を戦ってきた2人をかわして3番手に浮上。さらにクリアラップとなったことで、トップ2に遜色ないペースで後方を引き離していった。その後は2番手の能塚にこそアタックできなかったが、単独走行を続けフィニッシュ。IA1初レースで3位表彰台を獲得した。

富田は、渡辺とともに成田の後方につけて3位争いを展開。一時は3番手につけたものの渡辺に先行を許して4番手。さらに三つ巴のバトルを展開中に、後方からYZ450Fを駆る星野優位らライバルが接近。同時に富田も安定したペースを刻めず後方集団に飲み込まれラスト2周となったところで8番手まで順位を落とすが、ラストラップに挽回し6位でフィニッシュとなった。優勝は山本、2位には能塚が入った。

ヒート2:渡辺が2ヒート連続表彰台となる2位、富田は4位に入賞

ヒート2は、渡辺が好スタートから1周目を2番手。その後3番手に順位を落としたが、トップの山本、これに続く成田の後方でレースを進めた。序盤はトップ2が激しいバトルを展開していたこともあり、その背後から接近して6周目に成田をかわして2番手に浮上する。

ここから山本に肉薄。均衡した状況が続いたが、この間に背後から小方誠(カワサキ)が接近。再び3人でのバトルとなるが、3人がミスなく確実に走ることで僅差のまま最終ラップへ。そこで渡辺は最後まで山本にアッタクできず、一方で小方のアタックは封じ込め、ヒート1に続き2ヒート連続の表彰台となる2位でフィニッシュした。

1周目を6番手で終えた富田は序盤から積極的に攻めて3周目には渡辺の後方4番手に浮上する。ここで後方の小方とバトルを展開しこれにかわされて5番手に後退したが、成田の転倒により再び4番手に浮上。この後、ペースを上げていったが、山本、渡辺、小方のトップグループからは距離があったため4番手で単独走行を続け、そのままの順位でチェッカーを受けた。

総合では、3/2位の渡辺が総合2位、富田選手が総合5位となった。

IA2

ヒート1:川上が自身初となる3位表彰台、IA2初レースの中島は8位

2020年、若手育成の担うユースチームのYAMALUBE RACING TEAMは昨年からチームを一新。2019年のIBOPENのチャンピオンである国際A級ルーキーの#01中島漱也を新たに迎え、YAMALUBE RACING TEAM with レーシングチーム鷹として参戦。またアドバイザーには、元ヤマハファクトリーライダーである三原拓也が就任。現ファクトリーライダーの渡辺や、昨年の大倉由揮、鳥谷部晃太に続く、トップライダー候補への成長を目指し参戦する。

ヒート1、ホールショットはYZ250Fを駆る#41浅井亮太が奪うが、1周目に内田篤基(スズキ)にかわされ順位を落とすも2番手で1周目をクリア。またYZユーザーは、5番手に#40川上龍司、7番手に#31大倉由揮、IAデビューレースの中島は8番手で1周目を終える。

中島は序盤のバトルで順位を上下させる状況が数周にわたり続いたが、中盤にはベテランの勝谷武史(カワサキ)と9・10番手でバトルを展開。最終的には離されたものの、これで後方に大きなアドバンテージをつくると、10番手をキープし終盤に二つ順位を上げてスタートと同じ8位。デビューレースでの入賞は逃したものの、国際A級初レースでシングルフィニッシュを達成した。

浅井は序盤トップの内田に数秒遅れでピッタリとマークし2番手をキープ。川上はその浅井をターゲットに3番手。大倉は出遅れてたものの、自力を見せて4番手まで浮上し川上を追撃したが転倒してリタイアとなる。後半に入ると浅井に川上と小川孝平(カワサキ)が接近。3人でのバトルとなるが、この勝負を制したのが小川。そして浅井 vs 川上は、川上に軍配が上がり、IA2では初となる3位表彰台を獲得した。

ヒート2:大倉が2位表彰台、転倒した中島は20位

ヒート2、またしてもホールショットを奪ったのは浅井だったが、オープニングラップに順位を落とし、1周目を終えて3番手、大倉は5番手、中島は大きく出遅れ1周目を19番手とした。

中島はその後16番手までポジションを上げるが、5周目に転倒を喫して27番手までポジションを落としてしまう。それでも懸命に追い上げ中盤に入ると着実に順位をあげ最後は20位でフィニッシュし、1ポイントを獲得した。

ヒート1でリタイアとなった大倉は、序盤で4番手として3番手の内田を追う展開。中盤まで差が縮まらない状態が続いたが、内田がエンスト。これで2番手に浮上した大倉だったが、トップの横山との差が大きく逆転こそ難しかったが、最後まで2番手をしっかりキープして2位表彰台を獲得した。また、ヒート1で3位に入った川上が5位。浅井が6位入賞を果たした。

両ヒートでの総合成績は川上がヤマハ勢トップの3位、浅井が6位、大倉が8位、中島は16位だった。

レディース:本田が連覇に向け2位発進

2019年、念願のチャンピオンを獲得した#1本田七海(TEAM KOH-Z)が、今年もレディースクラスのヤマハトップライダーとして参戦。IA、IBOPENに比べ大きく少ない4大会・4レースという超短期決戦の中で、レディースではヤマハ初となる連覇を目指す。

シーズンの4分の1となる開幕戦の決勝は、本田の完璧なホールショットでスタート。ところが、1周目にライバルの川井麻央(ホンダ)にかわされ2番手に後退する。トップ争いは川井、本田の2人に絞られたが、序盤は互いのペースが拮抗し付かず離れずの状態が続いた。しかし後半に入ると川井のペースが本田を上回り徐々にその差が拡大、本田は2位でフィニッシュした。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEA
渡辺祐介選手談(IA1:3位/2位:総合2位)

「ヒート1は450で初レースでしたが、比較的リラックできていたし、実際にスタートも悪くありませんでした。でも1周目にライバルとの接触でエンストして1周目は7番手。前にいたのが速い人ばかりだったので、簡単ではないと思っていましたが、パスに時間がかかってしまい3番手になる頃にはトップ2に大きく離されてしましました。地元で勝利を狙っていたので3位は最低限の順位です。ヒート2は1周目が5番手あたりでしたが、序盤にペースを上げて3番手まで挽回。そのあとは、トップ2のバトルが激しかったのですが、山本選手に逃げられないようプッシュして2番手に上がりました。そこからはスピードも負けていなかったので、ミスを誘う走りをしましたがなかなか崩れず、後半は山本選手もミスがあったと思いますが、僕自身も限界で並ぶのが精一杯。力不足ですね。次回は15分×3ヒートというスプリントです。今回は前半のミスが多かったので、そこを改善し、次はリベンジを果たします」

富田俊樹選手談(IA1:6位/4位:総合5位)

「コロナの影響でレース数が少なく、ファクトリーチームのライダーとして周りの期待も大きいこともあり、"勝たないといけない"と力みすぎていました。特にヒート1、スタートで遅れ、山本選手や能塚選手が先行していく姿を見た時に悪いスイッチが入ってしまった感じです。ヒート2は、小方選手とのバトルになった時に、レースの残り時間を考えるなど、冷静になりすぎてしまいプッシュし切れずに離されしました。中盤以降は速いペースで走れたのですが、上位との差は縮まらず4位にとどまりました。次戦では気持ちにメリハリが必要だし、普段の走りがまったくできていなかったので、普段の走りをすることが重要です。それができなければ勝負にならないので、まずは自分らしい走りができるように意識して、次こそは勝利を目指します」

増田智義監督談

「監督として、チームづくりやライダーのモチベーションキープなど、最低限のことはできたと思います。結果には満足はしていませんが、まずまずのスタートを切れたと思います。渡辺選手は、AMAやIA2でのタイトル獲得などの経験はあるものの、ヒート1はIA1で初レース。不安などを抱えながら、後半にトップと同等のペースで追い上げての3位だったので、良い方向へむかうきっかけになったと思います。実際、ヒート2は足りないもの継ぎ足して改善し2位。これこそトップライダーですが、次は今を超えて、常にトップ争いをして欲しいと思います。富田選手は環境が大きく変化して今大会に臨こととなりました。我々のサポートも十分ではなかったと思いますが、やはり思うような走りができていない状況でした。それでもヒート2は前を捉えた中での4位。スピードなどライバルたちに劣っていないことも確認できたと思うので、今後はトップ争いに絡んだレースができると感じています。次回はスタッフも強いチームであることを明確に示せるように、全力で戦いますので、引き続き応援をよろしくお願いします」

YAMALUBE RACING TEAM with レーシングチーム鷹
中島漱也選手談(IA2:8位/20位:総合16位)

「初のIAクラスでしたが、みんな技術が高いことからすべてが難しいと感じました。予想はしていたことですが、実際にレースを走ってみると足りないことだらけでした。その中でもヒート1は、スタートも決まらず、抜かれることも多く実力差を痛感することが多かったのですが、目標だったシングルフィニッシュとなる8位を獲得でき、速いライダーとバトルもできて前向きになりました。ところがヒート2はスタートで遅れ、追い上げの中で気持ちだけが先行して転倒。以降は体力的にも厳しく、数台を抜いただけで20位。今回は自信になったことも、課題も明確になったので、次戦までの1ヵ月でできることをして、今度はスタートを決めて速いライダーに食らいついていきたいです」

村橋健太郎スーパーバイザー談

「国際A級デビュー戦、良い点と課題が明確にでたレースになりました。良かったのはヒート1。序盤の追い上げ、中盤の踏ん張りなど、これまでとは異なるレベルの中でシングルフィニッシュできたこと。一方でヒート2では課題が露出しました。スタートで出遅れ、さらにミスを重ねたことです。ミスが一つであればリカバリーもできますが、ミスを続けるとそれができなくなるからです。次のレースまで1ヵ月の時間があるので、良い点を伸ばし、悪い点を改善していかねばなりません。そして次はどんな形であれ、両ヒートをまとめることを目標に臨みます」

藤原タイヤセンター
川上龍司選手談(IA2:3位/5位:総合3位)

「シーズン開幕が延期したこともあり、追い込み続けることはできませんでした。それでも全日本に向けてSUGOで練習しギリギリで準備が整ったこともあり自信を持って臨むことができました。特にスタートの練習に集中し自信になっていたのですが、それがすべてにおいて良い方向に働いていたし、結果も3/5位とまとめることができて、さらに自信を持って次回に臨めると思います。もちろん第2戦もスタートが重要でスタートが決まれば、もう一度表彰台にも立てると思います。今年はヤマハでトップになることが第一の目標。それには表彰台も勝利も必要だと思うので、これからもとどまることなく前進します」

bLU cRU TEAM KOH-Z
大倉由揮選手談(IA2:DNF/2位:総合8位)

「ヒート1は、スタートで出遅れて追い上げの展開でした。一時は4番手まで挽回したのですが、そこからのペースが上がらずミスで転倒。さらに挽回して6番手となり、前が見えていたのでプッシュしたところ再び転倒しマシンが破損してリタイアとなりました。こうした状況もあり、残りは全部勝つという意識でヒート2に臨みましたが、またスタートが決まらず追い上げの展開になりました。トップ3人に離されたのですが、後半は自分の走りができて、内田選手をかわしさらに勝谷選手がストップしていたため2番手となりましたが、横山選手とは大きく離されていたため届きませんでした。実力的にもまだまだだし、特にスタートが課題でありこれを改善していかなければ、今後も厳しいと思います。次まで時間もあるので、もう一度徹底的に練習して臨みます」

bLU cRU TEAM KOH-Z
本田七海選手談(レディース:2位)

「予選のスタートが悪く追い上げの展開になってしまったので、決勝はスタートを重視していました。その決勝はホールショットを取れたのですが、後ろが気になってしました。それも昨年は、練習、予選と周りと違うタイムを出せたり自信を持って決勝に臨んでいましたが、今回は不安材料を持ったまま決勝に臨むことになったからです。レースではすぐに2番手となり、そこから様子を見てという作戦でしたが、様子を見る時間もないまま離されました。川井選手はこれで波に乗るかもしれませんが、私はこの悔しさをバネして次回は勝ちたいと思います」

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