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世界耐久選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど世界耐久選手権に関する情報をお届けします。

Rd.01 4月20-21日 フランス

RACE DATA

■開催日:2024年4月20-21日
■大会名称:世界耐久選手権 第1戦ル・マン24時間耐久レース
■開催地:フランス/ブガッティ・サーキット(4.185 km)

REPORT

YART、連覇に向け開幕戦で3位表彰台を獲得

FIM世界耐久選手権の2024シーズン初戦となるル・マン24時間耐久レースで、Yamalube YART Yamaha EWC Official Team(YART)のN・カネパ、M・フリッツ、K・ハニカが素晴らしいスピードを見せて健闘し、24時間のほとんどの時間帯でトップをキープしたが、最終的には3位、連覇に向けて表彰台を獲得した。

ディフェンディング・チャンピオンのYARTは万全な準備を整えてシーズンに臨み、予選でカネパが1分34秒708のラップレコードを記録してポールポジションを獲得。ここで5ポイントを手中にしたほか、3名全員が他チームを上回る記録を出すなどで、より一層、自信を深めて決勝を迎えた。

第1走者のカネパは好スタートのあと4番手に後退したが、3ラップまでにトップに復帰。そのままポジションをキープして第1スティントを終え、チームメイトのフリッツにバトンを渡した。フリッツは2番手に後退して第3走者のハニカにマシンを託し、2番手のまま再びカネパに交代。2度目の走行を迎えたカネパは、ゼッケン1のR1を再びトップへと導いた。

この時点での経過時間は3時間弱。このあとも順調にリードを維持し、夜間に入り冷たい強風にさらされながらも着実にラップを重ねて、15時間経過後には後続に約5ラップのアドバンテージを築いていた。この間に8時間経過後に与えられる最大10ポイントを加算している。

ところが太陽が登る直前の16時間目、チームを不運が襲う。低温が続き、湿度が上昇するなかで路面が濡れ始めて露に覆われたような状態となり、450ラップ目を走行していたハニカがグリップレベルの変化に足を取られて転倒。さらに肩を負傷してアドバンテージを失ってしまった。

ハニカは再スタートしてマシンをピットに戻し、ピットでは18分以内にダメージを修復しようと全力で作業を行う。しかし最終的には10ラップ分ほど時間を費やし、トップから5ラップ遅れの4番手で復帰した。この間に16時間目を迎えており、YARTはピットで修復中に2位で9ポイントを加算した。またハニカの転倒は深刻ではなかったものの、肩の怪我を悪化させており再びの走行は不可能だった。

そのため残りの8時間は、デイトナ200のプラクティス中に転倒し、決して万全な状態ではなかったカネパとフリッツが交代で走行。依然として気温が十分に上がらない状態だったにもかかわらず、カネパがレース中のファステストタイムとなる1分35秒791を記録するなど気を吐き、表彰台復帰を目標に果敢に攻め続けた。

そして残り5時間半を迎えてついに3番手へ浮上。ふたりは体力的にも精神的にも限界を乗り越えて最後まで懸命に走りぬき、最終的には合計825ラップ、トップから5ラップ遅れの3位でチェッカーを受けて28ポイントを加算した。獲得可能な最大ポイント、65は実現しなかったが、52ポイントを手中にしてランキング2位。ランキングトップを9ポイント差で追っている。

その他のヤマハ勢ではベルギーに本拠地を置くKM99チームがJ・ガルノニ、F・マリノ、R・ド・プニエを擁して13位に入っている。

FIM世界耐久選手権第2戦は6月7~8日、ベルギーはスパ・フランコルシャンを舞台に8時間耐久レースとして開催される。YARTは同サーキットで昨年、24時間の戦いで優勝している。

RESULT

TEAM RANKING

COMMENT

Yamalube YART Yamaha EWC Official Team(3位)

N・カネパ選手談

「ウイークを通じて好調を維持できたことを評価したいと思います。決勝だけでなくプラクティスや予選でも常にハイペースをアピールし、あらゆるコンディションでいい走りができました。もちろん、YARTのチームメイトとともに優勝することができれば最高でしたが、そうでなかったとしても最終的に多くのポイントを獲得し、ライバルたちに大きく離されなかったことが最も重要です。そして来年もう一度、ここで優勝を目指します。次のスパは私たち全員が好きなコースでR1によく合っています。私たちはすでに次の戦いに目を向けており、チャンピオンシップ争いにも意欲を燃やしています」

M・フリッツ選手談

「レース前にもしも、表彰台獲得とトップから9ポイント差のランキング2位を予言されていたとしたら、私たちはきっと十分に納得していたでしょう。EWCで最も重要なことは24時間レースを完走することで、完走すれば多くのポイントを獲得できるからです。
しかも今年は24時間レースがひとつ削減されているので、今大会をランキング2位で終えられたことには、とても大きな意味があるのです。とは言え、これまでに3度、2位に終わっていることを考えれば、何としても勝ちたいという気持ちはあったわけですが。そのほかによかった点は、あらゆるコンディションでスピードをアピールできたこと
です。そしてこれは、まだほんの始まりに過ぎません。次のチャンスを楽しみにしています」

K・ハネカ選手談

「私のミスで大きく遅れてしまったことを、何よりもまず、チームのみんなに謝らなければなりません。それまで大量リードを築いて快調に走っていただけに、あのミスは正直なところ、非常に大きな損失でした。原因は今もよくわかっていません。データを分析しなければなりませんが、いずれにしても自分自身を責めるばかりです。実際のところ、ウイークを通じて自分のパフォーマンスにはあまり満足できておらず、今後の改善のためにも、今日のことについてはしっかり解決に取り組んでいきます。最後の8時間を走りきり、マシンをゴールまで導いてくれたニッコロ(カネパ)とマービン(フリッツ)に心から感謝します。私は打ち身や擦り傷があり、肩も傷めてしまったので走行継続は不可能でした。代わりにふたりが本当に見事な仕事をしてくれました。勝つために走り、ウイーク中ずっと最速を誇っていました。このように素晴らしいチームメイトを持てたことをうれしく思います。彼らのレベルに追いつけるよう、ベストを尽くすことを約束します。そしてもう一度、チームのみんなに謝罪します。彼らには勝てるだけの力があったのです。私はもっと強くなって、次回また戻ってきます」

マンディ・カインツ(チーム・マネジャー)

「ル・マン24時間はチャレンジングな戦いですし、コンディションの難しさもあったので、ここで表彰台に上ることはどんなときでも非常に大きな価値があります。ウイークを通じて好調ペースを維持してきただけに優勝を逃したことは残念ですが、52ポイントを獲得してランキング2位にいることは依然としてポジティブに評価できると思います。カレル(ハニカ)は自分のミスに腹を立てていますが、コンディションが最悪のときに起きたことです。自分自身を責め過ぎるべきではありません。ニッコロとマービンがすぐさま対応し、ひとつのチームとして強さを維持し、弱点は何もありませんでした。私から見れば、誰もがただ素晴らしい仕事をしてくれました。ですからこの勢いを次回も続けることができれば、また必ずトップを走ることができるでしょう」

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